「目が痛くて涙が止まらない…」
「目やにがいっぱい出るのはなぜ?」
涙目が止まらない原因を、お医者さんに詳しく聞きました。
ご自身でできる対処法、考えられる病気の可能性も併せてチェックしましょう。
涙目を止める方法
ケース① 「アレルギー」が疑われるとき
- 部屋にホコリをためない
- マスク、花粉用の保護ゴーグルを着用する
など、アレルギー物質を避ける対処を行いましょう。
アレルギー反応として涙目が起こるため、原因物質を体内に侵入させないことが大切です。
ダニ・ハウスダストによる涙目を避けるには、ご自身が過ごす環境をできるだけ清潔に保つ必要があります。
また、花粉が出やすい時期は、外出時にマスクや専用ゴーグルを着用しましょう。
ケース② 「疲れ目」が疑われるとき
- スマホやパソコンの長時間の使用を避ける
- 目をホットタオルで温める
などの対策をおすすめします。
疲れ目の場合、目の血行の悪くなって涙目が起こっています。
しばらくは画面を見つめる作業は控え、目を休ませてください。
また、目を温めると血行が良くなるため、疲れ目の改善が期待できます。
ドライアイでも涙がでる?
ドライアイとなると、目の表面が乾燥するので一時的に水分を目に補充しようとして、涙が大量に出ることがあります。
しかし、この時に出る涙は目の表面に留まることができないので、流れ落ちてしまいます。
あなたはどっちの涙目タイプ?
タイプ① 分泌性流涙
ドライアイ、アレルギー反応などが原因となって、目の表面が過剰に反応することにより涙が出てしまいます。
タイプ② 導涙性流涙
何らかの原因によって「涙が排出される出口」が詰まってしまい、涙が目の表面に常に溜まってしまう症状です。
“急に眼が痛くなり涙が出る”ときは要注意!
急に眼が痛くなり涙が出てきます。なぜでしょうか?
感染症の場合、放置すると症状が悪化したり、人にうつったりするリスクがあります。
また、目に入った異物は目を傷つけてしまう恐れもあります。
眼の痛みを伴うときは、すぐに眼科で受診しましょう。
こんな症状があるときも眼科へ!
- 涙が止まらない
- 眼が開けられないほどの目やに
- 全然違う色の目やに(緑色など)
上記の症状には、危険な目の病気が隠れている恐れがあります。
特に小さい子供は、目の異常を自分から訴えることは多くありません。
目をこするなどの動作が増えたりしたら、早めに眼科に連れて行ってあげましょう。
眼科を探す
“涙目が止まらない”症状がでる4つの病気
- 結膜炎(白目の炎症)
- 角膜炎(黒目の炎症)
- 角膜びらん・角膜潰瘍
- 涙道狭窄・閉塞(涙が鼻に流れにくくなる)
といった目の病気で、涙目が止まらなくなるケースがあります。
病気① 結膜炎
白目の部分に炎症が起きる病気です。
発症の原因には、アレルギー反応、ウイルス感染などが挙げられます。
主な症状
- 涙目
- 白目が真っ赤に充血
- 目が痛い
- 目がゴロゴロする
など
合わせて読みたい
2021-08-04
「朝起きたら目が見えない…これは何?」
結膜炎、黒内障など、考えられる病気を解説します。
脳梗塞の前触れとなっているケースもあるため、放置はキケンです。
受診すべき診療科も確認しましょう。
朝起きたら目が見えない!これはなぜ?
朝起きたときに目が見えないという症状は、
目やにの量が増えた
目の血流が阻害された
などのいずれかで生じることがあります。
「目やに」が原因のケースの対処法
視界全体がぼやけて見えにくい場合、“目やに”によって視界がぼやけている可能性が高いです。
まばたきを繰り返す
目を洗う
目薬をさす
といった対処を行いましょう。
「目やに」が原因の場合、アレルギーやドライアイが考えられます。
「目の血行不良」が原因のケースの対処法
片目、もしくは両目が真っ暗で視界が異常に暗い、見えにくいという場合は、早急に医療機関を受診してください。
血流に異常が起きている可能性が高いです。「目の血行不良」が原因の場合、脳や頸動脈の異常が疑われます。
脳梗塞の前触れとなって発症することもあるため、放置は危険です。
病院は何科?
「朝起きたら目が見えない」という症状は、眼科で相談しましょう。
ただし、手足のしびれ、めまいなどを伴うときは、脳神経内科・脳神経外科を受診してください。
眼科を探す
脳神経外科を探す
考えられる2つの病気
朝起きると目が見えなくなる症状には、
黒内症
結膜炎
といった病気が考えられます。
病気① 黒内症
目に異常はないにも関わらず、目が見えなくなってしまう状態を「黒内症」と言います。
黒内障の場合、頸動脈や脳に異常が起きている可能性があります。
症状の特徴
「片目が見えない」、「片目が見えなかったが数分で元に戻った」などの視野異常が起きます。
こんな症状もありませんか?
しびれ
手足などの動かしにくさ
めまい
激しい頭痛
歩行困難
会話ができない
話している意味が理解できない
口に異常があり、ものが食べられない
※脳異常が原因の場合、体の片側に異常が現れます。
黒内障の原因
目のケガ、生活習慣病による動脈硬化などが原因として挙げられます。
どんな人に多い?
中高年以上の人
糖尿病、高血圧症を長く患っている人
太っている人
喫煙者
などに発症しやすいです。
どう対処すればいい?
早急な受診が必要です。
特に、体の片側のしびれ、激しい頭痛などの症状があるときは、救急車を手配しましょう。
脳の病気が疑われるため、命に関わる危険性があります。
病院は何科?
黒内障の症状があるときは、脳神経内科・脳神経外科を受診しましょう。
症状が軽ければ、お薬による治療が中心になります。
ただし、重症の場合は手術が行われます。
脳神経外科を探す
病気② 結膜炎
結膜に炎症が起こると、目やにが増えます。
目やにが大量に出ると、目を開けにくくなったり、目が見えにくくなったりします。
症状の特徴
目やにが目を覆い、視野を妨げます。
こんな症状もありませんか?
充血
鋭い痛み
流涙
目やに
結膜炎の原因
ウイルス・細菌感染、アレルギーなどが原因となって発症します。
どんな人に多い?
目を触る癖がある人
手をこまめに洗わない人
結膜炎を患う家族がいる人
妊娠中、または出産後の人
ご家族が結膜炎を発症している場合、同じタオルを使うことによって感染が広がることもあります。
どう対処すればいい?
医療機関を受診して、必要な治療を受けましょう。
悪化すると視力低下などの後遺症を残す恐れもあるため、放置は禁物です。
病院は何科?
結膜炎のときは、眼科を受診してください。
結膜炎の場合、抗菌軟膏や点眼薬、内服薬などで治療を行います。
薬を使用するとすぐに症状が良くなりますが、医師の処方通りに最後まで薬を使い切ってください。
自己判断で薬の使用を中断すると、再発することもあります。
眼科を探す
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
国立循環器病研究センター 循環器病情報サービス 脳梗塞が起こったら
病気② 角膜炎
黒目の部分に炎症が起こる病気です。
角膜炎は、「コンタクトの間違った使い方をしている」「目をこすった」「細菌感染」などの原因で起こります。
病気③ 角膜びらん・角膜潰瘍
角膜にびらん状の傷ができるのを、「角膜びらん」と言います。
症状がひどくなり、深くまで行ってしまうと、潰瘍の状態になります。
「角膜びらん」にかかる主な原因は、
- 異物が目に入った
- コンタクトレンズの不適切な使用(つけたまま寝る、洗浄不足、間違った使い方など)
- 爪でひっかいてしまった
- ドライアイ
- ゴーグルをつけずにスキーをしたあとの光線外傷
- 打撲
などです。
そのほか、「糖尿病」や「角膜ジストロフィー」などを患っている人も発症しやすいです。
主な症状
- 涙目
- 目の痛み
- 充血
- 目が見えにくくなる、視力低下
など
視力の低下は、潰瘍の状態になると発症します。
病気④ 涙道狭窄・閉塞(涙が鼻に流れにくくなる)
「涙道狭窄・閉塞(るいどうきょうさく・へいそく)」にかかると、涙道が狭窄・閉塞してしまいます。そうすると、涙が排出できなくなり流涙が起こります。
「先天性涙道狭窄」は、鼻涙管の一部が十分に発達していないときに生じることがあります。
「後天性涙道狭窄」は、加齢による管の狭窄が原因であることが多いですが、 けがまたは手術後の「瘢痕(はんこん)化」によっても生じます。また、「サルコイドーシス」または多発「血管炎性肉芽腫症(以前のウェゲナー肉芽腫症)」などの炎症を伴う病気が原因で起こることもあります。
「涙道閉塞症」は加齢に伴い涙道内に老廃物が蓄積してきてしだいにふさがってくることが多いようです。鼻涙管の内腔が狭くなっている「鼻涙管狭窄症(びるいかんきょうさくしょう)」という状態もあります。
主な症状
- 涙が吸収されずにあふれ出す
- 常に涙っぽい
- 泣いてもいないのに涙があふれる
- 涙が停滞することにより目やにが増える
- 涙嚢内で感染が生じると目がしらの所が赤く腫れる
涙目を放置すると…視力低下の危険も
結膜炎、角膜炎、角膜びらん、角膜腫瘍などの病気の症状にも涙目があります。
これらの病気を放置すると、最悪の場合「視力低下」を引き起こすリスクがあります。
涙目の症状が続くときは、早めに眼科で診察を受けましょう。
眼科を探す
眼科で行う治療について
原因
|
眼科で行われる治療
|
ドライアイ
|
症状確認、シルマーテスト、BUT (涙の質を調べる検査)、染色検査などを行い、点眼液での治療を行います。
薬ではよくならない場合は、涙点プラグをつける治療もあります。
|
結膜炎
|
抗菌薬の投与を行います。
|
角膜炎
|
抗菌薬の投与を行います。
|
角膜びらん・角膜潰瘍
|
抗炎症薬の投与、治療用のソフトレンズ、内服薬などを使います。
|
涙道狭窄・閉塞
|
マッサージで効果がない場合は、閉塞部分を通す手術を行います。
|
眼科を探す
合わせて読みたい
2021-03-17
目がしょぼしょぼして、涙がでる…。
その症状の原因と対処法をお医者さんに聞きました。
ドライアイや角膜炎の可能性もあるので、心当たりのある方は要チェックです。
「目がしょぼしょぼして涙が…」続く場合は眼科へ!
「目がしょぼしょぼして涙が出る」症状が2週間以上続く場合は、一度眼科に相談すると良いでしょう。
なお、
視野の違和感
目の痛み
まぶしさ
などを伴う場合は、早急の受診をおすすめします。
角膜に傷がついている場合、悪化すると視力低下や失明のリスクがあります。
眼科を探す
なぜ?目がしょぼしょぼして涙が出る3つの原因
目がしょぼしょぼして涙が出るのは、
眼精疲労
ドライアイ
角膜炎
などの原因が考えられます。
病気① 眼精疲労
目の“水晶体を支える筋肉”に疲労が溜まっていると、目がしょぼしょぼして涙が出ることがあります。
◆眼精疲労の症状
目がしょぼしょぼする
涙が出る
目のかすみ
充血
肩こり
眼精疲労の原因
目の使いすぎ
眼鏡・コンタクトレンズの度が合っていない
ストレス
といった原因が考えられます。
パソコンをよく使う人、スマートフォン・液晶画面をよく見る人は、発症リスクが高いです。
市販の目薬を使っても良い?
ビタミン配合や充血軽減、かすみ目に作用する目薬を使いましょう。
根本的改善にはつながりませんが、症状を一時的に緩和することができます。
炎症を改善する「硫酸亜鉛水和物」や「グリチルリチン酸二カリウム」
ピント調節筋に作用して疲れを改善する「ネオスチグミンメチル硫酸塩」
涙を保持して角膜を保護する「コンドロイチン硫酸エステルナトリウム」
毛様体筋の働きを活発にして目の疲れを改善する「ビタミンB12」
結膜の充血を抑える「塩酸テトラヒドロゾリン」
などの成分が含まれるものを選びましょう。
目薬以外の対処法は?
蒸しタオルで目を温めると、血行が促進されて症状が早く良くなります。
入浴で体全体を温めるのもおすすめです。
市販の目薬を使ったり、目を休ませたりしても改善が見られない場合は、一度眼科で相談してみましょう。
眼科を探す
病気② ドライアイ
目の乾燥が起こっている状態です。
なんらかの原因で涙の量や質が変化すると、ドライアイを発症しやすくなります。
◆ドライアイの症状
目がしょぼしょぼする
涙がでる
目の乾燥感
目のかすみ
目のかゆみ
ドライアイの原因
目の使いすぎ
エアコンの使用による乾燥
ストレス
薬の副作用
膠原病(こうげんびょう)
などが原因となります。
デスクワークが習慣の方は、発症リスクが高まります。
また口の乾燥を伴う場合は、膠原病の一つの“シェーグレン症候群”も考えられます。
「シェーグレン症候群」とは
中年女性に発症しやすい病気で、涙腺と唾液腺に生じる自己免疫疾患です。
目や口、鼻が乾燥します。疲労感や記憶力低下、頭痛などの全身症状も見られます。
悪化すると、生活の質(QOL)の低下につながります。また、口の乾燥により虫歯ができやすくなります。
市販の目薬を使っても良い?
人工涙液やヒアルロン酸が配合された目薬が、症状の軽減に役立ちます。
目薬以外の対処法は?
部屋の乾燥に気をつけ、こまめに目を休めましょう。
部屋の乾燥対策には、加湿器がおすすめです。
液晶画面を長時間見る場合は、1時間に10分程度の休憩を入れてください。
また、コンタクトレンズの使用はしばらく控えましょう。
市販の目薬を使用したり、上記のケアを行っても改善が見られない場合は、眼科で相談してください。
病気③ 角膜炎
角膜に炎症が起こっていると、目がしょぼしょぼして涙が出ることがあります。
角膜炎は、傷がついた角膜に細菌・ウイルスが感染することで発症します。
◆角膜炎の症状
目がしょぼしょぼする
涙がでる
目の痛み
充血
角膜炎の原因
外傷
コンタクトレンズの誤った使用
などが挙げられます。
コンタクトレンズの消毒を怠る、汚れた手で目をこするなどの行為が発症リスクを高めます。
市販の目薬を使っても良い?
角膜炎の場合、市販薬の使用はおすすめできません。
医師の診察を受けて必要な処方薬を使用しましょう。
角膜炎の場合、自己判断での市販薬の使用によって、症状が悪化するケースがあります。
目薬以外の対処法は?
コンタクトレンズの使用をすぐに中止してください。
角膜炎の疑いがあるときは、早めに眼科へ行きましょう。
放置して悪化すると、角膜びらんや角膜潰瘍を引き起こし、視力低下や失明を招く恐れがあります。
<角膜びらん>
角膜上皮の一部が剥がれた状態のことです。
<角膜潰瘍>
角膜上皮が欠損して、上皮の下にある角膜実質まで影響が及んでいる状態のことです。
眼科を探す
病院ではどんな治療を受けるの?
目がしょぼしょぼして涙がでる場合、眼科ではどんな検査を行うのでしょうか?
専用の試験紙をまぶたにあてて涙の量を調べるシルマー検査や、目の表面の傷を見る顕微鏡検査などが行われます。
眼精疲労の対処は、その原因によって異なります。
ドライアイ→乾燥予防の点眼液処方や涙点閉鎖
目の酷使→ビタミン点眼液の処方
メガネやコンタクトレンズがあっていない→度数調整
などです。
角膜炎の場合は、
細菌性角膜炎→抗菌薬の点眼や内服
真菌性角膜炎→抗真菌薬の点眼や内服
を行います。
眼科を探す
▼参考
日本眼科学会 ドライアイ