「最近体重が減ってきた…」
「これってストレスが原因?」
ストレス痩せの特徴をお医者さんに聞きました。
急な体重減少には、ガンなどの命に関わる病気が隠れているケースもあります。
要注意な症状に心当たりがないか、チェックしてみましょう。
監修者
経歴
福島県立医科大学卒業
「働く人を支える」薬に依存しない医療を展開する「BESLI CLINIC」を2014年に協同創設、2030年を基準に医療現場から社会を支える医療経営を実践しています。
産業医視点からビジネスマン・ビジネスウーマンを支えております。生薬ベースの漢方内科での経験を活かし、腹診を含めた四診から和漢・井穴刺絡などの東洋医学を扱い、ホルモン、生活習慣をベースに身体から心にアプローチする診療を担当。米国マウントサイナイ大学病院へ留学、ハーバード大学TMSコースを修了。TMSをクリニックへ導入、日本人に合わせたTMSの技術指導、統括を行っています。
ストレス痩せの特徴|見た目はどう変わる?
ストレス痩せには、
- 意図せずに痩せてしまう
- 食べたい気持ちがあるのに食べられない
といった特徴があります。
ストレス痩せは、主に食欲の低下によって起こります。
これは、不安・緊張などの精神的なストレスによって「交感神経」が興奮状態となり、脳の調整がうまくできなくなるからです。
どんな見た目になるの?
「ストレス痩せ」になる人は、必要な栄養素が摂取できずに代謝が悪くなっている状態です。
そのため、肌のシワ・かさつきが増えるなど、健康的な見た目とは言えないことが多いです。
ストレス痩せ「セルフチェック」
- 睡眠が十分にとれていない
- 不規則な生活に送っている
- 休みの日もリラックスできない
- 休んでも疲れが取れない
上記に当てはまる人は、ストレス過多の可能性が高いです。
体重の減少が見られるのであれば、ストレス痩せを疑いましょう。
【要注意】食べているのに痩せる人は病気の疑いアリ
「食事量が今までと変わらない」のに体重減少が見られる場合は、ストレスではなく「病気」が疑われます。
心当たりがある人は、一度内科で診てもらうようにしましょう。
特に「体重減少が半年で5%以上、あるいは1年で10%以上見られる」という場合は、早めの受診をおすすめします。
注意すべき症状と考えられる病気
要注意の症状 |
考えられる病気 |
- 発熱
- 吐き気
- 寝汗が多い
- 強い喉の乾き
- 尿量の増加
|
- 糖尿病
- 甲状腺機能亢進症
- 慢性胃炎
- 胃・十二指腸潰瘍
- 潰瘍性大腸炎
- ガン
|
食べているのに痩せる場合、命に関わる病気が隠れていることもあります。心配な症状がある場合は、放置しないようにしましょう。
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2023-01-30
潰瘍性大腸炎とは、どのような病気なのかを分かりやすくまとめました。
潰瘍性大腸炎の主な症状やなりやすい人、原因なども紹介するので、心当たりがないかチェックしてみましょう。
潰瘍性大腸炎とは
潰瘍性大腸炎とは、大腸に炎症ができ、表面が赤く腫れたり、潰瘍ができたりする疾患です。
初期段階は、下痢と便秘を繰り返すことが多いのですが、症状が悪化すると血便や下血が現れる場合もあります。
どんな痛み?潰瘍性大腸炎の症状
下痢
血便(赤黒い色の血便、粘血便)
激しい腹痛
下腹部の違和感
発熱
倦怠感
貧血
脱水
食欲低下
体重減少
下痢と血便を主症状として、激しい腹痛を伴うケースが多いです。
ゼリー状の粘液のような血便が出る場合もあります。
悪化すると、1日10回以上血便が出るようになります。
潰瘍性大腸炎の原因
潰瘍性大腸炎の発症原因は未だ明確になっておらず、国の指定難病に定められています。
考えられる原因としては、免疫異常・遺伝的要因・環境要因が挙げられます。
潰瘍性大腸炎になりやすい人・性格は?
ストレス過多・ストレスを感じやすい
腸内細菌のバランスが崩れている
生活習慣が乱れている
家族が潰瘍性大腸炎やクローン病を発症している
発症に男女差はなく、男性の発症ピークは20~24歳、女性の発症ピークは25~29歳にみられます。
ストレスが潰瘍性大腸炎の直接的な原因となるわけではありません。
ただし、過剰なストレスは腸内環境の悪化や免疫力の低下につながるため、潰瘍性大腸炎の発症に影響するという意見もあります。
「ストレスが溜まっている」「ストレスを感じやすい性格」などの自覚があり、潰瘍性大腸炎の症状が見られる場合は、注意が必要です。
家庭内で発症するケースもあり、遺伝的因子も関与すると考えられています。
そのため、家族に同様の病気の人がいると、発病のリスクが高くなる可能性があります。
▼参考
潰瘍性大腸炎(指定難病97)
潰瘍性大腸炎とは?症状と予防のために気をつけたい注意点を解説
潰瘍性大腸炎について- どのような病気か分かりやすく解説! -
潰瘍戦大腸炎を疑う場合は病院へ
潰瘍性大腸炎は再発しやすく、重症化して手術が必要になる場合もあるため、早めに病院を受診してください。
潰瘍戦大腸炎を疑う場合は、内科・消化器内科・胃腸内科の受診をおすすめします。
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潰瘍性大腸炎の治療法
潰瘍性大腸炎の治療では、「薬物治療」や「手術」が行われます。
薬物治療は、大腸の炎症を抑える薬、免疫機能を調整する薬などを使用します。
薬が効かない、症状が重いなど、薬物治療で対処できない場合に、大腸を全摘出する手術が行われることがあります。
「痩せているからOK」ではない!このまま放置すると…
ストレス痩せを放置すると、
などの症状が現れることがあります。
これは栄養不足によって、うまく栄養素の消化吸収ができない状態が続くからです。
ストレス痩せは健康に悪いだけでなく、「肌のシワが増える」など見た目においてもデメリットがあります。
美しい体型を保つには、心と体の調子を整えることも大切です。
まずは、ストレスを解消させていくことから始めていきましょう。
脱ストレス痩せ!4つのルール
- 体を温める
- 睡眠時間を十分にとる
- アロマを生活に取り入れる
- よく噛んで食べる
「脱ストレス痩せ」を改善させるには、リラックスしたり、栄養吸収を促したりする必要があります。
生活では、上記の4点を心がけるようにしましょう。
ルール① 体を温めてリラックスしよう
体温を上げて血流がよくなると、副交感神経が優位になり、リラックスできます。
- 温かい飲み物を飲む
- 入浴する
- 軽いストレッチを行う
などを寝る前に行いましょう。
夏でも冷房によって体が冷えることがあるため、「羽織物を持ち歩く」などの対策をすることも大切です。
ルール② 睡眠時間を十分にとろう
遅くとも0時には就寝し、1日6~8時間の睡眠時間を確保しましょう。
また、15〜30分程度の昼寝もストレス解消に役立つとされています。
質のよい睡眠をとるために、
- 寝室は眠りにつきやすい温度・湿度に設定する
- 寝る前はパソコンや携帯電話を触らないようにする
といった工夫もおすすめします。
ルール③ アロマを生活に取り入れよう
アロマオイルやアロマスプレーを使って、リラックスする香りを部屋に漂わせましょう。
「ストレスや疲れがたまっているとき」や「寝る前」などに行うのがおすすめです。
などの香りは、疲れやストレス対策によいとされています。
ルール④ 食事は、よく噛んで食べよう
- 硬い食材を食事に取り入れる
- 1回に頬張る量を少なくする
といった方法で、食事での噛む回数を増やしましょう。
よく噛んで食べるようにすると、消化管の動きが活発になるため、栄養素を消化吸収しやすくなります。
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2020-12-28
なんだか体調が悪い…。ストレスのせいかも…。
ストレスが限界に達すると、どのような症状があらわれるのでしょうか。
お医者さんの目線から、「心の症状」と「体の症状」、それぞれ解説してもらいました。
ストレスが限界に達した時に出る症状
ストレスが限界に達すると、脳や自律神経の働きに影響が出て「心の症状」と「体の症状」があらわれます。
ストレスの限界サイン「心の症状」
気分が落ち込む
イライラして、怒りっぽくなる
やる気が出ず、集中できない
何に対しても興味が持てない
ストレスの限界サイン「体の症状」
肩こり
頭痛
腹痛、胃痛
胸が苦しい
息苦しい
だるくて体が動かない
食欲不振、または食欲過剰
下痢、便秘
寒気や冷え
涙が止まらなくなる
不眠、または過眠
過度なストレスを受け続けると脳が正常に働かなくなり、気分が落ち込みやすくなります。
さらに、ストレスは内臓など体全体の調子を整える「自律神経」の乱れを引き起こすため、体の不調の原因にもなります。
ストレスが溜まりすぎると起こる「行動の変化」
浪費が激しくなる
ギャンブルが止まらなくなる
アルコール量が増える
喫煙量が増える
ストレスによって心の調子が不安定になると、お酒を飲む量が増えたり、大胆な行動をとったりする方もいます。
「自分らしくない行動が増えた」という場合も、心の状態に注意したほうがよいでしょう。
ストレス限界サインを感じたら、こう対処しよう
質の良い睡眠をとる
好きな物を食べる
気が合う人と会う
などの方法で、ストレスを発散しましょう。
ストレス対処法① 質の良い睡眠をとる
ストレスの解消には、十分な睡眠が大切です。
質の良い睡眠をとれるよう、就寝前には
ゆっくり入浴する
リラックスを設ける
スマホよりも本を読む
の3つの点を心がけましょう。
湯船にゆっくり入浴する
湯船につかって、ゆっくりと温まりましょう。
時間や体力がないときは、熱めのシャワーを首元に数分当ててください。
入浴が終わったら、冷えないように着替え、水分補給をしましょう。
リラックスタイムを設ける
ゆっくりできる場所に腰を掛けて、気持ちを休めましょう。
好きな音楽やテレビを楽しむのもおすすめです。
スマホよりも雑誌や本を読む
就寝直前はスマホではなく、読書が適しています。
インターネットは情報がどんどん入ってくるため、過度な刺激になってしまいます。
眠気を感じたら、電気を消して早めに入眠しましょう。
ストレス対処法② 好きなものを食べる
好きなものを食べると、ストレスが和らぎます。
※ただし、暴飲暴食は控えてください。
食欲がないときは無理せず、食べられるものを食べましょう。
軽く運動すると、食欲が湧きやすくなります。
反対に、カフェインの強いものはしばらく控えてください。
過度のアルコール摂取も、睡眠の質を低下させる原因となるため、注意しましょう。
ストレス対処法③ 気が合う友人と過ごす
悩みを誰かに相談することも、ストレス解消につながります。
こんなときは病院へ!
なかなか寝つけない
就寝中に何度も目が覚める
いつもより寝すぎてしまう
朝だるくて起きられない
といった場合は、早めに病院で相談しましょう。
何科を受診すればいいの?
心療内科・精神科を受診してみましょう。
初診の際は、下記のことを医師に伝えられるように、まとめておくといいですよ。
今までできていたのに、できなくなったこと
特につらいと感じていること
仕事の内容・職場の人間関係
おかしいと感じる体の症状
メモに書いて持っていくのもおすすめです。
心療内科を探す
心が壊れてしまう前に相談しよう
過度のストレスは、うつ病や自律神経失調症を引き起こす恐れがあります。
頑張りすぎは禁物です。
心療内科や精神科に行くとなると、身構えてしまう方も多いかもしれません。
ですが、メンタルの不調で病院にかかることは、内科で風邪を相談することと大きな違いはありません。
一人で抱え込まずに、病院で相談してみましょう。
▼参考
厚生労働省 みんなのメンタルヘルス うつ病
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。