うつ病なのに人前では明るい?「非定型うつ病」セルフチェック。なりやすい人は?

更新日:2023-01-18 | 公開日:2023-01-18
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うつ病なのに人前では明るい?「非定型うつ病」セルフチェック。なりやすい人は?

人前では明るいうつ病があるって本当?

一人だになると気分が沈んでしまう「非定型うつ病」について、お医者さんに聞いてみました。

非定型うつ病のセルフチェックリストも紹介するので、心当たりがないか確認しましょう。

監修者
経歴

佐賀大学医学部を卒業後、病院・美容クリニックでの勤務経験を経て、2020年にファイヤークリニック開業。

美容医学、遺伝子学、栄養学、精神医学など肥満治療に関わる多方面から痩身医学研究と実践をする。

精神科医としても臨床に当たっており、西洋医学から東洋医学に渡って世界中から集積した独自の短期集中型医療ダイエットを開発。

人前では明るいうつ病とは

非定型うつ病

医師男性
人前では明るくても、一人でいるときに気分が落ち込む場合、「非定型うつ病」と呼ばれる心の病気の可能性があります。

非定型うつ病では、「好きなことや興味があることは楽しめる」「食欲が増す」など、通常のうつ病とは異なる症状が見られます。
そのため、本人や周りの人がうつ病だと気づかないケースも多いです。

うつ病の中で、非定型うつ病と診断されている人の割合は30〜40%程度と考えられており、特に10~20代の若い世代に多いとされています。

「微笑みうつ」の可能性も

 

正式な病名ではありませんが、うつ病の症状があるにもかかわらず、周囲への配慮から人前では明るく振る舞ってしまう状態を「微笑みうつ」と呼ぶことがあります。

微笑みうつは周囲に気づかれにくく、適切な対処が遅れて症状が悪化してしまう恐れがある点で、「非定型うつ」と共通しています。

非定型うつ病セルフチェック

  • 気分の浮き沈みが激しい
  • 他者に対してイライラしやすい
  • ストレスによる過食が多い
  • 好きなことや興味があることは楽しめる
  • どれだけ寝ても眠い
医師男性
上記のうち、1つでも当てはまる場合は、非定型うつ病が疑われます。

特に、「気分の浮き沈みが激しい」に該当する場合は、非定型うつ病の可能性が高いです。
気分がよくなる「躁状態」と、気分が落ち込む「抑うつ状態」を繰り返すため、気分の浮き沈みが激しいように見えます。

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非定型うつ病になりやすい人は?

  • 一人で悩みを抱え込む
  • 他者に甘えられない
  • 責任感が強い
  • プライドが高い
  • 他者に優しい
  • 他者からの言葉を気にし過ぎる
  • 自己主張が苦手
  • 人前に立つと緊張する
  • 幼少期に「手がかからない子ども」だった
医師男性

上記に該当する人は、非定型うつ病になりやすいと考えられています。
また、10~20代の若年層に多く、女性の方が多い傾向があります。

「私、非定型うつかも…」どう対処すればいい?

医師と喋る患者

医師男性
非定型うつ病の可能性があると感じた場合、医療機関で相談しましょう。

精神的な症状が強く出ている場合は「精神科」、頭痛・腹痛などの体の不調を伴う場合は「心療内科」を受診するとよいでしょう。

※両方の診療を行っている医院・クリニックもあります。

放置はNG!「非定型うつ」が重症化すると…

医師男性

非定型うつ病を放置すると、症状が悪化してしまいます。
その結果、気持ちがひどく落ち込んで自傷行為を行うリスクがあります。

また、感情の起伏が激しくなり、言動が荒くなるケースもあります。
悪化すると治療に時間がかかるので、非定型うつ病が疑われる場合は早めに医療機関で相談してください。

病院で診断を受ける際、医師に以下の点を伝えると診察がスムーズに進みます。

  • 現在困っていること
  • 症状があらわれ始めた時期
  • 症状が出現するタイミング(夕方に出やすい、帰宅後に出やすい等)
  • 症状が続いている期間
  • 服用中の薬剤の有無
  • 治療中の病気

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病院で行われる治療法

カウンセリング

医師男性

非定型うつ病と診断された場合、病院では、

  • 薬物治療
  • 磁気刺激療法(TMS)
  • 精神療法(認知行動療法・カウンセリング)

が行われることが多いです。

治療法

治療の内容

薬物療法

症状に応じて、抗うつ薬・抗精神病薬・抗不安薬などの薬を用いる

磁気刺激療法(TMS

磁気を使って脳に刺激を与え、抑うつ状態を改善する

精神療法
(認知行動療法・カウンセリング)

社会生活に対応できるように、カウンセリングを通して本人の考え方や行動の偏りを調整する

悪化させないために!日常で心がける3つのこと

医師男性

非定型うつ病を悪化させないためにも、

  • 毎日7~8時間の睡眠をとる
  • 運動を習慣化する
  • 栄養バランスのとれた食事をとる

といったことを心がけましょう。

ポイント① 毎日7~8時間の睡眠をとる

医師男性
睡眠不足が続くと、脳の機能に異常が生じたり、自律神経の働きが乱れたりして、症状が悪化する恐れがあります。
1日7~8時間を目安に睡眠時間を確保しましょう。

ポイント② 運動を習慣化する

歩く

医師男性
  • ウォーキング
  • ストレッチ
  • ヨガ

などの運動を毎日行いましょう。

運動すると自律神経が活性化され、脳内の神経伝達物質の機能が改善します。その結果、うつ病の予防や改善につながると考えられています

ポイント③ 食事はバランスよくとる

医師男性
毎日欠食せずに、栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。
和定食のように主食主菜副菜がそろった食事が理想的です。

特に、たまご・大豆製品・乳製品・かつお節など、「トリプトファン」を多く含む食品を意識してとり入れましょう。
トリプトファンは、精神安定に関わる「セロトニン」というホルモンを作る働きがあるため、うつ病の予防や改善に効果的です。

できることは、普段通り行おう

 

家事や仕事に関して自分でできることがある場合は、無理のない範囲でいつも通り行いましょう。目標を持って過ごすことで、気持ちにメリハリができ、体内リズムの正常化につながります。
ただし、知らないうちに無理してしまう恐れもあるので、必ず医師の指示を仰いでください

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