なぜ?最近、吐き気が続く…。
もしかして、何かの病気?
30代女性の吐き気は、自律神経の乱れやPMS、メニエール病といったさまざまな原因が考えられます。
それぞれに特徴的な症状をお医者さんが詳しく解説するので、吐き気に悩んでいる方は要チェックです。
監修者
経歴
福島県立医科大学卒業
「働く人を支える」薬に依存しない医療を展開する「BESLI CLINIC」を2014年に協同創設、2030年を基準に医療現場から社会を支える医療経営を実践しています。
産業医視点からビジネスマン・ビジネスウーマンを支えております。生薬ベースの漢方内科での経験を活かし、腹診を含めた四診から和漢・井穴刺絡などの東洋医学を扱い、ホルモン、生活習慣をベースに身体から心にアプローチする診療を担当。米国マウントサイナイ大学病院へ留学、ハーバード大学TMSコースを修了。TMSをクリニックへ導入、日本人に合わせたTMSの技術指導、統括を行っています。
30代女性「吐き気」でよくある原因
30代女性の方が吐き気を感じるのは、「ストレス」や「ホルモンバランスの乱れ」が原因となっているケースが多いです。
この場合の吐き気は、めまい・頭痛を伴いやすい点が特徴です。
これらの不調は、全身の機能を調節する「自律神経」が乱れることで起こると考えられています。
しばらく経つと良くなることも多いので、まずは無理せず安静に過ごすようにしましょう。
また、「生理前に吐き気が起こりやすい」という方は、月経前症候群(PMS)の疑いが強くなります。
女性ホルモンの分泌が影響している場合は、婦人科で治療を受けると症状が落ち着きやすくなります。
吐き気があるときは「腹式呼吸」をしてみよう
吐き気を感じるときは、腹式呼吸で深く息を吸って、ゆっくりと息を吐いてみましょう。
ストレスによる吐き気の場合、深呼吸で自律神経を落ち着かせると改善されやすくなります。
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2022-12-23
PMSってどんな症状が出るの?
つらいときはどうすればいい?
PMSの主な症状やセルフケア方法など、分かりやすく解説します。
病院へ行く目安も紹介するので、当てはまるものがないかチェックしてみましょう。
PMSとは
PMS(Premenstrual Syndrome:月経前症候群)とは、月経の3~10日前から始まり、月経が始まると解消する心や体の不調のことです。
PMSが生じる原因は明らかにされていませんが、排卵後に起きる女性ホルモンの分泌量の変化や、ストレスなどが影響しているといわれています。
PMSは誰でもなるの?
日本では、月経のある女性のうち約7~8割が月経前に何らかの症状を抱えています。
また、100人中5人程度の人が「生活に支障が生じるほどつらいPMS」であるといわれています。
思春期の女性でPMSを示す割合が多い、という報告もあります。
PMSになりやすい人は?
真面目
几帳面
我慢しがち
上記に当てはまる人は、PMSになりやすいといわれています。
PMSの主な症状
頭痛
腹痛(下腹部痛)
腰痛
めまい・のぼせ
吐き気
乳房の張り感、痛み
食欲低下
倦怠感
イライラする
など
生理が始まると、「症状が軽くなる」「無くなる」という特徴があります
「PMS」と「PMDD」の違いは?
生理周期に伴う心と体の不調をまとめて、PMS(月経前症候群)と呼びます。
その中でも心の不調が強く出る場合は、PMDD(月経前不快気分障害)と診断されます。
PMSの対処法
1日3食、栄養バランスのとれた食事をとる
1日6~8時間程度の質のよい睡眠をとる
お腹を温める
ストレッチや軽い運動をする
PMSの症状には、上記の方法で対処するとよいでしょう。
対処法① 1日3食、栄養バランスのとれた食事をとる
PMSの症状は、ホルモンバランスの乱れにより悪化しやすくなります。
主食・主菜・副菜の揃った食事をとることで、栄養をバランスよく摂取でき、ホルモンバランスが整いやすくなります。
和定食のイメージで食事をとると、栄養バランスが整いやすいです。
食事を抜くと、体のリズムが乱れやすくなり、エネルギー不足になる可能性があるので、きちんと3食とるようにしましょう。
対処法② 1日6~8時間程度の質のよい睡眠をとる
ホルモンバランスを整えるためには、十分な睡眠時間を確保する必要があります。
毎日6~8時間程度、質のよい睡眠をとることを心がけましょう。
ただし、理想の睡眠時間には個人差があります。朝目覚めたときに疲れがとれていて、日中に眠気を感じない状態になるように心がけましょう。
「深い眠り」を得るためのポイント
朝起きたらカーテンを開けて日光を浴びる
昼寝は15時までに30分以内にする
夜は11時(遅くとも12時)には寝る
夕方以降は「カフェインを含む食品」を控える
夕食は就寝の2~3時間前までに済ませる
飲酒は、就寝の3~4時間前までにする
就寝の2~3時間前に入浴する
就寝前はできるだけパソコン・スマホを触らない
対処法③ お腹を温める
お腹を温めると腹痛の緩和につながります。お腹にカイロをあてて患部を温めるとよいでしょう。
温かい飲み物を飲んで、体の中から温めることもおすすめです。
対処法④ ストレッチや軽い運動をする
PMSによる頭痛には、肩や首回りの筋肉をほぐし、血流をよくすることがおすすめです。
ストレッチや軽い運動で、体をほぐしましょう。
ただし、体を動かしていて、ズキンズキンと血流に合わせて頭痛が起きたら、体を動かすのをやめて楽な姿勢で休みましょう。
病院に行く目安
体や精神面の不調によって「つらい」と感じているときは、医療機関の受診をおすすめします。
特に、
PMSのつらい症状が毎月起こる
日常生活や対人関係に支障が出ている
痛みや倦怠感が重く、仕事や学校を休むことがある
といった場合は、早めの受診をおすすめします。
PMSが悪化すると、脳機能のバランスを崩し、うつ病を発症するケースもあります。
心当たりのある方は、放置しないようにしましょう。
PMSの治療法
PMSで受診した場合、病院では飲み薬・低用量ピル・漢方薬などを用いて治療をします。
低用量ピルを使うと、生理前と後のホルモンの量の差を軽減できるため、PMSの症状がかなり楽になります。
ただし、妊娠を望んでいる場合には、低用量ピルが使用できないため、生活指導を中心とした治療になります。
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「吐き気が続く」人は、病気の疑いも…
30代の女性で「吐き気が続く」場合、
- 月経前症候群(PMS)
- 片頭痛
- 自律神経失調症
- 若年性更年期障害(プチ更年期)
- メニエール病
といった病気も考えられます。
病名
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どんな状態?
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なりやすい人
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月経前症候群
(PMS)
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月経が始まる3~10日前からさまざまな体の不調が起き、開始とともに軽快ないし消失する女性特有の症状。
ホルモンバランスの乱れが関係していると考えられている。
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- ストレスが多い
- 几帳面
- 食生活が乱れている
- 運動不足
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片頭痛
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「ズキズキ」「ガンガン」するような頭痛が起こる病気。吐き気を伴うこともある。
ひどい頭痛が起こるが、命に関わることはない。
|
- ストレス・疲労が溜まっている
- 睡眠不足、もしくは寝すぎている
|
自律神経失調症
|
全身の機能を調節する「自律神経」が慢性的に乱れてしまっている状態。
吐き気・頭痛・腹痛などさまざまな不調が現われる。
|
|
若年性更年期障害
(プチ更年期)
|
閉経を迎える年齢でないのに、更年期に似た症状が出る病気。
吐き気・発汗・動悸などの症状が現われる。
|
- 20~30代の女性
- ストレス・疲労が溜まっている
- 過度のダイエットを行っている
|
メニエール病
|
体のバランス感覚の調節が上手くいかなくなる病気。
吐き気のほか、ぐるぐるとしためまい・耳鳴りなどの症状を伴う。
|
- 30~40代の女性
- ストレス・疲労が溜まっている
- 睡眠不足
- 水分摂取が不足している
|
いずれも「ストレス」や「生活習慣の乱れ」が発症のキッカケとして挙げられることも多く、日々の積み重ねが症状の悪化を招いていることもあります。
それぞれの病気について詳しく解説しますので、心当たりのあるものがないかチェックしてみましょう。
病気① 月経前症候群(生理前に吐き気が起こる)
月経前症候群(PMS)の症状例
- 下腹部痛
- 頭痛・めまい・吐き気
- 胸の張り感
- 関節痛・筋肉痛
- むくみ
- 過食傾向
- ニキビ・肌荒れ
- 集中力低下・イライラしやすい
- 睡眠障害(不眠・過眠)
- 疲れやすい
など
月経が始まる3~10日前から吐き気がある場合は、「月経前症候群(PMS)」が疑われます。
この吐き気には、月経開始前に増える「プロゲステロン」という女性ホルモンが関係していると考えられます。
プロゲステロンが多く分泌されると、胃腸の機能が低下するため、気持ち悪さ・吐き気も起こりやすくなります。
こんなことに心当たりはありませんか?
- ストレスがたまっている
- 几帳面な性格
- 不規則な生活をしている
- 朝食を抜くことが多い
- 食べることでイライラを解消しがち
- 脂質・糖質を多く含む食品をよく食べる
- 運動不足
- 喫煙している
といった方は、月経前症候群が悪化しやすい傾向があります。
月経前症候群(PMS)の吐き気は、どうすればいい?
応急処置として、市販の吐き気止めで対処するとよいでしょう。
生理前の時期は、「仕事を早めに切り上げる」「家事を少し手抜きする」など、いつもより負担を減らすことも大切です。
また、
- 生理前に吐き気を繰り返す
- つらい症状のせいで、仕事や家事ができない
- 症状を少しでも軽くしたい
といった場合は、一度「婦人科」で相談しましょう。
婦人科でお薬の処方等を受けると、症状が改善されやすくなります。
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病気② 片頭痛(ズキズキ・ガンガンする頭痛を伴う)
片頭痛の症状例
- 「ズキズキ」「ガンガン」するような頭痛に、吐き気を伴う
- 数時間から数日間(4時間~72時間程度)、頭痛が続く
- 頭の片側または両側に痛みが生じる
- 体を動かすと頭痛が増す
- 光・音・においに敏感になる
など
ズキズキ・ガンガンするような頭痛を伴う場合は、「片頭痛」による吐き気が考えられます。
片頭痛は、女性に多くみられる病気です。
片頭痛の発症には、「三叉神経(※)」への刺激が関係していると考えられています。
三叉神経への刺激が、脳幹にある「嘔吐中枢」にも影響を与えると、吐き気を感じやすくなります。
(※)三叉神経…顔の感覚を脳に伝える神経
こんなことに心当たりはありませんか?
- ストレス・疲労がたまっている
- 睡眠不足
- 睡眠時間が長すぎる
などに心当たりがある方は、片頭痛が起こりやすいと言われています。
片頭痛かも…どうすれば?
- 安静にする
- 「冷たいタオル」で頭を冷やす
- 「市販の鎮痛剤」で頭痛を改善させる
といった対処をとると、片頭痛による吐き気を改善させやすくなります。
ただし、頭痛の症状には脳の病気も考えられます。
激しい頭痛を繰り返す場合は、一度「脳神経内科」で診てもらうことをおすすめします。
病院で片頭痛と診断された場合、症状を緩和させる薬を処方してもらえることが多いです。
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2023-02-28
片頭痛ってどんな痛み?
セルフケアで対処できる?
片頭痛について、分かりやすくまとめました。
効果的な市販薬や病院に行く目安なども紹介するので、片頭痛を治したい人は必読です。
片頭痛とは
片頭痛は、20~50歳代の若い方、特に女性に多くみられる病気です。
病名に「片」が入っているため、頭の片側のみが痛くなる病気だと勘違いされることがありますが、両側に痛みが生じるケースもあります。
日本で片頭痛がある人は、10~20人に1人といわれています。
片頭痛の症状をチェック
月に1~2回程度の頻度で発生する
「ズキンズキン」と脈打つような痛みや「ガンガン」と響くような痛みがこめかみや目の奥に生じる
痛みが4時間~72時間(3日間)ほど続く
痛みがひどいと「吐き気」「光や音に敏感になる」などの症状が出現する
痛みが始まる2~3時間ほど前に、生あくび・イライラ感・眠気・むくみ・空腹感などがある
痛みが起こる15~30分ほど前に、視野の一部がキラキラと輝くような症状(閃輝暗点)や、手足のしびれ・麻痺が出現する
上記に該当する人は、片頭痛の疑いがあると考えられます。
片頭痛の原因
ストレス
水分不足
寝すぎ・寝不足などの生活リズムの乱れ
飲酒習慣
月経などの女性ホルモンの影響
気候や気圧の変化
片頭痛が起こる仕組み
片頭痛の詳しいしくみは明らかになっていませんが、脳の血管を取り巻いている「三叉神経」の炎症が影響していると考えられています。
性格・生活習慣・環境・遺伝・女性ホルモンなど、さまざまな要因で片頭痛があらわれるといわれています。
片頭痛が起こるきっかけ
天気・気圧・温度・湿度の変化
周囲の環境(大きい音・強い光・強い匂いなど)
運動
喫煙
出産・月経・更年期(ホルモンバランスの変化)
片頭痛になりやすい人
神経質・完璧主義・努力家
ストレスがたまっている
疲労がたまっている
肩こりがある
睡眠不足・寝過ぎ
親族に片頭痛持ちの人がいる(遺伝的要因)
20~40代の女性
片頭痛になりやすい人は「脳のセンサーが敏感」なせいで、脳が過剰に機能して頭痛等が生じやすくなるとの指摘があります。
片頭痛が起きたときの対処法
片頭痛がつらいときは、
目をつぶる
仮眠をとる
静かな場所でゆっくりする
などの対処をしましょう。
椅子に座ったままでも構わないので、目をつぶったり眠ったりしましょう。
仮眠をとることで、すっきりと痛みがおさまることもあります。
また、片頭痛があるときは、音や光に敏感になりやすいです。薄暗い静かな場所で休むようにしましょう。
痛みを抑えるための応急処置
痛みを感じる部分に保冷剤や冷却シートなどを当てて、冷やすとよいでしょう。
血管の拡張を抑えることで、片頭痛が緩和することがあります。
片頭痛に使える市販薬は?
以下の成分が配合されたものを選ぶといいでしょう。
ロキソプロフェン
アセトアミノフェン
アスピリン
イブプロフェン
市販の鎮痛剤を使うことで、痛みの緩和が期待できます。
ロキソプロフェン
ロキソニンS
エキセドリンLOX など
アセトアミノフェン
タイレノールA など
アスピリン
バファリンA
バファリンライト など
イブプロフェン
ナロンメディカル など
市販薬の上手な飲み方
鎮痛剤は、痛みが軽いうちに飲むか、痛みが起きてから1時間以内に飲むとよいでしょう。
我慢できないほどの痛みがある場合や、「これから片頭痛が起きそう」という予兆症状があらわれたときに飲むと、痛みを十分におさえられない可能性があります。
市販薬を飲む上での注意点
痛み止めの使用頻度は、月に10日程度におさえるようにしてください。
なお、1日に複数回痛み止めを使用した場合も、「1日」と数えます。
痛み止めを頻繁に使うと、脳が痛みに敏感になり、頭痛の回数が増えて、薬が効きにくくなる恐れがあります。この症状は「薬物乱用頭痛」と呼ばれています。
薬物乱用頭痛になると、毎日のように頭痛があらわれることもあります。
片頭痛で病院に行く目安
片頭痛が4~5日間程度続いている場合は、一度病院で相談しましょう。
特に、以下に当てはまる場合は、病院で診察を受けることをおすすめします。
50歳を過ぎてから、初めて頭痛が起きた
頭痛の頻度や症状が悪化している
発熱している
首のこわばりがある
病院は何科?
病院は、「内科」または「脳神経外科」で相談するとよいでしょう。
まずは「かかりつけ医」に相談して、適切な診療科を紹介してもらうという方法もあります。
内科を探す
脳神経外科を探す
医師にどんなこと伝えるといいか
頭痛が起きるタイミング・頻度・時間
どのあたりがどう痛むのか
頭痛以外の症状
頭痛が起きるきっかけ
最初に発症したタイミング
これまでの頭痛との違い
常用している薬
過去に患った病気・現在治療中の病気
家族に頭痛持ちの人がいるか
最近、頭にケガをしたかどうか
片頭痛の治療法
片頭痛の治療は薬物療法が基本です。
鎮痛剤の処方を行いますが、吐き気が強く出ていて薬が飲めない場合は、点鼻薬や皮下注射などを用いることもあります。
また、頭痛の回数が多く、その都度の対処が難しい人には、予防薬(院内処方)が処方されるケースもあります。
診察時には、「片頭痛以外の病気の可能性はないか」「他に併発している症状はないか」なども診て、総合的に診断を行います。
薬の処方後は、薬の量はあっているか、頭痛が良くなっているか、薬を変える必要があるかなどを医師が確認します。
病気③ 自律神経失調症(頭痛・めまいを伴う)
自律神経失調症の症状例
- 吐き気
- 腹痛(下痢)を繰り返す
- 食欲不振
- のどに何か詰まっているような感覚
- 動悸・胸が苦しい
- 頭痛・めまい
- 不安感
- 音に敏感・イライラしやすい
など
頭痛・めまいを伴う吐き気が続く場合、自律神経失調症も疑われます。
この病気は、心身の健康に関わる「自律神経」が慢性的に乱れてしまうことで発症します。
吐き気が起こるのは、交感神経・副交感神経のバランスが崩れ、胃酸や胃粘膜の分泌状態が悪くなるからだと考えられています。
こんなことに心当たりはありませんか?
- ストレスがたまっている
- 疲労が蓄積している
- 睡眠不足・夜更かし
- 夜間勤務
などに心当たりがある方は、自律神経失調症を発症しやすいといえます。
自律神経失調症は、まず内科で相談を!
症状が1週間以上続くときは、自律神経失調症が疑われます。
放置するとさらに悪化する恐れもあるため、一度「内科」で相談してみましょう。
内科を受診すると、検査などを通して体の状態を調べてもらえます。
自律神経失調症と診断した場合、生活指導や薬の処方などで改善を図ります。
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病気④ 若年性更年期障害(ほてり・のぼせを伴う)
若年性更年期障害の症状例
- 吐き気
- ほてり・のぼせ
- 倦怠感
- 動悸・息苦しさ
- 頭痛・腹痛
- 睡眠障害
- 気分が落ち込む
- イライラしやすい
- 生理不順、もしくが3ヶ月以上月経がない
など
若年性更年期障害とは、まだ年齢が若いにもかかわらず、更年期に似た症状が見られる状態です。
「頻繁に吐き気が起こる」「吐き気にほてり・のぼせを伴う」といった場合、この病気が疑われます。
更年期に似た症状が出るのは、卵巣の機能低下等で女性ホルモンのバランスが乱れているからです。
この場合の吐き気は、自律神経が不安定になり、胃腸の調子が悪くなることで起こります。
こんなことに心当たりはありませんか?
- ストレスがたまっている
- 過度のダイエットをしている
- 過度に激しい運動をしている
といったことに心当たりがある方は、若年性更年期障害の発症リスクが上昇します。
若年性更年期障害かも…どうすれば?
若年性更年期障害を改善させるには、原因に合わせた対処を行う必要があります。
症状に心当たりがある場合は、一度婦人科で相談しましょう。
若年性更年期障害の原因には、「卵巣機能の低下」「女性ホルモンのバランスの乱れ」「早発閉経」など、複数考えられます。
婦人科で受診すると、血液検査などで原因を調べたうえで、症状改善のための治療を提案してもらえます。
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病気⑤ メニエール病(回転するめまい・耳鳴りを伴う)
メニエール病の症状例
- めまい
- ふらつき
- 耳が詰まっているような感覚(聞こえにくい)
- 耳鳴り
- 吐き気・嘔吐
- 頭痛
など
吐き気に回転するようなめまい・耳鳴りを伴う場合は、メニエール病が疑われます。
メニエール病は、「内耳リンパ液」の機能低下により、体のバランス感覚が不安定になって発症すると考えられています。
こんなことに心当たりはありませんか?
- ストレスがたまっている
- 心配事が多く、不安を抱えている
- 睡眠不足
- 不規則な生活
- 水分摂取が不足しがち
といったことに心当たりがある方は、メニエール病によって吐き気が起こっている可能性もあります。
メニエール病かも…どうすれば?
メニエール病が疑われるときは、一度「耳鼻いんこう科」で相談することをおすすめします。
放置すると、難聴・めまいなどの症状が悪化するリスクがあります。
重症化して手術が必要になるケースもあるため、早めに治療を受けるほうがよいでしょう。
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2023-02-28
メニエール病ってどんな病気?
どうしたら治るの?
メニエール病について、分かりやすくまとめました。
症状のセルフチェックや発症しやすい人の特徴も解説するので、メニエール病の可能性がある人は必見です。
メニエール病とは
メニエール病とは、耳の中にある「内耳」という平衡感覚を司る器官に、リンパ液が溜まっている状態です。
平衡感覚に異常が生じ、自分や周囲がぐるぐると回っているような「回転性のめまい」が起こります。
メニエール病の症状チェック
自分や周囲がぐるぐる回るようなめまい
めまいの長さが、「数十分〜数時間以上」
何度もめまいを繰り返す
耳鳴りがする
難聴発作(突然、耳が聞こえにくくなる)
耳の閉塞感
吐き気・嘔吐
上記の症状に当てはまる場合、メニエール病の可能性があります。
一旦治まっても再発することが多く、症状が繰り返しあらわれます。
▼参考
MSDマニュアル
メニエール病について
メニエール病の原因は?どんな人がなりやすい?
原因やきっかけは今のところわかっていませんが、疲労・ストレス・睡眠不足などで発症しやすいといわれています。
30〜50歳代の女性
自分をおさえ、熱心に仕事をする人
ストレスを溜め込みやすい人
忙しい生活をしている人
に多い傾向があります。
メニエール病を疑う場合の対処法
ゆっくり休養を取ることが大切ですが、まずは医療機関で原因を確認しましょう。
メニエール病は、治療しないと治らない病気です。
放置すると、最初は片方の耳のみだった症状が、もう一方の耳にも発症してしまう恐れがあります。
病院で受ける治療法
メニエール病は、薬を使って治療することが多いです。
浸透圧利尿薬・循環改善薬・抗不安薬などを使用します。
「内耳へ直に薬を投与する治療」や「手術療法」を行うこともあります。
耳鼻いんこう科を探す
治るまでの期間は?
早期に治療を開始できれば、2週間程度で快方に向かう人も多いです。
※治療を受けても完全には治らないケースもあります。
早く治すためにはセルフケアも大切!
ストレスを溜めない
6~8時間の睡眠をとる
水分補給をする
上記3つを心がけましょう。
水を多く飲むことで、内耳の水はけがよくなると考えられています。
男性は1日2リットル、女性は1日1.5リットルほどの水分をとりましょう。
一度に大量に水分を補給するのではなく、こまめに水分をとることが大切です。
吐き気を繰り返すときは医師に相談を
- 吐き気を繰り返す
- 頭痛・腹痛・めまいなど、ほかの不調を伴っている
- つらい症状のせいで、仕事・家事ができない
といった場合は、病院で受診しましょう。
ストレスが原因の場合、自律神経の不調が悪化することで、心の病気を併発してしまうリスクもあります。
また、激しい頭痛を伴っている人は、脳の病気が隠れているケースもあるため放置は危険です。
吐き気がなかなか治らないときは、一度医師による診察を受けてみましょう。
病院は何科?
吐き気に伴う症状
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おすすめの診療科
|
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内科
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|
脳神経内科
|
|
耳鼻いんこう科
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- 生理前に吐き気を感じやすい
- 生理不順、もしくは無月経
|
婦人科
|
出ている症状によって、おすすめ診療科は変わります。
上の表を参考に、ご自身に合った診療科を選ぶとよいでしょう。
内科を探す
脳神経内科を探す
耳鼻いんこう科を探す
婦人科を探す
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2022-11-30
耳鳴りが治らない…。
キーンという音がする…。
ずっと続く耳鳴りの原因をお医者さんに聞いてみました。
要注意の症状や疑われる病気、耳鳴りが治った体験談についても紹介します。
耳鳴りが治らない…原因は?
耳鳴りがなかなか治らない場合、「病気」が原因となっているおそれがあります。
耳鳴りが続く病気には、
メニエール病
突発性難聴
聴神経腫瘍
老人性難聴
更年期障害
などが挙げられます。
上記の中には、治療開始が遅れると症状が慢性化してしまう病気もあります。特に、突発性難聴の場合、別の医療機関で治療を受けても治らない可能性があります。
難聴等が残るリスクもあるため、耳鳴りが続く場合は、早めに医療機関で相談するようにしましょう。
耳鼻いんこう科を探す
原因① メニエール病
メニエール病になると、内耳の中のリンパ液が、過剰に溜まってしまうために、耳鳴りが続いてしまいます。
30代〜50代の女性、ストレスを抱えている人、不規則な生活をしている人に起こりやすいです。
こんな症状があらわれることも
ブーンという低音の耳鳴り
激しいめまい
難聴
耳の閉塞感
吐き気・嘔吐
放置すると、症状を繰り返したり慢性化したりする可能性があります。
また、悪化すると、生活に困るレベルの難聴になってしまうリスクがあります。
治すためには、医療機関で治療を受けましょう。
耳鼻いんこう科を探す
原因② 突発性難聴
音の振動を感じ取り、それを脳に伝える細胞が壊れてしまうために耳鳴りが続いてしまいます。
40代〜60代の人、ストレスを抱えている人、疲労がたまっている人に起こりやすいです。
こんな症状があらわれることも
突然、音が聞こえにくくなる
キーンという耳鳴り
ブーン・ボー・ジーという耳鳴り
めまい
吐き気
耳の閉塞感
突発性難聴は、早期治療が重要な病気です。
突発性難聴を発症して1週間以内に治療を受けた人の内、40%が治り、50%が快方に向かうと言われています。
逆に放置すると、難聴や耳鳴りが残るリスクがあります。
症状が出たら、できれば48時間以内に病院を受診しましょう。
耳鼻いんこう科を探す
原因③ 聴神経腫瘍
耳の奥に良性の腫瘍ができるために耳鳴りが続いてしまいます。
40代〜50代の人に多く、男性よりも女性の方が発症しやすいです。
こんな症状があらわれることも
キーンという耳鳴り(ザー・ゴー・シューの場合もある)
めまい
音が聞こえにくい
腫瘍が大きくなると、顔のしびれやゆがみを起こすことがあります。
治すためには、医療機関で治療を受けましょう。
耳鼻いんこう科を探す
原因④ 老人性難聴
加齢により脳や内耳の機能が低下することで耳鳴りが続いてしまいます。
高齢者に多いです。
こんな症状があらわれることも
キーンという高音の耳鳴り
音が聞き取りにくい
両方の耳に症状が出る
放置すると、健康への影響というよりも、生活に必要な音を聞き取れず、日常生活に支障をきたす可能性があります。
今のところ、内耳の感覚細胞を再び元に戻す方法はありません。
そのため、補聴器を使うことで、生活に必要な音を聞き取れるようにします。
医師の指導のもと、3カ月間補聴器を使い続け、脳をトレーニングします。そうすることで、脳が音に慣れ、うるさくなく音を聞き取れるようになります。
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原因⑤ 更年期障害
閉経前後は、女性ホルモンの分泌量が低下して自律神経のバランスが乱れやすいため、耳鳴りが続いてしまうことがあります。
40代半ば〜50代半ばの更年期の女性に多いです。
こんな症状があらわれることも
キーンという耳鳴り
めまい
発汗・ほてり
頭痛
不安感
疲労感
肩こり
腰痛
更年期障害が重症化すると、耳鳴りが続くだけでなく、骨粗しょう症やうつ病、高血圧などの病気を誘発する恐れもあります。
治すためには、医療機関で治療を受けましょう。
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耳鳴りが治らない人は早めに耳鼻いんこう科へ!
耳鳴りを放っておくと難聴になったり、耳鳴りが残ったりするリスクがあります。
できるだけ早めに医療機関を受診しましょう。
診察の際は
耳鳴りがあらわれるようになった時期
耳鳴りの特徴(高音、低音、音の特徴)
耳鳴り以外の症状(めまい、吐き気、耳の閉塞感など)
などを伝えるようにしましょう。
病院は何科?
耳の症状がメインの場合は耳鼻いんこう科、更年期障害と思われる症状がある場合は婦人科を受診しましょう。
耳鼻いんこう科を探す
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耳鳴りの「新しい治療法」も生まれている
これまでは耳鳴りの原因となる病気を治す治療法が一般的でしたが、昨今、新しい治療法として「TRT療法」と呼ばれる耳鳴りに慣れる治療法も生まれました。
この「TRT療法」は、耳鳴りを聞こうとすれば聞こえるけれど、普段は気にならない状態や、耳鳴りを聞いても苦痛に感じない状態にしていくことができます。
従来の治療を受けても耳鳴りが治らなかった人は、新しい治療法を試してみるのもよいかもしれません。
どこのクリニックでも受けられる治療なの?
TRT療法は、どこでも受けられるわけではありません。
TRT療法を行っている病院を検索して、受診しましょう。
TRT療法で装置を購入する際の費用目安は?
補聴器に似た装置を治療のために購入する場合、装置は自由診療の対象となり、その費用は9万円程度となります。
初診料や再診料も合わせると、全体で約15万円程度かかることが多いです。
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
済生会 加齢性難聴 (老人性難聴、老年性難聴)