医師監修|なぜ?生理前の陰部のかゆみ。原因はホルモン?対処法も

更新日:2024-11-12 | 公開日:2024-11-12
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医師監修|なぜ?生理前の陰部のかゆみ。原因はホルモン?対処法も

生理前になると陰部がかゆくなる!なぜ?
ホルモンバランスと関係ある?

生理前になると繰り返す陰部のかゆみについて、医師に聞きました。

監修者
経歴

日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医、女性ヘルスケア認定医、神戸にある沢岻美奈子女性医療クリニックの院長

子宮がんや乳がん検診、骨粗鬆症検診まで女性特有の病気の早期発見のための検診を行なってい更年期を中心にホルモンや漢方治療だけでなく、カウンセリングや栄養療法もとりいれた診療をしている。

女性のヘルスリテラシー向上のために実際の診察室の中での患者さんとのやりとりなどをインスタグラムで毎週配信中。

生理前の陰部のかゆみは「ホルモンの変化」が原因かも

ホルモン変動による乾燥が陰部の「かゆみ」を引き起こす

医師女性
生理前になると、プロゲステロンというホルモンの分泌が上昇し、反対にエストロゲンというホルモンの分泌が減少します。この変化により膣内の環境が乱れ、乾燥したり、刺激に敏感になったりします。それによりかゆみが引き起こります。

エストロゲンが減少すると、膣内の潤滑が少なくなります。

通常、膣内が潤滑していると皮膚や粘膜が柔らかく、外部の摩擦や刺激から保護されているのですが、エストロゲンが減少して潤滑が不十分になると、粘膜が乾燥し、お肌が敏感になります。

お肌が敏感になることで下着や些細な動作での摩擦などでもかゆみが生じやすくなるのです。

下着やナプキンなどでもかゆみが出やすくなる

医師女性
乾燥により皮膚が敏感になると、ナプキン下着のこすれでもかゆみが出ることがあります。特に女性用の下着は密着度が高く通気性が悪いものも多いので、摩擦で炎症を起こしやすくなり、かゆみに繋がります。

エストロゲンが減少するとコラーゲン生成も減少し、皮膚が薄くなり、外部の摩擦や刺激に対して敏感に反応するようになります。

生理前だと特に下着を汚さないようにナプキンを付けていたり、ぴったりとする下着をはいていたりすることもあるかと思いますが、それが刺激になってかゆみを感じることがあります。

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「免疫力の低下」による炎症やかゆみの可能性も

医師女性
生理前にエストロゲンが減少すると免疫力が低下し、バリア機能が弱まります。バリア機能が弱まることで刺激に敏感になったり、炎症を起こしやすくなることに繋がります。

免疫が低下すると皮膚の潤いを保つ力が弱まり、さらに乾燥しやすくなります。

皮膚の感覚神経が過敏になるため、外部からの刺激に敏感になり、通常では気にならないような軽い摩擦や温度変化など、神経過敏によるかゆみが出ることがあるのです。

免疫力が低下することで感染症になるリスクも上がる

医師女性
免疫力が低下することで、膣カンジダ細菌性膣炎などの感染症になるリスクも上がります。生理前になると免疫力が低下しやすくなるので、生理前になる度に膣カンジダを発症したりするケースもあります。

エストロゲンは体内で免疫細胞の活動を調整し、炎症反応をコントロールする働きをしています。

エストロゲンが十分に分泌されていると免疫系が活性化され、病原体から守ってくれるのですが、エストロゲンが減少してしまうと免疫細胞の活動が低下してしまうため、体の病原体に対する防御力が弱まってしまいます。

するとウイルスや細菌、真菌に対して十分に抵抗できなくなり、感染症のリスクが上がります。

特に細菌、真菌が体内に侵入することで感染する膣カンジダや細菌性膣炎は、生理前にかかりやすくなる感染症のひとつです。

「膣カンジダ」の可能性はある?チェックしてみよう

かゆみがひどい場合は膣カンジダの可能性が高い

医師女性
膣カンジダは、カンジダ菌が膣内で増殖し、正常な膣内の環境を乱す性感染症です。生理前はエストロゲンが減少して免疫力が低下することで感染しやすくなります。強いかゆみをともなうことが多いため、あまりにもかゆみがひどいと感じたら早めに病院へいくようにしましょう。

膣カンジダはおりものに特徴が出たり、不快感をともなうことが多いです。

これって膣カンジダの症状?気になる方はチェックしてみましょう。

膣カンジダに感染している時の特徴

おりものの状態

  • カッテージチーズや酒粕のような、ポロポロとしたかたまり状のおりもの
  • いつもより量が増えている

不快感がある

  • 強いかゆみがあることが多い
  • 外陰部に灼熱感があることが多い
  • 排尿時に痛みがあることもある

これらに当てはまる時は膣カンジダの可能性があります。早めに病院を受診しましょう。

【対策】生理前のかゆみを和らげる方法

日常的なケアが大切。肌に優しいアイテムを選んで

医師女性
生理前のかゆみはデリケートゾーンのお肌が敏感になっていることでおこるため、その時期にはお肌に優しいアイテムを使ってケアすることが大切です。通気性がいい下着やデリケートゾーン専用の石鹸やクリームを使用して保湿を心がけましょう。

下着やオーガニックコットンや湿気がこもりにくい通気性のいいものを身に着けるのがおすすめ。逆に合成繊維でできた下着は通気性が悪く、蒸れの原因になるため避けるのがいいでしょう。

生理前は陰部が乾燥しやすくなっているので、通常のボディソープで洗うのは避けるのが無難。デリケートゾーン専用の石鹸は保湿力が高く、余分な皮脂を落とさず肌に優しい成分で作られているものが多いので、デリケートゾーン専用の石鹸で優しく洗ってあげるのがおすすめです。

さらに、おりものシートなどを使う時の選び方にも注意。なるべく肌に優しい素材で作られているものを選ぶようにすると、陰部のトラブル軽減に繋がりますよ。

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