「こむら返りは病気が原因?」
「肝硬変のサイン?」
こむら返りと肝臓疾患の関係をお医者さんに聞きました。
何科を受診すればいいのかも解説します。
監修者
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
内科医
岡村 信良先生
経歴
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
あまり心配しなくてもよい「こむら返り」の特徴
- 激しい運動をした後にこむら返りが起きた
- 他に体調不良が現れていない
- 寒い環境にいた
といった場合には、心配いらないケースが多いです。
この場合、激しい運動をした後は、筋肉の疲労によって、多くの汗をかいてミネラル分が体外に出てしまうため、こむら返りが起きやすくなります。
また、寒い環境で足が冷えていると、血行不良によるこむら返りがよく起こります。
こむら返りは「病気のサイン」かも?
特に理由がないのにこむら返りが頻繁に起きる場合は、何らかの病気が考えられます。
特に注意したい病気のひとつに、「肝臓の病気」があります。
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれており、異常があっても自覚症状がでにくいのが特徴です。
不調に気づきにくいため、こむら返りの他に症状がない場合も油断は禁物です。
「肝臓の病気」に注意!
こむら返りが多い場合、「肝硬変」になっているの可能性もあります。
肝臓の機能が低下すると、こむら返りが発生しやすくなるためです。
こむら返りの原因の一つに、アミノ酸の代謝異常があります。
肝臓の機能が低下すると、さまざまなアミノ酸の代謝異常が起こるのです。そのため、肝臓病との関係性が高いと考えられています。
こんな症状がでていたら…要注意!
- 黄疸がでる(白目が黄色いなど)
- 手が赤くなる
- 紅茶色の尿が出る
- 血が止まりにくい
- 全身がかゆい
- 足がむくむ
- だるい、疲れやすい
- 慢性的な熱がある
上記の症状がある場合は、すでに肝臓病が進行している恐れがあります。
ただし、他に自覚症状がなくても、肝臓病の可能性もあります。
症状が出ないから放置するのではなく、定期的に健康診断を受け、肝臓の状態をチェックしておきましょう
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肝臓病になりやすい人
- 食生活が乱れている人
- 太っている人
- たくさんお酒を飲む人
- 血糖値が高い人
は肝臓病の発症リスクが高いです。
食生活の乱れと肥満は、脂肪肝の原因となるため、肝臓病を招きやすくなります。
また、過度の飲酒が習慣の方も要注意です。
お酒を摂取するとアルコールを無毒化するために、肝臓が一生懸命に働かなくてはなりません。
お酒を飲めば飲むほど肝臓に負担をかけてしまうため、肝硬変などの病気の原因となります。
さらに飲酒は肥満も招きます。
肥満による脂肪肝にアルコールによる負担が加わると、肝臓病の発症リスクを更に上昇させてしまいます。
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2023-02-28
脂肪肝ってどんな状態?
自覚症状はある?
脂肪肝について、分かりやすくまとめました。
脂肪肝の人に「おすすめの食べ物」や「控えた方が良い食べ物」もご紹介するので、肝臓の数値に不安がある人は必読です。
脂肪肝とは
脂肪肝とは、肝臓に脂肪が多く蓄積されている状態のことをいいます。
肝臓には、肝細胞の中に脂肪を蓄えて、エネルギー源として利用する機能があります。
しかし、脂肪の量が多くなりすぎると、脂肪が消費しきれずどんどん蓄積されて、脂肪肝になります。
検査でどれくらいの数値が出ると脂肪肝?
ASTとALTは、人間ドック学会の基準によると、30IU/L以下が基準値で、
31~50 IU/L → 「要注意」
51 IU/L以上 → 「脂肪肝の可能性大」
100 IU/L以上 → 「肝炎の疑いあり」
と考えられています。
脂肪肝の症状
脂肪肝はほとんど自覚症状がありません。
人によっては、
疲れやすい
全身の倦怠感がある
お腹が張った感じがする
といった症状が現れるケースもあります。
脂肪肝の原因
文字通り、脂肪を多く含む食事の食べ過ぎが主な原因です。
欧米型の高脂肪な食事が増えてきたことで、脂肪肝の発症率も上昇しています。
その他、
暴飲暴食
過度の飲酒
運動不足
肥満
無理なダイエット
などの原因が挙げられます。
脂肪肝になりやすい人の特徴
肥満傾向
糖尿病・高血圧・脂質異常症を患っている
つい食べ過ぎてしまう
運動不足
お酒をよく飲む
脂肪肝の改善にいい食べ物は?
脂肪肝を改善するには、栄養価が高く低エネルギーな「野菜」「キノコ類」「海藻類」を積極的に食べましょう。
肝臓で栄養を代謝するとき、ビタミンやミネラルが必要となります。
野菜・キノコ類・海藻類には、これらの栄養素が豊富に含まれています。
脂肪肝の人が食べてはいけないものは?
脂肪肝になったからといって、食べてはいけないものはありません。
ただし、
糖質を多く含むもの(ごはん・ジュース・お菓子・果物)
脂質を多く含むもの(揚げ物・お肉)
お酒
はできるだけ控えましょう。
▼摂取量の目安
糖質を多く含むもの
ごはんは1食につきお茶碗1杯程度
(ごはんなどの穀類に含まれる糖質は、肝臓への影響が比較的少ない)
間食は1日200kcalまで
脂身を多く含むもの
週に1〜2回程度まで
お酒
できるだけ禁酒する
我慢できないときは、成人男性の場合、1日に純アルコール20g程度※までとしましょう。女性はさらに少ない量にしましょう。
週2日は休肝日を設けてください。
※1日に純アルコール20g程度の例
ビール・発泡酒:ロング缶1本
酎ハイ:350ml缶1本
日本酒:1合
ウイスキー:シングル2杯
ワイングラス:2杯弱
早く治すために!食事以外で心がける2つのポイント
肝機能の低下が気になるときは、
1日6~7時間の質のよい睡眠をとる
1日30分程度の有酸素運動をする
といった生活習慣を意識しましょう。
肝臓の負担を減らすには、十分な睡眠時間を確保することが大切です。
運動により消費エネルギー量が増加すると、脂肪肝の予防につながります。
脂肪肝を放置するとどうなる?
脂肪肝が悪化すると、「肝炎」や「肝硬変」を引き起こすリスクがあります。
また、肝硬変から肝がんに進行すると命に関わります。
肝臓は沈黙の臓器と呼ばれており、無症状で病気が進行することが多く、放置は危険です。
脂肪肝を疑う場合は、早めにお近くの内科・消化器内科を受診しましょう。
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肝機能を改善させるために何ができる?
規則正しい生活と、バランスの良い食事を心がけてください。
肝臓病には、生活習慣が大きく関係しています。
特に塩分や脂質を多く含む食事は、脂肪肝を引き起こしやすいので控えましょう。
また、日頃からお酒をたくさん飲む方は、しばらく禁酒することをおすすめします。
控えるべき食事の例
- 揚げ物
- クリームたっぷりのケーキ
- 脂身の多い肉(ばら肉など)
- 塩分の多い加工食品(ベーコン・ウィンナー・ちくわ等)
- インスタント食品
- アルコール全般 など
1日3食、
- 主食(ごはん・パンなど)
- 主菜(魚・大豆食品・卵料理・脂身の少ない肉など)
- 副菜(野菜・海藻・キノコなと)
をバランスよく摂取しましょう。
病院は何科に行けばいい?
肝臓の病気が疑われる方は、内科・消化器内科を受診しましょう。
肝臓に炎症が起きている場合、そのまま放置しておくと肝硬変になるリスクがあります。
肝硬変は肝がんに進行するケースがあり、命に関わる病気です。
早めに受診し、初期段階で治療を開始すると、病気の重症化を予防できます。
お医者さんになんて伝えたらいい?
頻繁にこむら返りが起こるので、肝臓病を疑っています。
先生にはどう伝えたら良いですか?
- こむら返りがどんなときに起こりやすいか
- こむら返りの他に何か症状はあるか
- 病歴
などを伝えましょう。
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病院ではどんな治療を受けるの?
飲酒や服薬歴、家族の病歴などの問診に加え、血液検査や必要に応じてCTやMRI、エコーなどを行います。比較的、痛みは少ないです。
肝臓病には種類がたくさんありますので、薬物療法、食事療法それぞれで治療が異なります。
例として
A型肝炎:特効薬はないので対処療法
B型肝炎:インターフェロン治療や核酸アナログ製剤
C型肝炎:インターフェロンフリー抗ウイルス治療
などがあります。
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。