「明日仕事があるのに眠れない…」
眠れないまま朝になったときの過ごし方を、お医者さんに聞いてみました。
気持ちをリラックスさせる方法を載せているので、少しでも眠っておきたい方は必読です。
監修者
経歴
福島県立医科大学卒業
「働く人を支える」薬に依存しない医療を展開する「BESLI CLINIC」を2014年に協同創設、2030年を基準に医療現場から社会を支える医療経営を実践しています。
産業医視点からビジネスマン・ビジネスウーマンを支えております。生薬ベースの漢方内科での経験を活かし、腹診を含めた四診から和漢・井穴刺絡などの東洋医学を扱い、ホルモン、生活習慣をベースに身体から心にアプローチする診療を担当。米国マウントサイナイ大学病院へ留学、ハーバード大学TMSコースを修了。TMSをクリニックへ導入、日本人に合わせたTMSの技術指導、統括を行っています。
眠れないまま朝になった…どうしよう?
目がさえてしまって、そのまま朝になってしまいました。
今日は仕事があるのですが、どうすればよいでしょうか…?
数時間後に起きる必要があったとしても、少しでも睡眠をとったほうがよいです。
まずは気持ちをリラックスさせましょう。
リラックスする方法としては、
- 深呼吸をする
- ツボを押す
- ストレッチをする
- 温かい飲み物を飲む
- 本を読む
- 音楽を聴く
などがおすすめです。
眠れないのは、不安・緊張などで神経が「興奮状態」になっているせいかもしれません。
そんなときは無理に寝ようとせず、一度ベッドから出てみましょう。
気持ちがリラックスしてくると、次第に眠くなることが多いです。
「眠れそうだな」と思ったタイミングで、再びベッドに入るとよいでしょう。
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2022-11-29
いろいろ考えすぎて眠れない…なぜ?
考えすぎて眠れなくなる原因について、お医者さんに聞いてみました。
心を落ち着かせる対処法も紹介しているので、ぐっすり眠りたい人は必読です。
なぜ?いろいろ考えすぎて眠れない…
なんらかの心配事があり、ストレスを感じていると「色々考えすぎて眠れない」という状態に陥りやすいです。
仕事での失敗を思い出してしまう
将来を不安に感じている
次の日に大事な会議や試験があり、緊張している
人間関係の悩みを思い出してしまう
上記のような状態でストレスを感じると、「コルチゾール」というストレスホルモンが分泌されます。
すると、心拍数や血圧が上がり、ストレスから身を守る「戦闘モード」に入るため、眠りづらくなります。
また、「早く眠らないと」と焦ることで、余計に緊張して眠れなくなることもあるでしょう。
心を落ち着かせる「5つの対処法」
考えを文章にしてみる
呼吸を整える
ツボを押す
アロマを取り入れる
筋弛緩法を行う(筋肉の緊張を和らげる)
心を落ち着かせて眠りやすくするために、上記の5つの対処法を試してみましょう。
対処法① 考えを文章にしてみる
寝る前に悩み事や不安を紙に書き出しましょう。
頭の中を整理することにより、考え事を止めることにつながります。
対処法② 深呼吸をする
ベッドに仰向けになって、お腹を意識しながら深呼吸をしましょう。
吸うときよりも時間をかけて、ゆっくりと息を吐いてください。
深呼吸は体をリラックスさせるため、眠りにつきやすくなります。
対処法③ ツボを押す
就寝の30分~1時間ほど前に、頭頂部の「百会」というツボを押しましょう。
両手の指先や手のひらを使って、息を吐きながら、気持ちいいと感じる強さでツボを刺激してください。
百会というツボは、「自律神経を整えてストレスを軽くする働き」や、「全身の疲れを和らげる働き」があります。
対処法④ アロマを取り入れる
眠れないときはアロマの香りでリラックスしましょう。
ディフューザーを使ってアロマを焚く
スプレータイプのアロマを枕に吹きかける
などの方法がおすすめです。
▼心身の緊張をほぐしてくれる香り
ラベンダー、スイートマジョラム
▼神経を落ち着かせる香り
ベルガモット、ローズゼラニウム
対処法⑤ 筋弛緩法を行う(筋肉の緊張を和らげる)
背もたれに背中をつけないように、椅子に腰かける
腕・足・お腹の順番で筋肉に力を入れる
10秒間キープする
15~20秒かけて脱力する
筋弛緩法は、筋肉の緊張を和らげる効果があるので、リラックスして入眠しやすくなります。
病気の可能性はあるの?
「いろいろ考えすぎて眠れない」以外にも何か不調がある場合は、病気が疑われます。
下記の症状に心当たりはないですか?
倦怠感(体がだるい)
動悸
頭痛
肩こり
めまい
一日中やる気が出ない
考えられる3つの病気
病名
どんな病気?
自律神経失調症
自律神経の乱れにより、不眠・めまい・肩こりなどを招く。
うつ病
ストレスや疲労が原因で、不眠・倦怠感・意欲低下などを招く。
不安障害
日常生活に支障が出るほどの強い不安があらわれる。
これらの病気は、精神的ストレスや疲労、脳内の機能異常など、様々な原因が考えられます。
感情や意欲などを調整する脳の働きに不調が生じたり、自律神経が乱れたりすることにより、発症します。
不眠で生活に支障が出ている場合は病院へ
眠れないせいで「やる気が起きず仕事や学校に行けない」など、日常生活に支障が出ている場合は、何らかの病気が疑われます。
早めに医療機関で相談してください。
病気を放置すると治療に時間がかかるようになり、再発のリスクも高まるため、早急な治療が必要です。
何科で相談すればいい?
精神的な症状が強く出ている場合は、「精神科」で相談するとよいでしょう。
体の不調を伴う(頭痛・動悸など)場合は、「心療内科」で受診してください。
※両方の診療を行っている医院・クリニックもあります。
病院で行われる治療法
抗うつ薬・抗不安薬などの薬物療法
行動療法・暴露療法などの精神療法
病院では、上記のような治療が行われます。
不眠症状がある場合は、睡眠導入剤などの薬が処方されるため、入眠しやすくなるでしょう。
精神科を探す
心療内科を探す
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
厚生労働省:不眠症
厚生労働省:不安障害
厚生労働省:うつ病
MSDマニュアル家庭版:精神障害の治療
リラックス法① 深呼吸は「腹式呼吸」を意識しよう
- 腹部がへこむように口から大きく息を吐く
- 息を吐き切ったところで、腹部が膨らむように鼻から息を吸い込む
- ①~②を数回繰り返す
腹式呼吸で深く呼吸をすると「副交感神経」が優位になり、入眠しやすくなると考えられています。
リラックス法② 「百会」のツボを刺激しよう
- 両手の「4本の指」や「手の平」を使い、息をゆっくり吐きながら、5秒間程度ツボを押す
- ツボを押した後、軽く息を吸う
- ①~②を数回繰り返す
※気持ちがよいと感じる程度の強さで、優しく押しましょう。
頭頂部にある“百会のツボ”を刺激することで、心を落ち着かせる作用が期待できます。
リラックス法③ 「ストレッチ」で体の緊張をほぐそう
- 仰向けになる
- 足を肩幅程度に開き、顎を引く
- 両腕は、体から少し離した場所で伸ばす(肩の力を抜く)
- 手の平を上方に向けて、胸を開く
- 「背中が沈み込むような感覚」で全身の力を抜く
- 体に力を入れて、筋肉を緊張させる
- 緊張させた筋肉を脱力して、緩める
- 握りこぶしを作り、5秒ほどグーッと力を入れて脱力させる
- 足首を上方に曲げて5秒ほどアキレス腱を伸ばし、脱力する
上記の①~⑨の流れでストレッチを行ってみましょう。
体の緊張をほぐれてくると、眠りにつきやすくなります。
今日は仕事がある…コンディションを整えるには?
今日は仕事があるので、もし眠れたとしても起きるのがつらくなりそうです…。どうすればいいですか?
仕事でどうしても早く起きなければならないときは、
といった方法で、眠気を覚ますとよいでしょう。
太陽の光を浴びると、睡眠を促す「メラトニン」というホルモンの分泌が抑制されるため、覚醒度が高まると考えられています。
また、コーヒーには覚醒作用をもつ「カフェイン」が含まれているため、眠気を少しでも抑えたいときにおすすめです。
つらいときは、仕事・学校をお休みしよう
睡眠時間が短くなりすぎると、体に不調をきたしやすいものです。
起きるのがどうしてもつらいときは、仕事や学校を休むのもよいでしょう。
特に「起き上がれないほどの倦怠感がある」・「頭痛・めまい・吐き気がある」といった場合には、無理せず休んでください。
「よく眠れない人」は、生活習慣が原因かも
よく眠れない人にありがちな原因
- ストレスを感じやすい
- コーヒー・紅茶を飲み過ぎる
- タバコを吸う
- 薬を服用している
- 夜更かし・昼寝で生活リズムが乱れている
- 睡眠環境が整っていない
夜に眠れないときは、自律神経の一つである「交感神経」が優位になり、脳や身体が活性化されている状態だと考えられます。
特に不安・緊張を感じやすい人は、不眠の症状が出やすい傾向があります。
また、夜更かし・昼寝が習慣になっていると、体内時計が乱れてしまい、夜遅くならないと眠れないという状態になる場合があります。
ぐっすりと寝るためにはどうすればいい?
夜にぐっすりと眠るためには、
- 就寝前に「カフェイン」を摂らない
- 夜更かし・徹夜をできるだけ控える
- 起床時間と就寝時間を毎日一定にする
- 入眠しやすい環境を整える
といった方法が効果的です。
寝る時間が近づいたら、コーヒー等は控えましょう。
また、心地よく過ごせるように室内の温度・寝具を調整すると、眠りにつきやすくなります。
“眠れない日”が続く人は、「睡眠障害」かも
「眠れないまま朝になった」という日が続く人は、「不眠症」など睡眠障害も疑われます。
下の症状をチェックし、当てはまるものがないか確認してみましょう。
「睡眠障害」が疑われる症状
- 一週間以上睡眠不足が続いている
- 記憶力・集中力・判断力が低下している
- 朝起きられない
- 日中の強い眠気・あくびが多い
- イライラする・些細なことで怒る
- 気分が落ち込む・やる気が出ない
- 頭痛・めまい
- 血圧上昇・消化器系の不調
※睡眠障害の人の中には、「日中の倦怠感」「気力低下等の症状」のみを自覚し、「眠れていない」ことに気づいていない人もいます。
上記に当てはまる方で、セルフケアを行っても改善が見られない場合は、病院での治療をおすすめします。
受診する場合は、まず内科で相談してみるとよいでしょう。
内科を探す
不眠症には「4つのタイプ」がある!
不眠症の種類
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①入眠障害
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眠りにつこうと横になっても、寝付くまでに2時間以上かかる
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②熟眠障害
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眠りが浅いため、ぐっすり眠ったという実感がない
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③中途覚醒
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夜中に目が覚めてしまう、一度起きると寝付けなくなる
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④早朝覚醒
|
早朝に目が覚めてしまう、一度起きると寝られなくなる
|
不眠症には、上記の①~④のタイプがあります。
上記のいずれかに当てはまり、体や心の不調を感じている方は、「不眠症」と診断されます。
不眠症は、主に過度のストレスによって発症します。
といった性格に当てはまる方は、発症リスクが高いといえます。
また、糖尿病・高血圧といった持病が原因となって、不眠の症状が出るケースもあります。
「足がむずむずして眠れない」という症状は、“むずむず脚症候群”かも
むずむず脚症候群とは、虫が脚を這っているかのような、むずむずする不快感に襲われる状態です。
じっと寝ていられなくなり、睡眠の質低下につながります。
女性に発症しやすいと言われており、特に
によくみられる症状です。
「鉄分」をしっかりと摂ろう!
むずむず脚症状群は、鉄分不足によって起こるケースもあります。
そのため、鉄分を積極的に摂ることで、症状が快方に向かう可能性もあります。
また、「カフェイン・アルコール」は、脚の不快感を起こしやすいので控えましょう。
こんな症状は、早めに病院へ!
「眠りが浅い」「眠れない」といった症状がある方で、
- 症状が週に3回以上発生し、その状態が1ヶ月以上続いている
- 仕事を休むことが増えた
- 気分の落ち込みが続いている
- 動けないほどの強い倦怠感・疲労感がある
- 生活に支障が出ている
といった場合は、早めに病院で受診しましょう。
上記症状には「不眠症」が考えられます。
不眠症の場合、心の病気だけでなく体の病気が隠れているケースもあります。
また、日中に強い眠気があると思わぬ事故につながる恐れもあるため、早めに受診するようにしましょう。
相談する診療科は、まず内科をおすすめします。
内科を探す
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2022-08-31
疲れ切っているのに、なぜか眠れない…。
どうしたら眠れるの?
なかなか寝付けない原因や、眠れないときの過ごし方についてお医者さんが解説します。
寝付きをよくするためにできることも解説するので、参考にしてくださいね。
なぜ?「疲れ切っているのに眠れない…」
疲れ切っているのに、なかなか眠れません…。なぜでしょうか?
過度の疲労のせいで脳や体が興奮状態になり、眠れなくなっていると考えられます。
疲労や緊張感などのストレスは自律神経を乱れさせ、脳や体が活性化させます。
そのため、ストレスを感じやすい人は、特に不眠になりやすいです。
また、コーヒーや紅茶などでカフェインを多く摂っていると、眠りにつきにくくなります。
カフェインには、脳を覚醒させる作用があるからです。
その他、徹夜が続く場合や、習慣的に1時間を超える長めの昼寝をしていると、体内時計が乱れて夜に寝付けなくなる原因になることがあります。
心当たりはないですか?眠れなくなる生活習慣
カフェインの摂り過ぎ
夜更かし・長めの昼寝が習慣化している
就寝前にスマホやパソコンを使用している
睡眠環境が適切でない
薬を飲んでいる
喫煙している
【体験談】「私も、疲れているのに眠れませんでした…」
仕事の事を考えすぎて寝れずに朝になってしまいました…。仕事のせいでストレスを感じて寝れなくなってしまっているのでイライラしました。
(20代女性)
体は疲れているのに頭はさえている感じで「早く寝ないと次の日がつらい」という焦りが余計に眠気を遠ざけてしまいストレスを感じました。
(30代女性)
疲れているのに眠れないときの対処法
疲れ切っているのに眠れないときは、どのように過ごせばいいですか?
まずは一度ベッドから出て、気持ちをリラックスさせましょう。
深呼吸をする
温かい飲み物を飲む
軽いストレッチをする
ツボ押しをする
読書したり音楽を聴いたりする
などを試すのがおすすめです。
眠れないときは、無理に寝ようとせず、ご自身がリラックスできることをして、「今なら眠れそう」と感じたら、ベッドに入るのがおすすめです。
① 深呼吸をする
腹式呼吸を意識して、まず、お腹が膨らむように鼻から息を吸います。
そこで2秒間息を止めて、次にお腹がへこむくらい口から大きくゆっくり息を吐きます。
これを2、3回繰り返しましょう。
深呼吸をすると、脳や心身をリラックスさせる「副交感神経」が優位になるため、入眠しやすくなると考えられています。
「これ、実践しました!」
着圧ソックスを履き、枕にピローミストをかけて、すうっと香りを嗅ぎながら深呼吸しました。
(30代女性)
② 温かい飲み物を飲む
ホットミルク
ホットココア
ノンカフェインのハーブティー(ラベンダー・カモミールなど)
白湯
など、体を温めてくれるものを飲むと、リラックスできます。
特に、ホットミルクには神経を落ち着かせ、睡眠を促してくれる作用があります。
また、はちみつを入れて飲むのもおすすめです。
はちみつに多く含まれるアミノ酸には、睡眠の質を高める作用があると言われています。
カフェインを含むコーヒーや紅茶などは脳や体を活性化させる「交感神経」を刺激するため、避けるようにしましょう。
「これ、実践しました!」
眠れないときは、温かい飲み物(ルイボスティーなど)を飲んでいました。(20代女性)
一旦、ベッドから起きて温かい飲み物を飲んで、本を読んで気分を切り替えて、再び眠気が来るのを待ちます。(50代女性)
③ 軽いストレッチをする
軽いストレッチで筋肉をほぐすと、血行改善などができ、眠りにつきやすくなります。
以下、背中の筋肉をほぐすストレッチをご紹介します。
両手でタオルを持って、肩幅に足を広げる
両腕を上に伸ばし、左右に体を曲げる
背中を丸めて両腕を前に下ろす
両腕を後ろに伸ばしながら上げていき、胸を開く
腕を下ろす
「これ、実践しました!」
激しい運動ではなく心地よい程度のストレッチなどで循環を整えていました。
(20代女性)
④ ツボ押しをする
ツボの名称
ツボの場所
百会
頭頂部
安眠
耳の後ろにある骨が出ているところから指一本分下
労宮
手のひらの中心から少し親指側
上記のツボは、深い眠りや心の落ち着きをサポートすると考えられています。
気持ちいいと感じるくらいの強さで、優しく押すようにしましょう。
⑤ 読書をしたり音楽を聴いたりする
読書や音楽鑑賞など、好きなことをしてリラックスしましょう。
好きなことをして心を落ち着かせると、眠くなることがあります。
ただし、ゲームをしたり激しい音楽を聴いたりすると、脳が覚醒して、余計に眠れなくなる可能性があります。
気分が落ち着くようなことをして、眠くなるのを待ちましょう。
すっと眠るために!毎日心がける6つのこと
起床・就寝時間をなるべく一定にする
昼寝は20分を目安に15時まで
カフェインは寝る4~5時間前まで
食事は寝る2~3時間前まで
スマホ・パソコンは寝る1時間前まで
睡眠環境を整える(心地よい室温・寝具など)
起床・就寝時間を一定にしよう
眠くなる時間は、朝の光を浴びてから約16時間後に訪れるようになっています。就寝時間を一定にするために、まずは起床時間を一定にしましょう。
15時以降の昼寝や長時間の昼寝は、夜の睡眠に悪影響を及ぼすことがあります。昼寝をする場合は15時までに、15〜30分以内に収めましょう。
夕方以降のコーヒー・寝る前の食事は控えよう
コーヒーや紅茶などのカフェインには覚醒作用があります。夕方以降は、控えた方がいいでしょう。また、寝る前の食事は、消化のために胃腸が活動になり、睡眠の質が低下するのでやめましょう。
布団の中でスマホを触るのはやめよう
スマホやパソコンのブルーライトは、メラトニンと呼ばれる睡眠ホルモンの分泌を抑制させます。寝る直前の使用は避けてください。
寝室は快適な温度を保とう
眠りやすい環境にするため、夏場は25~26度くらい、冬場は16~19度くらいの室温に設定しましょう。直接肌にふれる布団やパジャマは、肌触りのよいものを選ぶといいですね。
Q. 夜眠りやすくするために、どんな工夫をしていますか?
寝る前にカフェインを控えるようにしています。
また、お昼に外に出て、少しお散歩して日光に浴びるようにしています。
(50代女性)
夜8時以降は、照明を調節して部屋を暗めにしています。
また、夜の9時以降は、スマホやパソコンで細かい作業をしないようにしています。(50代男性)
毎日の起床時間と就寝時間は同じにして、疲れた時はなるべくゆっくりお風呂につかるようにするようにしています。(30代女性)
眠れない日が続く場合は"病気"の可能性も
疲れ切っているのに、眠れないまま朝を迎える日が1週間以上続くという場合は、睡眠障害の可能性も考えられます。
睡眠障害の症状チェック
睡眠の不調が1週間以上続いている
朝なかなか起きられない
日中にあくびがよく出る・強い眠気がある
些細なことでイライラして怒る
やる気が出ない・気分が落ち込む
集中力・記憶力・判断力が低下している
血圧の上昇・消化器系の不調
頭痛やめまいがある
上記に当てはまる項目があり、セルフケアをしても改善がみられないという場合は、病院で受診することをおすすめします。
特に、こんなときは早めに病院へ
疲れ切っているのに眠れない人の中で、
症状が週3回以上みられ、1ヶ月以上続いている
気分が落ち込む状態が2週間以上続いている
仕事を休むことが増えている
十分休んでいるのに、疲労感・倦怠感が抜けない
など、生活に支障が出ている場合は、早めに病院を受診しましょう。
上記の症状の場合、「不眠症」を発症している可能性があります。不眠症は、主に過度のストレスが原因で発症します。
体の病気が隠れている場合もあるため、早めの受診をおすすめします。
病院は何科?
まずは内科に相談しましょう。
内科を探す
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2023-01-17
「明日も朝早いのに眠れない…」
「すぐに眠れる方法が知りたい!」
公認心理師・臨床心理士の赤田太郎先生が、スムーズな入眠をサポートする方法をご紹介。
寝付けなくてお困りの方は、ぜひお試しください。
※動画による解説は記事末尾から
今すぐ寝たいときは「漸進的筋弛緩法」を試してみよう
最近寝つきが悪くて困っています。
明日も仕事で朝早いのに…。すぐに眠れる方法ってないのでしょうか?
眠れないときには、「漸進的筋弛緩法(ぜんしんてききんしかんほう)」がおすすめです。
意識的に筋肉の緊張と弛緩(緩める)を繰り返すことで、体と心の緊張をほぐしていきます。
体全体がリラックスするので、スムーズな入眠に繋がりますよ。
漸進的筋弛緩法のやり方
まずは楽な姿勢で座ります。
その後、体の各部位の「筋肉を緊張させる⇒脱力する」という行為を2回ずつ繰り返していきます。
手・腕
頭部(額・目・顎)
首肩まわり
上半身(胸・お腹)
足
の順に行いましょう。
大切なのは、緊張した筋肉が緩んでいく感覚を意識することです。
ここからは詳しい手順を解説していきますので、ぜひ実践してみてください。
※漸進的筋弛緩法の注意点※
漸進的筋弛緩法は、著しく体力が低下している方や治療中の疾患・ケガのある方が行うと、不快感が生じたり、症状が強くなったりする可能性があります。特に現在通院中の方は、必ずかかりつけ医に相談してから実践するようにしましょう。
1. 手・腕の筋弛緩
▼手の筋弛緩のやり方
椅子やベッドで楽な姿勢で座り、目を閉じる。
右の拳を、体を痛めない程度に、少し強めに握る。
指と腕の力を抜いていく。
①~③を2回繰り返す。
左手も同様に行う。
▼腕の筋弛緩のやり方
右腕の肘を曲げて力を入れる。
腕をゆっくり伸ばして、緊張を緩める。
緊張のある状態とない状態の違いを感じながら、リラックス感を深める。
①~③を2回繰り返す。
左腕も同様に行う。
目を閉じるのが不安な人は、開いたままでも構いません。
「力を入れたときの緊張」と「脱力するときの弛緩」の違いを味わうようにしましょう。
2. 頭部(額・目・顎)の筋弛緩
▼額の筋弛緩のやり方
額にシワを寄せるようにして力を入れる。さらに力を入れる。
だんだんと額の力を抜く。額全体のシワがなくなっていくことをイメージする。
①~②を2回繰り返す。
▼目の筋弛緩のやり方
目を強く閉じる。目やまぶた以外の部分に力が入らないようにする。
目を閉じたまま、力を抜いていく。
①~②を2回繰り返す。
▼顎の筋弛緩のやり方
歯を食いしばる。
顎を固めて、唇も強く閉じる。
だんだんと力を緩めて顎と口をリラックスさせる。
①~③を2回繰り返す。
額・目・顎の筋弛緩トレーニングを行うことで、顔全体が自然とゆったりして、表情がリセットされます。
顔の筋肉を滑らかにして、穏やかな気持ちを味わいましょう。
3. 首肩まわりの筋弛緩
▼首の筋弛緩のやり方
首をできるだけ後ろに曲げて、首の緊張を感じる。さらに強く緊張させる。
ゆっくりと首を楽な位置に戻す。
①~②を2回繰り返す。
▼肩の筋弛緩のやり方
肩をすくめて上にあげる。
さらに肩を上にあげながら、胸を開くように肩を開く。
ゆっくりと肩の緊張を緩める。
①~③を2回繰り返す。
リラックス感が、顔・腕・肩・背中に染み渡るのを感じましょう。
4. 上半身(胸・お腹)の筋弛緩
▼胸の筋弛緩のやり方
楽に呼吸を続ける。息を吐くとき、体全体が緩んでいくことを感じる。
深く息を吸う。
しばらく息を止めて緊張を感じる。
ゆっくりと胸の緊張を緩めて、息を吐きだす。
自然に呼吸しながら、体全体をゆったりさせる。
①~⑤を2回繰り返す。
▼お腹の筋弛緩のやり方
腹筋に力を入れてお腹を固くする。
力を抜いて腹筋を緩める。
①~②を2回繰り返す。
5. 足の筋弛緩
両足をつま先まで精いっぱい伸ばして、足を突っ張る。
同時に足全体とおしりにも力を入れる。
ゆっくりと自然に足の力を抜く。
①~③を2回繰り返す。
全部終わったら、大きく深呼吸をします。ゆっくりと長い深呼吸をして、リラックス感を味わいましょう。
最後にもう一度深呼吸をして、体全体の筋肉をゆったりさせます。
全身の筋肉が緩んだら、5~1までの数字を心の中で数えてください。1まで数えると、頭がすっきりして気分爽快になります。
眠気が強い方は、そのままお休みください。
毎日の習慣にすると効果的!
漸進的筋弛緩法は、初めてすぐには効果を実感しにくい可能性があります。
まずは1週間続けてみることをおすすめします。
効果を感じた場合もすぐにやめるのではなく、毎日の習慣にして、できるだけ長く続けるといいですよ。
▼動画による解説はこちら
≪チャンネル紹介≫
【公認心理師】赤田太郎の「仕事に役立つ心理学」
公認心理師・臨床心理士の赤田太郎先生が、仕事や生活をよりよくするための心理学を、誰でもわかる易しい言葉で解説。
メンタルヘルスの大切さを社会に広めることで、苦しむ人がいなくなる社会を目指し、動画を配信しています。