お酒を飲みすぎで下痢になる理由|いい対処法はある?黒い便・嘔吐は注意

更新日:2023-01-19 | 公開日:2020-03-31
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お酒を飲みすぎで下痢になる理由|いい対処法はある?黒い便・嘔吐は注意

「お酒を飲みすぎて翌日下痢…なぜ?」
お酒が原因で下痢になる理由から、止まらない場合の対処法や予防法、市販薬のおすすめまで医師がお答えします。
気をつけるべき黒い便や、病院に行く目安も解説しています。

監修者
岡村 信良 先生

平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
内科医

岡村 信良先生

経歴

平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック

なぜ?「お酒を飲むと下痢になる」理由

お酒

医師男性
まず、アルコールそのものが下痢を引き起こしやすいものです。
その他
「短時間に大量の水分を摂取した」
「高脂質なものをたくさん食べた」
ということも、下痢を引き起こす原因になります。

アルコールそのものが下痢を引き起こしやすい

医師男性
アルコールを過剰摂取すると、酵素の働き阻害したり、肝臓をアルコール分解で手一杯にさせたりしてしまいます。

<過剰なアルコールが「腸」に与える影響>
アルコールは小腸で約80%吸収されます。
そのため、アルコールを過剰摂取すると小腸粘膜にある酵素の機能が低下して、脂肪・糖分・水分・ナトリウム等の吸収が阻害され、浸透圧性の下痢(※)が起こる場合があります。

さらに、アルコールは大腸の働きを活性化するため、通常は大腸で吸収される水分が、吸収されないまま肛門まで進んでしまうことになり、水分の多い便である下痢が出やすくなります。

※浸透圧性の下痢とは、腸からの水分吸収が阻害され、便が水分を必要以上に含んだまま排便されるため起こる下痢です。

<過剰なアルコールが「肝臓」に与える影響>

脂質の消化や吸収を補助する働きをもつ胆汁は肝臓で生成されますが、アルコールを分解する働きも担っています。

しかし、お酒を過剰摂取すると、肝臓がアルコール分解で手一杯になり、胆汁を生成する働きが低下してしまう場合があります。
その結果、摂取した脂肪分の消化が滞り、翌朝下痢を起こすと考えられています。

短時間に大量の水分を摂取した

医師男性
短時間に2~3リットル以上の水分(お酒を含む)を摂取した場合、胃腸が拒絶反応を示して下痢が起こる場合があります。

高脂質なものをたくさん食べた

医師男性
お酒のおつまみとして好まれる揚げ物など、高脂質なものを多く摂ると、消化しきれず下痢を起こしてしまう場合があります。

体内において、アルコール分解と脂質の消化を補助する働きは肝臓が大きく関与しています。
そのため、おつまみとして何を食べるかの選択がとても重要です。おつまみは、卵、豆腐、枝豆、野菜、海藻などがおすすめです。

なぜ?黒い便がでた…

医師男性
胆のうから分泌される胆汁の量や摂取した食べ物の種類によって、一見黒っぽい色に見える場合があります。
特にお肉を食べたあとは黒っぽい色(黒褐色)になりやすいようです。

また、大腸内で悪玉菌が増加している場合、腸内がアルカリ性に傾くことで、黒っぽい便が出る場合もあります。

黒い便は、食道や胃の「出血」の可能性も

医師男性
黒い便が出る場合、強いお酒を飲んだり多量に飲むことで、食道や胃から出血している可能性もあります。

病気が潜んでいる可能性があるので、病院を受診して検査を受けることをおすすめします。

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お酒で下痢をしたときの「対処法」

医師男性
次の6つの対処法を試してみましょう。
  • 安静にする
  • 水分補給をこまめに行う(水・白湯・スポーツドリンク等がおすすめ)
  • 消化のいいものを食べる(うどん・おかゆ・野菜スープ等がおすすめ)
  • ハーブティーを飲む(ジンジャーやミントがおすすめ)
  • 体を温める
  • 乳酸菌を摂る

牛乳は避けよう!

医師男性
牛乳のように、乳糖が分解されていない乳製品は、お腹を下しやすいので、避けましょう。

市販薬で対処できる?

医師男性
整腸作用を持つ市販薬で症状が改善されるケースもあります。
  • 正露丸
    腸の働きを正常な状態に戻す効能があるため、いろいろな原因で生じる下痢症状の緩和に有効と考えられています。
  • ビオフェルミン
    飲み過ぎ、食べ過ぎ等で起こる下痢に有効とされています。

これらの薬は、念のため他の薬との併用は控えてください。

「もう下痢は嫌だ…」これからの予防対策

医師男性
お酒を飲んだあと下痢にならないために、飲んでいる最中は次のことに気を付けましょう。
  • お酒とお酒の間に水を飲む
  • おつまみも一緒に食べる(卵・豆腐・枝豆・野菜・海藻など)
  • お肉等の「脂肪分が多い食べ物」や「糖分を多く含む食べ物」は控える
  • 飲酒量を抑える
  • お酒はゆっくり飲む

短時間に多量のお酒を飲まないようにしましょう。
飲酒量の目安としては、日本酒であれば1合、ビール(大瓶)であれば1本/1日程度に抑えるようにしましょう。

下痢が止まらない場合は?

医師男性
次の症状があらわれた場合は、早急に病院を受診しましょう。
  • 下痢に加えて、発熱・嘔吐等の症状がみられる
  • 水分摂取ができず、脱水症状がみられる
  • 下痢症状が悪化し、激痛を伴う
  • 食中毒が疑われる

感染性胃腸炎大腸疾患などを発症している可能性もあります。
病院は、内科・消化器内科・胃腸内科を受診するケースが多いです。

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