陰部のツーンとした痛み。原因は?生理前に多い理由や病気との関係も【医師監修】

更新日:2024-12-17 | 公開日:2024-12-17
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陰部のツーンとした痛み。原因は?生理前に多い理由や病気との関係も【医師監修】

陰部がツーンと痛い…原因は?
排尿時に痛みがあるけど大丈夫?
生理前と関係ある?

陰部のツーンとした痛みについて医師が詳しく解説します。

監修者
経歴

日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医、女性ヘルスケア認定医、神戸にある沢岻美奈子女性医療クリニックの院長

子宮がんや乳がん検診、骨粗鬆症検診まで女性特有の病気の早期発見のための検診を行なってい更年期を中心にホルモンや漢方治療だけでなく、カウンセリングや栄養療法もとりいれた診療をしている。

女性のヘルスリテラシー向上のために実際の診察室の中での患者さんとのやりとりなどをインスタグラムで毎週配信中。

陰部のツーンとした痛み。考えられる主な原因

陰部にツーンとした痛みがある場合、4つの可能性が考えられます。

  • 尿路感染症(膀胱炎、尿道炎など)
  • ホルモンバランスの変化
  • 細菌性膣炎
  • クラミジア、ヘルペス

原因1. 尿路感染症

尿路感染症とは細菌やウイルスが尿道や膣に侵入し、炎症を引き起こすことで起こる炎症です。

医師女性
尿道や膀胱が炎症を引き起こしているため、排尿時にツーンとした痛みを感じることがあります。

尿路感染症には膀胱炎尿道炎なども含まれます。

細菌が尿道の内壁に感染し炎症を引き起こすと、尿道の粘膜が敏感になり、排尿時にツーンとした鋭い痛みを感じたり、焼けるような感覚になることがあります。

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原因2. ホルモンバランスの変化

生理がくる1~2週間前ぐらいになると「エストロゲン」というホルモンが低下します。これにより膣や外陰部の粘膜が乾燥し、皮膚が薄くなることがあります。

医師女性
皮膚が薄くなることで、少しの刺激や摩擦でも痛みが生じ、陰部に不快感やツーンとした痛みを感じやすくなることがあります。

さらに生理前は「プロゲステロン」というホルモンも変動します。

プロゲステロンの変動は骨盤内の血流の増加や、組織の腫れ、むくみなどを引き起こすことがあり、それにより骨盤や陰部に圧迫感をおぼえたり、ツーンとした痛みを感じることがあります。

原因3. 細菌性膣炎

細菌性膣炎とは、膣内の細菌バランスが崩れてしまうことで発生する炎症です。

医師女性
膣内に炎症がおこり神経を刺激するため、陰部の痛みや不快感に繋がります。

細菌性膣炎は性病ではないため、性行為がなくてもおこります。

ツーンとした痛みだけでなく、灼熱感かゆみ刺すような痛みなども感じることがあるのも特徴です。

おりものから魚のような強い独特な悪臭がすることが多いので、おりもののニオイがいつもと違うと感じたら注意しましょう。

原因4. クラミジア・ヘルペス

クラミジアは、クラミジア菌という菌が体に侵入しておこる性感染症。ヘルペスはヘルペスウイルスが侵入しておこる感染症です。

医師女性
感染後は無症状なことが多いですが、症状が出ると排尿時のツーンとした痛み、不快感などが出ることがあります。

クラミジアやヘルペスなどの性感染症は、放置していると思いもよらない健康リスクや合併症が発生する可能性があります。

女性は特に、不妊症子宮外妊娠などに繋がることもあるので、感染している可能性がある場合はすぐに病院を受診しましょう。

【セルフチェック】原因の見分け方

陰部のツーンとした痛みの原因を見分けるには、4つのポイントに注目してチェックしましょう。

  • 痛みを感じるのはいつなのか
  • どの部分が痛むのか
  • おりものの色やニオイ
  • 痛み以外の不快感はあるか

痛みを感じるのはいつなのか

排尿時に痛む

・尿路感染症(膀胱炎、尿道炎など)
・細菌性膣炎
・クラミジア、ヘルペス

生理前などの特定の時期に痛む

・ホルモンバランスの変化

歩行時や座っている時に痛む

・細菌性膣炎

解説

尿路感染症の場合は尿道や膀胱で炎症が起きているため、特に排尿時に痛みが強く感じられます。

細菌性膣炎の場合は排尿時に痛みを感じることもありますが、歩行時や座っている時など、陰部が圧迫された時にも痛みを感じることがあるのが特徴です。

ホルモンバランスの変化が原因の場合は排尿時など関係なく、生理前の期間にいきなり痛みを感じやすくなることがあります。

クラミジアやヘルペスの場合は無症状の場合もありますが、痛むことがあれば排尿時であることが多いです。

どの部分が痛むのか

膀胱や下腹部

・尿路感染症

下腹部や骨盤付近

・ホルモンバランスの変化

膣の内側や外陰部

・細菌性膣炎
・クラミジア、ヘルペス

解説

尿路感染症は膀胱や尿道付近、特に下腹部の恥骨の上あたりに圧迫感や鈍痛を感じます。

ホルモンバランスの変化が原因の場合は、局所的な鋭い痛みではなく、骨盤付近全体に鈍い痛みがあるのが特徴です。

細菌性膣炎やクラミジア、ヘルペスの場合は膣内に炎症が起きているため、外陰部や膣周辺に鋭い痛みを感じることが多いです。

おりものの色やニオイ

おりものに変化はない

・尿路感染症
・ホルモンバランスの変化
・ヘルペス

おりものの色やニオイに異常がある

・細菌性膣炎

おりものの量が増えることがある

・クラミジア

解説

細菌性膣炎は、魚のような独特なニオイのおりものが出るのが特徴です。その他、おりものが灰色っぽくなったり、通常よりも量が増えたりすることがあります。

痛み以外の不快感はあるか

残尿感や頻尿

・尿路感染症

かゆみや灼熱感

・細菌性膣炎
・クラミジア、ヘルペス

特にない

・ホルモンバランスの変化

解説

尿路感染症の場合は、頻繁にトイレに行きたくなったり、トイレに行っても尿が出ない、などの不快感があります。残尿感をおぼえることがあるのも特徴です。

細菌性膣炎やクラミジア、ヘルペスなどは膣内の炎症のため、陰部にかゆみや灼熱感があることがありますが、クラミジアとヘルペスは無症状のことが多いため、必ずしもかゆみなどがないからといって感染していないとは言い切れません。

少しでも陰部に違和感があったり、感染の疑いがある場合はすぐに病院を受診しましょう。

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【対処法】ツーンとした痛みを和らげる方法

温かいお風呂に入る

温かいお風呂に入り、骨盤周辺や腹部の筋肉をリラックスさせるのがいいでしょう。

医師女性
筋肉の緊張が和らぐと痛みが軽減されることがあります。また、血流がよくなることで痛みや炎症を引き起こす物質が排除され、痛みが軽減されやすくなります。

特にホルモンバランスの変化によるツーンとした痛みの場合は、こわばった筋肉がほぐれるため、痛みが和らぎやすくなります。

また、尿路感染症や細菌性膣炎などの場合でも、根本的な治癒にはなりませんが、温かいお湯が患部に触れることで局所的な痛みの緩和に繋がります。

病院で治療中でも痛みが引かない時などは試してみるといいでしょう。

尿路感染症や細菌性膣炎、性感染症の場合はきちんと病院へ行こう

尿路感染症や細菌性膣炎、性感染症は、適切に治療をしないと感染が広がる可能性があります。

医師女性
自然治癒はなかなか難しいので、すぐに病院で診てもらいましょう

ツーンとした痛みがあるということはすでに炎症を起こしてしまっている段階ですので、早めに治療をする必要があります。

放っておくと慢性的になったり、より重大な健康リスクを引き起こします。

早めに検査をして、適切な治療を始めることが大切です。

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