「風邪の関節痛はお風呂で治る?」
「マッサージはだめなの?」
風邪による関節痛の仕組みと、症状を緩和するための方法を医師が解説します。
NG対処法や、病院に行くべき目安もご紹介しています。
監修者
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
内科医
岡村 信良先生
経歴
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
痛くて眠れない…関節痛を和らげるには?
傷などがある場合を除き、炎症を起こしている箇所を冷湿布で冷やすのも良いです。
風邪による関節痛は一時的なものである場合が多いです。
お風呂に入るといいってホント?
本格的な長湯は、体調が万全に戻ってからにしましょう。
血行促進や全身の筋肉の緊張緩和によって、多少改善されることもあります。ただし、長湯やあまり熱いお湯などで身体に負担をかけるのはよくないので、早めにあがりましょう。
マッサージしてもいい?
マッサージや体を動かすのは避けて、体を温め、ゆっくり横になりましょう。
風邪による間接痛がある場合、マッサージ自体が悪いわけではありませんが、風邪の引き始めに体を無理に動かすと、疲労が強くなり風邪症状の悪化につながります。
薬を増やすのは極力避けて!
風邪による関節痛は一時的なものである場合が多いので、そのために薬を増やすのは極力避けましょう。
なぜ痛い?風邪の関節痛のしくみ
体がウイルスと戦うために分泌される「プロスタグランジン」という物質が、筋肉痛や関節痛を強めます。
風邪をひくと、免疫力を上げてウイルスを追い出そうと熱が上がります。
この熱が上がっていく過程において、悪寒を感じるようになります。悪寒で寒さを感じることで体を震えさせ、体内の温度を上げます。
この時に発熱させる物質が、関節内などで炎症を引き起こし、筋肉痛や関節痛を起こすのです。
発熱していないのに「関節痛だけ」のケースも
熱が上がっていく中で悪寒が起こり、体を震えさせるので、まだ熱が上がっていなくても関節痛が起きる場合も多くあります。
幅広い体の箇所で起こります。体がきしみ、全身が痛い、動かしにくいと感じます。
また、痛みが出る箇所には個人差があり、腰や肩、首、腰や体の各関節部位等、色々な場所で生じます。
病院を受診したほうがよいケース
ただの風邪だと思っていても、関節痛や筋肉痛などの全身症状がいつもの風邪よりつらい場合は、インフルエンザも疑いましょう。
最近は、冬だけでなく、春や秋頃にインフルエンザが流行ることもあります。
風邪の関節痛だと思っていたら、いつまでも関節痛が良くならない、または悪化している場合は、風邪ではなく症状の重いインフルエンザかもしれません。一度、病院を受診しましょう。
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2020-01-30
「熱が出た!」と思ったら「朝にはすっかり下がっていた…」。
このような経験をお持ちの方も多いと思います。
一晩で下がる発熱の原因を、医師が詳しく解説します。
大人なのに…「熱が一晩で下がった?」
一晩で熱が下がった場合、心因性発熱(ストレス)または風邪のケースが主に考えられます。
それぞれのケースについて、次の項目で詳しく解説します。
原因① 心因性発熱(ストレス)
心因性発熱とは、主にストレスによって起こる発熱を指します。
過度のストレスで交感神経が活発になると、「熱を発生させる細胞」に刺激が加わり、一時的に発熱する場合があります。
◆心因性発熱の症状
心因性発熱の場合、一晩で熱が下がったり、高熱を繰り返したりします。
熱の程度には個人差があり、37度の微熱の人もいれば、38度以上の高熱になる人もいます。
また、
頭痛
腹痛
躁鬱などの気分障害
パニック障害などの不安障害
を伴うこともあります。
ストレスで発熱しやすい人の特徴
日常生活でストレスを感じやすい人
几帳面な人
頑張りすぎる人
神経質な人
心配性な人
心因性発熱の対処法
まずはゆっくり体を休めることが必要です。
落ち着いた環境(アロマ、音楽、間接照明など)を作り、眠れるようであれば、目を閉じて休みましょう。
なお、心因性発熱の場合、解熱鎮痛剤は効果を発揮しません。
原因② 風邪のケース
風邪のウイルスがそこまで強くなければ、自分の免疫が勝って一晩で熱が下がることもあります。
風邪をひくと、侵入したウイルスの繁殖を抑えたり、体の免疫機能を高めたりするために体温が上がります。
通常は、おおよそ3日くらいで下がることが多いです。
◆風邪の症状
くしゃみ
鼻づまり
喉の痛み
咳
など
風邪をひきやすい人の特徴
忙しくてなかなか休めない人
ストレスや疲労を溜めがちな人
睡眠不足の人
栄養バランスが偏っている人
上記の人は免疫力の低下によって、風邪を引きやすくなります。
風邪の対処法
そのまま眠れるようであれば、おでこや首などにタオルにくるんだ保冷剤を当てたり、冷やすシートを貼って休みましょう。
また、熱が高かったり、長時間も高熱が続く場合は、解熱剤を服用しましょう。
「夜に発熱を繰り返す」のは、疲れ・感染症が原因かも
夜に発熱を繰り返す場合、
尿路感染症
疲労・ストレス
関節リウマチ
がん
などの原因が考えられます。
① 尿路感染症
尿路感染症は、膀胱などに細菌感染を起こして発症する病気です。
症状が進むと、疲れのたまる夜間に発熱することがあります。
尿路感染症の症状
排尿痛
下腹部痛
頻尿
発熱
尿路感染症の対処法
軽い症状の場合、こまめに水分を補給していれば、細菌が尿で排出されて数日で快方に向かいます。ただし、重いものであると抗菌剤の投与が必要となるため、泌尿器科で治療を受けましょう。
泌尿器科を探す
② 疲労・ストレス
疲労やストレスがたまると、1日の疲れが出て夜間に発熱をするケースがあります。
また、免疫機能が低下するため、風邪も引きやすくなります。
疲労・ストレスによる症状
倦怠感
疲労感
食欲不振
めまい
頭痛
冷え
集中力低下
疲労・ストレスの対処法
ゆっくり休息を取る必要があります。仕事が休めないときでもこまめに休憩を入れましょう。
毎日の睡眠、食事が大事です。しっかり睡眠をとり、バランスの良い食事をとりましょう。
③ 関節リウマチ
免疫機能の異常によって、関節の痛み、関節の変形、発熱、倦怠感などを起こす病気です。
倦怠感も強く出るので、夜間に日中の疲れが出て発熱することもあります。
関節リウマチの症状
関節痛
倦怠感
微熱
関節の腫れ
関節の変形
関節リウマチの対処法
専門機関での治療が必要です。
朝起きた時の関節の腫れ、関節の動かしにくさなどが現れてきたら、早めにリウマチ科を受診しましょう。
リウマチ科を探す
④ がん
がんを発症していると、体に疲れが溜まりやすくなります。
そのため、1日の疲れが出る夜間に発熱するケースもあります。
がんの症状
倦怠感
食欲不振
気分が悪くなる
体に痛みが走る
不正出血(女性器のがん)
がんの対処法
専門機関での治療が必要です。早急に内科を受診しましょう。
早めに取り除かなければ、身体中にがんが広がって死に至る恐れがあります。
内科を探す
熱が下がった後の過ごし方
熱が下がって体が楽になっても、すぐに油断せず、熱以外の症状も治まるまでは、下記の点に気を付けてください。
安静にして体力を温存する。
消化の良い物を食べ、弱った消化器官の負担を軽くする。
辛味が強く刺激的な物や、油分の多い物を控え、消化器管の負担を軽くする。
ビタミン、ミネラルが豊富な物を食べ、免疫力を高めて感染などの再発を防ぐ。
アルコールを控え、肝臓を休ませる。
喫煙を控え、気道への刺激を軽減する。
高熱による発汗で失った分、水分と塩分を多めに摂り、脱水を防ぐ。
良質なたんぱく質を摂り、消耗した体力を補う。
熱が下がったら出社してもいい?
風邪の場合、熱が下がり、気分も良く、動くのに支障がないようでしたら、出社しても大丈夫でしょう。
ただし、だるさや、倦怠感がある場合は、まだ体力が戻っていないので無理しないようにしてください。
無理をすると、発熱を繰り返すことがあります。
出勤する場合は、マスクをしましょう。
咳やくしゃみが出ても、他の人に移さないように対策をして出勤しましょう。
こんな症状は病院へ
水分・食事がとれない
胸が痛くなるほどの酷い咳が出る
口の中の痛みが増し、喉の奥に腫れや水疱がでる
といった症状が出た場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
「水分・食事を受け付けない」場合は、脱水や体力消耗の危険があるため、点滴などの治療が必要です。
「胸が痛くなるほどの酷い咳が出る」場合は、結核・喘息・肺炎・急性気管支炎・胸膜炎などの恐れがあります。
「口の中の痛みが増し、喉の奥に腫れや水疱が生じる」ときは、ヘルパンギーナのなどの可能性があります。
患者の多くが小児ですが、大人が感染すると、脳炎、髄膜炎、心筋炎などを誘発する恐れがあります。
病院は何科へ行けばいい?
受診すべき診療科は、出ている症状によって異なります。
以下の表を参考にしてみましょう。
受診すべき診療科
症状
内科
心理的な原因の発熱・吐き気・食欲不振
呼吸器内科
耳鼻いんこう科
喉の痛みや咳が続いている
「心理的な原因の発熱」も、まずは内科を受診して検査を受けることをおすすめします。
体に異常がないと判断された後は、心療内科を紹介してもらうことも可能です。
あまりにも高い熱が翌朝には平熱に下がっていたりすると不思議に思いますよね。
その場合は、他に目立った症状が現れなかったとしても、隠れた病気の前兆かもしれません。
少しでも気になるようなことがある時は、早めに医療機関を受診し、医師の診察を受けることをおすすめします。
内科を探す
▼参考
テルモ株式会社→テルモ体温研究所 体温から健康に:体温と生活リズム
ストレスと高体温 心因性発熱かもしれないと思ったら
テルモ株式会社→テルモ体温研究所 体温から健康に:体温と生活リズム
ストレスと高体温 心因性発熱と診察されたら
沖縄県医師会→広報関係 ドクターのゆんたくひんたく:2018年掲載分 原因探り、根本解決を
株式会社メディプラス研究所→オフラボ:「熱が下がらない」風邪薬が効かない長引く熱、ストレスが原因かもしれません【ストレス性発熱の処方箋①】
一般社団法人小金井市医師会→お知らせ:風邪について
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2019-11-01
鼻水、咳や喉の痛みなど、つらい風邪の症状をできるだけ早く治すためには、どうすればいいのでしょう。
この記事では、風邪に効く食べ物・飲み物や、市販薬の選び方、控えるべきNG行動まで医師が解説します。
日頃から免疫力をアップさせて風邪を引かないようにするため、ぜひ参考にしてみてくださいね。
風邪を早く治すための「食べ物」
風邪を早く治すには
ネバネバ系の食べ物(水溶性食物繊維・糖たんぱくが豊富)
フルーツ(ビタミン・ミネラルが豊富)
卵・緑黄色野菜(ビタミンAが豊富)
などの食べ物を摂取しましょう。
ネバネバ系の食べ物(水溶性食物繊維と糖たんぱくが豊富)
里芋・なめこ・オクラ・納豆などに含まれています。
おかゆなどに細かく刻んで、入れたり、スープに入れたりして摂りましょう。
風邪といえば、鼻水の症状が出ますが、鼻水は病原体を洗い流し、奥に入れないように働いてくれています。
風邪になってしまってからも鼻粘膜にいい食事を摂ることで、鼻の粘膜の機能が正常に働き、強化することができます。
フルーツ(ビタミン・ミネラルが豊富)
フルーツには、ビタミンやミネラルなど風邪で消耗しやすい栄養素が多く含まれています。風邪のときに食べるといいでしょう。
体を冷やすイメージがあるフルーツですが、かき氷や氷水のようなものでなければ、食べ物で急に体が冷えるということはないので、風邪のときに食べても大丈夫です。
卵・緑黄色野菜(ビタミンAが豊富)
皮膚粘膜を強化、免疫力をアップさせてくれるビタミンAは、卵や緑黄色野菜に豊富です。人参・ほうれん草・かぼちゃなども食べてください。
風邪を早く治すための「飲み物」
ビタミンCの摂取ができる、レモネードが風邪の時にはおすすめです。
ホットで飲めば体も温まります。
ビタミンCは、体の免疫力である白血球の働きを高めてくれます。また、抗酸化の働きがあり、風邪予防にもぴったりです。
市販薬の選び方
辛い症状があると食事が取れない場合もあり、そのような時には、咳や鼻水などの症状を個別で緩和してくれるものを選ぶといいでしょう。
風邪は、多くの症状が現れます。
しかし、結局は、風邪自体を治療することはできません。自分の免疫力でウイルスを撃退する必要があるのです。
また、市販薬は、一概に価格が高い方がいいとは言い切れません。後発品であったり、容量の違いであったり、様々な要因で価格が決められています。
どの市販薬にすればいいのかと悩む場合は、薬剤師に相談しましょう。
漢方薬の選び方
漢方薬も様々あり、風邪のひき始めにいいもの(葛根湯)や長引く風邪のときに飲むといいタイプ(竹茹温胆湯、柴胡桂枝湯など)などがあります。
普通の薬と漢方薬、併用してもいい?→NGです!
漢方薬は、薬です。他の薬と同様に併用しての使用はおすすめできません。
併用の場合は、事前に薬剤師、医師に相談して確認してください。
お風呂は入ってもいい?
お風呂に入っていけないことはありませんが、無理をするのはやめましょう。
汗をかくためにと、風邪の時に入浴する人がいますが、熱があるときやふらつく際には、入浴で立ちくらみや貧血を起こす場合も多いです。
普段、貧血症状がない人も、発熱により症状が出る可能性があります。
しかし、身体を清潔に保つためにも、昔言われていたように「風邪だとお風呂に入ってはいけない」という事はありません。
ただし、入浴やシャワーは短めにして、脱水、血圧低下などには注意してください。
これはNG!控えるべき3つの行動
体を冷やす外出
過度の飲酒
喫煙
このような行動はNGです。
風邪を早くよくするには、自己の免疫力が必要です。
体を冷やせば、免疫力が上がらずよくなりません。
また、「冷え」は体を冷やし、風邪にかかりやすくします。肩や首周り、足首などを冷やさないように着るものや服装にも気をつけてください。
過度の飲酒は、眠りを妨げ、体力低下を招きます。
また、風邪で喉に負担がかかっているのに喫煙を行えば、さらに喉への負担がかかります。