夕方から夜にかけて、胃が痛くなることがあります。
胃痛が起こっている原因、つらい胃痛を和らげる方法などを紹介しています。
病院に行くべき症状や、かかる診療科、お医者さんへの痛みの伝え方などもあるので参考にしてください。
監修者
経歴
福岡大学病院
西田厚徳病院
平成10年 埼玉医科大学 卒業
平成10年 福岡大学病院 臨床研修
平成12年 福岡大学病院 呼吸器科入局
平成24年 荒牧内科開業
なぜ?夕方~夜の胃痛の原因は?
胃潰瘍は、食後に胃痛を起こすことが多いため、夕食後に胃が痛くなることが多々あります。
痛みはどう和らげる?
市販薬があり、強い痛みがない場合は、胃薬を使用しても良いでしょう。
しかし、翌日には病院で診察を受けてください。
消化の良いものを食べ、たばこやアルコール、香辛料などの刺激物を控えましょう。
また、ストレスをためないようにしてください。
「深刻な病気」が隠れていることも
次のような病気も考えられます。
胃がん
胃がんは、ピロリ菌の感染、喫煙、多量の飲酒、塩分の多い食事などが要因となります。
暴飲暴食を避け、たばこやアルコール、香辛料などの刺激物を控え、胃潰瘍と同様に、胃に負担をかけない食事を心がけてください。
ストレスをためないようにし、しっかりと睡眠をとってください。
胃がんの場合はセルフケアも大切ですが、治療しなければ自然回復はできないため、早めに病院を受診し、診察や検査を受けてください。
機能性ディスペプシア(FD)
遺伝、ピロリ菌の感染、生活習慣(喫煙、飲酒、睡眠不足など)、胃の変形、胃や十二指腸の知覚過敏など、機能性ディスペプシア(FD)の原因はさまざまです。
暴飲暴食を避け、たばこやアルコール、香辛料などの刺激物を控え、胃潰瘍と同様に、胃に負担をかけない食事を心がけてください。
ストレスをためないようにし、しっかりと睡眠をとってください。
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2022-11-25
みぞおちに筋肉痛のような痛みが…。
これって何かの病気?
みぞおちに「筋肉痛のような痛み」があるときに考えられる原因を、お医者さんに聞いてみました。
胆石症や心筋梗塞などの危険な病気が隠れていることもあるので、心当たりのある症状がないかチェックしましょう。
「みぞおちの筋肉痛のような痛み」の原因は?
みぞおちに筋肉痛のような痛みを感じる場合、胃の粘膜が傷ついている可能性があります。
胃の粘膜を傷つける原因としては、下記の3つが考えられます。
ストレスによる自律神経の乱れ
食生活の乱れ
食あたり(食中毒)
原因① ストレスによる自律神経の乱れ
ストレスが溜まると、自律神経のバランスが乱れます。
すると、
胃酸が過剰に分泌される
胃粘液の分泌が減る
血流が減る
等の状態となり、みぞおちに筋肉痛のような痛みを生じることがあります。
自律神経の乱れを引き起こす要因として、心身のストレス以外に、睡眠不足・不規則な生活・ホルモンバランスの乱れ・寒暖差なども挙げられます。
原因➁ 食生活の乱れ
暴飲暴食により胃に大きな負担がかかると、胃酸が過剰に分泌されて胃粘膜に傷が付き、みぞおちに痛みが生じる場合があります。
また、過剰なアルコール摂取・過剰な喫煙・刺激物の過剰摂取等により、みぞおちに痛みが生じる場合もあると考えられます。
原因③ 食あたり(食中毒)
食品に付着している細菌や毒素によって、胃腸炎や神経障害を起こすと、過剰に分泌された胃酸により胃粘膜が傷つけられます。
すると、みぞおちに痛みが生じる場合があります。
こんな症状を伴うことも
胃粘膜が傷ついている場合、筋肉痛のような痛みの他にも
キリキリするような痛み
みぞおちが焼けるような痛み
などを引き起こす場合があります。
みぞおちの痛みの対処法は?
まず、衣服をゆるめて楽な体勢になりましょう。
血流をよくするために、みぞおちの周辺を温めて、安静にしてください
しばらくして痛みが治まり、その後繰り返さないようであれば、そのまま様子をみてよいでしょう。
食事は、「時間をかけて煮込んだスープ」や「おかゆ」など、胃に負担の少ないものを食べるようにしてください。
こんな症状があるときは病院へ
痛みが続く・どんどん強くなる
胸痛を伴う
発熱を伴う
吐き気や下痢を伴う
上記に当てはまる場合は、胃腸や心臓の病気によって、症状が出ている可能性があります。放置していると悪化する恐れがあるため、早めに病院へ行きましょう。
病院は「消化器内科」で受診することをおすすめします。
自宅の近くに消化器内科がない場合は、「内科」で受診してもよいでしょう。
消化器内科を探す
内科を探す
胃の調子を整える「3つの習慣」
みぞおちの痛みが胃の不調からきている場合、下記の習慣を心がけることで予防が期待できます。
食生活を改善する
週3回以上運動をする
毎日6~8時間の睡眠をとる
予防法① 食生活を改善する
暴飲暴食や食べ過ぎに気をつける
脂肪分や糖質を多く含む食品を控える
ゆっくり噛んで食べる
朝食を抜かない
辛いものを食べ過ぎない
お酒・炭酸飲料を飲み過ぎない
上記のような食生活を意識することで、過剰な胃酸の分泌を防ぎ、みぞおちの痛みを予防できます。
また、喫煙も胃酸の分泌を促進するため、 喫煙者はできるだけ禁煙することをおすすめします。
予防法② 週3回以上運動をする
ウォーキング・ジョギング・サイクリングなどの「有酸素運動」や、腹筋・スクワットなどの「筋トレ」を行いましょう。
運動は、週に3~5回、1回15~30分程度を目安に行うといいでしょう。
運動することで血流がよくなり、自律神経が整いやすくなります。
予防法③ 毎日6~8時間程度の睡眠をとる
毎日6~8時間程度の睡眠時間を確保しましょう。
睡眠をしっかりとることで、ストレスの解消や疲労回復につながります。
すると、自律神経が整いやすくなるため、みぞおちの痛みの予防が期待できます。
また、寝るときは部屋を暗くしましょう。「メラトニン」という睡眠ホルモンが分泌され、入眠しやすくなります。
一度、ピロリ菌の検査をしておこう
胃の不調からくる「みぞおちの痛み」を予防するためには、ピロリ菌の検査を受けておくことも重要です。
ピロリ菌は、胃炎・胃潰瘍・胃ガンなどのリスクを高める恐れがあります。
ピロリ菌の検査は「消化器内科」で受けられます。
検査結果が陽性だった場合、抗生物質や胃酸分泌抑制薬を用いた治療が行われるケースが多いです。
消化器内科を探す
痛みが続く場合は病気の可能性もあり
逆流性食道炎
急性胃炎
胃・十二指腸潰瘍
胆石症
心筋梗塞
「みぞおちに筋肉痛のような痛み」がある場合、上記の病気が疑われるケースがあります。
それぞれの病気について紹介するので、該当する症状がないか確認しましょう。
病気① 逆流性食道炎
逆流性食道炎は、胃の中にある内容物が食道に逆流し、炎症を起こす病気です。
「酸っぱいものが喉まで上がってくる」といった症状が見られます。
発症しやすい人は?
過食
早食い
肥満
脂肪を多く含む食品をとり過ぎている
お酒をよく飲む
炭酸飲料をよく飲む
タバコを吸う
こんな症状がでていませんか?
みぞおちや胸部の痛み
胸焼け
ゲップが増える
喉の違和感
声がかすれる
咳が続く
上記の症状が見られる場合は、逆流性食道炎が疑われます。
症状がなかなか改善しない、日常生活に支障が出るという人は、医療機関で受診しましょう。
逆流性食道炎の予防法
逆流性食道炎を予防するために、普段の生活では下記のことを意識しましょう。
食べ過ぎを防ぐ
よく噛んでゆっくり食べる
脂肪を多く含む食品を控える
お酒や炭酸飲料を控える
禁煙する
食後2時間は寝ないようにする
ダイエットをする
腹部を締め付ける衣類を着用しない
消化器内科を探す
病気② 急性胃炎
急性胃炎とは、胃の粘膜に急激な炎症が起きている状態です。
急な「みぞおちの痛み」「胃がキリキリするような痛み」があらわれます。
発症しやすい人は?
暴飲暴食している
お酒をよく飲む
辛い食品をよく食べる
ストレスをため込んでいる
上記のほかに、食あたり・ピロリ菌感染・薬の副作用などで発症することがあります。
こんな症状がでていませんか?
みぞおちの痛み
胃がキリキリするような痛み
下痢
吐き気
急性胃腸炎が悪化すると下血・吐血などの症状が出るケースもあります。
急性胃腸炎が疑われる場合、病院で受診することをおすすめします。
また、発症してから2~3日は胃に負担をかけないようにして、安静に過ごしましょう。
消化器内科を探す
病気③ 胃・十二指腸潰瘍
胃・十二指腸潰瘍は、何らかの原因で、胃液が胃や十二指腸の組織を溶かしてしまう病気です。
胃酸の消化作用と、粘膜を保護する粘液などのバランスが崩れている状態と考えられます。
自覚症状で多いのは、「みぞおちがズキズキするような重い痛み」です。
発症しやすい人は?
疲労やストレスがたまっている
薬を常用している(ステロイド薬・非ステロイド性消炎鎮痛剤など)
こんな症状がでていませんか?
みぞおち周辺のズキズキするような重い痛み
胸焼け
吐き気
食欲低下
上記の症状が見られる場合は、胃・十二指腸潰瘍が疑われます。
みぞおちの痛みが続いたり、日常生活に支障が出ていたりする場合は、医療機関で受診しましょう。
普段の生活では、「暴飲暴食を控える」「脂肪を多く含む食品をとり過ぎない」「ストレスをこまめに解消する」などを意識してください。
消化器内科を探す
病気④ 胆石症
胆石症は、胆道に石が発生し、痛みなどの症状を引き起こす病気です。
無症状のケースもありますが、みぞおち・お腹の右側に激しい痛みを生じることが多いです。
発症しやすい人は?
高齢者
脂肪を多く含む食品を好む
こんな症状がでていませんか?
みぞおち・右上腹部の激痛
右肩の痛み
黄疸
胆石症が疑われる場合は、早急に医療機関で受診しましょう。
胆石症が悪化すると、「胆管炎」を起こして重症化する恐れがあります。
消化器内科を探す
病気⑤ 心筋梗塞(心疾患)
心臓を動かす心筋に血液を送る、冠動脈がふさがってしまう病気です。
血流が途絶えるため、心筋が壊死している状態だと考えられます。
みぞおちに強い痛み・絞めつけられるような感覚・灼熱感を生じることが多いです。
発症しやすい人は?
肥満
糖尿病
高血圧
脂質異常症
タバコを吸う
こんな症状がでていませんか?
みぞおちの強い痛み・やけるような痛み(灼熱感)
みぞおちが絞めつけられるような感覚
冷や汗
吐き気
嘔吐
呼吸困難
心筋梗塞は命に関わる病気です。心筋梗塞と思われる症状がある場合は、早急に医療機関で受診するか、救急車を要請してください。
循環器内科を探す
「痛みが続く」「発熱等を伴う」場合は消化器内科へ
痛みが続く・どんどん強くなる
突然痛みが生じる
決まった時間に痛みが生じる
発熱を伴う
吐き気や下痢を伴う
胸痛を伴う
上記に該当する痛みが出現している場合は、「消化器内科」で受診しましょう。
消化器内科が自宅近くにない場合は、「内科」でもかまいません。
まずは「みぞおちの痛みの原因」を見極める必要があります。
原因に合わせた治療を受けて、症状の改善を目指しましょう。
消化器内科を探す
内科を探す
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
オムロン vol.130 胃もたれ、みぞおち痛を慢性化させない
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター 逆流性食道炎ってどんな病気?
東京医科歯科大学 肝胆膵外科 胆石症、胆嚢炎、胆嚢ポリープ
市販の胃薬は使ってもいい?
胃が痛いときに、市販の胃薬を使ってもいいでしょうか。
短期間であれば使用しても大丈夫です。
胃酸の分泌を抑える成分や胃酸を中和する成分、胃の痙攣を抑える成分を含む市販薬などがあります。薬剤師に症状を伝えて、相談しましよう。
しかし、症状が繰り返す場合やよくならない場合は、早めに病院に行って診断や検査を受けるようにしましょう。
こんな症状は…病院に行くべき!
・吐き気や嘔吐がある
・激痛がある
・市販薬を約3日間使用しても治らない
といった場合は、病院へ行きましょう。
胃痛を治療せずに放っておくと、以下のようなリスクがあります。
- 胃痛、不快感が続く
- 日常生活に支障をきたす
- 胃食道逆流症、過敏性腸症候群、慢性便秘などの合併症を引き起こす
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)や肝硬変、糖尿病などの深刻な病気を見逃す
- 胃がんなどの発見が遅れ、がんが転移する
- 胃の切除をする
- 最悪の場合、命を落とす
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2023-01-30
過敏性腸症候群とは、どのような病気なのかを分かりやすくまとめました。
過敏性腸症候群の主な症状も紹介するので、当てはまるものがないかチェックしましょう。
過敏性腸症候群とは
過敏性腸症候群とは、腹痛・腹部の不快感・便秘・下痢などを何度も繰り返してしまう病気です。
特にストレスを感じたときに発症しやすい傾向があります。
以前はなかった病気で、近年では若い人を中心に発症を増やしています。
検査で異常が見つからない点も特徴です。
過敏性腸症候群の症状チェック
お腹の痛み
お腹の不快感
下痢
便秘
吐き気・嘔吐
過敏性腸症候群の原因
根本的な原因は未だ不明ですが、発症にストレスが関わっていると言われています。
どの年代でも発症しますが、20〜30代の若い世代を中心に患者さんが増えています。
特に、ストレスに敏感な人、仕事が忙しい人に発症しやすい傾向があります。
過敏性腸症候群になりやすい人
不規則な生活を送っている
疲労・ストレスがたまっている
睡眠時間が短い
不規則な生活や疲労・ストレスは自律神経を乱しやすいため、過敏性腸症候群を引き起こしやすくなります。
過敏性腸症候群は自分で治せる?病院行くべき?
過敏性腸症候群の場合、腸自体に問題はないため、すぐに治療が必要なわけではありません。
ただし、長期間症状が続くと、それ自体がストレスとなって自律神経がさらに乱れる原因となります。過敏性腸症候群を疑う症状が続く場合は、病院で相談しましょう。
過敏性腸症候群の治し方
一日三回バランスの良い食事を摂りましょう
十分な睡眠をとりましょう
ストレスは溜めずに発散しましょう
定期的に運動をしましょう
市販薬を使ってもいい?
過敏性腸症候群に対する市販薬もあるため、症状が軽い場合は使用してもよいと考えられます。
ただし、市販薬を使用できるのは、医師による診断を以前に受けたことがある人に限ります。
また、市販薬を使用する場合は、自己流の治療で症状を悪化させる可能性もあると念頭に置いておきましょう。市販薬で症状が良くならない場合は、必ず病院を受診してください。
こんな症状は早く病院へ
排便のリズムが定まらない
ストレスを感じると便意を催す
急に便意を催すことが頻繁にある
腹痛を伴う下痢、便秘を数日間で何度も発症している
上記に該当する人は、医療機関の受診をおすすめします。
病院は何科?
過敏性腸症候群が疑われる場合は、消化器内科を受診しましょう。
まずは、他の消化器疾患がないかを確認することが大切です。過敏性腸症候群が疑われる場合、一度は胃腸内科、消化器疾患を受診することが望ましいでしょう。
消化器内科を探す
胃腸内科を探す
病院での治療法は?
生活習慣を見直しても症状が良くならない場合、薬を使用して治療します。
過敏性腸症候群では、一般的には消化管の機能を調節する薬や、プロバイオティクス(※)などが処方されます。
ガス型の症状に対しては、ガスを吸着する薬としてガスコンという薬が使われます。その他、漢方薬の処方で症状が良くなる人もいます。
また、ストレスが原因の場合や、うつ症状がある場合には抗不安薬や抗うつ薬を使います。
プロバイオティクスと抗不安薬を組み合わせた治療をすることもあります。
(※)プロバイオティクス…人間や動物の体に対して、良い働きをする生きた微生物のこと
病院は何科?
内科、消化器内科、胃腸内科を受診しましょう。
内科を探す
お医者さんに伝えるポイント
病院を受診する際は、次のことを伝えると診察をスムーズに進められます。
- 症状の開始時期と経過(良くなっているのか悪くなっているのかなど)
- 症状(どんな風に痛いか、どういうときに痛みが強くなるか、その他の症状)
- 他の病院の受診や薬の服用の有無
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2022-05-30
胃がムカムカして、下痢もある…。
何が原因?
「胃のムカムカ」と「下痢」がある場合の原因をお医者さんに聞きました。誤った対処をすると、症状が長引いたり重くなったりする恐れがあります。
なぜ?「胃がムカムカして下痢もある」
胃がムカムカして下痢の症状もでている場合、
急性胃腸炎
機能性ディスペプシア
といった原因が考えられます。
急な症状の場合、食中毒などによる「急性胃腸炎」が疑われます。
一方、症状が慢性化している場合は、ストレスの蓄積・睡眠不足によって起こる「機能性ディスペプシア」という病気も考えられます。
病名
どんな病気?
症状の特徴
急性胃腸炎
胃腸の粘膜に炎症が起こっている状態。
ウイルス・細菌に感染したり、胃腸に刺激が加わったりすることで発症する。
下痢・腹痛
胃もたれ・胃がムカムカする
吐き気・嘔吐
発熱
機能性ディスペプシア
ストレス・睡眠不足などで発症する胃腸の不調。
検査で異常が見つからない場合に診断される。
胃痛
胃が重苦しい
胃もたれ・胃がムカムカする
下痢(特に緊張しているとき)
便秘
食後の腹部張り感
それぞれの適切な対処法を詳しく解説するので、心当たりのあるものがないかチェックしましょう。
原因① 急性胃腸炎(食中毒・過度の飲酒で起こりやすい)
急性胃腸炎の症状チェック
・下痢
・腹痛
・胃もたれ・胃がムカムカする
・吐き気・嘔吐
・発熱
急性胃腸炎とは、胃腸の粘膜に炎症が起きている状態です。
「ウイルス・細菌の感染」や「刺激物の摂取」によって引き起こされることが多いです。
胃のムカムカと下痢以外に、嘔吐や発熱の症状が出てきた場合は、急性胃腸炎が疑われます。
急性胃腸炎に「なりやすい人」
加熱不十分な肉を食べた
生牡蠣を食べた
お酒を大量に飲んだ
コーヒー・エナジードリンクを飲み過ぎた
日常的に鎮痛剤を服用している
といった人は、急性胃腸炎を発症しやすいです。
上記は、食中毒を引き起こしたり、胃腸に過剰な刺激を与えたりする原因となります。
特に「加熱不十分な肉」は、大腸菌・カンピロバクター菌などで、食中毒を起こしやすいです。
急性胃腸炎かも…どうすれば?
急性胃腸炎が疑われる場合は、胃に負担をかけないことが大切です。
そのために、
食事量を抑える
消化によいものを食べる
ゆっくりよく噛んで食べる
胃腸に刺激を与えやすいものは避ける
といったことを意識して過ごしましょう。
また、急性胃腸炎が悪化すると、点滴や薬剤の服用などの処置が必要になるケースもあります。症状がひどい・なかなか改善しない場合は、「消化器内科」を受診してください。
※消化器内科が近くにない場合は、内科を受診しましょう。
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原因② 機能性ディスペプシア(ストレス・睡眠不足で起こりやすい)
機能性ディスペプシアの症状チェック
・胃痛
・胃もたれ・胃がムカムカする
・下痢(特に緊張しているとき)
・便秘
・胃が重苦しい
・食後のお腹の張り感
※食道・胃・十二指腸等に症状が現れます。
機能性ディスペプシアとは、検査で何も異常が見つからないにもかかわらず、慢性的な胃痛・胃もたれが起こる病気です。
上記のような症状が繰り返す人は、機能性ディスペプシアが疑われます。
発症には、「自律神経の乱れ」による胃の機能低下が関わっていると考えられています。
また、食道や胃の粘膜の「知覚過敏」が原因という説もあります。
機能性ディスペプシアに「なりやすい人」
機能性ディスペプシアは、
ストレス過多
睡眠不足
疲労過多
暴飲暴食
に当てはまる人に発症しやすいです。
機能性ディスペプシアかも…どうすれば?
胃の機能低下を招くため、まずは飲酒・喫煙を控えてください。
また、十分な睡眠時間(6〜7時間程度)を確保して、体をしっかり休めましょう。
機能性ディスペプシアを改善させるには、ストレス、疲労の蓄積を防ぐことが大切です。
また、「消化器内科」で受診すると、生活習慣の改善指導・薬剤の処方などで改善を図ってもらえます。症状が続く場合は、一度相談してみるとよいでしょう。
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【対処法】どんな食事をとったほうがいいの?
おすすめの食品
お粥・柔らかいごはん
煮込んだうどん
豆腐
白身魚
里芋・じゃがいも
卵
鶏ささみ
ヨーグルト
リンゴ
バナナ
胃のムカムカと下痢があるときは、上記のような「胃腸への刺激が少ない」「消化によい」「栄養価が高い」食品をとることをおすすめします。
調理の際は、消化しやすくするために、具材を小さく切り、たっぷり加熱してやわらかくしましょう。
ゆっくり、よく噛んで食べることも意識してください。
反対に、「こんな食べ物は控えよう」
香辛料(こしょう・唐辛子など)
揚げ物
塩からいもの
は胃の負担になるので、避けましょう。
「市販薬」を自己判断で服用するのはNG!
胃がムカムカして下痢を起こしている場合、自己判断で市販薬を服用すると症状を悪化させるリスクがあります。
特に「下痢止めの服用」はNGです。
「ウイルス」や「細菌」に感染している場合、それらを体の外に出すために下痢が起こります。
市販薬の服用によって下痢を止めてしまうと、体内にウイルスや細菌が長くとどまることになり、さらなる体調悪化につながる恐れがあります。
胃のムカムカと下痢がある場合は、病院で医師の診察を受けて、症状に合った薬剤を処方してもらうことをおすすめします。
胃のムカムカ・下痢を繰り返すときは、病院へ
胃のムカムカ、下痢を繰り返す
症状が長期間続いている
腹痛や発熱を伴っている
といった場合には、一度病院で受診するようにしてください。
ただの胃もたれや下痢と考えて放置すると、症状が悪化して日常生活に支障をきたすケースもあります。
また、ガンなどの重い病気を見逃す恐れもあるため、早めに受診することが大切です。
病院は何科?
胃腸の不具合があるときは、「消化器内科」の受診をおすすめします。
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▼参考
一般社団法人 大阪府医師会 急性胃炎
エーザイ製薬 食中毒
女性の健康推進室 ヘルスケアラボ 胃痛・胃もたれ
佐藤製薬株式会社 胃の痛み・胸やけ