ダイエット外来に行きたいけど、費用が気になる…。
保険は適用されるの?
ダイエット外来(肥満外来)で保険が適用される条件を、お医者さんに聞きました。
保険適用になる治療の内容や、費用目安についても解説します。
監修者
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
内科医
岡村 信良先生
経歴
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
ダイエット外来(肥満外来)保険適用の条件
- BMI「35」以上の高度肥満
- BMI「25」以上で、肥満が関係する病気(※)を患っている
- BMI「25」以上で、内臓脂肪の蓄積が見られる
(※)糖尿病・脂質異常症・高血圧・睡眠時無呼吸症候群など
上記の条件に当てはまる方は、肥満により体に問題が生じていると考えられるため、ダイエット外来で保険適用の診療が受けられます。
「BMI値の算出方法」は以下の通りです。
BMI = 体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
▼BMIが「35」以上になる人の例
身長170cm、体重105kgの人 → BMI:36.33
「初診費用」の目安
「ダイエット外来の初診費用」は、保険適用の場合、2,000〜1万円程度が一般的な目安です。
費用は医療機関により異なるため、受診前に電話などで確認しておくとよいでしょう。
また、自分が保険適用になるかわからない場合も、受診前に確認することをおすすめします。
肥満治療は、何科で相談すればいい?
保険適用での肥満治療は、「内科」で行っていることが多いです。
お近くの内科のクリニック・医院で相談してみましょう。
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保険適用になる治療の例
ダイエット外来(肥満外来)で保険適用となる治療には、
- 食事療法
- 運動療法
- 薬物療法
などがあります。
医師や管理栄養士などの専門家の指導を受けることで、肥満の改善に取り組みます。
治療方法
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治療の内容
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食事療法
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管理栄養士の指導により、食生活を改善する。
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運動療法
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個々人に合った運動方法を提案し、肥満の改善につなげる。
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薬物療法
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薬や注射により、食欲や脂肪の吸収を抑える。
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保険適用の治療① 食事療法
食事療法とは、管理栄養士の指導により食生活を改善し、肥満の改善を図る治療法です。
まず、日頃の食事の内容を確認し、改善すべきポイントを洗い出します。
それらを踏まえた上で、体重減少に向けて行動目標を立て、食生活を改善していきます。
初回は30分以上、2回目以降はだいたい20分以上の相談を行います。
保険適用の治療② 運動療法
運動療法とは、運動によってエネルギー消費量を増やし、肥満の改善を図る治療法です。
減量するためには、
などの有酸素運動が効果的です。
ダイエット外来では、これらを組み合わせた無理のない運動プログラムを提案してもらえます。
保険適用の治療③ 薬物療法
薬物療法とは、飲み薬(西洋薬・漢方薬)や注射を使って行う治療です。
- 食欲を抑制する
- 満腹感を出す
- 脂肪を吸収しづらくする
といった薬の作用によって、体重の減少を図ります。
なお、薬を使用することにより、副作用(※)が出る場合があります。
また、薬の種類によっては、依存性のリスクから服用期間に制限が設けられているものもあります。
(※)食欲不振・栄養が摂取しづらくなる・喉が渇く・便秘・嘔吐・不眠・肝機能障害など
保険適用にならない治療の例
ダイエット外来で行われる「自由診療の治療」には、
などがあります。
治療方法
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治療の内容
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脂肪吸引
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特殊な器具を用いて、皮下脂肪を物理的に取り除く。
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脂肪溶解注射
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注射により、気になる部位の脂肪細胞を溶かす。
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自由診療の治療を考えている方は「美容外科」へ
脂肪吸引や脂肪溶解注射といった保険適用外の治療は、美容外科で行われていることが多いです。
これらの治療をしっかりと検討したいときは、一度美容外科で相談してみるとよいでしょう。
自由診療の治療① 脂肪吸引
特殊な吸引器で、皮下脂肪の「脂肪細胞」を取り除く治療です。
脂肪細胞を減らすことにより、脂肪が蓄積しにくくなり、太りづらくなります。
メリット
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デメリット
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- 手術が失敗する可能性もある
- 痛みが出ることがある
- 皮膚が硬くなることがある
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費用目安
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※吸引する部位や方法、医療機関により異なります。
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自由診療の治療② 脂肪溶解注射
気になるところに注射をして、その部分の脂肪細胞を溶かす治療です。
溶かした脂肪細胞を体の外に排出させて、特定の部位を細くします。
なお、「妊娠・授乳をしている方」や「重い疾患がある方」は受けられません。
また、アレルギーがある方は、場合によっては治療を行えない可能性があります。
メリット
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- 手術もいらないため、傷が残らない
- リバウンドが少ない
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デメリット
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費用目安
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※医療機関や注射を打つ部位によって異なります。
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2022-07-08
GLP−1ダイエットでリバウンドすることってあるの?
ダイエット後も体重をキープする対策は?
GLP-1ダイエット後のリバウンドについて、お医者さんに聞きました。
体重増加を防ぐ「お腹が満たされる食事法」も詳しく解説します。
おすすめの食材・食べ方も載せているので、リバウンドを防ぎたい方は必見です。
GLP-1ダイエットはリバウンドしやすいって本当?
GLP-1ダイエットは、一般的なダイエットよりもリバウンドしにくいとされています。
GLP-1ダイエットとは、「ホルモンの働き」で食欲を抑えて食事量を減らし、無理なく痩せることを目指すダイエット法です。
過度な食事制限がないので、ストレスになりづらく、反動で食べすぎてしまうことも比較的少ないと考えられます。
ただし、GLP-1ダイエットを完全に中止すると、少しずつホルモンが元の状態に戻ります。
それに伴って食欲が戻り、ダイエット前と同じ量を食べるようになってしまうと、リバウンドにつながることもあります。
リバウンドしやすい2つのパターン
GLP-1ダイエットでリバウンドしてしまう場合、
GLP-1ダイエットを短期間で終えてしまう
運動する習慣がない
といったケースが多いです。
パターン① GLP-1ダイエットを短期間で終えてしまう
GLP-1ダイエットの期間が短いと、摂取カロリーを抑えた食生活が習慣化されづらいです。
すると、ダイエット終了後に以前の食生活に戻りやすくなり、リバウンドにつながります。
GLP-1ダイエットは、最低でも4ヶ月程度は継続するとよいとされています。
パターン② 運動する習慣がない
運動する習慣がないと、
消費カロリーが少ない
筋肉量が少なく、代謝が悪い
といった理由で、GLP-1ダイエット後にリバウンドしやすくなると考えられます。
GLP-1ダイエットをやめると、抑えられていた食欲が戻って食事量が増えてしまうことがあります。
運動する習慣がない人は消費カロリーが少ないので、食欲が戻ると体重まで増えてしまう可能性が高いです。
また、普段から運動をしないと、次第に筋肉が落ちていきます。
筋肉量が少ない人は代謝が悪くなるため、食事量の増加で脂肪が増えやすくなります。
リバウンドを防ぐ!満腹感を得られる「食事のしかた」
こんな食事を意識しよう!
よく噛んでゆっくり食べる
1日3食しっかり食べる(欠食しない)
タンパク質を欠かさず食べる
食物繊維を積極的に摂る
「副菜」→「主菜」→「主食」の順番に食べる
GLP-1ダイエット後にリバウンドするのは、食欲が戻ってしまうことが原因です。
食事で上記の点を意識すると、満腹感を得やすくなるため、食べ過ぎの予防につながります。
① よく噛んでゆっくり食べよう
食事の際は、1口20〜30回、30〜40秒程度かけてよく噛みましょう。
また、1回の食事に20〜30分以上かけ、ゆっくりと食べ進めるとよいです。
よく噛んで食べると、脳の満腹中枢が刺激されます。
適度な満足感を得られるので、食べすぎの予防につながります。
また、食事を開始してから20〜30分経つと、「レプチン」というホルモンの働きで自然に食欲が抑えられていくと言われています。
そのため、早食いをせずに、ゆっくりと時間をかけて食べることが大切です。
② 1日3食しっかりとろう(欠食しない)
1日3食しっかりとりましょう。
脂肪の蓄積を防ぐには、
食事と食事の間を空けすぎない
間食を食べ過ぎない
といったことが重要です。
欠食して食事と食事の間隔が長くなると、空腹感が強くなります。
その結果、間食が増えたり、次の食事で食べ過ぎたりして、リバウンドしやすくなります。
また、空腹状態で糖質をたくさん食べると、「血糖値の急上昇」によって脂肪が蓄積されやすくなります。
これらの悪循環を避けるためにも、1日3食欠かさず食事をとるようにしましょう。
③ 「タンパク質」を欠かさず食べよう
肉・魚・卵などの「タンパク質」を、しっかりと摂取しましょう。
タンパク質は消化に時間がかかるため、腹持ちします。
タンパク質を毎食摂るようにすると、食間の空腹感を抑えられ、間食や次の食事のボリュームアップを防げます。
また、タンパク質の摂取は「筋肉量の維持・増加」の効果もあります。
脂肪の燃焼を促すには筋肉が大切なので、しっかりと食べるようにしましょう。
④ 「食物繊維」を積極的に摂ろう
食物繊維を豊富に含む食材例
野菜(キャベツ・白菜)
海藻
きのこ類
豆類
大麦
雑穀
食物繊維を含む食材は、よく噛んで食べるものが多いです。
そのため、少量でも満腹感を得られ、食べすぎの予防につながります。
また、食物繊維には、糖質・脂質の吸収をゆるやかにする効果もあります。
脂肪の蓄積を抑えるためにも、上記の食材を使った料理をメニューに入れるようにしましょう。
⑤ 「副菜」→「主菜」→「主食」の順番で食べよう
食事の際は、
副菜(野菜・きのこ類・海藻)
主菜(肉・魚・卵)
主食(ご飯・パン・麺類)
の順番で食べ進めましょう。
食物繊維・タンパク質を先に食べることで、満腹感を得られやすくなり、食べすぎ予防につながります。
また、上記の順番で食べると、糖質や脂質の吸収がゆるやかになるので、脂肪が蓄積されにくくなります。
GLP-1ダイエット後のリバウンド予防には、「食べ過ぎない食事のとり方」が大切です。
「また太ってしまわないか心配」という方は、上記で紹介した食事方法を実践してみましょう。
▼参考
ノボ ノルディスク ファーマ株式会社 Press release
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。