悪寒がするけど熱はない…これは大丈夫?
お医者さんに、熱がない場合の悪寒の原因を詳しく聞きました。
「これから熱が上がってくるの?」
「病院に行くべき?」
特に注意すべき症状を解説しますので、ぜひ参考にしてください。
監修者
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
内科医
岡村 信良先生
経歴
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
なぜ?熱はないのに悪寒がする原因
熱のない悪寒は、感染症の初期症状としてあらわれることが多いです。
感染症にかかると、ウイルスや細菌とたたかうために、体が免疫機能を高めようと体温を上昇させます。このとき、体温を上昇するために筋肉を震わせることで、悪寒が生じます。
悪寒の症状は、ウイルスや細菌による感染症のサインである可能性が高いのです。
様子を見ても大丈夫?病院に行くべき?
悪寒がある場合は、体を温めて安静にして様子をみましょう。
感染症が原因で悪寒が生じている場合、熱が上がりきったら、悪寒の症状はなくなります。
それまでは体を温めるようにしましょう。太い血管が集中している、首・手首・足首をカバーできる服装をしてください。体を温める飲み物を飲むのもよいでしょう。
ただし、吐き気・腹痛など他症状が現れた場合は、病院に行ってください。
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こんな症状がでてくるかも!
感染症によっては、悪寒以外に次のような症状があらわれます。
- 呼吸器感染症のケース
発熱、のどの痛み、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、たん、せき、倦怠感、頭痛など
- 消化管感染症のケース
発熱、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、倦怠感など
- 尿路感染症のケース
発熱、腰痛、吐き気、嘔吐など
考えられる病気
ウイルスや細菌感染により、風邪、インフルエンザ、カンピロバクター感染症、腎盂腎炎などを発症している可能性があります。
病院は何科?
内科を受診しましょう。
特に高熱が出てきた場合は、早めに病院を受診してください。
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2020-01-30
「熱が出た!」と思ったら「朝にはすっかり下がっていた…」。
このような経験をお持ちの方も多いと思います。
一晩で下がる発熱の原因を、医師が詳しく解説します。
大人なのに…「熱が一晩で下がった?」
一晩で熱が下がった場合、心因性発熱(ストレス)または風邪のケースが主に考えられます。
それぞれのケースについて、次の項目で詳しく解説します。
原因① 心因性発熱(ストレス)
心因性発熱とは、主にストレスによって起こる発熱を指します。
過度のストレスで交感神経が活発になると、「熱を発生させる細胞」に刺激が加わり、一時的に発熱する場合があります。
◆心因性発熱の症状
心因性発熱の場合、一晩で熱が下がったり、高熱を繰り返したりします。
熱の程度には個人差があり、37度の微熱の人もいれば、38度以上の高熱になる人もいます。
また、
頭痛
腹痛
躁鬱などの気分障害
パニック障害などの不安障害
を伴うこともあります。
ストレスで発熱しやすい人の特徴
日常生活でストレスを感じやすい人
几帳面な人
頑張りすぎる人
神経質な人
心配性な人
心因性発熱の対処法
まずはゆっくり体を休めることが必要です。
落ち着いた環境(アロマ、音楽、間接照明など)を作り、眠れるようであれば、目を閉じて休みましょう。
なお、心因性発熱の場合、解熱鎮痛剤は効果を発揮しません。
原因② 風邪のケース
風邪のウイルスがそこまで強くなければ、自分の免疫が勝って一晩で熱が下がることもあります。
風邪をひくと、侵入したウイルスの繁殖を抑えたり、体の免疫機能を高めたりするために体温が上がります。
通常は、おおよそ3日くらいで下がることが多いです。
◆風邪の症状
くしゃみ
鼻づまり
喉の痛み
咳
など
風邪をひきやすい人の特徴
忙しくてなかなか休めない人
ストレスや疲労を溜めがちな人
睡眠不足の人
栄養バランスが偏っている人
上記の人は免疫力の低下によって、風邪を引きやすくなります。
風邪の対処法
そのまま眠れるようであれば、おでこや首などにタオルにくるんだ保冷剤を当てたり、冷やすシートを貼って休みましょう。
また、熱が高かったり、長時間も高熱が続く場合は、解熱剤を服用しましょう。
「夜に発熱を繰り返す」のは、疲れ・感染症が原因かも
夜に発熱を繰り返す場合、
尿路感染症
疲労・ストレス
関節リウマチ
がん
などの原因が考えられます。
① 尿路感染症
尿路感染症は、膀胱などに細菌感染を起こして発症する病気です。
症状が進むと、疲れのたまる夜間に発熱することがあります。
尿路感染症の症状
排尿痛
下腹部痛
頻尿
発熱
尿路感染症の対処法
軽い症状の場合、こまめに水分を補給していれば、細菌が尿で排出されて数日で快方に向かいます。ただし、重いものであると抗菌剤の投与が必要となるため、泌尿器科で治療を受けましょう。
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② 疲労・ストレス
疲労やストレスがたまると、1日の疲れが出て夜間に発熱をするケースがあります。
また、免疫機能が低下するため、風邪も引きやすくなります。
疲労・ストレスによる症状
倦怠感
疲労感
食欲不振
めまい
頭痛
冷え
集中力低下
疲労・ストレスの対処法
ゆっくり休息を取る必要があります。仕事が休めないときでもこまめに休憩を入れましょう。
毎日の睡眠、食事が大事です。しっかり睡眠をとり、バランスの良い食事をとりましょう。
③ 関節リウマチ
免疫機能の異常によって、関節の痛み、関節の変形、発熱、倦怠感などを起こす病気です。
倦怠感も強く出るので、夜間に日中の疲れが出て発熱することもあります。
関節リウマチの症状
関節痛
倦怠感
微熱
関節の腫れ
関節の変形
関節リウマチの対処法
専門機関での治療が必要です。
朝起きた時の関節の腫れ、関節の動かしにくさなどが現れてきたら、早めにリウマチ科を受診しましょう。
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④ がん
がんを発症していると、体に疲れが溜まりやすくなります。
そのため、1日の疲れが出る夜間に発熱するケースもあります。
がんの症状
倦怠感
食欲不振
気分が悪くなる
体に痛みが走る
不正出血(女性器のがん)
がんの対処法
専門機関での治療が必要です。早急に内科を受診しましょう。
早めに取り除かなければ、身体中にがんが広がって死に至る恐れがあります。
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熱が下がった後の過ごし方
熱が下がって体が楽になっても、すぐに油断せず、熱以外の症状も治まるまでは、下記の点に気を付けてください。
安静にして体力を温存する。
消化の良い物を食べ、弱った消化器官の負担を軽くする。
辛味が強く刺激的な物や、油分の多い物を控え、消化器管の負担を軽くする。
ビタミン、ミネラルが豊富な物を食べ、免疫力を高めて感染などの再発を防ぐ。
アルコールを控え、肝臓を休ませる。
喫煙を控え、気道への刺激を軽減する。
高熱による発汗で失った分、水分と塩分を多めに摂り、脱水を防ぐ。
良質なたんぱく質を摂り、消耗した体力を補う。
熱が下がったら出社してもいい?
風邪の場合、熱が下がり、気分も良く、動くのに支障がないようでしたら、出社しても大丈夫でしょう。
ただし、だるさや、倦怠感がある場合は、まだ体力が戻っていないので無理しないようにしてください。
無理をすると、発熱を繰り返すことがあります。
出勤する場合は、マスクをしましょう。
咳やくしゃみが出ても、他の人に移さないように対策をして出勤しましょう。
こんな症状は病院へ
水分・食事がとれない
胸が痛くなるほどの酷い咳が出る
口の中の痛みが増し、喉の奥に腫れや水疱がでる
といった症状が出た場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
「水分・食事を受け付けない」場合は、脱水や体力消耗の危険があるため、点滴などの治療が必要です。
「胸が痛くなるほどの酷い咳が出る」場合は、結核・喘息・肺炎・急性気管支炎・胸膜炎などの恐れがあります。
「口の中の痛みが増し、喉の奥に腫れや水疱が生じる」ときは、ヘルパンギーナのなどの可能性があります。
患者の多くが小児ですが、大人が感染すると、脳炎、髄膜炎、心筋炎などを誘発する恐れがあります。
病院は何科へ行けばいい?
受診すべき診療科は、出ている症状によって異なります。
以下の表を参考にしてみましょう。
受診すべき診療科
症状
内科
心理的な原因の発熱・吐き気・食欲不振
呼吸器内科
耳鼻いんこう科
喉の痛みや咳が続いている
「心理的な原因の発熱」も、まずは内科を受診して検査を受けることをおすすめします。
体に異常がないと判断された後は、心療内科を紹介してもらうことも可能です。
あまりにも高い熱が翌朝には平熱に下がっていたりすると不思議に思いますよね。
その場合は、他に目立った症状が現れなかったとしても、隠れた病気の前兆かもしれません。
少しでも気になるようなことがある時は、早めに医療機関を受診し、医師の診察を受けることをおすすめします。
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▼参考
テルモ株式会社→テルモ体温研究所 体温から健康に:体温と生活リズム
ストレスと高体温 心因性発熱かもしれないと思ったら
テルモ株式会社→テルモ体温研究所 体温から健康に:体温と生活リズム
ストレスと高体温 心因性発熱と診察されたら
沖縄県医師会→広報関係 ドクターのゆんたくひんたく:2018年掲載分 原因探り、根本解決を
株式会社メディプラス研究所→オフラボ:「熱が下がらない」風邪薬が効かない長引く熱、ストレスが原因かもしれません【ストレス性発熱の処方箋①】
一般社団法人小金井市医師会→お知らせ:風邪について
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この症状は風邪?それともインフルエンザ?
そんなときは、インフルエンザの初期症状をチェックしてみましょう。
対処法や病院に行くタイミングも、お医者さんが詳しく解説します。
インフルエンザの初期症状チェック
「なんだか風邪っぽい」という方は、次のチェックシートで確認してみましょう。
急に体の節々に痛みが出てきた
急激な発熱、高熱(38度以上)がある
激しい頭痛がある
体が震える
寒くて仕方がない
体の症状が強く動くことができない
上記に当てはまる数が多いほど、インフルエンザの可能性が高いといえます。
「インフルエンザかも…」と思ったら
体が動くうちに、経口補水液を調達しましょう。
ドラッグストアに行くときは、マスクを着用してください。
ご家族や同居人がいるのであれば、買い物をお願いしましょう。
早く治すための対処法
温かく消化の良いものを食べ、睡眠をたっぷりとってください。
食事は、野菜やタンパク質を多めにするのがおすすめです。
また、ウイルスへの抵抗力が高まるよう、身の回りを温かくしましょう。
病院に行くタイミングは?
症状が出てから12時間以降48時間以内に、病院で検査と治療を受けましょう。
インフルエンザは、発症から12時間以内に検査をしてもウイルスが検出されません。
また、抗インフルエンザ薬は、発症後48時間以内の使用が必要です。
インフルエンザを疑う場合、これに注意!
自己判断での風邪薬・鎮痛剤の使用は控えてください。
誤った服用により、重い合併症を引き起こす恐れがあります。
インフルエンザの疑いがあるのに、市販薬やその他の薬を使用してしまった場合は、すぐに医療機関で相談してください。
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▼参考
厚生労働相 令和元年度今冬のインフルエンザ 総合対策について