「まぶたの裏が痛い…」
その原因と対処法をお医者さんに聞きました。
「なぜ痛くなるの…?」「自分でできる対処法は?」
他にも病院の受診目安や放置した際のリスクも詳しく解説します。
まぶたの裏が痛いのはなぜ?
- 小さなゴミが入り込んでいる
- まぶたの裏や眼球の表面に、傷や炎症が起こっている可能性があります。
どう対処する?
目を洗浄してください。
市販の洗浄点眼液を使用するといいでしょう。
コンタクトの場合、外した後に目を洗浄し、コンタクトもきれいに洗浄しましょう。
ただし、洗眼薬の使用は控えてください。かえって眼球を傷つけてしまう可能性があります。
病院に行く目安
- まぶたの裏の痛みが2日以上続く
- まばたきすると目が痛い
- 充血する
これらの症状が現れた場合は、眼科など病院に行きましょう。
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早期受診のメリット
早期に病院で検査を受け、痛みの原因を突き止めることで、適切に治療していくことが可能になります。
痛みの原因が重い病気であった場合、放置すると失明に繋がるリスクもあります。
考えられる3つの原因
まぶたの裏が痛い場合、
- ものもらい
- 結膜炎(アレルギーを含む)
- 角膜のキズ
等の可能性があります。
原因① ものもらい
まつげの生え際やまぶたの裏に細菌が侵入し、炎症が起きている状態です。
汚れた手で目をこすったり、チリやホコリが飛んで目に入ったりして感染します。
なりやすい人
子どもから大人まで幅広く感染します。
特に、幼児やコンタクトレンズ使用者が発症しやすいです。
主な症状
ものもらいかも…どう対処すべき?
目の回りには触れず、清潔に保ちましょう。通常は数日で、快方に向かう場合が多いです。
腫れが大きい場合や膿んでいる時は、病院で治療を受けましょう。
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2020-06-11
まぶたの上下が腫れたり、痛みがでたりするものもらい(麦粒腫)。
できることならセルフケアで快方に向かわせたいと思う方も多いと思います。
そこでこの記事では、ものもらいを早く治したい方に向けて、ご自身で実践できる治し方を医師が解説しています。
ものもらいを早く治す方法
治し方
ものもらいは、まつげの生え際やまぶたの裏に炎症が起きているのが原因です。
市販薬を使用するときは、抗菌剤 の入っているものを使用します。
(スルファメトキサゾールナトリウムという抗菌剤を配合したロート抗菌目薬、サンテ抗菌新目薬など)
また、目の周りを清潔にして強い力を加えないようにします。
メイク用品も使用を避けると肌への刺激が少なくなり、メイクの成分がものもらいを刺激しないので早く良くなるでしょう。
ホウ酸で目を洗うのは避けて
昔はホウ酸での目の洗浄を行ったようですが、 これは何度も行うことで油分など目に必要な成分が表面から流されてしまうので避けた方が良いです。
以前は、抗生剤がなかった頃にホウ酸で洗浄していたようですが、今は良い薬がありますのでそちらを使用しましょう。
冷やす?温める?正解はどっち?
痛みを抑えたい場合は、冷やせば一時的な痛みの緩和はできるでしょう。
冷やしても痛みがおさまらない場合、マイボーム腺(まぶたのふちにあり、目の乾燥を防ぐために脂質を分泌する腺)がたびたび詰まるようなら、早めに眼科を受診してください。
ものもらいの初期症状は温める
ものもらいになる前にまつ毛のキワにあるマイボーム腺に油分が溜まり、ものもらいになりそうだなという時に、その部分をホットタオルなどで温めると溜まった余分な皮脂のつまりが解消され、ものもらいを避けられることがあります。
すでに痛みや炎症がある時に温めるのは避けましょう。
ものもらいが痛いときは?
先述したように、痛みを抑えたい場合は冷やすのも良いでしょう。
市販のロキソニンやイブなどの鎮痛剤も使用できます。
しかし、あまりに痛みがあるときは炎症が強い・膿んでいる可能性もあるので、眼科を受診して早めに患部の対処をしましょう。
ものもらいができたときにコンタクトはしても良い?
コンタクトレンズの使用は避けましょう。
乾燥や接触により目元が疲れてしまい、ものもらいの炎症が長引く原因になります。
おへそに塩を入れると治るは迷信!?
おへそに塩を入れてもものもらいは良くなりません。
一種の迷信だと思われます。
雑菌が入り炎症を起こす原因にもなるのでやめましょう。
どれくらいの期間で治る?
通常2~3週間程度で徐々に良くなるでしょう。
その間に、睡眠不足やアルコール・タバコの摂取などが多いと刺激によって炎症が悪化し、長引く可能性があります。
アルコールは血管を拡張して炎症を悪化させ、タバコは細胞の修復や炎症を緩和するために必要なビタミンCを消耗させてしまいます。
早く治したい場合は、病院に行くべき?
眼科を受診すれば確実な診断ができ、治療法も分かります。
病院で適切な処置を受ければ、ものもらいの早期改善が期待できると言えるでしょう。
一般的に点眼薬(クラビット点眼薬など)が処方されます。
病院での治療は痛い?
点眼薬や軟膏で改善されない場合、まぶたを切開して膿を出すことがあります。
麻酔をかけるので痛みはありません。
治療費
病院での治療は、点眼薬だけや点眼薬に加え眼軟膏、内服のための抗生物質や抗炎症薬を併用する場合など様々です。
薬代は種類や数によって異なりますが、500円〜2000円ほどです。
切開手術は、おおよそ2~3000円で受けることができます。
医療機関によって異なりますが、検査費やガーゼ、保護テープ、薬など別途かかることがあります。
ものもらいは自然治癒する?
薬を使用するより時間がかかっても、ものもらいは基本的に自然治癒します。
しかし、痛みや腫れが強い場合は、別の原因がある場合や悪化すると切開手術が必要な場合もあります。
早めに眼科を受診し、的確な治療をすることをお勧めします。
まとめ
ものもらいならば自然治癒しますが、眼科で医師の確実な診断により早く治癒します。
自己判断で悪化させないためにも眼科を受診しましょう。
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原因② 結膜炎
結膜に炎症が起きている状態です。
ウイルス感染・細菌感染・アレルギーが原因で発症します。
なりやすい人
子どもから大人まで幅広く発症します。
特に、アレルギーのある人や、手をこまめに洗わない幼児に多いです。
主な症状
結膜炎かも…どう対処すべき?
結膜炎はタイプによって治療が異なるので、眼科で診察を受けましょう。
細菌性結膜炎やウイルス性結膜炎は感染力が高いので、他人に移さないように注意が必要です。
原因③ 角膜のキズ
角膜が傷つくと、まばたきや刺激などで痛みを感じます。
コンタクトレンズの装着時や、ゴミなどが目に入った際に目を強くこすると発症します。
なりやすい人
コンタクトレンズをつけている人、目をこする癖がある人などは発症しやすいです。
主な症状
角膜のキズかも…どう対処すべき?
角膜に傷がつくと感染症など他の病気にかかりやすくなります。異常がある場合は早急に眼科を受診しましょう。
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2021-08-04
「朝起きたら目が見えない…これは何?」
結膜炎、黒内障など、考えられる病気を解説します。
脳梗塞の前触れとなっているケースもあるため、放置はキケンです。
受診すべき診療科も確認しましょう。
朝起きたら目が見えない!これはなぜ?
朝起きたときに目が見えないという症状は、
目やにの量が増えた
目の血流が阻害された
などのいずれかで生じることがあります。
「目やに」が原因のケースの対処法
視界全体がぼやけて見えにくい場合、“目やに”によって視界がぼやけている可能性が高いです。
まばたきを繰り返す
目を洗う
目薬をさす
といった対処を行いましょう。
「目やに」が原因の場合、アレルギーやドライアイが考えられます。
「目の血行不良」が原因のケースの対処法
片目、もしくは両目が真っ暗で視界が異常に暗い、見えにくいという場合は、早急に医療機関を受診してください。
血流に異常が起きている可能性が高いです。「目の血行不良」が原因の場合、脳や頸動脈の異常が疑われます。
脳梗塞の前触れとなって発症することもあるため、放置は危険です。
病院は何科?
「朝起きたら目が見えない」という症状は、眼科で相談しましょう。
ただし、手足のしびれ、めまいなどを伴うときは、脳神経内科・脳神経外科を受診してください。
眼科を探す
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考えられる2つの病気
朝起きると目が見えなくなる症状には、
黒内症
結膜炎
といった病気が考えられます。
病気① 黒内症
目に異常はないにも関わらず、目が見えなくなってしまう状態を「黒内症」と言います。
黒内障の場合、頸動脈や脳に異常が起きている可能性があります。
症状の特徴
「片目が見えない」、「片目が見えなかったが数分で元に戻った」などの視野異常が起きます。
こんな症状もありませんか?
しびれ
手足などの動かしにくさ
めまい
激しい頭痛
歩行困難
会話ができない
話している意味が理解できない
口に異常があり、ものが食べられない
※脳異常が原因の場合、体の片側に異常が現れます。
黒内障の原因
目のケガ、生活習慣病による動脈硬化などが原因として挙げられます。
どんな人に多い?
中高年以上の人
糖尿病、高血圧症を長く患っている人
太っている人
喫煙者
などに発症しやすいです。
どう対処すればいい?
早急な受診が必要です。
特に、体の片側のしびれ、激しい頭痛などの症状があるときは、救急車を手配しましょう。
脳の病気が疑われるため、命に関わる危険性があります。
病院は何科?
黒内障の症状があるときは、脳神経内科・脳神経外科を受診しましょう。
症状が軽ければ、お薬による治療が中心になります。
ただし、重症の場合は手術が行われます。
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病気② 結膜炎
結膜に炎症が起こると、目やにが増えます。
目やにが大量に出ると、目を開けにくくなったり、目が見えにくくなったりします。
症状の特徴
目やにが目を覆い、視野を妨げます。
こんな症状もありませんか?
充血
鋭い痛み
流涙
目やに
結膜炎の原因
ウイルス・細菌感染、アレルギーなどが原因となって発症します。
どんな人に多い?
目を触る癖がある人
手をこまめに洗わない人
結膜炎を患う家族がいる人
妊娠中、または出産後の人
ご家族が結膜炎を発症している場合、同じタオルを使うことによって感染が広がることもあります。
どう対処すればいい?
医療機関を受診して、必要な治療を受けましょう。
悪化すると視力低下などの後遺症を残す恐れもあるため、放置は禁物です。
病院は何科?
結膜炎のときは、眼科を受診してください。
結膜炎の場合、抗菌軟膏や点眼薬、内服薬などで治療を行います。
薬を使用するとすぐに症状が良くなりますが、医師の処方通りに最後まで薬を使い切ってください。
自己判断で薬の使用を中断すると、再発することもあります。
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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
国立循環器病研究センター 循環器病情報サービス 脳梗塞が起こったら