更年期|膀胱に違和感が…大丈夫?残尿感や頻尿の正体は膀胱炎かも

更新日:2024-08-19 | 公開日:2022-07-29
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更年期|膀胱に違和感が…大丈夫?残尿感や頻尿の正体は膀胱炎かも

膀胱に違和感があるけど、これって更年期の影響?

「更年期に多い膀胱の違和感」の正体について、お医者さんに聞いてみました。

考えられる病気としては、膀胱炎・過活動膀胱などが挙げられます。
それぞれの改善方法も紹介するので、頻尿・残尿感を改善させたい方は必読です。

監修者
岡村 信良 先生

平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
内科医

岡村 信良先生

経歴

平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック

更年期に多い「膀胱の違和感の原因」

医師男性

更年期に起こる膀胱の違和感は、

  • 膀胱炎
  • 過活動膀胱
  • 骨盤臓器脱

といった原因が考えられます。

病名

症状の特徴

膀胱炎

  • 排尿痛
  • 下腹部痛
  • 頻尿
  • 残尿感
  • 血尿

過活動膀胱

  • 我慢できないほどの尿意
  • 何度もトイレに行きたくなる
  • 尿意で夜に目が覚める

骨盤臓器脱

  • 何かが下がっているような違和感
  • 頻尿
  • 残尿感
  • 尿もれ

上記の病気には、病院での治療が必要なケースもあります。
それぞれ詳しく解説していきますので、心当たりのあるものがないかチェックしてみましょう。

原因① 膀胱炎(排尿痛・残尿感など)

医師男性

膀胱炎とは、尿道に細菌感染が起こっている状態です。
膀胱の粘膜の炎症によって、膀胱に違和感が出ることがあります。

更年期の方は「おりもの」が減少したり、「尿道の萎縮」によって尿が停滞したりするため、膣・尿道から細菌が侵入しやすくなります。

特に、ストレス・疲れが溜まっていると、免疫低下によって膀胱炎を発症しやすいです。

膀胱炎の症状チェック

  • 排尿痛
  • 残尿感
  • 頻尿
  • 尿に血が混じる
  • 発熱

「膀胱炎かも」と思ったら

医師男性

まずはしっかりと水分補給をして、尿をたくさん排出するようにしましょう。
軽度の膀胱炎であれば、細菌を外に出すことで楽になります。

また、

  • 体を温める
  • 栄養のある食事をとる
  • 睡眠をたっぷりととる

といった方法で、免疫力を高めましょう。
免疫力を高めることで、症状の改善や予防効果が期待できます。

使える「市販薬」はある?

 

一時的な痛みの緩和として「鎮痛剤」を使用してもよいです。

改善が見られないときは、病院で相談を

医師男性
  • 2~3日経ってもよくならない
  • 痛みが強くなっている
  • 血尿が濃くなっている

といった場合は、すぐに医療機関で診てもらいましょう。

特に“激しい痛み”や“血尿”などが出ている場合は、「腎臓まで感染が広がっている」恐れがあります。
悪化すると入院が必要になるケースもあるため、早めの受診を心がけてください。

原因② 過活動膀胱(我慢できない尿意)

医師男性
過活動膀胱とは、膀胱が過敏状態になってしまう病気です。
膀胱の収縮によって、膀胱に違和感が出ることもあります。

原因は「脳神経や脊髄の病気」や「加齢による膀胱機能の変化」など、様々な要因が挙げられます。

特に更年期以降の女性は、「筋力(骨盤底筋群)の低下」や「膀胱・外陰部が過敏になる」なども過活動膀胱の原因として考えられます。

過活動膀胱の症状チェック

  • 急に我慢できない尿意が起こる
  • 1日8回以上はトイレに行く
  • 夜間に尿意で目が覚める
  • 尿意を我慢できずに漏れてしまう など

「過活動膀胱かも」と思ったら

医師男性

過活動膀胱の場合、

  • 太っている方は減量する
  • アルコール・カフェインを控える
  • 「骨盤底筋体操」をする

といったセルフケアで、快方に向かうケースもあります。

自宅で簡単にできる!骨盤底筋体操

「骨盤底筋体操」のやり方

 

  1. 仰向けで横になる
  2. 膝を立て、足を肩幅に開く
  3. 体の力を抜いて、膣と肛門をお腹の方に引き上げるように締める(※)
  4. 3の状態で10秒間キープしたら、10秒間リラックスする
  5. 1~4を10回繰り返す
  6. 素早く「締める・緩める」を10回繰り返す

 

(※)おしっこを我慢するイメージ

医師男性
上記を1セットとし、1日5セット行いましょう。
「立ったまま・椅子に座った状態」で行っても構いません。

骨盤底筋を鍛えることで、尿漏れを防ぐことができます。
簡単な体操で鍛えられるので、空き時間にトレーニングを行いましょう。

改善がみられないときは、病院で相談を

医師男性
過活動膀胱には、糖尿病・パーキンソン病・脊髄の病気などが隠れているケースもあります。

なかなか改善しないときは、一度病院で相談することをおすすめします。

病気が隠れていた場合、放置すると健康を大きく損なったり、運動機能に支障をきたしたりするケースもあります。
まずは「泌尿器科」で受診し、症状の原因を調べてもらいましょう。

原因③ 骨盤臓器脱(何かが下がっている感覚)

医師男性
「骨盤底筋」が緩くなり、骨盤内の臓器が下がって、腟口から飛び出てしまう状態です。
膀胱が下がってくることで、膀胱の違和感を生じる場合があります。

※膀胱以外にも、子宮や腸が下がることもあります。

更年期は、女性ホルモン減少・加齢による筋力低下が原因で、骨盤臓器脱を発症しやすくなります。
特に肥満・運動不足の方は、発症リスクがさらに上昇します。

骨盤臓器脱の症状チェック

  • 膀胱の違和感
  • 何かが下がっている違和感
  • 触ると出っ張りの確認ができる
  • 頻尿
  • 残尿感
  • 尿が出しにくい

「骨盤臓器脱かも」と思ったら

医師男性

症状の悪化を予防するためにも、骨盤底筋を鍛えましょう。
先ほど紹介した「骨盤底筋体操」が効果的です。

ただし、

  • 膣から何か出ている感じがする
  • 触ると出ているものを確かめられる

などの場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
検査を行い、体がどのような状態かを見極める必要があります。

病院は「婦人科?泌尿器科?」

医師男性
膀胱の違和感は、「泌尿器科」で相談しましょう。

泌尿器科は、膀胱に関する診療を専門分野としています。
診察を受けると、膀胱に異常が隠れていないか調べてもらえます。

医師に伝えるポイント

  • 出ている症状
  • いつから違和感があるか
  • 痛みの有無
  • 血尿の回数・血の量(尿の色)

などを診察時に伝えるとよいでしょう。

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