感染力が強いと言われている口唇ヘルペス。口唇ヘルペスのうつる確率はどれくらいなのでしょうか。
うつらないための予防策や、発症させないための対処法、口唇ヘルペスの感染リスクを減らす方法について医師に聞きました。
監修者
経歴
琉球大学医学部医学科卒業 / 琉球大学病院勤務 / 専門は内分泌代謝・糖尿病内科、総合内科
口唇ヘルペスがうつる確率
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症状が発症している時の感染率は50%以上と言われています
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口唇ヘルペスかもと思ったら、すぐに病院へ行きましょう。症状のチェックから、放置した際のリスクまで医師が解説します。
口唇ヘルペスは、何科に行けばいい?
口唇ヘルペスになったと思ったら、皮膚科を受診しましょう。
できるだけ早い段階で治療を始めることが望ましいです。
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「口唇ヘルペスかも」の時点で病院へ
「口唇ヘルペスかも」と、わかった時点で病院に行くのをおすすめします。
早めに病院を受診し、適切な治療を受けることで、かゆみや痛みなどのつらい症状をやわらげることができます。
その他にも、次のような様々なメリットがあげられます。
早く治すことができる
重症化を防ぐことができる
傷跡が残るのを防ぐことができる
再発を予防できる
二次感染を防ぐことができる
入院しなくて済む
命を守ることができる
口唇ヘルペスの症状チェック
以下の症状があるときは、口唇ヘルペスを発症している可能性が高いです。
<水ぶくれが現れる前の症状>
ピリピリ、チクチクとした痛みがある。
むずむずとした違和感やかゆみ、ほてりなどがある。
唇や口の一部が赤く腫れている。
<水ぶくれが現れた後症状>
唇に水ぶくれがある。(水ぶくれは、通常は一か所にまとまってできる。初めての感染では大きな水ぶくれができる。)
症状を繰り返す。
口内炎ができている。
唇以外の症状がでている。(頭痛、発熱、あごや耳付近のリンパの腫れなど)
※水ぶくれが現れ始めた頃も、現れる前の症状が継続することがあります。
一般的には2週間ほどで抗体ができてウイルスの力が弱まるため、自然に治ることが多いといわれています。
しかし、必ずしも全員が自然治癒するというわけではありません。また、唇に傷跡が残ったり、体の他の部位に感染が広がることもあります。
放置すると…入院治療のケースも
口唇ヘルペスは重症化することがあり、肺や脳など別の器官に感染して、脳炎等の合併症を引き起こす可能性もあります。重症化すると、入院して治療をすることもあります。
その他にも、以下のようなリスクがあります。
治りが遅くなる。
えぐれたような傷跡が残る。
再発を繰り返す。(大人に多い)
口の中に感染し、口内炎ができる(頭痛や発熱、全身の痛みなどの症状もあらわれる)。
性器に感染する(発熱や倦怠感、便秘、排尿痛などがあり、感染部位の痛みも強い)。
食道に感染する(食べ物を飲み込む際に痛みを生じる)。
肺に感染し、肺炎を起こす(咳、息切れなどの症状がある)。
眼の角膜に感染する(目のかすみ、腫瘍などの症状がある。治療をしないと、視力が低下する恐れがある)。
脳に感染する(発熱やけいれんなどを起こす)。
妊娠している場合、胎児や新生児に感染する(死亡や脳の障害を起こす可能性がある)。
入院して治療をうけることになる。
最悪の場合、死に至る。
家族など接触が多い人にうつしてしまう。
チクチクとした痛みや水ぶくれができた場合は、病院を受診するようにしてください。
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▼参考
日本臨床皮膚科学会 ひふの病気
①直接接触でうつる
口唇ヘルペスは感染力が強い。発症時はうつるリスクがかなり高い
口唇ヘルペスは単純ヘルペスウイルスが感染、あるいは再活性化することでおこります。このウイルスは非常に感染力が高く、症状が発症している時の感染率は50%以上と言われています。キスなどの直接接触でうつるので、赤みや腫れ、水ぶくれなどがある時の触れ合いは避けるようにしましょう。
口唇ヘルペスはウイルスに感染あるいは再活性化することで発症します。そのためウイルスの活性化が激しい症状の発現時や、相手の免疫力が低い時などは特にウイルスに侵入されやすくなり、50%以上の確率で感染してしまうと言われています。
キスなどの直接接触はうつる可能性が高い
口唇ヘルペスウイルスの感染率は、キスなどの直接接触がとても高いです。口唇ヘルペスは主に口唇や口の周りの皮膚や粘膜に感染します。そのため、キスで触れる唇の周りには多くのウイルスが存在していて、キスによって直接粘膜や皮膚が触れてしまうことになるためうつる確率が上がります。
またウイルスは湿った環境で存在しやすくなる特性があり、口唇や口内の環境はウイルスが生存しやすい条件が整っているため活性化しやすいのも理由のひとつ。さらに唾液にもウイルスが含まれている可能性が高く、キスをすることで唾液が相手の粘膜や皮膚に直接触れるため、感染しやすいのです。
②タオルや食器などからもうつる
ヘルペスウイルスは感染力が強く、キスのような直接接触以外にも、タオルや食器などを通じても感染する可能性があります。
不要な感染機会を避けるため症状のある時期は、感染者が使用したタオルで顔を拭いたり、飲み物を同じコップで飲んだ場合も要注意!ペットボトルの回し飲みなども控えましょう。口唇ヘルペスに感染している可能性が高い人とは共有のアイテムを使用するのを避け、なるべく接触しないように徹底することが大切です。
ヘルペスウイルスは一度感染したらなくならない
口唇ヘルペスは単純ヘルペスウイルスが感染あるいは再活性化することで起こる感染症です。このウイルスは一度感染してしまうと神経節に潜伏し続け、なくなりません。感染力は症状がおさまった後10日間ほどで弱まりますが、接触には注意するようにしましょう。
ヘルペスウイルスは感染力が強く、接触によって感染します。直接的な接触以外にも、タオルや食器などを通して感染することもあるので、口唇ヘルペスの症状がおさまった後すぐに共用のものを他人と使用するのは避けるようにしましょう。
感染=発症とは限らない。発症せずにすむ場合も
ヘルペスウイルスに感染したからといって、すぐに発症するわけではありません。ヘルペスウイルスは感染後、神経節に潜伏します。そのままウイルスが増殖・活性化しなければ症状が出ず、気が付かないこともあります。その後、免疫力が低下した時にウイルスが活性化し、症状が出てきます。
そのため、発症していないからといって感染していないとは限りません。口唇ヘルペスウイルスはかなり感染力が強いので、発症している方とキスをした場合は注意が必要。ウイルスが増殖する前に対処することが大事ですので、とにかくキスをした後、唇にピリピリ、むずむずとした違和感がないかをチェックしていてください。
口唇ヘルペスの予防には初動がとても大事!油断せず、対策をしっかり行うようにしましょう。
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2021-07-21
「唇が荒れる…これはなぜ?」
症状の原因をお医者さんに聞きました。
唇の荒れが治らない時、“口唇ヘルペス”や“扁平苔癬”など病気の可能性があります。
改善のための対処法や、病院に行く目安も解説します
唇が荒れている…「もしや病気?」
保湿ケアをしても唇の荒れが改善されない
唇以外にも症状があらわれている
という場合は、病気の症状が出ている可能性があります。
基本的に、唇の荒れは、皮膚の乾燥によるものが多いです。
唇は皮膚が薄くデリケートな部分なので、紫外線・歯磨き粉・化粧品などのちょっとした刺激が原因でトラブルが起こります。
皮膚が乾燥している場合は、保湿リップクリームやワセリン等でしっかり保湿しましょう。
ただし、「ケアを行っているのに唇が荒れたまま」だったり、口内炎・頭痛・全身がだるい等の諸症状が出ている場合は、早めに医療機関で相談しましょう。
考えられる3つの病気
唇が荒れる病気の代表例として、
口唇ヘルペス
扁平苔癬
口腔アフタ潰瘍
などが考えられます。
病気① 口唇ヘルペス
唇の日焼け・歯科処置・免疫力が低下する病気によってヘルペスウイルス感染したり、過去にかかったヘルペスウイルスが再活性したりすることで発症します。
症状の特徴
唇が荒れる前に、数分から数時間程度その部位にチクチク感がある
チクチク感の後に、赤く腫れる
液体で満たされた水疱ができる
水疱は破れると、潰瘍が残る
潰瘍の部分はすぐにかさぶたになる
かさぶたは5~10日後に取れる
唇以外に生じる症状
口内炎ができる
気分が悪くなる
熱が出る
頭痛が起こる
全身が痛い
全身に倦怠感がある
便秘になる
どんな人に多い?
よく日焼けする人
歯科処置を受けた人
糖尿病や悪性腫瘍、HIV感染症など免疫力が低下する病気にかかっている人
自分でできる対処法は?
自分でできる対処法は残念ながらありません。できるだけ早期に医療機関で治療を始めるのが望ましい病気です。口唇ヘルペスの疑いがある場合、すぐに医療機関を受診しましょう。
病院で受ける治療法
医療機関では抗ヘルペスウイルスの塗り薬や飲み薬を使用します。
飲み服が効かない場合や重症の場合は、点滴注射や入院治療が必要になる場合もあります。
医療機関で治療をすると、一般的に5日程度で治るケースが多いです。
病気② 扁平苔癬(へんぺいたいせん)
アレルギー(歯科用金属など)・ストレスなどの精神的因子・遺伝的素因・自己免疫疾患・代謝障害などが原因で、発症すると考えられています。しかし、はっきりとした原因はわかっていません。
症状の特徴
唇がただれる
浅い潰瘍ができる
水疱ができる
痛みが出る
口の中に枝状や線状の形をした青白いレース状の斑ができる
唇以外に生じる症状
体の両側に均等に発疹があらわれる(特に胴体・手首の内側・脚・陰部に多い)
発疹はかゆみを伴う
紫色の隆起があり、境界が不規則である
発疹が治った後も、皮膚の色が濃くなったままになる(色素沈着)
爪が薄くなる
爪に溝ができる
毛が抜ける
どんな人に多い?
女性
歯科用金属などでアレルギーを起こしたことがある人
自己免疫疾患を患っている人
代謝障害を患っている人
ストレスの多い生活を送っている人など
自分でできる対処法は?
自分でできる対処法は残念ながらありません。
扁平苔癬の疑いがある場合、すぐに医療機関を受診しましょう。
病院で受ける治療法
医療機関では抗ヘルペスウイルスの塗り薬を使用します。
ただし、完治するのは困難な病気です。
病気③ 口腔アフタ潰瘍
免疫異常とも考えられていますが、原因不明です。
全身疾患のベーチェット病の症状として、ほぼ100%の確率で口腔アフタ潰瘍を発症し、唇が荒れます。
症状の特徴
痛みがある
口内炎が複数できることがある
唇以外に生じる症状
下腿や前腕に赤い痛みのあるしこりができる
顔・頸・胸部などにニキビのような皮疹ができる
眼が痛む
充血する
どんな人に多い?
子どもや女性に多い
ストレスが多い人
自分でできる対処法は?
自分でできる対処法は残念ながらありません。口腔アフタ潰瘍の疑いがある場合、すぐに医療機関を受診しましょう。
病院で受ける治療法
軽症の場合は、経過観察とともに口腔環境を衛生的に保つよう生活指導をしたり、口腔粘膜用剤を処方、潰瘍が多数見られる場合はうがい薬などでも対応します。重症の場合は、アプレミラストという薬を投与することもあります。
また、ステロイドの塗り薬やコルヒチンの飲み薬を使うこともあります。
病院は何科?
唇が荒れる時は皮膚科を受診しましょう。
不快な症状が続き、仕事に集中できなくなったり痛みによって話しにくくなったりと日常生活に支障をきたす可能性があります。
また、口唇ヘルペスの場合、食器やタオルを介して人にうつすリスクがあります。
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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
MSDマニュアル家庭版 単純ヘルペスウイルス-hsv-感染症
MSDマニュアル家庭版 扁平苔癬
どんなときにうつりやすい?口唇ヘルペスの感染
免疫力が下がっている時は注意。ウイルスに侵入されやすい
免疫力が下がっている時はうつりやすいため、特に注意。免疫力が高ければ口唇ヘルペスウイルスの侵入を体が防ぐことができる可能性もありますが、免疫力が低いと侵入され、感染に繋がります。
免疫力が高ければ、感染したとしても症状が出るのを抑えることができることもあります。その後再発しないためにも、潜伏状態でウイルスを抑えておくことが大切です。
免疫力の低下でウイルスが活性化する
免疫力は体内のウイルスや細菌を抑制する働きがあるため、この免疫力が低下すると感染してしまったヘルペスウイルスが活性化してしまいます。ウイルスの活性化を抑えることは口唇ヘルペスを防ぐのに一番大切なこと。そのためには免疫力を高めておくことが重要です。
逆に、口唇ヘルペスのウイルスと接触した場合でも、発症前やかさぶたがはがれた後のウイルスの感染力が弱い状態であれば、免疫力が高ければ感染自体せずにすむ場合もあります。とにかく免疫力を高く保つことが大切な予防法のひとつ!しっかり日常生活から意識して、免疫力を上げていきましょう。
症状が出ている時は感染リスクが高い!接触は避けて
症状が出ている時は一番ウイルスが活性化していて、一番感染リスクが高い時期です。直接接触をするのは避けましょう。
特に水ぶくれの中には大量のウイルスがいるといわれています。手で患部を触り、その手で触れた場所を介することでウイルスがうつる可能性もあるので、直接接触以外もなるべく共同のものを使うのは避け、患部を手で触った後は必ず消毒や手洗いなどを徹底するのが望ましいでしょう。
どれくらいが目安?うつる確率が減る時期
かさぶたがとれて皮膚が完全に再生するまではうつる確率が高い
口唇ヘルペスは水ぶくれがある状態の時が一番感染力が高く、その後かさぶたがはがれてその下の皮膚が完全に再生されて症状がおさまっていきます。水ぶくれの中には大量のウイルスが増殖しているため、その時期は一番感染する確率が高い時期。かさぶたがとれて皮膚が完全に再生された後から徐々に感染力が落ちるとされています。
ですが、かさぶたがとれたからといってすぐに感染力がゼロになるわけではなく、あくまで「感染力が低くなる」程度。キスのような直接接触は、できればかさぶたがとれてからすぐではなく、その後様子を見て全に皮膚が再生されて元通りになってからの方が望ましいです。
赤みや腫れ、水膨れがなくなってから7日~10日間程度が目安
一般的に、口唇ヘルペスの感染リスクは、赤みや腫れ、水膨れがなくなってから7日~10日間程度でかさぶたがとれて皮膚が完全に再生されてくることが多いです。それまでは感染リスクが高いので、キスは控えるようにしましょう。
10日ほど経った後でも症状がおさまっていなければもちろん感染リスクは高いです。しっかりと感染対策を行い、直接接触を避けるようにして感染拡大を防止するように注意しましょう。
かさぶたが取れた直後はまだうつるかも。キスは控えて
口唇ヘルペスのウイルスは、かさぶたができた段階ではまだ感染能力を持っていることが多いです。そのため、まだ皮膚が再生しきっていない段階でかさぶたが取れてしまった場合などは感染力がまだ高い状態なので注意しましょう。
念のため、直接接触はかさぶたが取れてから7日~10日間ほどあけてからが望ましいです。それでも感染リスクはゼロではないため、予防や対策をきちんとすることが大切です。
性器にも感染するので要注意
口唇ヘルペスと性器ヘルペスはどちらも単純ヘルペスウイルスの感染によりおこるため、口唇ヘルペスウイルスをもっている人の口が性器に触れた場合、性器ヘルペスに感染している可能性があるので注意が必要です。
口唇ヘルペスの疑いがある場合には、オーラルセックスなどは控えるようにしましょう。
【対処法】もしもキスしてしまったら?うつった時にやるべきこと
今すぐ対処して!口唇ヘルペスは早めの対処が大事
口唇ヘルペスはウイルスによる感染症のため、症状をひどくしないためにはとにかくウイルスの増殖を抑えることが大切。対応が遅れれば遅れるほどウイルスが増殖し、腫れや赤みも増してしまいます。そのため、感染したと思ったら何よりもウイルスを増殖させないよう、まだウイルスが少ない段階でとにかく抑えることが重要!ウイルスの増殖を防ぐためには「抗ウイルス薬」を使用するのがいいでしょう。
本当は感染の疑いがある段階で病院へ行くのが望ましいですが、難しい場合は市販薬を使用するだけでも発症を遅らせることに繋がります。
違和感があったらすぐに「抗ウイルス」薬を塗ろう
唇にかゆみやピリピリ感を感じた場合、その段階で「抗ウイルス」薬を塗るのがおすすめ。ヘルペスウイルスの増殖を防ぐことで、症状の悪化を最小限に抑え、回復までも短縮することができます。
病院で対処してもらうのが望ましいですが、すぐに行けなければ市販のヘルペスウイルスの増殖を抑えられる抗ウイルス薬を使いましょう。ウイルスの増殖を抑え、症状を軽減する効果が期待できる成分が入っている塗り薬などがおすすめです。
病院では抗ウイルス薬の飲み薬を処方されることが多いですが、市販だと飲み薬がありません。悪化させないためにはできるだけ早めに病院を受診するのが望ましいですが、すぐにいけない場合には市販されている塗り薬を使うのもいいでしょう。
「アクシロビル」や「ビダラビン」の成分が入った薬を選ぼう
抗ウイルス作用がある成分「アクシロビル」や「ビダラビン」は、発症初期に使用することで水膨れやかゆみを早く治めることが期待できます。この2つの有効成分のどちらかが入っている市販薬を選びましょう。
アラセナS
抗ウイルス成分「ビタラビン」が配合されているクリームです。クリームタイプで伸びがよく、べたつきが少ないのが特徴。塗った後も目立ちにくいので、メイクの前や人と会う時にも使いやすいです。
アクチビア軟膏
抗ウイルス成分「アシクロビル」がヘルペスウイルスの増殖を抑えてくれます。軟膏タイプなのでより患部に留まって保護してくれるので、痛みが強い方や寝る前などに使用する時におすすめです。
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2020-02-27
「市販薬での治療は初めてだから不安…」
「口唇ヘルペスの飲み薬はあるの?」
口唇ヘルペスの市販薬の選び方から、種類や購入方法、値段まで医師が詳しく解説します。
市販薬が使えるのは「再発時のみ」
口唇ヘルペスを市販薬で治療を行えるのは、再発・医師の診断を受けた方のみとなっています。
そのため、口唇ヘルペスを初めて発症したと思われる場合の治療は、基本的には病院を受診してください。
自然に治るのを待ってもいい?
ヘルペスは、ウイルス感染によるもののため、自然治癒を待つよりも早期に病院を受診するようにしましょう。
再発・医師の診断を受けた方であっても、市販薬で症状が改善しない場合は、早期受診をして内服薬で治療を行いましょう。
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市販薬の選び方
口唇ヘルペスは、外用薬しか市販薬には存在しません。
治療後に残ってしまった、または免疫が弱くなって再発したヘルペスウイルスの増殖を部分的に抑える薬です。
※子どものヘルペスの場合でも、外用薬は大人と同じ薬を使用しても大丈夫です。対象年齢や用法用量を守って使用しましょう。
市販薬の例
市販薬には、
アラセナS
アクチビア
ヘルペシアクリーム
アラセナSクリーム
などがあります。全てウイルスの増殖を抑える効果を持ちます。
どの市販薬がよいかは、個人の使い勝手や体質によって異なります。
違いとしては「アラセナS」「アラセナSクリーム」は医療用アラセナ-3%と同じ濃度の有効成分を配合しており、「アクチビア」は少々苦味を感じやすいということがあります。
市販薬は、ドラッグストアや、最近ではオンラインでも購入が可能です。
オロナインは効く?
オロナインは、ヘルペスウイルスを抑える働きはありません。
オロナインは尿素を含んだ保湿剤であり、かゆみを抑える外用薬です。
市販薬の値段
一本あたり800~1300円程度です。
値段の違いで治療効果が大きく違うことはありません。メーカーの希望価格の差だといえます。
こんな場合は病院へ!
初回の症状として、口周りがかゆくてたまらない・水ぶくれができた・痛みが我慢できないくらいの場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。
また、再発の場合は、市販薬を使用して1週間くらい使用しても変わらない、悪化する場合は病院へ行きましょう。
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口唇ヘルペスの再発予防
再発を予防するためには、疲労やストレスを減らすこと、免疫力を低下させないような生活習慣を心がけることが大切です。
食事においては、抗酸化力が高いビタミンC(いちご、ピーマン等)、ビタミンE(ナッツ、ごま 等)、βカロテン(緑黄色野菜等)や、皮膚の元となるタンパク質(肉類、魚類)などを積極的に摂ることをおすすめします。
他の人に感染を広げないために…
他の人と食器類・食品の共有は感染させることにもなりますのでやめましょう。
治癒してしまえば他の人に移す可能性はほぼないですが、念のため、1週間ほどは注意しておくのが安心です。
▼参考
薬の選び方を学び 実践する OTC薬入門〔改訂第5版〕 (薬ゼミファーマブック)
この記事は、医療健康情報を含むコンテンツを公開前の段階で専門医がオンライン上で確認する「メディコレWEB」の認証を受けています。