「生理前なのに、茶色い血が出た…」
「まさか…病気のサイン?」
生理ではないのに茶色い不正出血があった場合、「何が原因なの?」と医師に聞きました。
病院へ行くべきケースもあるので要注意です。
監修者
経歴
日本産婦人科学会専門医
2013年 東京大学医学部医学科卒業
巷には情報があふれ、正しい情報の選択はますます困難になっています。何を信じればいいか、不安でたまらない人の助けに少しでもなれれば幸いです。
私…大丈夫?病院行くべき?
茶色い不正出血があって心配です。
これは…どれくらい続いたら病院に行くべきでしょうか?
ストレスやホルモンバランスの影響で、一時的に茶色い不正出血がでることがあります。ただし、
- 10~14日以上不正出血が続く
- 毎月のように出血を繰り返す
- 生理周期でもないのに、生理のような出血
- 夜用ナプキンでもおさまらない出血
- 更年期や閉経後の不正出血
というケースは、婦人科を受診しましょう。
出血がおさまらない場合、子宮頸管炎や子宮頚管ポリープ、子宮内膜炎、子宮内膜症などが原因になっている場合があります。(後述)
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子宮内膜症ってどんな病気?
よくある初期症状は?
子宮内膜症についてわかりやすく解説します。
病院へ行く目安も紹介するので、心当たりのある症状がないかチェックしましょう。
子宮内膜症ってどんな病気?
子宮内膜症とは、子宮の内側を覆う膜(子宮内膜)が、子宮以外の部分で増えてしまう病気です。
通常であれば、子宮内膜は生理のたびに体の外へ排出されます。
しかし、子宮内膜症になっていると、これらが卵管を通ってお腹の中にばらまかれてしまい「出血」「炎症」「他の組織への癒着」などが起こります。
子宮内膜症の症状チェック
腹痛
腰痛
重い生理痛のような痛み
生理の出血量が多い
不正出血
性交痛
不妊
次第に出血量が多くなる傾向があり、ナプキンの交換が何度も必要になるケースもあります。
特に起こりやすい初期症状は?
子宮内膜症の初期症状として、生理痛(下腹部痛)がみられます。
初期は、生理痛以外に特に症状はみられません。ただし、徐々に生理痛が強くなることが多いです。
症状が進行すると、痛みは月経時だけではなく、月経前後や月経時以外にも起こる場合があります。
子宮内膜症にかかりやすい人の特徴
20~40歳代の女性(月経がある女性)
初潮が早かった人
母親や姉妹が子宮内膜症になった経験がある(遺伝的要因)
妊娠・出産の経験がない(もしくは少ない)
帝王切開を経験したことがある
子宮内膜症になる原因は?
子宮内膜症の原因は、はっきりと分かっていません。
ただし、生理の血がお腹で逆流する現象が影響していると考えられています。
病院には行くべき?
子宮内膜症は、早めの治療が必要です。
症状に心当たりがある場合は、「婦人科」または「産婦人科」を受診しましょう。
治療を行うことで、子宮の機能が改善し、生理時の痛みや出血の正常化を目指せます。
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放置するとどうなる?
放置していると、臓器と子宮内膜が癒着を起こします。
また、生理のたびに大量に出血をするようになり、痛みや出血で通常の生活を送れなくなる人もいます。
進行すると、生理時以外も腹痛を感じるようになります。
妊娠が望めなくなったり、排便痛・性交痛・腰の痛みなどが慢性化したりするリスクも高まります。
どんな検査を受けるの?
はじめに「問診」を行い、どのような症状があらわれているのか確認します。
その後、「内診」を行い、子宮や卵巣などの状態を確認します。
必要に応じて、
直腸診
超音波検査
MRI
血液検査
腹腔鏡検査
などを行います。
内診や検査があるため、脱ぎ着がしやすい服装がおすすめです。
できれば、パンツよりもスカートの方がよいでしょう。
なお、生理中にはできない検査もあるため、できれば生理期間を避けるとよいでしょう。
子宮内膜症の治療法は?
薬を飲む「薬物療法」と「手術療法」があります。
治療方法は、症状・重症度・年齢・妊娠の希望などに応じて決めます。
治療法① 薬物療法
まずは、痛みを和らげるために鎮痛剤を飲みます。
鎮痛剤で効果があらわれない場合は「低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬」「低用量ピル」などのホルモン量の少ないピルを使用します。
女性ホルモンの分泌を抑え、症状を緩和させる作用がある「GnRHアゴニスト(偽閉経療法)」や「黄体ホルモン剤」などを投与するケースもあります。
治療法➁ 手術療法
チョコレート嚢胞(※)と呼ばれる卵巣の内膜症性嚢胞がある場合は、手術を検討します。
妊娠を望んでいるケースは、病気の部分のみを切り取り、卵巣や子宮の正常な部分は残します。
一方、妊娠を望まないケースでは、病気の部分の摘出だけでなく、子宮や卵巣、卵管などを摘出する手術を行うこともあります。
※チョコレート嚢胞とは
卵巣の内部に子宮内膜が増殖し、出血した血液が卵巣にたまってチョコレートのような状態になることを言います。
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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
茶色い不正出血の「よくある8つの原因」
❶生理が早めにきた
生理周期は、いつも順調な人でも1週間程度ずれることがあります。
生理周期が短かった場合は、血が茶色くなることがあります。(子宮内膜が厚くなる前に生理が起きて出血量が少なく、排出まで時間がかかるため)
❷生理前の出血
子宮内膜は、生理前から少しずつ剥離を始めています。
そのため、生理開始時の経血は、少量で茶色っぽい色をしている場合があります。その後、通常の生理のような出血になれば問題ないと考えられています。
❸生理後の出血
子宮や腟の中に長時間残存していた経血が酸化したことで茶色に変化して排泄されたと考えられます。
❹中間期出血
生理と生理の間(排卵期)に、一時的にホルモン分泌が変わる(エストロゲンの分泌量が一時的に減少する)ことで不正出血がみられる場合があります。
❺ホルモン異常による機能性出血
このうち、ホルモンバランスの異常(エストロゲンがプロゲステロンに比べて多くなる)状態になると、不安定な状態の子宮内膜から出血することがあります。
このホルモンバランスの異常は、精神的・肉体的ストレスによって生じることもあれば、病気によるエストロゲンの過剰分泌のケースもあります。
❻妊娠による出血
茶色の不正出血がみられる場合、妊娠している可能性があります。
受精が行われて無事着床した際や(着床出血)、通常の妊娠経過でも不正出血が起こる場合があります。
ただし、妊娠中に一度でも出血が大量でお腹の痛みを伴うときは、流産の可能性があるため、気になる症状がある場合は医療機関に連絡・受診してください。その後は医師の指示に従い、3日ほど症状が続く場合は再度受診しましょう。
❼ピルの服用
初めてピルを使用する際、不正出血が起こる場合があります。
ピルに含有されている女性ホルモンの量は少ないため、通常のホルモンバランスが崩れて不正出血がみられるケースがあります。ピルの服用による出血は、2~3ヶ月続ければおさまる場合がほとんどです。
ピルは様々な種類があり、人によって合う薬・合わない薬があります。不正出血などで困った場合は、まず医師に相談してみましょう。
❽更年期・閉経
更年期は女性ホルモンのバランスが崩れやすいため、不正出血が起こる場合があります。
また、閉経すると女性ホルモンの分泌が減るため、性器の萎縮が生じやすくなります。すると、腟粘膜も萎縮し、乾燥して弾力性が消失します。
その結果、ごく小さいひび割れが生じて出血する場合があります。(萎縮性腟炎)
更年期や閉経後の不正出血は、子宮体がん、腟がん等の恐れもあるため一度医療機関を受診して検査を受けましょう。
こんな症状は病院へ!
「病院に行くべき」といえる、特に注意すべき症状は次の通りです。
- 貧血を伴う
- 不正出血を繰り返す
- 不正出血が続く
- 出血量が多い
- 腹部が膨れてきた
- 激しい腹痛
- 顔色が悪い
- めまいや立ちくらみが起きる
- 意識が朦朧とする
- 妊娠中もしくは妊娠の可能性がある
病院ではどんなことを聞かれる?
医師からはこんなことをよく質問されます。
- 生理開始日と終了日
- 月経周期について
- 自覚症状の有無
- 基礎体温を記録しているか
- 出血が起きている部分の症状
- ホルモン剤等の薬を使用中か
- 出血を伴う疾患(持病)の有無
- 妊娠中かどうか
- 性行為経験の有無
また、生理中では検査ができないものもあるので、生理が終わってから受診するのがよいでしょう。
「婦人科系の病気」が原因のケースも…
茶色い不正出血がでることがある、婦人科系の病気について解説します。
自覚症状がないケースも多いので、注意が必要です。
子宮筋腫
出血量が増える、不正出血(茶色)、腹部に腫瘤を触れる、腹部膨満感、貧血による倦怠感等の症状が起こる場合があります。
子宮頚管ポリープ
子宮の出口にできるものです。
茶色の不正出血が出る、出血量が増える等の症状がみられる場合があります。
子宮内膜増殖症
ホルモンバランスの乱れが続き、子宮内膜が過剰に増殖した状態です。
良性のことが多いですが、将来癌になりやすいタイプもあります。不正出血を伴うケースが多いです。
子宮頸がん
子宮の出口に生じるがんで、最初はちょっとしたおりものの変化くらいで、初期症状はほぼないケースが多いです。
症状が悪化すると、不正出血・性交後の出血・悪臭を伴うおりもの等の症状が現れます。よほど進行しない限り、痛みが出ることは少ないです。
子宮体がん
初期段階から不正出血がみられます。
おりものの増加、おりものに血や膿が混ざっている、悪臭を伴うおりもの等の症状が現れます。
子宮頸がんと同じく、よほど進行しない限り痛みが出ることは少ないです。
何の症状も出ない場合もあるため、「本来の生理周期と異なるタイミングで生理がある」「生理後も茶色の不正出血が続く」等の場合は、医療機関を受診してください。
卵巣嚢腫(良性)
腫瘍が小さい初期段階では、ほぼ症状がありません。
腫瘍が大きくなってくると臓器を圧迫するため、腹部膨満感、腰痛等の症状が現れます。
また、水っぽいおりもの(量も増えてくる)やホルモンを分泌するタイプの腫瘍では不正出血がみられる場合もあります。
婦人科系疾患には自覚症状がないケースもあるので、定期的に検査を受けることをおすすめします。
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なぜ?低用量ピルの服用中に不正出血が…。
最近ストレスがたまっていたけど、そのせい?
考えられる原因をお医者さんに聞きました。
病気が疑われる要注意の症状や、病院を受診する目安も解説します。
ピル服用中に不正出血が…原因はストレス?
ピルの服用中に不正出血がありました。原因はストレスでしょうか?
不正出血は、ストレスが原因となることがあります。
ただし、これはピルの服用中に限った話ではありません。
また、特にストレスがなくても、ピルの服用が原因で不正出血が起こるケースもあります。
どちらが不正出血の原因なのか判断することは難しいですが、いずれのケースでも「ホルモンバランスの乱れ」によって出血すると考えられます。
過度のストレスや長期的なストレスは、ホルモンバランスを乱します。
過度または長期的なストレスにさらされている場合には、こまめにストレスを発散して、体にかかる負担を軽減しましょう。
また、ピルには女性ホルモンが含まれているため、服用することでホルモンバランスに変化が生じます。この場合、出血が少量であれば、さほど心配いらないでしょう。
避妊効果も継続されていますし、ピルの服用を中断する必要もありません。
ピルの長期服用で不正出血が起こるって本当?
ピルを長期服用している場合にも、不正出血が起こることはあります。
ピルはホルモンのバランスを無理に変えているので、そのバランスに影響した際に不正出血を起こすことがあります。
このような出血は、長期的に使用している場合でも、しばしば起こります。
ただし、ピルの服用期間が長くなるほど不正出血が起こりやすくなるというわけではありません。
ピルを飲み始めてしばらくしてから、出血が起こるケースもあります。
ピル服用中の出血、体に悪影響はある?
低用量ピルの服用により不正出血が起こったとしても、通常、体に悪影響はありません。
ただし、「出血の量」と「出血が続く期間」には注意が必要です。
低用量ピルの服用による出血は、
おりものに血が少量混じる
茶色っぽい色の出血が少しある
出血が数日続く
程度です。
上記よりも「出血が多い」「出血が2週間程度続いている」場合は、病気などの別の原因が疑われます。
放置しないで、必ずかかりつけ医に相談しましょう。
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不正出血で考えられる3つの病気
出血の量が多かったり、出血が長引いたりする場合は、下記の病気が隠れている可能性があります。
ポリープ(良性のできもの)
子宮頸ガン
子宮体ガン
いずれもピルの服用とは関係なく発症する病気です。
それぞれ、よくある症状を紹介するので、当てはまるものがないか確認してみましょう。
病気① ポリープ(良性のできもの)
子宮にできる良性のできものです。
「子宮頸管」にできると、出血を起こす場合が多いです。
通常は問題ありませんが、まれにガン化することがあります。
「ポリープ」ができた場合の主な症状
不正出血
性行為での出血
※通常は無症状。
発症の原因は?
女性ホルモンの影響で、子宮内細胞が一部増殖して発症します。
初潮が始まった女性であれば、誰でも発症の可能性があります。
病気➁ 子宮頸ガン
子宮頸ガンとは、子宮の先端にある「頸部」という部分にできるガンです。
ウイルス感染後に長時間かけて細胞がガン化することにより、発症します。
進行すると、子宮を取り除く手術が必要になる場合があります。
また、ガンは別の部位に転移して広がっていく恐れもあります。
「子宮頸ガン」の主な症状
不正出血が続く
性行為時に出血する
腰痛
腹痛
おりものの色が変化する
おりものが臭くなる
発症の原因は?
性行為によって「ヒトパピローマウイルス」に感染することが原因です。
感染自体は珍しいことではありませんが、その後時間をおいて感染した細胞がガン化するケースがあります。
性行為の経験があれば、どの年代でも発症する可能性があります。
病気③ 子宮体ガン
子宮体ガンとは、子宮の内部にある「子宮内膜」にできるガンです。
女性ホルモンが影響して発症すると考えられています。
病気が進行すると、子宮を取り除く手術が必要になるケースがあります。
また、ガンは別の部位に転移して広がる恐れがあります。
「子宮体ガン」の主な症状
不正出血が続く
排尿痛
性行為痛
腹部痛
お腹の張り感
腰痛
発症の原因は?
女性ホルモンの「エストロゲン」が、長期にわたり排出されることが影響してガンになることがあります。
下記に当てはまる場合、発症するリスクが比較的高いと考えられています。
初潮が早く来た
妊娠期間がない、または短い
閉経が遅い
卵胞ホルモンの治療を受けている
肥満傾向
生理不順
※これらに当てはまるからといって、必ず子宮体ガンを発症するわけではありません。
こんなときは、病院で相談しよう
出血量が多い
少量の不正出血が2週間以上続く
場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
放置していると、病気の発見が遅れてしまうリスクがあります。
子宮のガンによる出血だった場合は、命に関わる恐れもあります。
躊躇せず、「婦人科」「産婦人科」へ相談しましょう。
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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
ガン情報サービス 子宮体ガン
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2022-05-30
「不正出血がある…」
「大量の鮮血が出たけど、大丈夫なの?」
不正出血で大量の鮮血が出る原因を、お医者さんに聞きました。
子宮外妊娠・子宮頸ガンなど、命に関わる病気が隠れているケースもあります。
心当たりのある症状がないか確認してみましょう。
不正出血…しかも大量の鮮血!これ大丈夫?
不正出血による大量の鮮血は、子宮に異常があるときに起こります。
生理的現象・良性腫瘍が原因の「心配いらないケース」
命に関わる病気が隠れている「危険なケース」
の両方が考えられるため、検査で詳しく調べない限りは、大丈夫とはいえません。
特に「子宮外妊娠」「子宮頸ガン」などは、発見が遅れると命に関わるリスクが高くなります。
不正出血で大量の鮮血が出たときは、自己判断せずに一度婦人科で相談しましょう。
こんな症状は早急に受診を!
大量の出血に伴い、
大量に汗をかく
ふらつきを感じる
失神する
といった症状がある場合は、救急車を呼びましょう。
出血量が多くなると、出血性ショックによって命を落とす危険性があります。
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そこまで心配いらないケース(生理的現象・良性腫瘍など)
不正出血による大量の鮮血は、
子宮膣部びらん(生理的現象)
子宮頸管ポリープ(良性腫瘍)
といった原因によって起こるケースもあります。
これらは通常命に関わることはなく、過剰に心配する必要はない状態といえます。
※ポリープは、妊娠に悪影響を与えるリスクがあるため、基本的に切除が選択されます。
心配いらないケース① 子宮膣部びらん(生理的現象)
子宮膣部びらんとは、腟につき出している「子宮腟部」が赤く膨らみ、出血しやすくなっている状態です。
これは病気ではなく生理的な現象で、女性ホルモンが活発な10代後半~40代前半の女性に多い症状です。
びらんの部分は、薄い皮膚で覆われているだけなので、少しの刺激で出血しやすくなっています。
なお、女性ホルモンが減少すると「子宮膣部」が少しずつ小さくなっていくことから、閉経後の女性にはあまり見られない症状です。
出血しやすいタイミング
性行為
タンポンの使用による刺激
※不正出血以外の症状は、特にありません。
子宮膣部びらんには、どんな治療を行うの?
出血量が多い方には、まず膣の洗浄と抗生物質の処方を行います。
膣洗浄を行っても症状が改善されない場合は、冷凍凝固術・電気メス・レーザーなどで「びらん」を切り取る手術をします。
※「子宮膣部びらん」は「子宮頸ガン」と見た目が似ているため、診断に時間を要するケースもあります。
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心配いらないケース② 子宮頸管ポリープ(良性腫瘍)
子宮頸管にできたポリープ(良性腫瘍)から出血している状態です。
ポリープの組織はもろく柔らかいため、比較的容易に出血します。
30~40代の出産経験の多い女性に発症しやすいと言われています。
症状の特徴
▼出血しやすいタイミング
性交時
激しい運動の後
▼伴いやすい症状
おりものが増える
おりものに膿が混じる
子宮頸管ポリープは、切除が必要
ポリープで健康を大きく損なうことはありませんが、妊娠に悪影響を及ぼすケースがあります。
自然消失しないため、発見された場合は基本的に切除が選択されます。
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「命に関わる病気」が隠れているケースも
不正出血で鮮血が大量に出ている場合、
子宮外妊娠(異所性妊娠)
子宮頸ガン
といった命に関わる病気が隠れているケースもあります。
命に関わる病気① 子宮外妊娠(異所性妊娠)
受精卵が子宮以外の組織に着床している状態です。
初期は少量の出血ですが、妊娠6~16週間後になると赤ちゃんを含む構造が破裂し、大量出血を起こします。
子宮外では赤ちゃんを支えたり、必要な血液を供給したりすることができません。
母体に危険が及ぶため、早めに処置をする必要があります。
伴いやすい症状
下腹部の筋肉のけいれん
下腹部痛
出血量が多いと、失神・発汗・ふらつきを感じる
※破裂すると激しい下腹部痛が起こります。
※破裂するまで、無症状の人や出血量が少量の人もいます。
子宮外妊娠(異所性妊娠)を発症しやすい人
卵管に病気がある
骨盤内炎症性疾患になったことがある
過去に異所性妊娠が起こったことのある
「中絶」や「卵管結紮術」などの手術経験がある
子宮内避妊器具(IUD)を使用している
複数のセックスパートナーがいる
タバコを吸う習慣がある
子宮外妊娠(異所性妊娠)は、上記に当てはまる人に起こりやすいと言われています。
病院ではどんな治療をするの?
子宮外妊娠(異所性妊娠)には、薬を投与する治療や手術などで処置を行います。
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命に関わる病気② 子宮頸ガン
子宮の下部に発生する悪性腫瘍です。
ガンの進行に伴って不正出血が起こりやすくなり、大量の鮮血が出る場合もあります。
伴いやすい症状
月経痛が重くなる
おりものから悪臭がする
骨盤部が痛む
腰痛
足のむくみ
子宮頸ガンを発症しやすい人
初めての性交を経験した年齢が低い
複数のセックスパートナーがいる
タバコを吸う
上記に当てはまる人は、子宮頸ガンの発症リスクが上昇すると考えられています。
病院ではどんな治療をするの?
子宮頸ガンの場合、手術・放射線治療・抗ガン剤治療などが行われることが多いです。
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不正出血があるときは、早めに婦人科で相談しよう
不正出血には、子宮頸ガンなど重い病気が隠れているケースもあります。
「生理ではないのに血が出た」というときは、一度婦人科で原因を調べてもらいましょう。
生理的な原因など問題のないケースもありますが、自己判断するのは危険です。
特に大量の鮮血が出る場合、症状の進行も疑われるので注意が必要といえます。
命に関わるリスクを軽減させるためにも、早めの受診を心がけましょう。
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▼参考
MSDマニュアル家庭版 異所性妊娠