歯の根っこがないと、差し歯はできない?インプラントならできる?治療の選択肢を歯医者さんが解説

更新日:2023-08-31 | 公開日:2022-01-12
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歯の根っこがないと、差し歯はできない?インプラントならできる?治療の選択肢を歯医者さんが解説

「差し歯は根っこがないとできないの?」
「根っこがない場合、どんな治療を受けられる?」

歯の根っこがないと差し歯ができない理由を、歯医者さんに聞いてみました。

歯の根っこがない人の治療法やその費用なども解説します。

監修者
菊地 由利佳 先生


歯科医

菊地 由利佳先生

経歴

歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。

なぜ?差し歯は「根っこ」がないとできない理由

医師女性
差し歯は歯の根っこを使って土台を作り、そこに義歯を差し込みます
そのため、歯の根っこがないと差し歯をつけることができないのです。

歯の根が割れている場合は?

医師女性
割れた歯の根の状態によっては、差し歯の土台として使用できる可能性もあります。

差し歯の土台として使用できる例としては、

  • 歯の根が割れてすぐに歯医者で治療した
  • 細菌感染を起こしていない
  • 割れ目がわかりやすくシンプル

などの条件が揃っている状態があげられます。

土台に使用できない状態の場合は、細菌感染のリスクがあるため通常、根っこの抜歯を行います。

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「差し歯ができない」ときの治療の選択肢

医師女性

「差し歯ができない」ときの治療法として

  1. ブリッジ(保険適用)
  2. 部分入れ歯(保険適用)
  3. インプラント(保険適用外)
  4. 親知らずの移植(保険適用はケースによる)

があげられます。

それぞれ詳しく解説していきます。

選択肢① ブリッジ(保険適用)

医師女性
ブリッジ治療は、土台を作らず、無くなってしまった歯の両隣の歯を利用して、繋がった義歯を作成する治療です。

両隣の残っている歯も削って、連なった3本一体の被せ物をつけます。

そのため、抜けた歯の両隣の歯が

  • 虫歯で削っている部分が少ない
  • ヒビ・割れた箇所がない

など、負担に耐えられる状態であることが必要です。

ブリッジの「メリット・デメリット」

▼メリット

  • 手術が必要ない
  • 選ぶ素材次第で保険適用でも治療できる
  • しっかりと噛めるようになる(元の歯の60%程度の力)

 

▼デメリット

  • ブリッジをつける両隣の歯を削る必要がある
  • 削った歯は虫歯や歯周病になりやすい
  • 定期的なメンテナンスやクリーニングが必要

費用の目安

保険適用で、1本3,000〜8,000円程度です。
ただし、被せ物を保険適用外のものを選ぶと、その費用は自費になります。

治療期間の目安

医師女性
治療期間は、トータルで2~4ヶ月程度かかります。
通院回数は、個人差がありますが3回程度です。

抜歯後に1〜3ヶ月間は期間を空け、その後ブリッジ治療をスタートして2、3週間で完成します。

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選択肢② 部分入れ歯(保険適用)

医師女性
部分入れ歯は、土台はつくらず、抜けた歯の両隣の歯にバネをかけて人工歯を支える治療法です。

また、全ての歯が失われた場合は「総入れ歯」というものが作れます。

部分入れ歯の「メリット・デメリット」

▼メリット

  • 低予算で治療できる
  • 連続で抜けた歯も1つの入れ歯で対応できる

 

▼デメリット

  • バネが口の中を傷つけることがある
  • 噛む力が元の歯の40%程度になってしまう
  • 痛みやすく、定期的な再作成が必要(3~5年程度が目安)
  • 他の歯の寿命が短くなる(歯が無くなった部分の顎の骨が減るため)

費用の目安

保険適用になり、1本3,000〜7,000円程度です。

治療期間の目安

医師女性
治療期間は1ヶ月程度で、通院回数は4回程度になります。

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選択肢③ インプラント(保険適用外)

医師女性
インプラント治療は、抜歯した箇所に金属(チタン)の土台(人工歯根)を埋め込んでそこに、差し歯を被せる治療です。

他の歯の状態には左右されずに治療を行えます。

インプラントの「メリット・デメリット」

▼メリット

  • 他の歯を削る必要がない
  • 元の歯と同じ程度の力で噛める
  • 耐久性が高く、経年劣化も少ない

(10年経っても変わらず使用できている人が90%以上)

 

▼デメリット

  • 顎の骨に人工歯根を埋める手術が必要
  • 費用が高額
  • 作成期間に時間がかかる

費用の目安

保険適用外になり、1本30〜35万円程度が必要です。
保険適用の被せ物(銀歯など)の素材を選ぶと、費用が抑えられます。

また、状態によって通院回数も異なるため、その分費用も変動します。

治療期間の目安

医師女性
個人差がありますが、治療期間は6ヶ月〜1年程度で、通院回数は6回程度です。

※カウンセリングやその人の歯茎などの状態によって治療期間、通院回数が異なります。

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選択肢④ 親知らずの移植(保険適用はケースによる)

医師女性
親知らずの歯を、無くなった歯の部分に移植してくる治療方法で、歯牙移植と言います。

歯の根を囲む膜(歯根膜)が残るため、歯の感覚を得やすいです。
親知らずが健康な状態(虫歯やヒビがない)であれば、治療が可能です。

反対に、「移植する歯のサイズがあっていない」「歯の根っこの形が複雑」などの人は治療に適さないと判断されます。

親知らずの移植の「メリット・デメリット」

▼メリット

  • 移植後に矯正治療なども行える
  • 「噛む感覚」を感じやすい

 

▼デメリット

  • 高齢になると移植が困難になる(40歳以下が好ましい)
  • 治療が難しく歯科医の選択が必要

費用の目安

保険適用の場合、2万円程度です。
保険適用外の場合、10万〜15万円程度かかります。
簡単な移植にのみ保険治療での対応が可能です。

治療期間の目安

医師女性
治療期間は2ヶ月程度で、通院回数は6~7回程度必要です。

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