【解説動画あり】うつ病・適応障害が治らない4つの原因|長引く理由や性格の特徴

更新日:2023-04-24 | 公開日:2022-12-27
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【解説動画あり】うつ病・適応障害が治らない4つの原因|長引く理由や性格の特徴

「うつ病がなかなか治らない…」
「このまま一生治らなかったらどうしよう…」

府中こころ診療所の院長であり、YouTubeで動画配信も行っている精神科の医師、春日雄一郎先生が、うつ病や適応障害の症状が長引く理由を解説します。
うつ病や適応障害が治らず焦りを感じている方は必見です。

※動画による解説は記事末尾から

うつ病・適応障害が治りにくい4つの原因

医師男性

うつ病・適応障害がなかなか治らない場合

  1. 生活習慣の乱れ
  2. 環境がよくない
  3. 考え方のクセ
  4. 躁うつ病(双極性障害)を発症している

などの原因が考えられます。

原因① 生活習慣の乱れ

昼夜逆転

  • 昼夜逆転した生活
  • 過度な飲酒
  • ほとんど家から出ない
医師男性
上記に当てはまる場合は、うつ病が治りにくくなる可能性があります。
「不規則な生活リズム」「お酒の飲みすぎ」「外出せずほとんど体を動かさない」などの習慣が続くと、心身の調子が悪くなり、うつ病・適応障害の改善の遅れを招きます。

【対処法】一定の生活リズムを習慣化しよう

生活リズム

医師男性

うつ病や適応障害を改善するためには、「どういう行動習慣を積み重ねていくか」ということが重要です。

  • 睡眠や食事の時間を一定にする
  • お酒を控える
  • 日中は外出して体を動かす

上記を習慣化して、治療にとってプラスになる行動を積み重ねていきましょう。

生活習慣を整えることで、心身の調子が整いやすくなります。
また、その行動の積み重ねが脳への刺激になり、うつ病や適応障害の改善につながると考えられます。

原因② 環境がよくない

叱責

  • 職場に相性のよくない上司がいる
  • 家に居場所がない
  • 子育て・介護などでストレスを感じている
医師男性

上記のように、職場や家庭の環境がよくない人は、うつ病や適応障害が治りにくくなることがあります。

うつ病・適応障害の症状は、日々の行動だけでなく、環境からも大きな影響を受けます。ストレスの多い環境で過ごす時間が積み重なると、症状の改善が遅れる原因となります。

【対処法】「転職・異動」「支援サービスの利用」を検討しよう

包括支援センター

医師男性

環境がよくないと感じる場合、

  • 転職・異動の相談をする
  • 家族と話し合いをする
  • 自治体のサポート窓口を利用する

といった方法で、環境を変えることが選択肢の一つとなります。

環境の変化には良い面も悪い面もあるため、一概に「環境を変えるべき」というわけではありません。
ただし、「どうしても今の環境と相性が悪い」と感じる場合は、選択肢の一つとして考えてみるといいでしょう。

職場の環境が合わないと感じる場合は、「転職を検討する」「上司や人事部に異動の相談をする」などの方法もあります。

家庭内でストレスを感じている場合は、まずは家族と話し合うことが必要なケースもあります。
子育てや介護などでお悩みの場合は、自治体のサポート窓口を活用してみるのもいいでしょう。

子育てや介護に関するお悩みは、お住まいの自治体の子育て支援センターや、地域包括支援センター※などの機関で相談可能です。

※地域包括支援センターとは
主に自治体が設置する高齢者の健康や生活をサポートする施設。

原因③ 考え方や性格のクセ(完璧主義・人と比べる)

自分を責める

  • 自分を責めてしまう
  • 完璧主義
  • 他人と自分を比べる
医師男性

上記のような考え方・性格のクセがある人は、うつ病や適応障害の治療が遅れる可能性があります。

「考える」ということも一種の行動です。自責や他人との比較など、自分にダメージを与える思考を繰り返すことも、病気の改善を妨げる行動を積み重ねる行動になります。

【対処法】「前向きになれる考え方」を練習しよう

医師男性

自分にダメージを与える考え方のクセがある人は、「自分も他人も責めない」「前向きになれることを考える」といったことを意識するといいでしょう。

ただし、考え方が根強いクセになっている場合、すぐには変えにくいこともありますよね。
その場合は、

  • 出てきた考えを真に受けすぎず、なるべく受け流す
  • 否定のクセを薄めて、成功体験を徐々に積み重ねる

この2つを心がけてみてください。これらの思考を積み重ねていくことが、結果として、否定的な考えが出てくる頻度を減らすことに繋がります。

原因④ 躁うつ病(双極性障害)を発症している

医師男性
抗うつ薬などによる治療を続けていて、生活習慣・環境・考え方などの見直しを行っているにもかかわらず、症状の改善が見られない場合は、躁うつ病(双極性障害)を発症している可能性があります。

躁うつ病ってどんな状態?

躁うつ

医師男性
躁うつ病とは、気分が高揚して活動的になる「躁状態」と、気分が沈んで意欲がなくなる「うつ状態」交互に繰り返状態です。

人によっては、躁状態の症状が軽くて期間が短く、うつ状態が長く続く「双極性障害Ⅱ型」のケースもあり、この場合は一般的なうつ病との区別がつきにくいです。

うつ病と躁うつ病は使う薬が違うので、この見極めができていないと、病気が長引く恐れがあります。

躁うつ病かを判断する4つのヒント

ヒント・ポイント

  1. 過去を振り返って、躁気味な時期があった
  2. 家族に躁うつ病の人がいる
  3. 周期的にうつ病を繰り返している
  4. 抗うつ薬を使うと躁状態になる傾向がある

躁うつ病かどうかを判断するヒントとして、上記の4つが挙げられます。

「ある時期だけ妙に活動的だった」「ある時期だけ妙にお金を使っていた」など、過去に躁気味な期間があった場合は、躁うつ病である可能性が出てきます。
自分ではわからなくても、『ちょっといつもと違う』『いつもより妙に元気だね』などと、周りの人から言われる時期があったかどうか、ということも参考になります。

また、家族に躁うつ病の人がいると、発症の可能性が少し高くなると言われています。

その他、周期的にうつ病の症状を繰り返す場合や、抗うつ薬を使ったときに躁状態になる傾向がある場合も、躁うつ病を発症している恐れがあると考えられます。

躁うつ病を疑う場合は主治医に相談を

医師男性
躁うつ病の発症を疑う場合は、早めに主治医に相談しましょう。
うつ病と躁うつ病では、治療に使う薬が違います。そのため、うつ病か躁うつ病かを的確に判断することは、症状を早く改善するために、非常に重要であると考えられています。

▼動画による解説はこちら

※本記事は、チャンネル運営者の許可を得て作成しています。

≪チャンネル紹介≫
こころ診療所チャンネル【精神科医が心療内科・精神科を解説】

府中こころ診療所の院長であり、YouTubeで動画配信も行っている精神科の医師、春日雄一郎先生が、うつ病・適応障害・パニック障害など、こころの不調やその対策について、わかりやすく解説。
こころの不調を抱える方が、少しでも症状を改善するヒントとなるような情報の提供を目指しています。
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