「デリケートゾーンに粉瘤ができた…!」
「どうすれば治るの?」
デリケートゾーンの粉瘤の対処法を、お医者さんに聞きました。
おすすめの診療科・治療方法なども解説しますので、粉瘤を治したい方は必見です。
デリケートゾーンに粉瘤ができた…対処法は?
デリケートゾーンの粉瘤は、ご自身で対処できません。
自然治癒しないため、取り除くには病院で手術を受ける必要があります。
粉瘤は放っておくとどんどん大きくなります。
大きくなると、そのぶん治療による傷跡も大きくなるため、できるだけ小さいうちに処置することをおすすめします。
粉瘤とは…
皮膚の下に袋状の組織が形成され、その中に垢・皮脂が溜まっている状態です。
しこり状のできものが発生し、中心部に黒い点が見えるのが特徴です。
通常痛みはありませんが、炎症を起こすと痛みが出てくるようになります。
市販薬で治せないの?
粉瘤は市販薬を塗っても治る病気ではありません。
むやみな市販薬の使用は控え、早めに医療機関へ行きましょう。
粉瘤を潰すのはNG!
触ったり潰したりして、自分で膿を出そうとするのはNGです
傷ができて細菌が侵入すると、化膿して強い痛みが出るようになります。
また、潰して治ったように見えても、中に袋状の組織が残ったままなので時間が経つと再発します。
「痛みが強い」「腫れている」は早く病院へ!
といった場合には、早めに医療機関へ行きましょう。
炎症による痛みを治すには、粉瘤を切除する必要があります。
※粉瘤が破裂した場合は、清潔なガーゼなどで患部を軽く抑えて、すみやかに受診してください。
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「粉瘤ができやすい体質ってあるの?」
粉瘤と体質の関係について、お医者さんに聞いてみました。
スキンケアなどの予防法も解説しますので、粉瘤を防ぎたい方は必読です。
私は「粉瘤ができやすい体質?」
ニキビ跡に粉瘤ができることもあるため、ニキビが多い人は “粉瘤が発生しやすい状態”といえます。
特に「ニキビをつぶす」などで肌にダメージを与えている人は、粉瘤ができるキッカケを自分で作ってしまっています。
こんな人は「粉瘤ができやすい」
スキンケアを怠っている
ニキビをつぶす癖がある
皮脂詰まりを無理やり出す癖がある
ただし、粉瘤は原因不明のケースも多いです。
粉瘤のできやすさは“肌の癖”のようなものですので、上記に当てはまらない場合でも粉瘤を繰り返してしまう方はいます。
粉瘤って、そもそもどんな病気?
粉瘤とは、皮膚の下に袋が形成され、その中に「角質」や「皮脂」が溜まって発生する“良性のできもの”です。
体のどこにでもできる可能性がありますが、
耳の周り
頬
首
背中
足の付け根(鼠径部)
などは、特に発生しやすい傾向があります。
ニキビとの違いは?
粉瘤は直径10cm以上になることもあるため、そのような場合、ニキビと区別することもできます。
また、ニキビは毛穴や皮脂腺が多いところにできやすいのに対し、粉瘤は毛穴や皮脂腺などにかかわらず、どこでもできます。
粉瘤の中は老廃物なので、これが外に出た場合、臭いにおいがします。
粉瘤を予防するためにできること
ニキビ跡から粉瘤ができるケースもあるため、まずはニキビを防ぐことが粉瘤の予防につながると考えられます。
そのため、
毎日入浴して、肌を清潔に保つ
十分な睡眠時間を確保する
こまめにストレスを発散させる
暴飲暴食を避ける
水分を多くとる(1日1.5リットルが目安)
といった方法で、ニキビができにくい状態を保ちましょう。
特に水分は、ターンオーバーを促したり、便秘を予防したりするうえで大切です。
一度にたくさん飲むのではなく、1日の中で10回程度に分けて飲むようにしましょう。
【注意】粉瘤は自分で潰しても治らない!
自分で治そうと粉瘤で潰しても、治ることはありません。
皮膚の内部にある「袋」を取り出さなければ、一見落ち着いたように見えても再発します。
また、粉瘤を潰してしまうと、
細菌感染を起こし、腫れて痛みが出る
刺激によって皮脂分泌が活性化し、粉瘤がさらに大きくなる
といったリスクもあります。
粉瘤ができてしまったときは、ご自身での対処は控え、早めに皮膚科で診てもらいましょう。
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粉瘤を早めに治療すると「傷跡が大きくなりにくい」
粉瘤は、基本的に手術による治療を行います。
炎症がない・小さいうちに摘出してしまえば、手術の傷が小さく済みますし、感染して痛みが出るのを防ぐこともできます。
「できるだけ手術の傷跡を残したくない」という方は、早めに治療を受けるとよいでしょう。
手術の流れ
炎症がない粉瘤であれば、皮膚を切開して、袋ごと内容物を取り出します。
炎症を起こしている場合は、最初に膿を出す処置を行い、炎症を抑えてから袋の摘出を行います。
粉瘤の手術は麻酔をして行うので、治療中の痛みはありません。
粉瘤を放っておくと…どうなる?
粉瘤を放置すると、
内容物が増えて大きく膨らみ、目立ってくる
古い「角質」や「皮脂」が溜まり、悪臭を放つようになる
細菌が入り込んでしまい、腫れて痛む・膿が出てくる
といったリスクがあります。
粉瘤は、そのままにしておいても自然治癒することはありません。
できものに気が付いたら、早めに皮膚科で受診しましょう。※
また、「粉瘤ができやすい」「粉瘤を繰り返してしまう」といった方は、肌に刺激を与えないことも大切です。
確実な予防法はありませんが、毎日のスキンケアを通して、発生しにくい肌作りを目指しましょう。
※粉瘤が小さく、ご自身で気になっていないようであれば、治療せずに様子を見るケースもあります。
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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
日本形成外科学会 粉瘤
何科で相談すればいい?
デリケートゾーンに粉瘤ができたときは、皮膚科で相談しましょう。
「患部を見せるのが恥ずかしい」という場合には、
- 女性医師が診察に当たっている
- 個室で診療を行っている
クリニック・医院をおすすめします。
医院HPを見ると、担当医の性別や院内設備だけでなく、診療の様子も確認できることがあります。
ご自身に合った通いやすい皮膚科を探してみましょう。
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粉瘤の「治療方法」
粉瘤の手術の流れ
- 局所麻酔を行う
- メスで表面の皮膚ごと粉瘤を切り取る
- 皮膚を縫い合わせる
※手術から7~10日後に、傷口の状態を確認したり抜糸をしたりします。
※重症のケースでは、患部を切開して膿を出すこともあります。
粉瘤の治療は手術による切除が基本です。
事前に麻酔を導入するため、手術による痛みはほとんどなく、身体への負担も少ないです。
治療にかかる費用は?
粉瘤の治療は保険適用で、5000~15000円程度が目安です。
※診察料・採血等の検査費・病理組織検査費用・薬の処方料等が別途加算されます。
粉瘤は早めの治療がおすすめ!
粉瘤は大きさによって治療費用が変わるため、小さいうちに治療をうけると費用も安く抑えやすくなります。
また、放置して粉瘤が大きくなってしまうと、「傷跡が大きくなりやすい」というデメリットもあります。
ごく稀に粉瘤が「ガン化」するケースもあるので、健康のためにも早めの治療をおすすめします。
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デリケートゾーンの粉瘤は、どう予防する?
粉瘤の発生する原因がはっきりとわかっていないので、完全に予防するのは難しいです。
ただし、「摩擦の多い部分にはできやすい」と考えられているため、肌触りの良い下着を身につけることが対策となる可能性があります。
【まとめ】デリケートゾーンの粉瘤について
- 粉瘤市販薬を使っても効果はなく、自然治癒もしない。
- 自分で潰すと悪化する恐れがある
- 粉瘤を取り除くには、皮膚科での手術が必要
- 手術費用は保険適用で5000~15000円程度
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粉瘤ができてしまった…。
放置しても大丈夫?自然に治る?
医療機関に行った方がいい症状や、何科を受診するべきかをお医者さんに聞きました。
治療方法も詳しく解説していきます。
粉瘤を放置するとどうなる?
粉瘤を放置すると、どんどん大きくなり、破裂して炎症が起きるケースがあります。炎症が生じると痛み・腫れ・膿が出てくる恐れがあります。
また、古い皮脂や角質が皮膚の内部に溜まりやすくなり、悪臭を放出するケースがあります。
粉瘤は自然に治る?
粉瘤は、小さい状態でも自然治癒することはほぼないです。
皮膚科できれいに除去してもらうなどの治療をおすすめします。
塗り薬や飲み薬を用いた治療では、炎症を抑えることができても、根本的な完治はできません。
病院に行くべき?
粉瘤を放置すると、大きく膨らんだり、炎症を起こしたりするので、小さくても医療機関に行きましょう。
特に、
痛みが強い
しこりのようになる
腫れている(赤く腫れ上がる)
臭いを伴う膿が出てきた
粉瘤に膿が溜まってきた
粉瘤が破裂した
悪臭が出ている(チーズのような臭い)
といった場合には、早急に医療機関に行ってください。
粉瘤を放置すると…
粉瘤が巨大化し、何もしていないのに破裂してしまう場合もあります。
破裂して患部の周りに膿が飛び散ると、症状が悪化する恐れがあります。
悪化すると、さらなる炎症や化膿、また強い痛みをもつことがあります。
膿が飛び散ることで、他の部位にも炎症を起こすことがあります。
<粉瘤が破裂したときの応急処置>
自分で膿を出し切ろうとしたり、除去しようとしたりしないでください。
患部に清潔なガーゼ等をそっと当てて、早めに医療機関を受診しましょう。
破裂後、放置したり、患部を触ったり圧を掛けたりしないでください。
どんな治療を受けるの?
医療機関では症状に合わせて、「切開排膿」「外科的手術による治療」のいずれかの治療を行うことが多いです。手術後は、炎症を起こさないように予防として抗生剤を飲むことがあります。
切開排膿
局所麻酔を行った上で患部を切開し、内部に溜まっている膿を排出してきれいに洗い流します。日帰り手術で10分ぐらいで終えることが多いです。
炎症が悪化し、化膿がひどい場合に行うことが多いです。
切開排膿をした後も3ヶ月間ほど通院が必要になり、炎症が改善するまで軟膏を塗るなど処置を行います。
治療費はいくらかかる?
治療費は保険適用になります。
粉瘤の大きさにもよりますが、小さいもので15,000円前後(3割負担の場合4,500円)で大きいもので85,000円前後(3割負担の場合25,500円)です。
薬は1,000円ほどかかります。
外科的手術による治療
木葉型に皮膚を切り取り、被膜と言われる膜ごと摘出してきます。
小さいうちに行えば、傷口も小さくなります。
炎症がない粉瘤の場合
部分麻酔による日帰り手術で30分~1時間ぐらいで終えることが多いです。
手術した翌日から、シャワー浴は可能となり1週間程度で抜糸となります。
その後は傷口の確認を1~3回ほど行います。
炎症が進んでいる粉瘤の場合
炎症を抑えるために切開排膿した後、再発防止のためにもその部分を切除します。
部分麻酔による日帰り手術で30分ぐらいで終えることができます。
粉瘤の大きさが極端に大きい場合、日帰りではなく入院が必要になるケースがあります。
通常、傷口は術後1~2週間ほどで塞がり、3ヶ月間ほどの通院が必要です。
治療費はいくらかかる?
粉瘤の大きさにもよりますが、小さいもので15,000円前後(3割負担の場合4,500円)で大きいもので85,000円前後(3割負担の場合25,500円)、薬は1,000円ほどかかります。
入院した場合は自己負担として一泊15,000円ほどプラスされます。
治療費は医療機関によって前後するので、医療機関に問い合わせるといいでしょう。
何科を受診すればいい?
粉瘤が疑われるときは、形成外科や皮膚科を受診してください。
形成外科を探す
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
徳島県医師会 炎症性粉瘤
公益社団法人 日本皮膚科学会 アテローム(粉瘤)
健康保険組合連合会大阪連合会 皮膚・形成外科の診療と疾患