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「テレビの音がうるさく感じる」
「いつもは気にならないのにテレビの音を聞くとイライラする」
心がどのような状態だとテレビの音がうるさく感じるのか、病気の可能性はあるのかなど、お医者さんに聞きました。
森 しほ先生
日本皮膚科学会、日本抗加齢医学会所属。専門分野は精神医療、皮膚科。
産業医 ・抗加齢医学会専門医 ・公認心理師の資格を持ち、著書「発達障害ママの子育てハック」の監修も行っている。
通常、テレビの音や耳から入ってきた音は脳が処理して「雑音」と「意味があること」と区別しています。
ですが疲労により頭がうまく働かないと、その処理が上手くできません。
上手く処理ができず、聞こえてくる音すべてが頭に入ってきてしまうと情報量がコントロールできず脳が疲弊してしまい、テレビの音がうるさく・わずらわしく感じるのです。
聴覚過敏は「HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)」と呼ばれる人や発達障害やグレーゾーンの方に多く認められる症状なので、しっかり見極めていくことが大切です。
自律神経失調症は、自律神経系のバランスが崩れて起こる症状のことです。
自律神経のバランスが乱れていると脳にうまく血を送れなくなるため、脳の処理能力が落ちてしまいます。それにより脳はちょっとした刺激に対しても過剰に反応するようになります。
そのためテレビの音などの物音や雑音に対しても過剰に反応してしまい、うるさく感じる原因になります。
また音の大きさを調節する機能が上手く働かなくなり、雑音なども必要以上に大きく感じてしまうことがあるのもテレビの音がわずらわしく感じる原因のひとつです。
内耳の機能が弱い方は音量を調節することが難しくなりやすいでしょう。また、不安が強く出やすい方も、雑音に心を乱されがちです。
血圧が低い方も脳血流を保つことが難しくなりやすいため、刺激に対して過敏になりやすいと考えられます。
などの症状がある方は自律神経失調症の可能性があります。ひどければ病院を受診しましょう。
通常は耳から入ってきた音は、適切な音声に調整したり、必要な情報と不必要な情報を分けたりして脳に入っていきます。
これには神経が重要な役割を果たしているのですが、うつ病により自律神経が乱れていると音の処理をスムーズに行うことができず、「ただただうるさい」と感じ、さらに脳が疲弊してしまうのです。
それにより、うつ病の時はテレビの音がうるさいと感じることがあります。
もともと内耳機能が弱い方、乗り物酔いをしやすい、気持ちが悪くなりやすい方は音による刺激に弱い可能性があります。
HPS (ハイリーセンシティブパーソン)というのは、一言で言うと、「とても感じやすい人」です。繊細で、感じ方が強いために刺激に弱く、疲れてしまうという特徴があります。
生まれつき持っている気質であって、精神医学的な分類ではありません。発達障害は脳機能の発達に関する障害のことなので、発達障害とHPSは異なる概念です。
HSPは聴覚を含めた、五感の刺激に過敏になりやすいという特徴があります。そのため、もちろん音によるストレスも感じやすい気質の方が多いです。
HSPの「共感しやすさ」もテレビの音に疲れる原因に
HSPは、共感しやすいという性質があるのも特徴です。それにより「共感疲労」を感じる方が多く、テレビが苦痛に感じることもあります。
共感疲労とは、人の苦しい気持ちなどに共感しすぎて、まるで自分のことのように感じて疲れてしまうという現象です。
たとえばテレビのドラマやドキュメンタリー、ニュースなどでつらい状況に陥っている人の話が出てくると、自分のことのようにつらくなるため、尋常ではないストレスを受けることになってしまうのです。
ちなみに、黒板を引っ掻く音が苦手な方も多いですが、その音で心がざわざわするのは、猿が危険な時に出す鳴き声に似ているからだと言われています。
音によって本能的に危険を感じるのは異常ではありません。ただ、その度合いが強いと心が疲弊してしまうので対処が必要です。
HPSの方には感覚過敏があることが多いのですが、感覚過敏は五感全てに起こり得ます。
また、人の気持ちに敏感で、共感しすぎて疲れてしまうこともあります。人が怒られているのを見ただけで自分が怒られているように感じて強いショックを受けるといったことがあり、日常生活でとてもストレスを感じやすいのです。
メニエール病は、内耳の障害によって引き起こされる疾患です。症状としては、めまい、難聴、耳鳴り、耳の中の圧力感、詰まった感じなどがあります。
内耳は音の大きさを調節する機能がある器官。その内耳に影響があるとテレビの音が調整できず、うるさく感じる原因になります。
片頭痛は、強い頭痛を引き起こす疾患です。激しい頭痛に加えて、吐き気、嘔吐、光や音、においに対する過敏、視覚の異常などの症状が現れます。脳の血管の異常や神経の過敏性などが関与していると考えられています。
騒音で片頭痛の症状が悪化したり、発作を起こすということが考えられます。また、過敏性があるため小さな音でもうるさく感じられることがあります。
片頭痛では視覚、聴覚、嗅覚が過敏になることがあります。もともと聴覚系の神経が反応しやすい方は、片頭痛の発作時にも聴覚系に異常が出やすいと考えられます。
耳栓が手元になければ、ノイズキャンセリング機能のついたヘッドフォンなどでも大丈夫です。とにかく脳に余計な音を入れず、音の情報を処理させないようにすることが大切です。
テレビの音がうるさく感じるのは、耳から入っていた音が脳で上手く処理できず、情報コントロールができていない状態です。
テレビの音などは特に、音楽や色々な人の声など様々な情報が一度に入ってきます。その膨大な情報量が脳で処理できず、一度に入ってきてしまうため疲弊してしまいます。
そのため、テレビの音をかき消すように、イヤホンなどで別のリラックスできる音楽を流してみましょう。
聞きなれた音楽や自分の好きなリラックスできる音楽であれば、情報量が少なく、脳が処理しやすくなります。
それにより、脳の疲弊を防ぐことができます。
自律神経を整えるには、交感神経と副交感神経のバランスを整えることが重要です。
テレビの音がうるさく感じる時には交感神経が優位になっている可能性が高いので、副交感神経を優位にするように意識しましょう。
マッサージをする、ゆっくり湯舟に浸かる、目覚ましをかけず好きなだけ寝て睡眠時間をたっぷりとる、栄養バランスの良い食事をとるなど、生活の中で自分を労わる時間を多くとってみましょう。
テレビの音がうるさく感じるという症状は、ストレスと密接に関係しています。ストレスとうまく付き合っていくためには、心のバランスを取り戻す必要がありますので、メンタルクリニックを受診してみましょう。
ストレスへの適切な対処方法などを身に付けることができます。
また、耳に関する病気の場合も考えられます。
耳鳴りや、聴こえにくさ、めまいなどが中心であれば、まずは耳鼻科を受診して、耳の機能に異常が出ていないか診てもらいましょう。
認知行動療法といって考え方のクセを理解してストレスのたまりにくい考え方がないか探していく方法があります。
また、必要に応じて不安を和らげるお薬などを使いながら治療します。
「いつから」「どんなときに」「どんな症状が出るか」、「症状によって困っていること」、「考えられるきっかけ」などがあると診断、治療方針を決めるのにとても役立ちます。
うまく伝えられない場合は、メモにしておいて見せるのがいいでしょう。
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
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