皮下脂肪と内臓脂肪ってどうやって見分けるの?
効果的なダイエットって?
男性の皮下脂肪型肥満と内臓脂肪型肥満の見分け方について、栄養士さんに聞いてみました。
肥満タイプ別に効果的なダイエット方法も紹介するので、脂肪を落としたい人は必読です。
監修者
経歴
<資格>
- 栄養士
- NPO日本食育インストラクター2級
- 食育栄養インストラクター
- 高等学校教諭一種免許(保健体育)
<プロフィール>
健康科学や健康教育を学び、製薬会社で健康食品部門の仕事に従事。その後、「食」に関してより幅広い提案ができるように学び直し、栄養士免許や食育インストラクターの資格を取得。現在は健康や食に関する情報発信をしている。
男性の「皮下脂肪」と「内臓脂肪」の見分け方
「皮下脂肪」と「内臓脂肪」は、脂肪がつきやすい箇所と触ったときの感覚が異なります。
「皮下脂肪型肥満」は、女性に多く見られるタイプで「洋ナシ型肥満」とも呼ばれています。
皮下脂肪は下半身(お尻・太ももなど)につきやすく、皮膚の下につく脂肪なので、手でつまむことができます。
「内臓脂肪型肥満」は男性に多く見られるタイプで、「リンゴ型肥満」とも呼ばれています。
お腹が張ったような状態になるため、つまみにくいのが特徴です。
皮下脂肪(洋ナシ型肥満)
|
内臓脂肪(リンゴ型肥満)
|
- 下半身(お尻・太もも)に脂肪がつきやすい
- 脂肪がついていることがわかりやすい
- 簡単につまめる
- じわじわと脂肪が蓄積する
|
- お腹まわりに脂肪がつきやすい
- 張っていてつまみにくい
- 短期間で脂肪がつく
|
皮下脂肪・内臓脂肪を落とす4つのポイント
皮下脂肪と内臓脂肪は、どちらも食事内容と運動を工夫して落としていく必要があります。
- 糖質を控える
- 食物繊維&タンパク質を多くとる
- 「有酸素運動」と「筋トレ」をする
- 十分な睡眠で食欲をおさえる
この4つを実践しましょう。
ポイント① 糖質を控えよう
糖質が多く含まれる「甘いジュース」や「お菓子」を控えて、間食や夜食をせずに決まった時間に規則正しく食事をしましょう。
糖質を大量にとると血糖値が急激に上昇し、使いきれなかった余分な「糖」は「脂質」になって貯蔵されます。
また、よく噛んでゆっくりと食べる習慣を身につけましょう。
早食いは「血糖値の上昇」や「食べすぎ」につながります。
「お酒の飲みすぎ」にも注意!
アルコールはカロリーも高く、脂肪の合成を促進すると共に、脂肪の分解を抑えてしまいます。
お酒の飲みすぎにも気をつけましょう。
ポイント② 食物繊維&タンパク質を多くとろう
脂肪の蓄積を抑制するためには、血糖値の上昇を緩やかにする「食物繊維」を積極的にとることが大切です。
また、タンパク質が不足して筋肉が減少すると、太りやすい体質になってしまいます。肉類なども欠かさず、食べるようにしましょう。
肉は「バラ肉」などの脂質の多い部位ではなく、高たんぱくで低脂質の「赤身」や「鶏むね肉」などがおすすめです。
「食物繊維」を多く含む
|
- 穀類
(玄米・麦めし・トウモロコシ)
- 豆類
(大豆・納豆・おから)
- イモ類
(サツマイモ・里芋・こんにゃく)
- 野菜類
(ごぼう・白菜・キャベツ)
- キノコ類
(しいたけ・しめじ・えのき)
- 海藻類
(ワカメ・寒天)
|
「タンパク質」を多く含む
|
|
ポイント③ 「有酸素運動」と「筋トレ」をしよう
脂肪を燃焼させるには、エネルギー消費量を増やすことが重要です。
「筋トレ」で代謝量を増やしつつ「有酸素運動」を行うと、より脂肪が落ちやすくなります。
皮下脂肪よりも内臓脂肪が先に使われるので、継続して有酸素運動を続けると、皮下脂肪が減少していきます。
今まであまり運動をしていなかったという方は、軽い負荷から始め、徐々に負荷を高めていきましょう。
急に無理をするとケガにつながる恐れがあります。
おすすめの「有酸素運動」
上記のような有酸素運動を行いましょう。
できれば毎日30~60分、週150~300分を目標に行いましょう。
「ウォーキング」は、背筋を伸ばして腕をふり、やや息がはずむか汗ばむ程度のスピードで歩くのがポイントです。
膝への負担が心配な方は、膝への負荷がかかりにくい「水中歩行」がおすすめです。
まとめて運動する時間が取れない場合には、通勤を一駅手前で降りて歩いたり、昼休みに少し離れたコンビニへ行ったりと、こまめに歩くのもよいでしょう。「歩数計」や「アプリ」で記録を残すと習慣化しやすくなります。
おすすめの「筋トレ」
「スクワット」のように下半身を鍛える種目と、「ヒップリフト」や「プランク」のように体幹を鍛える種目を組み合わせた筋トレがおすすめです。
筋力トレーニングは回復期間も必要なので、毎日ではなく週2~3回程度行いましょう。
筋力トレーニングにより筋肉量が増えると、基礎代謝が高まりエネルギーを消費しやすくなるため、脂肪を落としやすくなります。
有酸素運動とセットで行うと、より効果的です。
ダンベルスクワット
- ダンベルを持って足を肩幅くらいに開く
- つま先より前に膝が出ないように体をゆっくり下に落とす
- 膝とお尻が同じくらいの高さになったら止めて、すばやく元に戻す
※胸を張って背筋を伸ばして行うのがポイント
ヒップリフト
- 仰向けに寝て左膝を立てる
- 両腕は手のひらを下にして、体の横に置く
- お尻を持ち上げて右脚を斜め上に持ち上げる
(肩から右脚のかかとまで一直線になるようにする)
- 1~2秒キープしたらゆっくりとお尻を下ろす
- 反対側も同様に行う
プランク
- 両ひじを床につけてうつ伏せになり、腰を浮かせる
- 膝とつま先に重点を置き、頭・背中・腰・かかとが全て一直線になるように、姿勢をキープする
※1セット10~30秒を目安に行う
ポイント④ 「十分な睡眠」で食欲をコントロールしよう
睡眠不足だと「食欲を抑えるホルモン」の分泌が減少し、「食欲を増進させるホルモン」が分泌されやすくなります。
食べすぎによる肥満の原因となるため、ダイエット中はきちんと睡眠をとりましょう。
こんな行動は控えよう
- 寝る前にスマホやパソコンの画面を見る
- 寝る前にお酒を飲む
- 睡眠直前の入浴
上記の行動は睡眠の質を低下させるので、控えましょう。
お風呂は就寝の2~3時間前に済ますと、体温が下がって寝つきがよくなります。シャワーだけでなく湯船につかるようにすると、しっかりと体が温まったあと体温が下がることで、質の良い眠りをサポートしてくれますよ。
合わせて読みたい
2022-07-28
最近、顔が太ってきた気がする…。
シュッとさせるにはどうしたらいい?
男性向けの「顔痩せの方法」を専門家に聞きました。
水太り・筋肉太りなどのタイプ別に、おすすめの方法を紹介します。
男性の「顔が太って見える」原因
男性の場合、
塩分のとりすぎによる「むくみ」
肥満による「脂肪の蓄積」
歯ぎしり・食いしばりによる「筋肉の発達(※)」
などによって、顔が太って見えることが多いです。
※咬筋(アゴの外側の筋肉)の発達
男性の場合、中年期以降に体重が増え、脂肪が顔についてしまうケースも多いです。
特に歳を重ねている人の場合、皮膚のたるみなどが組み合わさって、より顔が太って見えるようになります。
【どれに当てはまる?】顔太りの「3つのタイプ」
顔太りのタイプ
太り方の特徴
水太り(むくみ)
顔全体が腫れぼったく見える。
脂肪太り
顔以外にも脂肪がついている。
筋肉太り
体はそこまで太っていなくても、エラが張っている。
顔太りは、上記のように3つのタイプに分類できます。
太り方の特徴をチェックしてみましょう。
また、それぞれに要因が異なるため、“なりやすい人”にも下記のような違いがあります。
「水太りしやすい」のはこんな人
味の濃いものばかり食べる
外食の機会が多い
「インスタント食品」や「惣菜」をよく食べる
「脂肪太りしやすい」のはこんな人
運動不足
食生活が乱れている(糖質・脂質のとりすぎ)
ストレス発散のために暴飲暴食する
「筋肉太りしやすい」のはこんな人
食いしばりの癖がある(ストレスを感じたとき等)
姿勢が悪い
硬いものをよく食べる
【水太りタイプ】「顔全体が腫れぼったい」人の顔痩せ方法
「水太りタイプ」の人は、むくんでしまうことより顔全体が腫れぼったく見えます。
そのため、減塩を心がけると、体に水分をため込みにくくなって顔痩せ効果が期待できます。
減塩を意識した食事のポイント
調理の際には「減塩調味料」を使う(味噌・出汁など)
「麺類の汁」や「煮物の煮汁」は残す
塩分の多い食品を控える(※)
タレや醤油を使用する際は、かけるのではなく、少量つける
(※)スモークサーモン/しらす/干物/いくら/ベーコン/ハム/漬物 など
「コンビニ・スーパーのお惣菜」「インスタント食品」「外食」の頻度が多いと、塩分過多になりやすいものです。
できるだけ自炊をして、塩分を控えた食事をとりましょう。
また、減塩で物足りなさを感じるときは、香味野菜・ハーブ・スパイスなどを料理に加えましょう。
「香り」や「酸味」をプラスすると、食事に満足しやすくなります。
【脂肪太りタイプ】「体も太っている」人の顔痩せ方法
顔だけでなく体も太っている場合、脂肪の蓄積が原因として考えられます。
脂肪太りであれば、食生活と運動習慣の見直しを行うと、顔痩せ効果が期待できます。
1日3食、「主食・主菜・副菜の揃った食事」をとろう
食事は欠食せず、1日3回食べましょう。
その際、主食・主菜・副菜を揃えるよう心がけると、栄養バランスが整いやすくなります。
主食・主菜・副菜の例
主食
ご飯
麺
パン
主菜
お肉
魚
卵
大豆製品
副菜
野菜
きのこ
海藻
バランスのよい食事をとることで、体に必要な栄養素を補給でき、代謝が上がりやすくなります。
欠食がよくないのは、空腹感によって間食したり、次の食事のボリュームアップにつながったりするからです。
さらに、空腹時に糖質の多いものを食べると、「血糖値の急上昇」が起こって脂肪の蓄積にもつながります。
「よく噛んで食べる」のも大切!
よく噛むと脳の「満腹中枢」が刺激されるため、適度な満足感を得られ、食べすぎの予防につながります。
食べるときは早食いしないように気をつけましょう。
「有酸素運動」と「筋トレ」組み合わせて、脂肪を燃焼させよう!
顔についた脂肪を落とすには、「有酸素運動」でカロリーを消費する必要があります。
並行して「筋トレ」を行い、筋肉を増やして代謝されやすい体を作ると、より効率的に顔痩せできるでしょう。
有酸素運動は、ウォーキング・ジョギングなど好きな方法で構いません。
継続することが大切なので、無理なく行えるものを選びましょう。
また、筋トレには「スクワット」をおすすめします。
下半身は筋肉量が多いため、鍛えると効率よく筋力アップできます。
有酸素運動・筋トレは、それぞれ1日30分以上・週に2回以上行いましょう。
【筋肉太りタイプ】「エラが張っている」人の顔痩せ方法
「筋肉太りタイプ」の人は、咬筋(アゴの外側の筋肉)が発達してエラが張っているので、顔が太って見えます。
顔痩せしたいのであれば、顔の筋肉を緩めることが大切です。
顔の筋肉を緩める方法としては、
食いしばりをしないよう意識する
「口輪筋」を鍛える
硬いものを食べすぎない
などをおすすめします。
その① 食いしばりをしないよう意識しよう
咬筋が発達する原因となる「食いしばり」をしないように意識しましょう。
唇を閉じた状態で上下の歯が接触しないように意識し、顔の筋肉の力を緩めましょう。
1日に何度も行うようにしてください。
「歯を食いしばらない」と心の中で自分に言い聞かせることにより、意識的に食いしばりを予防できる場合があります。
また、「マウスピース」を装着し、咬筋にかかる負担を軽減する方法もあります。
マウスピースは歯医者で作ってもらうことも可能です。歯医者を探す
その② 「口輪筋」を鍛えよう
口輪筋のトレーニング方法
割り箸を横にして上下の唇に挟む
歯で噛まないように、唇同士をしっかり合わせるように力を入れる
そのまま1分間キープ
※オトガイ筋(下アゴの中央にある筋肉)に、「梅干しのようなシワ」が寄るくらいが目安です。
これを、1日2回程度行うのがおすすめです。
朝晩の歯磨きの後など、普段必ず行うこととセットにして、ルーティンにしてしまうとよいでしょう。
口輪筋(唇を囲んでいる筋肉)を発達させると、食いしばらなくても口を閉じていられるようになります。
これによって咬筋の発達を抑えられると、エラの張りの改善が期待できます。
その③ 硬いものを食べすぎない
せんべい
スルメ
ナッツ類
といった硬いものを、食べすぎないようにしましょう。
硬いものを食べすぎると、咬筋が発達して、アゴを後方に押しやります。
すると、口の周りにある筋肉を硬直・疲労させて、食いしばりの原因になってしまいます。
“顔をシュッとさせたい”人には「マッサージ」もおすすめ!
両手で両頬を包み込む
顔の外側・少しこめかみの方に向かって手を引き上げる。
そのまま耳下腺(下アゴのエラが張った部分のすぐ後ろ)の方に、すり下げる。
マッサージで顔の脂肪や筋肉を押し上げると、たるみを解消する効果が期待できます。
仕事の合間などのスキマ時間にやってみましょう。
▼参考
六角橋ながさき歯科 顔が大きく見えるエラ張りは歯ぎしりと関係している