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やる気があるのに、どうしても仕事を覚えられない…
言われたことをすぐ忘れてしまうのは病気?
仕事が覚えられない、すぐ忘れてしまうのはどのような症状なのか医師に聞きました。発達障害との関係やセルフチェックなど詳しく解説しています。
1992年、桐蔭学園高等学校卒業。1999年、金沢医科大学卒。金沢医科大学研修医、2001年、国立小児病院小児神経科、2004年6月、獨協医科大学越谷病院小児科、2016年、児玉中央クリニック児童精神科、三愛会総合病院小児科を経て、2020年5月から現職。専門は小児神経学、児童精神科学。
やる気があって、覚える気があるのにどうしても仕事を覚えられないのは
の4つの病気・心の状態の可能性が考えられます。
ADHD(注意欠陥・多動性障害)は集中力が続かなかったり、注意が散漫になりやすかったりするのが特徴の障害です。ひとつのことに集中するのが難しかったり、どれだけ気を付けていても資料の大事な部分や会議の時間などを忘れてしまうことがあります。
認知症は「脳」の疾患。主に高齢者にみられる症状ですが、若年性認知症も存在します。認知症=記憶障害と思われがちですが、実はそれは間違い。
本来は判断力も低下し、新しいことを学習できなくなってしまう病気なので、認知症になってしまうと仕事が極端に覚えられなくなる症状につながります。
また、発達障害などでなくても、うつ病や睡眠不足、ストレス過多などで一時的に脳の機能が落ちている場合も考えられます。
睡眠不足やうつ病、強い精神的ストレスは集中力の低下、注意力の散漫につながるので、仕事のミスも起きやすくなるでしょう。
<医学的「病気」の場合>
<心理的な原因の場合>
ADHDは注意が散漫になってしまう特性があります。集中力も続かないため、しっかりと脳で理解して覚える前に忘れてしまうことがあります。
認知症は海馬という「新しい情報を短期記憶すること」が特に影響を受ける病気です。そのため、覚えたつもりでもすぐに忘れてしまっている、という状態になることがあります。
また、睡眠障害も記憶に大きく関係します。質の良い睡眠ととることで記憶がしっかりと定着し思い出しやすくなりますが、睡眠不足の状態が続くと新しい情報をすぐ忘れてしまうことにつながります。
同じく、栄養不足や代謝異常でも注意が必要。
ビタミンB12やオメガ3脂肪酸などの栄養が不足すると記憶に影響を及ぼす可能性があります。
そのほか、ストレスや抑うつ症状、不安障害など、強いストレスや不安状態は、「覚える」ことにかなり悪影響を与えます。
情報を処理できなくなったりするため、新しい情報を覚えづらくなってしまうことがあります。
ADHDの人は、集中力が続かなかったり、注意が散漫になりやすかったりするのが特徴。
仕事では長時間同じことに集中する必要がありますが、ADHDの人は集中力が続かず注意力欠けてしまうため、ミスをしやすくなることがあります。
「大事なことを忘れてしまう」のもADHDの「不注意」の典型的なミス。
大切な書類や会議の時間など、日常的に忘れてしまうことがあります。「何が大事か」を考える前に他に目の前のことに興味が移ってしまうので、「約束事」が頭から抜けやすいのです。
発達性協調運動障害とは、運動や動作を行う際に必要な脳の「協調」機能が十分に発達していないために、動きに不自然さや姿勢の乱れが生じ、日常生活に困難が伴う障害のこと。
普段私たちは、語感から入ってくる色々な情報を統合してバランスを保ち「協調」させながら動作を行っていますが、「発達協調運動障害」の人はそれがうまくできません。
それにより、複雑なことを一気に言われると脳で処理できずに覚えられなかったりすることがあります。
「仕事が覚えられない」ことが発達障害や病気だった場合、5つの病気の可能性が考えられます。
これはADHDの「不注意」や「多動性」の特徴によるもの。集中力が続かないことによって仕事を説明されてもどうしても覚えることができず、忘れてしまいます。
ADHDの人の集中力の問題は、脳の構造と機能の特性が関係しています。気分や意思の弱さなどと関係なく、どうしても特性上仕方なく集中力が続かなくて、飽きてしまうことがあることへの理解が必要です。
うつ病では心の活力を失っているため、本来なら興味がある仕事でも覚えたいという気力が湧きません。
精神疾患では高い確率で、漠然とした不安に囚われ、熟睡することも出来なくなってしまいます。それにより記憶の定着がしづらくなったり、集中力が続かなくなる原因にもなります。
そのほか、仕事の流れを覚えるのに必要な情報を記憶できなくなるため、仕事が覚えられない・すぐ忘れると感じるでしょう。
そのため、仕事上でも複雑なことは一度で覚えにくいことがあり、一見簡単に見えることでもひとつひとつ確認し、習得していくことが必要になります。
パソコンで数字を入力する、エクセルで集計するなどの簡単な仕事でも「覚えられない」と感じることがあるでしょう。
学習障害とは、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」といった学習に必要な基礎的な能力のどれかがなかなか習得できない障害のことです。情報を頭で処理して、理解するのに時間がかかるので、新しい仕事内容を覚えるのが難しいです。
仕事が覚えられず、すぐ忘れてしまう原因は発達障害が関係しているのか、ストレスによるものなのかセルフチェックをしてみましょう。
★「はい」が5個以上当てはまる場合
何かの発達障害や認知症の症状の可能性があります。専門医を受診し、詳しい検査を受けることを考えてみてください。
★が1~4個だった方は、一時的なストレスや他の心理的要因のほうが影響している可能性があります。性格上の特性や一時的なストレスが影響している可能性が高いです。高いストレスを自分でコントロール出来ない場合は、医療機関に相談しましょう。
新しいことに取り組むときに、いきなり複数のことを覚えようと思っても優先順位がつかず、結果としてすべて覚えられないことがあります。
そのため「まずはここまで覚えよう」と決め、それ以外のことは一旦考えずひとつずつ覚えていくことが大切。
そうすることで情報を記憶しやすくなります。
頭ですべて覚えようとすると、一気に容量オーバーになってしまいます。
仕事の指示や重要な情報は、メモやチェックリストに書き留めるようにしましょう。そうすることで頭の中に留めておかなくてもよくなるので、頭の容量が空き、ほかのことも覚えやすくなります。
メモの活用は「自分の頭の中で納まりきらない分をしまう場所」と考えると利用しやすくなりますよ。
休息や睡眠は決して「サボり」ではありません。記憶を定着させ、仕事のパフォーマンスを上げる大切な作業です。
特に睡眠は、記憶を自分のものとして定着させる大事な儀式。
「熟睡できたかどうか」を意識して睡眠時間を十分確保し、仕事がないときはオン・オフをはっきりさせるようにしましょう。
つい休息というとダラダラしがちですが、運動も立派な休息になります。運動により脳の血流もあがり、幸福ホルモンである「セロトニン」のレベルもあがります。
ぜひオフの日には運動も取り入れるようにしましょう。
特に精神科はうつ病やADHD、不安障害といった認知機能に影響を与える心の専門家。発達障害なのかうつ病のような精神疾患によるものなのかを見分けることができるので、仕事が覚えられないことの原因を探れます。
発達障害ではなく、ストレスなど心に関連した症状であると感じる場合は心療内科が専門なので、心療内科を受診するのもいいでしょう。
発達障害やうつ病などではなく、認知症や脳の疾患など「脳」の病気が関係していると感じる場合は「神経内科」や「脳神経外科」を受診するようにしましょう。
病院では、主に3つの流れで治療が行われます。
病院では仕事上でミスをしてしまう原因をしっかり探り、ひとりひとりに合った解決方法をみつけていくための手助けをしてくれます。
「仕事ができない」という鑑別が難しい複雑な症状の場合、通常の問診だけでなく、専門的な心理テストを行ってくれたり、病院ならではの方法できちんと診断をしてくれます。
診断を受けることできちんと病気と向き合うことができ、根本を治療していくことで逆にラクになることが多いので、困っていたらぜひ早めに病院を受診しましょう。
基本的には、医師が丁寧に問診してくれるので、医師に聞かれたことに関して素直に答えてくれれば大丈夫。
ですが、特に言葉に詰まってしまう、聞かれると何をしゃべっていいか分からなくなるという方は、
が分かると、スムーズに医師とやりとりできるでしょう。
いきなり病院に行っても話せないと不安になる方は、日ごろから仕事を忘れてしまって困ったことがあったときにメモしておくと、思い出しやすくなりますよ。
また、発達障害なのかストレスなどによる精神的な疾患なのかによって、治療も変わります。
病院では原因をしっかり特定することで、その人それぞれの症状に合ったオーダーメイドの治療を受けることができるのも大きなメリット。
医師と一緒に「治療」をしていけるので、仕事が覚えられない症状を軽くできたり、改善できたりします。
心の健康のためにも、ぜひ早めに受診をするようにしましょう。
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
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