血糖値が上がると頭痛が起きるしくみ。血糖値スパイクを予防するには?

更新日:2023-04-24 | 公開日:2022-05-30
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血糖値が上がると頭痛が起きるしくみ。血糖値スパイクを予防するには?

「食後に頭痛がする…」
「これは血糖値が原因?」

糖質の多い食事をとると、“血糖値スパイク”によって頭痛を引き起こす場合があります。

繰り返すことで「心筋梗塞」を招くリスクもあるため、放置は禁物です。
改善のための食生活・病院に行く目安をチェックしましょう。

監修者
岡村 信良 先生

平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
内科医

岡村 信良先生

経歴

平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック

血糖値が上がると頭痛が起きるしくみ

最近食後に頭痛があります。しばらくすると収まるのですが、これは何でしょうか?
男性
医師男性

食後の頭痛は、血糖値スパイクが原因となっているケースが多いです。

この症状は、

  • 1日の食事が2回 (特に朝食を抜いている人)
  • ドカ食い(1回の食事量が多過ぎる)
  • 早食い
  • 暴飲暴食

といった食べ方で起こりやすいです。

血糖値スパイクとは、食事による血糖値に急上昇によって「インスリン」が大量に分泌され、低血糖状態に陥る症状です。
低血糖になると、多量のアドレナリンが分泌されて血管が収縮し、めまいを伴う頭痛・激しい頭痛が生じることがあります。

また、上記の食べ方以外にも、運動不足・喫煙・睡眠不足・ストレス過多などが原因となって血糖値スパイクを招いてしまう人もいます。

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「たかが頭痛」と放置してはいけない理由

医師男性

血糖値スパイクが繰り返されると、次第に血管が傷ついていき、動脈硬化を発症しやすくなります。

さらに進行すると、「脳卒中」・「心筋梗塞」などの命に関わる病気を招く恐れがあります。

食後に血糖値が急上昇しても、多くの場合は自覚症状が出現しません。
動脈硬化は、体の異変に気付かないまま進行するケースが多いので注意が必要です。

また、血糖値スパイクは食後から数時間後には正常値に戻るため、通常の健康診断で行われる血液検査では発見が難しいと考えられています。
食後の頭痛があるときは、普段の食生活をきちんと見直すようにしましょう。

食後の頭痛(血糖値スパイク)を予防するには?

医師男性

食後の頭痛を予防するには、糖質の吸収・消費をコントロールすることが大切です。

普段の生活では、

  • 副菜→主菜→主食の順で食べる
  • よく噛んでゆっくりと食べる
  • 朝・昼・晩の3食食べる(欠食しない)
  • 食後30分程度経ったら、体を動かす

といった点を心がけるようにしましょう。

対処法① 副菜→主菜→主食の順で食べよう

①副菜(食物繊維)

野菜/きのこ/海藻 など

②主菜(タンパク質・脂質)

お肉/魚 など

③主食(炭水化物)

ご飯/麺/パン など

医師男性
食事は、「副菜→主菜→主食」の順で食べましょう。
最初に「食物繊維」を食べることで、食事による血糖値の上昇スピードを遅らせることができます。

また、炭水化物を取る前に「タンパク質」や「脂質」をとることで、グルカゴンというホルモンの分泌を抑制し、胃の動きを緩やかになります。

「炭水化物」の選び方も大切!

 

主食を選ぶ際には、

  • 玄米・雑穀米
  • ライ麦パン・全粒粉パン

にするといった工夫で、血糖コントロールに有効とされる「食物繊維」や「ミネラル」を摂ることができます。

特に「食物繊維」を多く含む食品は、満腹感を得やすいものが多いため、食べ過ぎ予防にもつながるでしょう。

対処法② よく噛んでゆっくりと食べよう

医師男性
1口食べたら30回以上噛むようにして、ゆっくりと食事をすると、インスリンが少量ずつ分泌されて血糖値の急激な上昇を防げます。

対処法③ 欠食はやめよう

医師男性
朝・昼・夜で1日3食、栄養バランスのよいものを規則正しく食べましょう。

欠食すると空腹になり、一度にたくさんの量を食べてしまいがちです。
ドカ食いは血糖値が急上昇して、血糖値スパイクを起こしやすくなるため注意しましょう。

対処法④ 食後30分程度経ったら、体を動かそう

おすすめの「有酸素運動」 

  • ウォーキング
  • ヨガ
  • ストレッチ
  • サイクリング
  • 水泳
  • ジョギング
医師男性

食度30分程度経ったら、「有酸素運動」を行うのがおすすめです。

1日20~60分・週150分以上を目安に行いましょう。

運動によりブドウ糖がすみやかに消費され、インスリン分泌に頼らずに血糖値を下げられます。

また、運動習慣がつくと、インスリンの効きがよい体質になり、血糖値が上がりにくくなる場合があると考えられています。

食後の頭痛が続いているときは、医師に相談を!

医師男性

食後の激しい頭痛・めまいを伴う頭痛が続いている場合は、一度病院で相談しましょう。

血糖値スパイクを放置すると、動脈硬化によって「心筋梗塞」・「脳卒中」などを招く恐れがあります。

こんな症状は「糖尿病」の疑いも!

「糖尿病」が疑われる症状

  • 喉が渇きやすい
  • 頻尿
  • 疲れやすい(倦怠感が強い)
  • 手足のしびれや冷え
  • 動悸
  • 体のこわばり
医師男性
食後の頭痛に加えて、上記の症状を感じているときは、早急に病院で診てもらうようにしましょう。

食後の頭痛は、糖尿病による「高血糖状態」で起こるケースもあります。
糖尿病が悪化すると、失明・腎不全などの合併症を招く恐れがあるため、放置は禁物です。

病院は何科で受診すべき?

医師男性
食後の頭痛が続くときは、まず「内科」で相談するとよいでしょう。

受診時に伝えるポイント 

  • 症状が出始めた時期
  • 出現している症状について
  • 生活習慣について(食事内容等)
  • 思い当たる原因について
  • 既往歴について

等を医師に伝えると診察がスムーズに進むと考えられます。

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