おりものがイカ臭い…病気の可能性はある?
かゆみはないけど性病なの?
気になるおりもののにおい。もし病気だったら放っておくと大きな病気に繋がる恐れもあるので注意が必要です。
おりもののにおいの原因は何なのか、病気のおりものと正常なおりものの見分け方などを医師に聞きました。
監修者
経歴
東京慈恵会医科大学医学部医学科 卒業
現在は板橋中央総合病院勤務 専門は産婦人科
日本産科婦人科学会専門医
かゆみがない場合のイカ臭いおりもの。病気の可能性はある?
おりものはにおうもの。多少のイカ臭さなら問題ない
おりものは健康な状態でも多少のにおいがあります。イカ臭いと感じるにおいが通常の範囲内で、下着をおろした時に少し感じる、故意に嗅いだ時にかおる程度であれば心配ないことが多いです。
健康なおりものには乳酸菌が含まれているので、やや酸っぱいにおいがします。これは腟内の環境を清潔に保つためのものなので、においがすること自体は気にする必要はありません。
普通に生活していて分からない程度、下着をおろさないと感じない程度であれば問題ない場合が多いです。
イカ臭さの正体はおりものではなく「蒸れ」かも
下着の嫌なにおいは、おりものだけとは限りません。汗や尿の拭き漏れなどが蒸れて雑菌が繁殖することでイカ臭いような、生臭いようなにおいになっていることもあります。
女性の体の構造上、おりもので下着が汚れたり、尿や汗、拭き漏れが下着についたりすることがあります。その状態で蒸れてしまうと雑菌が繁殖し、生臭いようなにおいになることも。
特に夏場は汗もたくさんかきますし、蒸れやすくなるので強いにおいになりやすいです。
かゆみがない場合は、もしかするとイカ臭いと感じる原因は下着の汚れや蒸れかもしれません。
異常なほど強烈なにおいの場合は「細菌性腟炎」の可能性も
今まで感じたことないほどの強烈な悪臭や、日常生活の中で周囲に気付かれるほどの強いにおいの場合は「細菌性腟炎」の可能性があるので注意が必要です。
おりものが日常生活を送っていても感じるほどの強烈なにおいや、普段とは違う魚のような強いにおいがする場合は、「細菌性腟炎」の可能性があります。
細菌性腟炎は腟内の細菌バランスが崩れてしまうことで発生する病気です。
下着を下ろさなくても周囲が感じるほどおりものが魚臭い場合や、明らかにいつもとは違うほど強烈なにおいがする場合は細菌性腟炎になっている可能性があるため、早めに病院を受診するようにしましょう。
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2022-05-30
「オリモノがズボンまで染みるのはなぜ?」
オリモノの量が増える原因を、お医者さんに聞いてみました。
色・ニオイにも変化がある場合、クラミジア感染症・淋菌感染症といった病気も考えられます。
不妊のリスクもあるため、急にオリモノが変化した人は要注意です。
オリモノが多くてズボンまで染みる…この量は普通なの?
オリモノの量がとても多く、ズボンまで染みてしまうこともあります。これは普通のことなのでしょうか?
オリモノの量は、生理周期にあわせて変化します。
排卵前や生理前にオリモノが増えた場合には、過剰に心配する必要はありません。
【体験談】オリモノの量が増えた!
オリモノが多くなるときを読者に聞いてみました。
生理の2週間ほど前の排卵日付近に大量のオリモノがでます。透明で卵の白身みたいにどろっとしています。(30代 女性)
排卵日頃にドロっとした白いオリモノが大量に出て、ズボンにまで染みたことが何度かあります。通常よりにおいはキツいです。(30代 女性)
オリモノが多いとき、どう対策してる?
オリモノが多いときの対策を読者に聞いてみました。
必ずオリモノシートをつけていますが、量が多くなってきて間に合わなくなると生理用のナプキンをつけます。(30代 女性)
自宅にいるときは綿などのパンツをはいて、汚れたらすぐ新しいパンツに履き替えています。(30代 女性)
キツく、しめつけるような格好はやめて、ワンピースなどのゆるい格好にします。(30代 女性)
デリケートゾーンの洗いすぎはNG!
デリケートゾーンを清潔に保つことは大切ですが、過剰に洗うと自浄作用が低下する恐れがあります。
注意!ニオイ・色に変化があったら“病気サイン”かも
オリモノの量が多くなるだけでなく、におい・色・形状に変化があった場合、
膣カンジダ
細菌性膣炎
クラミジア感染症
淋菌感染症
トリコモナス膣炎
といった病気も疑われます。
病名
オリモノの特徴
放置するとどうなる?
膣カンジダ
量が増える
固形状(ヨーグルト状・おから状など)になる
色が白色や黄白色になる
慢性化すると完治が難しくなる。
妊娠中に発症している場合、赤ちゃんに悪影響を及ぼすこともある。
細菌性膣炎
魚が腐ったような生臭いにおいがする
量が増える
サラサラする
不妊の原因になりやすい。
子宮内膜炎・卵管炎・骨盤腹膜炎を引き起こすことがある。
クラミジア感染症
においがきつくなる
量が増える
黄色くなる
※変化がない場合もあります
不妊・子宮外妊娠のリスクが上昇する。
卵管炎・卵巣炎・骨盤腹膜炎を引き起こすこともある。
淋菌感染症
オリモノに膿が混じる
量が増える
子宮内膜炎・卵管炎・腹膜炎を引き起こしやすい。
合併症が悪化すると手術が必要になるケースもある。
トリコモナス膣炎
においが生臭くなる
量が増える
黄緑色になる
泡立つ
卵管炎・骨盤内感染を引き起こすことがある。
不妊・流産のリスクも上昇する。
病気① 膣カンジダ(固形状のオリモノ)
オリモノの特徴
量が増える
固形状(ヨーグルト状・粥状・酒粕状・おから状など)になる
色が白色や黄白色になる
膣カンジダは、腟の中にいるカンジダ菌が増殖して発症する病気です。
疲れ・ストレスがたまり、免疫力が下がっていると発症しやすいです。
※膣カンジダを起こす「カンジダ菌(真菌)」は、健康な女性や性交渉経験のない方の膣内にも存在する常在菌です。
伴いやすい症状
外陰部・膣の強いかゆみ
外陰部・膣のヒリヒリとした痛み
外陰部・膣が赤くなる
排尿障害
性交時の痛み
「膣カンジダ」かも…どうすればいい?
慢性化すると完治が難しくなるため、早めに婦人科で診てもらうようにしましょう。
病院で処方される「抗真菌薬」を服用し、軟膏・クリームを塗ると次第によくなっていきます。
※再発の場合は、市販薬(クリーム剤や膣坐剤)を使用できるケースもあります。
セルフケアでできること
規則正しい生活
バランスの良い食事
十分な睡眠
ストレスをためない
といった点を心がけるとより改善が早くなります。
※セルフケアだけでなく、処方薬の服用も必要です。
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病気② 細菌性膣炎(魚が腐ったようなニオイ)
オリモノの特徴
魚が腐ったような生臭いにおいがする
量が増える
サラサラする
細菌性膣炎は、雑菌の繁殖によって起こる膣炎です。
常在菌が減ると感染しやすくなるため、「膣を洗いすぎる」人に発症しやすいと考えられています。
性行為によって感染するかは現在わかっていません。
ただし、複数のセックスパートナーがいたり、性感染症をもっていたりすると、細菌性腟症になる人が多い傾向があります。
「細菌性膣炎」かも…どうすればいい?
細菌性膣炎には「抗菌薬」の服用が必要なので、早めに婦人科で受診しましょう。
放置すると不妊の原因になるリスクがあります。
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病気③ クラミジア感染症(黄色いオリモノ)
オリモノの特徴
においがきつくなる
量が増える
黄色くなる
変化がない場合もある
クラミジアは、性交渉によって感染する病気です。
潜伏期間が長く、感染してから1~3週間は症状に気づかないことも多いです。
伴いやすい症状
下腹部
上腹部まで激痛が広がる
不正出血
性交時の痛み
熱が出る
「クラミジア感染症」かも…どうすればいい?
クラミジア感染症を疑うときは、速やかに「婦人科」で受診しましょう。
不妊・子宮外妊娠を招きやすいため、放置は禁物です。
婦人科では、主に抗菌薬を使用して治療を行います。
※症状が重くなると、3~5日程度点滴を打つ場合もあります。
また、セックスパートナーも同時に治療する必要があります。
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病気④ 淋菌感染症(オリモノに膿が混じる)
オリモノの特徴
オリモノに膿が混じる
量が増える
淋菌感染症は、性行為・タオルなどを介して感染します。
女性は症状が弱い傾向がありますが、産道で胎児に感染するリスクがあります。
特に妊活を考えている方は、早めに治療する必要がある病気です。
伴いやすい症状
不正出血
下腹部痛
排泄痛
トイレに行く回数が増える
「淋菌感染症」かも…どうすればいい?
淋菌感染症を疑うときは、婦人科で受診しましょう。
パートナーと一緒に、抗菌薬による治療を受ける必要があります。
淋病が悪化すると、子宮内膜炎・卵管炎・腹膜炎を引き起こすリスクもあります。
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病気⑤ トリコモナス膣炎(オリモノが泡立つ)
オリモノの特徴
においが生臭くなる
量が増える
黄緑色になる
泡立つ
トリコモナス膣炎は、寄生虫によって起こる感染症です。
性交渉によって感染することが多いです。
下着・タオル・便器・浴槽などを介して感染するケースもあります。
伴いやすい症状
かゆみ
陰部が過敏になる
性交時の痛み・出血
腟の入口周辺の皮膚が腫れる
排尿痛
トイレに行く回数が増える
「トリコモナス膣炎」かも…どうすればいい?
トリコモナス腟炎を治すには、婦人科で薬の処方を受ける必要があります。
セックスパートナーと一緒に治療を受けましょう。
悪化すると、卵管炎・骨盤内感染を引き起こすことがあるため、放置は危険です。
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婦人科に行く目安
オリモノの量が異常に増えた
オリモノのニオイ・色に異常がある
不正出血・下腹部痛などを伴う
といった場合、早めに婦人科を受診しましょう。
早期受診することで、不妊・流産や早産の予防につながります。
卵管炎・子宮内膜炎といった合併症を防ぐためにも、放置しないようにしましょう。
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▼参考
一般社団法人 日本性感染症学会 性感染症 診断・治療 ガイドライン 2016 (改訂版)
MSDマニュアル家庭版 トリコモナス症
細菌性腟炎と通常のにおいの見分け方。チェックしてみよう
これって通常のおりもののにおい?細菌性腟炎になっている?
もし判別がつきにくい場合はセルフチェックしてみましょう。
細菌性腟炎の可能性があるおりものの特徴
細菌性腟炎の可能性があるおりものの特徴
- 【におい】いつもとは違う強い魚のようなにおい、腐敗臭がする
- 【量】いつもよりおりものの量が増えた
- 【色】おりものが薄い灰色、または黄色っぽい色
- 【質感】水っぽくサラサラとしている
- 【痛み】排尿時に痛みや不快感が生じることがある
「細菌性腟炎の可能性があるおりもの」の項目にひとつでも当てはまった場合、できるだけ自己判断せず早めに病院を受診し、詳しく診てもらうのが望ましいです。
健康な状態のおりものの特徴
健康な状態のおりものの特徴
- 【におい】軽くすっぱい臭いがする、ほぼ無臭
- 【量】1日に1回下着を交換すれば問題ないような量
- 【色】透明・乳白色
- 【質感】多少の粘り気があることが多い
- 【痛み】排尿時に痛みや不快感はない
自宅でできる検査キットもおすすめ
細菌性腟炎かも、と思っていても、実は違う性感染症の可能性もあります。もちろん医療機関で検査してもらうのが望ましいですが、すぐに検査をしたい場合や、まずは手軽にチェックをしてみたい場合は市販の検査キットを試してみるのもいいでしょう。
今は匿名で検査できたり、WEBで簡単に結果が確認できたりする便利なキットがあります。
ネットでも購入できるので、感染の疑いが少しでもある場合は、まずは手軽に市販のキットで検査してみましょう。
検査をせず、病気に感染しているのに放置することは絶対に避けなければいけません。
病院へ行くのが難しい場合は市販の検査キットでも構いませんので、まずはしっかりと検査でチェックすることが大切です。
ふじメディカル性病検査キット
クラミジア、カンジダ、トリコモナス、淋病の4項目が検査できるキットです。横浜市の登録を受けた衛生検査所で検査を行ってもらえるので、セルフキットでありながら本格的な検査が受けられます。
自宅で尿などを採取し、郵送するだけ。検査結果はWEBで確認できるのでいつでも手軽に受けられるのが魅力です。
>ふじメディカル性病検査キットを詳しく見る
体調によっておりもののにおいは変化する
おりもののにおいは食べ物やホルモン変動によって変わる
おりものは量、質感、においなどが体調によって変わります。特ににおいは生理周期によるホルモン変動だけでなく、食生活や生活習慣によっても変化します。多少のおりものの変化は体調によるものと割り切って、敏感になりすぎないことも時には大切です。
おりものは健康のバロメーターと言われているほど、体調により変わりやすいです。
特に、
によって変動します。
かゆみや痛みがなく、おりものの色や量に変化がなくてにおいだけが少し変わったと感じる場合は、体調によるものの可能性があります。
もちろんいつもとは明らかに違うにおい、色、量などのおりものが出た場合はすぐに病院へ行くことが望ましいですが、あまり神経質になりすぎて過剰に洗浄などをしてしまうと、逆に腟内の細菌バランスが乱れて健康を害す可能性があります。
ニンニクや玉ねぎを食べた後はにおいが強くなる
ニンニクや玉ねぎ、スパイス類を摂取すると、一時的におりもののにおいに影響を与えることがあります。
においの強いものを食べたことによっておりもののにおいに影響があった場合は、だいたい数時間~1日程度で戻ることが多いです。
それ以上長引く場合は違う原因が考えられますので、きちんと検査をするのが望ましいです。
ストレスや体調不良でもにおいが変わる
強いストレスを感じたり体調不良になったりすると、ホルモンバランスが乱れます。それによりおりものの分泌量や質が変化し、通常よりもすっぱいにおいが増加したり、少しスモーキーがかったようなムスク臭が強くなったりすることがあります。
特に、ストレスが長期間続くと、コルチゾールと呼ばれるストレスホルモンの分泌が増加します。コルチゾールが増加するとエストロゲンやプロゲステロンといったホルモンのバランスが崩れ、においが変化することがあります。
おりものの色や質感が「いつもと違う」と感じたら産婦人科を受診しよう
少しの臭いの違いではなく、明らかに通常時と違うおりものが出た場合はすぐに病院へいくことも大切です。おりものの量が増えた、色が違う、触った感じが違う、においが違うなど「いつもと違う」と感じたら注意。量や色、粘度、においだけでなく、かゆみ、いたみ、赤み、違和感などがある場合も同様です。
おりものが赤〜茶褐色、血が混じるなどの状態であれば、腟内での炎症、傷がついている、婦人科系の癌などの可能性もあります。
その他、おりものが増えた、白くぽろぽろとしたおりものが出る場合は腟カンジダの可能性や、泡状のおりもの、黄緑色っぽいおりものが出ている時はトリコモナス腟炎の可能性があります。
おりものが増える、においが強くなっている場合は重篤な病気に繋がることなどもあるので、些細な違いでも「いつもと違う」と感じたら婦人科を受診するようにしましょう。
ストレスなどで抵抗力が弱まると感染や炎症が起きやすくなるので要注意です。
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2021-08-31
「婦人科を受診するときに、毛を処理していく?」
「シャワーを浴びた方がいい?」
婦人科を受診する際のアドバイスやタイミングを、お医者さんに聞きました。
内診が恥ずかしいときの対処法も解説します。
婦人科を受診するとき、毛の処理はするべき?
婦人科や産婦人科を受診する際は、アンダーヘアの処理をする必要はありません。
そのまま医療機関を受診してください。
妊娠中の毛の処理は控えたほうがいい理由
妊娠中は免疫が低下して、皮膚トラブルを起こしやすくなっています。
また、腹部が大きくなっているとアンダーヘアが見にくく、カミソリや毛抜きの使用によって皮膚を傷めてしまうリスクが高いです。
診察の前に洗った方がいい?
診察前に洗浄する必要ありません。
膣の細菌感染などを調べる必要があるので、通常通りの状態で受診しましょう。
受診前に念入りに入浴をしたり、洗浄したり、ビデを使ったりすると、検査結果が正確に出なくなる可能性があります。
服装はどうする?
特にNGという服装はありません。
ただし、素早く脱ぎ着できる服装(スカート等)は、内診時の患者さんの負担を軽減できます。
通常、内診台はカーテンで仕切られますが、腹部から下が全部出ている状態になります。
落ち着かないという方も多いので、スカートを履いて診察を受けるのがおすすめです。
スカートであれば、下着や靴下なども脱ぎ着しやすいです。
受診するタイミングは?生理中でも大丈夫?
生理のお悩みや病気の診察であれば、生理中に受診していただいでも問題ありません。
ただし、婦人科検診は正しい診断ができないこともあるので、生理中の受診を避けてください。
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内診は痛くない?
体に異物が入るような違和感を覚えることはありますが、通常痛みはありません。
ただし、内診の内容によっては多少の痛みや出血を伴う場合があります。
内診の際には、できるだけ力を抜いてリラックスしていた方が、痛みを感じにくいです。
逆に力を込めていると膣の中が硬くなるため、痛みが出やすくなります。
また、出血に備えて生理用ナプキンを持参すると良いでしょう。
多くの場合、婦人科・産婦人科に用意してありますが、念のためご自身で持っておくと安心です。
内診が恥ずかしい…どうすればいいの?
内診が恥ずかしい場合、足やお腹にタオルをかけておくと気持ちが落ち着きます。
タオルを貸してもらえるようであれば、医師や看護師にお願いしましょう。
また、内診が恥ずかしい旨を伝えておくと、素早く済ませてくれる場合が多いです。
なお、足は機械が自動に開いてくれるベッドもありますが、ご自身で足を開くベッドもありますので、心の準備をしていきましょう。
他にも、こんなことに注意しよう
婦人科を受診する際は、
香水を控える
質問事項をまとめる
といった2点を心がけましょう。
その① 香水を使わないようにしましょう
膣や生理の異常は、においにあらわれる場合もあります。
香水をつけていくとにおいがわからなくなるので、婦人科や産婦人科を受診する際は、香水はつけないようにしましょう。
その② 質問事項はまとめていきましょう
初めての受診だと、緊張して質問したいことがわからなくなってしまう人も多くいます。
質問したいことは事前にまとめておきましょう。
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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
においが気になる場合のケア方法
おりものシートをつかうのがおすすめ
頻繁に下着が汚れる、おりものの量が多いという時は、おりものシートを使うのがおすすめです。おりものシートはトイレに行くたびに変えられるので、常に清潔な状態を保ちやすくなります。
おりものシートを交換することで常に下着の中を湿っていない状態にできるため、においを感じることが少なくなるでしょう。
特に、排卵日前後など数時間で下着の汚れ、においが気になるくらいにおりものが出ているときは使用するのがおすすめです。
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2024-07-01
おりものシートって毎日していてもいいの?
下着が汚れるのが不安…
おりものシートをつけないとにおいが気になる…私だけ?
女性のデリケートゾーンのにおいや下着の汚れから守ってくれるおりものシート。毎日おりものシートをつけていてもいいのか、外すタイミングはいつなのかなど、女医さんに詳しく聞きました。
おりものシートは毎日使ってもいいの?
肌にかぶれや異常がなければ、毎日使用していても問題はありません。ですが、おりものシートを毎日、ずっと使い続けていると蒸れによる肌への刺激などで、炎症やかぶれ、黒ずみなどの原因になるので、必要のない時はつけないようにするのがおすすめです。
多少の汚れやにおいを気にしすぎることで、必要のない時でもおりものシートを年中つけていると、いろいろなトラブルの原因になります。
陰部を清潔に保つためや、においを減らすためにおりものシートをつけているはずが、逆効果になることも。
おりものシートは自分の身体の状態を見ながら、必要な時だけに使用するのがいいでしょう。
おりものシートを毎日使っていることによっておこるトラブル
黒ずみの原因になる
においの原因になる
かぶれやすくなる
感染を起こすリスクが高まる
おりものシートをつけていると下着の中が高温多湿になり、蒸れた状態になってしまいます。
蒸れた皮膚はバリア機構が正常に働きにくくなるため、蒸れた皮膚におりものや汗が付着すると肌に強い刺激となってしまって、炎症やかぶれを起こす可能性が高まります。
また、高温多湿な環境では雑菌が繁殖しやすく、カンジダ症やその他の細菌感染症を起こしやすいため、悪臭の原因にもなります。
さらにシートがお肌と擦れることによる物理的な刺激で「かぶれ」を起こすこともありえます。
刺激や炎症が起きることによって、色素沈着=黒ずみとなってしまうこともあるので注意しましょう。
特に排卵日付近にだけ使うようにしよう
おりものシートは、生理と生理の間にある排卵日付近だけに使うように心がけるのがいいでしょう。
排卵日付近は、おりものの量が増えます。おりものシートを使い、こまめに交換することで清潔に保てるので、皮膚トラブルなどを防ぐことに繋がります。
逆に、おりものシートを使わなくてもいいのは、生理後すぐや生理前。この時期はおりものの量があまり多くないので、汚れが軽度で下着交換が1日1回程度で済むのであれば、おりものシートを使う必要は特にありません。
なぜ?おりものシートをつけないとパンツが汚れるの?
パンツの汚れの正体はおりものや尿、垢など
女性は身体の構造上、どうしても排泄物の拭き残しや、尿の漏れ、汗や垢などの汚れが下着についてしまいやすいです。さらに分泌されるおりものと混ざってしまい、どんなに清潔にしていても下着が汚れてしまうことがあります。
おりものは膣内の環境を清潔に保つために分泌されているものなので、おりものが分泌されること自体はおかしくありません。
どうしても汚れが気になる時は、トイレのたびに拭き漏れや汗、垢をデリケートゾーン専用のシートで優しく拭くこともできますが、あまり神経質になってこまめに拭きすぎてしまうと刺激になり、逆に炎症を起こす原因にもなるので気を付けましょう。
ウォシュレットのビデなどを使用し、軽くぽんぽんと拭くのがおすすめです。
女性の下着が汚れてしまうのは、身体の構造上仕方のないことです。
決して不潔だからということではないので、あまり気にしないことも大切です。
おりものは出るもの。下着を1日1回交換すればいい程度なら心配ない
おりものは膣内の環境を清潔に保つために分泌されているものなので、おりものが分泌されること自体はおかしくありません。膣を綺麗にする機能があるといわれており、さらには雑菌の侵入や増殖を防いでいる大切なものです。
おりものは、膣内の環境を保つために子宮や、膣、外陰部から分泌物されます。代謝や物理刺激など様々な要素から影響を受けており、おりものが分泌されること自体は異常ではありません。
おりものは乳酸菌の一種を常在菌として育成していて、それにより雑菌の侵入や増殖を防いでいます。このため、健康なおりものはやや甘酸っぱいにおいがするのは正常です。
少し下着が湿る程度におりものがつくことは珍しくありませんので、心配しないでくださいね。
目安として、下着を1日に1回交換すれば困らない程度でしたら問題はありません。
ただ、陰部にかゆみ、赤み、痛み、違和感が出るようでしたら注意が必要です。
1か月のうちでおりものが出やすいのは排卵日前後
基本的には、生理と生理の間にある、排卵日前後におりものの量が増加します。
卵胞ホルモンの影響で子宮の入り口に頸管粘液が出てきて、おりものの分泌が増えることで妊娠しやすい状態となるのです。
それ以外の時期でも、少し下着が汚れる程度に白っぽく半透明なおりものがつくことは正常なことです。
1日に1回下着を交換すれば問題が無いくらいの量でしたら、特に気にする必要はありません。
また、生理周期が安定しない方、汗をかきやすい方、生理周期に関わらず分泌量の多い方など人それぞれの体質もあります。
1日のうちでおりものが出やすいのは日中体を動かしている時
おりものの分泌に関わるエストロゲンというホルモンは朝にピークを迎えると言われていますが、おりものが下着につくのは起き上がって体を動かしたりしている時間帯だと考えられます。
それ以外にも、おりものは精神状態の影響を受けやすいのでストレスや疲労、睡眠不足によってホルモンのバランスが崩れることで、分泌が増えることもあります。
おりものシートの正しい使い方
変える頻度は1日3回目安
おりものの分泌量が多い時は、汚れが気になったらトイレに行った都度交換するといいでしょう。
気にならないのであれば、1日3回程度交換しておくと、雑菌の繁殖やおりものが外陰部に触れることによる刺激を抑えることが出来ると考えられます。
1日1回下着を交換すればいい程度ならおりものシートを使わなくてもOK
下着が少し汚れる程度で、下着を1日1回交換すれば問題が無い程度であればおりものシートを使わずそのまま下着を履いても問題ないでしょう。
多少のおりもので下着が汚れたりするのは、女性の身体の構造上仕方がないことで、恥ずかしいことではありません。
極端に下着の汚れを気にしておりものシートを常にしている必要はありません。
逆に、排卵日前後など、数時間で下着の汚れ、においが気になるくらいにおりものが出ていれば、おりものシートを使うことで外陰部を清潔に保つことが出来るでしょう。
やや酸っぱいようなにおいはするもの。ケアをすればOK
健康なおりものには乳酸菌が含まれているので、やや酸っぱいにおいがします。これは膣内の環境を清潔に保つためのものなので、においがすること自体は気にする必要はありません。
下着の嫌なにおいは、おりものだけでなく、汗や尿の拭き漏れなどが蒸れて雑菌が繁殖することで起こります。夏場など、下着のにおいが特に気になる時は、デリケートゾーン専用のシートで陰部を清潔に保つとにおいの原因を取り除くことに繋がりますよ。
もしもおりもの自体のにおいの強さや種類に変化があった場合は注意しましょう。免疫力の低下や、感染症、婦人科系の疾患の可能性があります。
お肌が敏感な時はつけないようにしよう
寝る時や日中など、1日のうちで特におりものシートを避けた方がいい時間帯は特にありませんが、おりものシートを使っていて外陰部にかゆみや刺激を感じるようになった場合は使用を控えるようにしましょう。おりものシートの素材を変えてみるのもおすすめです。
化学繊維よりも、オーガニックコットンなどが使われているシートの方がお肌に刺激を与えにくく、かぶれにくいでしょう。自分のお肌にあった、一番刺激が少ないものを選ぶのがおすすめです。
おりものが少ない時であれば、日中はおりものシートをつけていても家に帰ったら外す、など使い分けてお肌の負担を減らすのもいいですね。
夏場や、厚着をしたり暖房の中で汗をかくときは使用を控えた方がいいこともあります。
おりものがあまり出ずに汗をかいて外陰部が蒸れるようでしたら、おりものシートをつけないで通気性のいい下着だけにする時間も作ってみましょう。
おりものシートを使わないと不安…汚れやにおいを減らすには?
汚れを受け止めるのも下着の役目。おりものシートは汚れがひどい時に使おう
おりものは、女性の体を清潔に保つために必要なものです。身体の構造上、陰部の汗や垢が出てしまうのも仕方がないこと。それらの汚れやおりものを受け止めるのも下着の役目です。
下着に多少おりものがついてしまう、汚れがついてしまうのは当たり前。恥ずかしいことではありません。
おりものシートは、どうしてもお気に入りの下着を汚したくない時、おりものの量が多くてつけていないと逆にお肌がかぶれてしまう時期などに“頼れる存在”として上手に使うのがおすすめです。
おりものシートを使わないと下着がにおう気がする…どうすればいい?
どうしてもにおいが気になる場合は、ウォッシュレットのビデなどを使ってぬるま湯でやさしく洗い、優しくぽんぽんと拭き取るといいでしょう。膣内洗浄液を活用するのもいいですよ。
トイレットペーパーやデリケートゾーン専用シートなどでこすると物理的な刺激になり、炎症を起こすことに繋がります。やりすぎないように気を付けましょう。
デリケートゾーンを石鹸で洗いすぎるのは注意が必要。常在菌が洗い流されてしまい、膣内や外陰部の環境を保ちにくくなります。
すると逆に余分な分泌が増えたりして雑菌の原因となり、においの原因となるので、石鹸の使い過ぎには気を付けましょう。
おりものが「いつもと違う」と感じたら産婦人科を受診しよう
おりものの量が増えた、色が違う、触った感じが違う、においが違うなど「いつもの違う」と感じたら注意が必要です。量や色、粘度、においだけでなく、かゆみ、いたみ、赤み、違和感などがある場合も同様です。
おりものが赤〜茶褐色、血が混じるなどの状態であれば、膣内での炎症、傷がついている、婦人科系の癌などの可能性もあります。
その他、おりものが増えた、白くぽろぽろとしたおりものが出る場合は腟カンジダの可能性や、泡状のおりもの、黄緑色っぽいおりものが出ている時は トリコモナス腟炎の可能性があります。
おりものが増える、においが強くなっている場合は細菌性の膣炎の可能性などもあるので、些細な違いでも「いつもと違う」と感じたら婦人科を受診するようにしましょう。
ストレスなどで抵抗力が弱まると感染や炎症が起きやすくなるので要注意です。
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
『頸管粘液の異常 MSDマニュアル』
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/18-%E5%A9%A6%E4%BA%BA%E7%A7%91%E3%81%8A%E3%82%88%E3%81%B3%E7%94%A3%E7%A7%91/%E4%B8%8D%E5%A6%8A%E7%97%87/%E9%A0%B8%E7%AE%A1%E7%B2%98%E6%B6%B2%E3%81%AE%E7%95%B0%E5%B8%B8
デリケートゾーン用のスプレーや腟洗浄なども合わせて使おう
どうしても気になる場合やにおいがひどい時には、デリケートゾーン専用のスプレーや腟洗浄などを使うのがおすすめです。トイレの中でサッとケアできるので、いつでもデリケートゾーンを清潔に保つことができ、不快感を軽減できます。
デリケートゾーン専用のアイテムはお肌にやさしく作られているので、敏感肌の方でも使いやすいものが多いです。
蒸れがひどい時に使用することで雑菌の繁殖を防ぐ効果もあるので、においの軽減に繋がります。
PUREST デリケートゾーンスプレー
シュッとスプレーするだけで、においの元にアプローチしてくれるアイテム。おりもののにおいはもちろん、蒸れやムズムズなどの不快感もケアしてくれます。
殺菌効果だけでなく制汗効果も期待できるので、夏場も蒸れによるにおいが気になる時にもおすすめです。
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サラサーティー クリーン
サッと注入するだけで腟内の老廃物や残った経血、おりものなどを優しく洗浄してくれるアイテムです。
とにかくお肌にやさしく、不快感なく使用できるように考えて作られているので腟洗浄に抵抗がある初心者の方にもおすすめ。
気になるにおいの原因を内側からすっきりさせてくれるので、生理のおわりかけなど、においがかなり気になる時にも便利です。
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