「オンラインの場合、どんな風に診察するの?」
“オンライン診療の全体的な流れ”をお医者さんが解説します。
薬の受け取り方や費用の目安についても、併せて確認しましょう。
監修者
金町脳神経内科・耳鼻咽喉科
脳神経内科・耳鼻咽喉科
内野 勝行先生
経歴
帝京大学医学部医学科卒業。都内病院の神経内科や千葉県の療養型病院副院長を経て、現在金町脳神経内科・耳鼻咽喉科院長、帝京大学医学部附属病院神経内科非常勤医。認知症サポート医、スポーツドクター。専門は脳神経内科だが、鍼灸や漢方といった東洋医学も取り入れ、体全体の調和がとれるようアドバイスを行っている。
オンライン診療って、誰でも受けられるの?
現在、新型コロナウイルスの感染拡大による特例的な措置として、多くの人がオンライン診療を利用できるようになっています。
ただし、患者さんの病気や状態等により、オンライン診療を受けられない場合もあります。
オンライン診療を受けられるケース
基本は、「診断や処方が医師の責任のもとで医学的に可能であると判断した範囲」です。 また
- 個人確認が取れる
- クレジットカードや携帯電話の決済システムを使って支払いができる
ことも必要です。
※「電話診療」ではクレジット支払いに限らず、のちに支払いに行く、銀行振り込みといった方法を選択できる場合もあります。
オンライン診療を受けられないケース
医学的判断が難しい場合は対面での診療が必要です。
特に、触診ができないため、圧痛、怪我など、正しく医学的判断するのが難しいものもいくつかあります。 「だんだん悪くなっている」「容態が急変している」など緊急性がある場合も対面の診察がよいでしょう。
また、
- 個人確認が取れない
- クレジットカードや携帯電話の決済システムが使えない
ときもオンライン診療を受けられません。
オンライン診療の流れ
まずは、オンライン診療を行っている医療機関で予約を行います。
予約方法は医療機関によって異なるため、受診先に問い合わせてご確認ください。
オンライン診療・電話診療が可能な医院一覧
予約した時刻になると、医療機関から連絡(電話)が来て、オンライン診療が始まります。
その後、
- 本人確認と、問診
- 視診と問診を中心に、どんな状態か診断
- 診察料、処方箋料などの提示された金額を決済
- 処方薬を受け取る(郵送、またはメール)
といった流れで診療が進められます。
また、医療機関と薬局で連携がある場合は、医療機関から薬局に処方箋が送信され、患者さんの自宅に薬が送られます。
スマホでも受診できる!
オンライン診療は、パソコンだけでなくスマートフォンでも可能です。
なお、医療機関によっては、事前にアプリのダウンロードを求められる場合もあります。
初診では、どんなことを伝えればいい?
といった点を、できるだけ詳しく医師に伝えてください。
オンラインや電話で診療を受ける場合、医師が患部に触れないため、患者さんからの情報が重要になります。
薬の受け取りはどうするの?
オンライン診療で薬を受け取る場合、
- 院内処方(病院から郵送)
- 院外処方(薬局から郵送、または薬局で受け取る)
といった方法があります。
「院内処方」の場合、医療機関で管理されている処方薬を、直接患者さんの自宅に送ります。
「院外処方」の場合は、受診した医療機関では処方薬を出さない形式のため、薬を受け取るには薬局を通すことが必要です。
その際、薬局から自宅に郵送してもらう方法と、薬局に行って受け取る方法があります。
薬局からの郵送は、医療機関から薬局に処方箋を送ることで可能になります。
一方、薬局に行って薬を受け取る場合は、受診先からメールか郵送で処方箋が送られます。
※院内処方・院外処方も含め、薬の受け渡しのシステムは医療機関ごとに異なります。
「自宅に薬を届けてほしい」という方、受け取りの希望がある方など、事前に受診先で確認をとりましょう。
合わせて読みたい
2021-06-01
「オンライン診療の場合、処方箋や薬はどうするの?」
“オンライン診療での薬の受け取り方”を、医師が解説します。
処方箋の有効期限、料金の目安なども併せてチェックしましょう。
オンライン診療、薬はどうするの?
オンライン診療で処方箋や薬を受け取る方法は、
院内処方
院外処方
の2つに大きく分けられます。
「院内処方」は、医療機関から自宅へ薬を郵送してもらう方法です。
「院外処方」は、自分で薬局に行くか、薬局から自宅に薬を送ってもらう方法です。
以下の項目で、それぞれの方法について詳しく解説します。
① 院内処方(病院から自宅へ処方薬を郵送)
医療機関から直接、薬が自宅に郵送される方法です。
院内で薬を保管しており、処方薬を院内で手渡ししている医療機関で採用されています。
なお、院内処方を行う医療機関は減少傾向にあり、対応していないケースが多いです。
<院内処方のメリット>
外出する手間が省ける
<院内処方のデメリット>
通常、院内にある薬のみの処方となるため、薬の選択肢が狭くなりやすい
② 院外処方(自分で薬局に行く/薬局から自宅に薬を郵送)
薬局を通して薬の受け渡しを行う方法です。
医療機関で処方箋が発行され、調剤薬局で薬をもらう形式の医療機関で行われています。
国からこの方法を推奨されていることもあり、多くの医療機関は院外処方のケースが多いです。
院外処方での薬の受け渡しには、
医療機関が薬局に処方箋を送信 → 薬局から自宅に薬を郵送
医療機関から郵送かメールで処方箋を受け取る → 薬局に行って薬を購入
といった、2種類の方法があります。
<院外処方のメリット>
お薬手帳で、薬剤師に薬を管理してもらえる
薬局から郵送が可能な場合、外出の手間を省ける
<院外処方のデメリット>
調剤薬局に出向く必要がある(医療機関と薬局の連携がない場合)
院内処方よりも料金が少し高くなる(調剤薬局の手数料が含まれるため)
自宅に薬を送ってもらいたいけど、希望は通る?
処方を受ける医療機関の方法に従う必要があります。
そのため、患者さん自身の希望が通らない場合もあります。
また、
特別な管理が必要な薬
対面での服薬指導が必要な薬
は郵送が行えない場合があります。
事前に受診を考えている医療機関に問い合わせ、自宅に送ってもらえるか確認しましょう。
処方箋の有効期限は?
通常、処方箋の有効期限は4日間になります。
この期限は休日・祝日も含まれた日数であるため、注意してください。
なお、医師が処方箋に別途試用期間を記載することで、受け取りの期限を延長することもできます。
長期旅行など特殊な理由がある場合には、前もって医師に伝えましょう。
オンライン診療の処方箋にかかる料金は?
健康保険適用(3割負担)の場合、診察料と処方箋で1500円前後かかります。
なお、薬の配送手数料として、300〜1000円程度の追加料金が必要な場合もあります。
また、オンライン診療の場合、支払い方法はクレジットカード決済が基本です。
医療機関によっては、携帯電話の決済システムに対応しているケースもあります。
オンライン診療・電話診療が可能な医院一覧
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
厚生労働省オンライン診療に関するホームページ
オンライン診療の料金は?
オンライン診療は、通常の受診費用に数百円~2,000円ほど上乗せした金額となります。
上乗せされる金額の内訳は、薬・処方箋の送料、予約料などです。
医療機関によって料金が異なるため、気になる場合は受診先に問い合わせましょう。
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。