「38度の熱で寝込んでいたら、痩せた!」
「発熱でずっと寝ていただけなのに、痩せるのはなぜ?」
その理由の一つは、熱によって消費カロリーが増加することです。
この記事では、38度の熱が出ると消費カロリーはどれくらい増えるのか、解説します。
風邪で体重が減った状態をキープしたい方も、ぜひチェックしてみてください。
38度の熱の消費カロリーは?
消費カロリーは、体温が1度上がるごとに約12~13%増加するとされています。
そのため一般成人の平均的な基礎代謝量と体温で考えると、おおよそ下記の消費カロリーになると考えられます。
- 女性→約336キロカロリー
- 男性→約420キロカロリー
※平熱が36度の場合です。
発熱で消費カロリーが増えるのは、体温が上昇する際、多くのエネルギーを必要とするためです。
300~400キロカロリーというと、コンビニのメロンパン一個分くらいのエネルギー量なので、けっこうな消費カロリーになることがわかりますね。
なぜ?発熱で痩せる3つの理由
- 発熱や咳などで消費カロリーが増加する
- 食欲が低下する
- 汗をかいて体の水分量が減る
発熱で痩せる理由として、上記3つが考えられます。
発熱や咳による消費カロリーの増加
前述のとおり、発熱すると消費カロリーが増加します。風邪で咳やくしゃみなどの症状がある場合は、もっと消費カロリーが増えると言われています。
咳を一回するだけで2キロカロリー、くしゃみは4キロカロリーも消費するのだそう。
一日中咳やくしゃみが止まらないような状態では、かなりのエネルギーを消費することになるでしょう。
食欲の低下
発熱によって食欲が低下して、いつも通り食事が摂れなくなる人も多いですよね。十分な食事が摂れていないと、消費カロリーが摂取カロリーを上回るため、痩せてしまいます。
体の水分量の減少
熱が出るとたくさん汗をかきます。発汗によって体の水分が抜けると、当然その分の体重が減ります。
顔もげっそりして、痩せた印象になるでしょう。
ということは…風邪はダイエットのチャンスってこと?
「消費カロリーが増えて食欲が減るなら、痩せるチャンスかも!」
そんな風に思う方も多いのではないでしょうか?
残念ながら、風邪や発熱で体重が減少するのは一時的で、すぐに元の体重に戻ってしまうケースがほとんどです。
体が本調子になれば、基礎代謝は正常になり、食欲も回復します。汗をかくことで低下した体の水分量も元に戻ります。
また、風邪や発熱によって体重が減少するのは、筋肉と水分量が減るからです。脂肪はほとんど減っていないと考えられます。
筋肉量が減って余分なお肉は残っている状態なので、理想的な痩せ方とは言えません。
減った体重をキープする方法はある?
「理想的な痩せ方ではない」とはいえ、せっかくなら減った体重をキープしたいですよね。
体調が回復した後のリバウンドを避けるためには、
- 食事の見直し
- 運動習慣を取り入れる
- 良質な睡眠をとる
ダイエットの基本である上記3つを実践しましょう!
食事はタンパク質を中心にバランスよく
肉や卵、大豆製品、乳製品などを積極的に食べて、タンパク質を摂取しましょう。
タンパク質は筋肉の材料となるため、代謝の向上に繋がります。
一日に摂取するタンパク質の推奨量は、男性なら65g、女性なら50gとされているので、こちらを目安にするといいでしょう。
食物繊維やビタミンが豊富な野菜類、海藻類も意識して摂るようにしてください。
特定のものばかり食べるのではなく、色々な食材からバランスよく栄養を摂ることが大切です。
筋トレ×有酸素運動で太りにくい体に
運動は、筋トレと有酸素運動を組み合わせて行うと、太りにくく痩せやすい体作りに役立ちます。
筋トレは「スクワット」がおすすめ
筋肉量が増えると、基礎代謝が上がって脂肪が燃料しやすくなります。
スクワットで下半身の大きな筋肉を鍛えて、効率よく筋肉を増やしましょう。
一日に10回×2~3セットを、週3回くらいのペースで続けてみてください。
有酸素運動は無理なく継続できるものを
有酸素運動は、今ある脂肪を燃やすのに役立ちます。
ウォーキングやヨガなど取り入れやすい有酸素運動を、一回に30分以上、週2日程度実践しましょう。
あまりハードな運動をして続かないと意味がないので、継続できる強度で実践することを心がけてください。
以上のように、風邪で減った体重をキープする方法は、健康的な生活習慣を維持することに他なりません。風邪が治ってもリバウンドしないように、自分の体と向き合ってください。
無理は禁物!運動は体調が回復してから
体調が万全でない状態で運動するのはNGです。無理をすると、発熱などの症状がぶり返すおそれがあります。まずはしっかり休んで、体調が良くなってからトレーニングを開始しましょう。
良質な睡眠で「痩せホルモン」を分泌させよう
発熱や風邪で減った体重をキープするためには、睡眠の質にもこだわりましょう。
質の良い睡眠は、成長ホルモンの分泌を促進します。成長ホルモンは、別名「痩せホルモン」とも呼ばれていて、筋肉の成長や脂肪の燃焼をサポートしてくれるダイエットの味方です。
反対に、質の悪い睡眠は、成長ホルモンの分泌を減らして、食欲を増進するホルモンを多く分泌するため、太りやすい状態になってしまいます。
睡眠の質を高めるためには、寝る前にリラックスできる環境を整えるようにしましょう。部屋は暗くして、寝具やパジャマは快適なものを選んでください。
また、睡眠時間は毎日6~8時間程度が理想とされています。寝不足は太りやすいだけでなく、病み上がりの体に悪影響となるので、しっかりと睡眠時間を確保しましょう。
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2022-07-27
「最近体重が減ってきた…」
「これってストレスが原因?」
ストレス痩せの特徴をお医者さんに聞きました。
急な体重減少には、ガンなどの命に関わる病気が隠れているケースもあります。
要注意な症状に心当たりがないか、チェックしてみましょう。
ストレス痩せの特徴|見た目はどう変わる?
ストレス痩せには、
意図せずに痩せてしまう
食べたい気持ちがあるのに食べられない
といった特徴があります。
ストレス痩せは、主に食欲の低下によって起こります。
これは、不安・緊張などの精神的なストレスによって「交感神経」が興奮状態となり、脳の調整がうまくできなくなるからです。
どんな見た目になるの?
「ストレス痩せ」になる人は、必要な栄養素が摂取できずに代謝が悪くなっている状態です。
そのため、肌のシワ・かさつきが増えるなど、健康的な見た目とは言えないことが多いです。
ストレス痩せ「セルフチェック」
睡眠が十分にとれていない
不規則な生活に送っている
休みの日もリラックスできない
休んでも疲れが取れない
上記に当てはまる人は、ストレス過多の可能性が高いです。
体重の減少が見られるのであれば、ストレス痩せを疑いましょう。
【要注意】食べているのに痩せる人は病気の疑いアリ
「食事量が今までと変わらない」のに体重減少が見られる場合は、ストレスではなく「病気」が疑われます。
心当たりがある人は、一度内科で診てもらうようにしましょう。
特に「体重減少が半年で5%以上、あるいは1年で10%以上見られる」という場合は、早めの受診をおすすめします。
注意すべき症状と考えられる病気
要注意の症状
考えられる病気
発熱
吐き気
寝汗が多い
強い喉の乾き
尿量の増加
糖尿病
甲状腺機能亢進症
慢性胃炎
胃・十二指腸潰瘍
潰瘍性大腸炎
ガン
食べているのに痩せる場合、命に関わる病気が隠れていることもあります。心配な症状がある場合は、放置しないようにしましょう。
内科を探す
「痩せているからOK」ではない!このまま放置すると…
ストレス痩せを放置すると、
全身倦怠感
下痢
貧血
などの症状が現れることがあります。
これは栄養不足によって、うまく栄養素の消化吸収ができない状態が続くからです。
ストレス痩せは健康に悪いだけでなく、「肌のシワが増える」など見た目においてもデメリットがあります。
美しい体型を保つには、心と体の調子を整えることも大切です。
まずは、ストレスを解消させていくことから始めていきましょう。
脱ストレス痩せ!4つのルール
体を温める
睡眠時間を十分にとる
アロマを生活に取り入れる
よく噛んで食べる
「脱ストレス痩せ」を改善させるには、リラックスしたり、栄養吸収を促したりする必要があります。
生活では、上記の4点を心がけるようにしましょう。
ルール① 体を温めてリラックスしよう
体温を上げて血流がよくなると、副交感神経が優位になり、リラックスできます。
温かい飲み物を飲む
入浴する
軽いストレッチを行う
などを寝る前に行いましょう。
夏でも冷房によって体が冷えることがあるため、「羽織物を持ち歩く」などの対策をすることも大切です。
ルール② 睡眠時間を十分にとろう
遅くとも0時には就寝し、1日6~8時間の睡眠時間を確保しましょう。
また、15〜30分程度の昼寝もストレス解消に役立つとされています。
質のよい睡眠をとるために、
寝室は眠りにつきやすい温度・湿度に設定する
寝る前はパソコンや携帯電話を触らないようにする
といった工夫もおすすめします。
ルール③ アロマを生活に取り入れよう
アロマオイルやアロマスプレーを使って、リラックスする香りを部屋に漂わせましょう。
「ストレスや疲れがたまっているとき」や「寝る前」などに行うのがおすすめです。
ローズ
イランイラン
ラベンダー
カモミール
などの香りは、疲れやストレス対策によいとされています。
ルール④ 食事は、よく噛んで食べよう
硬い食材を食事に取り入れる
1回に頬張る量を少なくする
といった方法で、食事での噛む回数を増やしましょう。
よく噛んで食べるようにすると、消化管の動きが活発になるため、栄養素を消化吸収しやすくなります。
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
佐藤和人、本間健、小松龍史、『エッセンシャル臨床栄養学 第5版』(2009)、医歯薬出版株式会社
厚生労働省:ストレスと食生活
ストレスと食生活 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)
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意図しない体重減少 - 26. その他の話題 - MSDマニュアル家庭版 (msdmanuals.com)
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2019-10-30
インフルエンザで熱が上がったり下がったりするのはなぜなのでしょう。
インフルエンザを発症すると全身の痛みや関節痛、40度以上の発熱がみられ大人でも動くことができなくなる場合があります。
「せっかく高熱が下がってきたのに、また熱が上がってきた…!」
こんなときは、一刻も早く症状を改善したいですよね。
なぜ、インフルエンザで熱が上がったり下がったりするのか、原因から対処法まで詳しく医師に伺いました。
インフルエンザで熱が上がったり下がったりする理由は?
インフルエンザで熱が上がった下がったりする場合、
無理に体を動かすなどして再度ウイルスが増殖した
二峰性発熱(にほうせいはつねつ)が生じている
※子どもに多い
といった原因が考えられます。
無理をして再度ウイルスが増殖した
体の免疫機能がウイルスをやっつけて優勢になっていたところで、無理に体を動かすなどして、再度ウイルスが優勢になってしまったケースが考えられます。
インフルエンザウイルスに感染すると高熱が出ます。これはインフルエンザウイルスが強力であり、体内でウイルスをやっつけるために、通常風邪などで出す熱以上に高い熱が必要となって発熱している状態です。
そのため、37度台の熱であれば、解熱剤を使って無理に熱を下げる必要はありません。(診察した医師の判断によります。)
一度熱が下がってくれば、ウイルスが減り始め、体がウイルスを攻めている証拠です。
しかし、熱が下がったからといって体を動かしてしまうと、まだ本調子でない体は、すぐに疲れてしまいます。すると、ウイルスへの抵抗力が弱まってしまい、また熱が上がるという症状が現れる場合があるのです。
二峰性発熱が生じている(子どもに多い)
子どもの場合は、一旦平熱に下がった後に再び熱が上がる「二峰性発熱(にほうせいはつねつ)」の可能性があります。二峰性発熱は子どもに多い熱型で、大人にみられることはほとんどありません。
二峰性発熱は、半日~1日くらいの間平熱に下がった後に、再び半日~1日程度熱が上がる状態です。
これは、 抗インフルエンザ薬の効き目が十分ではないせいでウイルスの量が増加し、再度熱が上がってしまうことが原因の一つとされています。
発熱は何日くらい続く?ピークは?
インフルエンザは、1〜3日の潜伏期間の後に急激に症状が現れます。熱は、個人差がありますが3〜5日がピークとなる場合が多いようです。
熱が下がって1日以上経ってぶり返すことも!
ウイルスを完全に排除できていない場合には、ぶり返す場合もあります。
息苦しさや胸痛は要注意!再度病院に行く目安
一度平熱まで下がったものの、再度38度以上の熱が出て2日以上下がらない場合は、病院を受診しましょう。症状が長引くと体力がなくなり、脱水が進んでしまう場合もあります。
また、インフルエンザの症状だけでなく、息苦しさや胸の痛みを伴う場合は、気管支炎・肺炎などを発症している可能性があります。このような症状が出ている場合は、できるだけ早く病院に行ってください。
特に、乳幼児や小さなお子さんは、急激に症状が悪化する場合があります。一度熱が下がってもまた、38度以上の発熱が確認できたら早急に病院を受診してください。
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熱が上がったり下がったりするときは、動かず安静に
熱がぶり返した場合は、すぐに安静にして横になってください。少し熱が上がっただけだと軽くとり、そのまま動き続けると、夜にはまた高熱になる場合があります。
熱は、朝はもっとも低くて、夕方にかけて上がります。油断しているとぶり返しますので、全身症状がなくなるまでは、安静にして栄養補給を行ってください。
まとめ
特に、熱が下がると子どもの面倒を見る必要がある・家事をしたいという主婦の方や、じっとしていられないお子さんは、起き上がって熱をぶり返す場合が多く見られます。
インフルエンザは、強力な病気です。ぶり返せば、体力が奪われ、悪化してしまう可能性もあります。
なるべく安静にして早く良くなるように努めましょう。