急に血圧が上がったときの症状を、お医者さんに聞きました。
「なぜ急に血圧が上がるの?」
「病院に行くべき?」
といった疑問にもお答えします。
監修者
経歴
福岡大学病院
西田厚徳病院
平成10年 埼玉医科大学 卒業
平成10年 福岡大学病院 臨床研修
平成12年 福岡大学病院 呼吸器科入局
平成24年 荒牧内科開業
急に血圧が上がったときの症状
血圧が急激に上がると、次のような症状が出ることがあります。
- 頭が重く感じる
- 頭痛
- めまい
- 肩こり
- 動悸
- 吐き気
- 手足のしびれ
- 背中の痛み
- 呼吸困難 など
なぜ、急に血圧が上がるの?
ハードな運動をしたり、寒い場所にいたりすると、急激に血圧が上がることがあります。
心臓が一回で送りだす血液量が増えたり、血管が固く・狭くなったりすることで、血圧は上昇します。
そのため、運動などで大量の酸素が必要になったり、寒さで手足の血管などが急に狭くなったりすると、血圧が急に上昇します。
血圧上昇の直接的な原因には
- ハードな運動
- 塩分の摂り過ぎ
- 過度のストレス
- 臓器障害
- 寒冷の刺激
などが挙げられます。
急激な運動が原因と考えられる血圧の上昇は、基本的には大丈夫でしょう。楽な姿勢にして、休憩をとりましょう。
症状がおさまり、呼吸も通常通りできる場合は、血圧を測定しながら様子を見てください。
血圧の急上昇は大丈夫?
特に運動をしていたわけでもないのに血圧が上がったり、次のような症状も出るときは注意が必要です。
- 頭が重く感じる
- 頭痛
- めまい
- 肩こり
- 動悸
- 吐き気
- 手足のしびれ
- 背中の痛み
- 呼吸困難 など
高血圧の治療を受けていない場合は、医療機関を受診しましょう。
高血圧の治療を受けている人の場合は、処方されている降圧薬を指示されている通りに服用してください。
病院を受診する目安
- 血圧の急激な上昇を何度も繰り返す
- 1日に何度も血圧の上昇を感じる
という場合は、早急に医療機関を受診して一度、検査を受けましょう。高血圧緊急症の恐れがあります。
また、特に症状がなくとも、血圧が上140mmHg、下90mmHg以上の人は放置せず、医療機関を受診して相談しましょう。心臓などに何らかの不具合が起きている可能性があります。
病院ではどんな治療をする?
血圧のチェックを随時おこない、降圧薬などの薬を使って、血圧を下げます。
血圧を下げて、血流が低下したときに起こる合併症の脳梗塞、肝臓障害などの虚血性障害を起こさないか確認しつつ、血圧を下げてゆきます。
2日程度かけてゆっくりと血圧を低下させたら、その後は薬での治療、経過観察などを行います。
急激な血圧上昇によって、危険があると判断されると、入院して経過を観察する場合があります。
何科で受診すればいい?
血圧が急に上昇したときは、循環器内科・内科を受診しましょう。
内科を探す
放置はNG!症状が悪化すると…
血圧の急上昇を繰り返すと、
を発症する恐れがあります。
普段の血圧値が正常な方でも、血圧の急な上昇を繰り返すと、血管が傷む場合があります。
症状が日に何度も起こる、何日かに渡って何度か感じる、といった場合は、必ず医療機関を受診しましょう。
また、ふだんから血圧が高いと感じている人は、自動血圧計を購入して、自宅で毎日、朝・夕と血圧を測定して、本当に高くなっているのか調べてみましょう。
最近では、ドラッグストアなどで手ごろな値段で自動血圧計が購入できます。
日々の食事の減塩にも、心がけるようにしましょう。
内科を探す
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
合わせて読みたい
2020-12-28
なんだか体調が悪い…。ストレスのせいかも…。
ストレスが限界に達すると、どのような症状があらわれるのでしょうか。
お医者さんの目線から、「心の症状」と「体の症状」、それぞれ解説してもらいました。
ストレスが限界に達した時に出る症状
ストレスが限界に達すると、脳や自律神経の働きに影響が出て「心の症状」と「体の症状」があらわれます。
ストレスの限界サイン「心の症状」
気分が落ち込む
イライラして、怒りっぽくなる
やる気が出ず、集中できない
何に対しても興味が持てない
ストレスの限界サイン「体の症状」
肩こり
頭痛
腹痛、胃痛
胸が苦しい
息苦しい
だるくて体が動かない
食欲不振、または食欲過剰
下痢、便秘
寒気や冷え
涙が止まらなくなる
不眠、または過眠
過度なストレスを受け続けると脳が正常に働かなくなり、気分が落ち込みやすくなります。
さらに、ストレスは内臓など体全体の調子を整える「自律神経」の乱れを引き起こすため、体の不調の原因にもなります。
ストレスが溜まりすぎると起こる「行動の変化」
浪費が激しくなる
ギャンブルが止まらなくなる
アルコール量が増える
喫煙量が増える
ストレスによって心の調子が不安定になると、お酒を飲む量が増えたり、大胆な行動をとったりする方もいます。
「自分らしくない行動が増えた」という場合も、心の状態に注意したほうがよいでしょう。
ストレス限界サインを感じたら、こう対処しよう
質の良い睡眠をとる
好きな物を食べる
気が合う人と会う
などの方法で、ストレスを発散しましょう。
ストレス対処法① 質の良い睡眠をとる
ストレスの解消には、十分な睡眠が大切です。
質の良い睡眠をとれるよう、就寝前には
ゆっくり入浴する
リラックスを設ける
スマホよりも本を読む
の3つの点を心がけましょう。
湯船にゆっくり入浴する
湯船につかって、ゆっくりと温まりましょう。
時間や体力がないときは、熱めのシャワーを首元に数分当ててください。
入浴が終わったら、冷えないように着替え、水分補給をしましょう。
リラックスタイムを設ける
ゆっくりできる場所に腰を掛けて、気持ちを休めましょう。
好きな音楽やテレビを楽しむのもおすすめです。
スマホよりも雑誌や本を読む
就寝直前はスマホではなく、読書が適しています。
インターネットは情報がどんどん入ってくるため、過度な刺激になってしまいます。
眠気を感じたら、電気を消して早めに入眠しましょう。
ストレス対処法② 好きなものを食べる
好きなものを食べると、ストレスが和らぎます。
※ただし、暴飲暴食は控えてください。
食欲がないときは無理せず、食べられるものを食べましょう。
軽く運動すると、食欲が湧きやすくなります。
反対に、カフェインの強いものはしばらく控えてください。
過度のアルコール摂取も、睡眠の質を低下させる原因となるため、注意しましょう。
ストレス対処法③ 気が合う友人と過ごす
悩みを誰かに相談することも、ストレス解消につながります。
こんなときは病院へ!
なかなか寝つけない
就寝中に何度も目が覚める
いつもより寝すぎてしまう
朝だるくて起きられない
といった場合は、早めに病院で相談しましょう。
何科を受診すればいいの?
心療内科・精神科を受診してみましょう。
初診の際は、下記のことを医師に伝えられるように、まとめておくといいですよ。
今までできていたのに、できなくなったこと
特につらいと感じていること
仕事の内容・職場の人間関係
おかしいと感じる体の症状
メモに書いて持っていくのもおすすめです。
心療内科を探す
心が壊れてしまう前に相談しよう
過度のストレスは、うつ病や自律神経失調症を引き起こす恐れがあります。
頑張りすぎは禁物です。
心療内科や精神科に行くとなると、身構えてしまう方も多いかもしれません。
ですが、メンタルの不調で病院にかかることは、内科で風邪を相談することと大きな違いはありません。
一人で抱え込まずに、病院で相談してみましょう。
▼参考
厚生労働省 みんなのメンタルヘルス うつ病