サナダムシが出てきたかも!どうしよう…。
受診すべき診療科など、対処法を解説します。
症状が悪化する恐れがあるため、放置はNGです。
監修者
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
内科医
岡村 信良先生
経歴
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
サナダムシが出てきた!どう対処すればいい?
サナダムシの感染を疑う場合は、すぐに医療機関で検査・治療を受けてください。
出てきたものが本当にサナダムシなのかどうか、検査で判断する必要があります。
なお、便に細長い白いものが混じっているときは、消化し切れなかった食物が排出されたというケースも考えられます。
サナダムシと見間違えやすいものには、もやし、えのきなどが挙げられます。
<サナダムシの特徴>
- ひも状、もしくは平麺状
- 白っぽい色をしている
- 長さは数cm~2mになることも
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「サナダムシがいるかどうか、どうしたらわかるの?」
サナダムシの自覚症状や感染経路を、お医者さんに聞きました。
“何科で受診すべきか”についても解説します。
サナダムシがいるかも。不安…
お腹にサナダムシがいるのではないかと不安です…。自分で判断する方法はありますか?
サナダムシがおしりから出てこないうちは、ご自身で判断するのは難しいです。
不安な場合は、医療機関で相談しましょう。
便に細長い白いものが混じっていた…。
これはサナダムシ?
便に細長い白いものが混じっている場合、食べ物の繊維であるケースも多いです。
もやし、えのきなど食べた覚えがある方は、その可能性が高いです。
こんな食べ物を食べませんでしたか?
魚や肉をよく加熱せずに食べた場合は、サナダムシの寄生リスクが高くなります。
日本では、魚・肉の生食でサナダムシに感染するケースが多いです。
食材にサナダムシの幼虫や卵が付着していると感染します。
なお、サナダムシの幼虫や卵は熱に弱いため、加熱すれば寄生されることはありません。
サナダムシに感染しやすい食べ物
紅鮭、サクラマス、豚肉、牛肉 など
「加熱」と「よく噛む」で感染を防ごう
サナダムシの感染を防ぐには、卵をそのまま体内に侵入させないことが重要です。
「食事はよく加熱する、生食の際にはよく噛む」といった点を意識すると、卵が破壊されやすくなり、感染のリスクが減少します。
自覚症状ってあるの?
お尻からサナダムシが出てくる、という症状が代表的です。
これは、サナダムシの卵がお腹の中で生まれ、成長して出てきている状態です。
また、
吐き気
下痢
腹痛
体重減少
などを生じることがありますが、これらの症状が全く出ないケースも多いです。
稀に重症化することも…
サナダムシの寄生が重症化すると、肺炎や腸閉塞などを起こすことがあります。
病院は何科?
「サナダムシがいるかも…」と疑うときは、内科・消化器内科を受診しましょう。
お医者さんにどう伝えたらいい?
医師には、
いつから症状があるのか
今、どのような体調なのか
を伝えましょう。
サナダムシが出てきた場合は、持参できるようであれば持参しましょう。
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どんな検査を受けるの?
便の内容を、顕微鏡などを使用して、サナダムシの卵・成虫がないか調べます。
下痢、腹痛などの症状が悪化している場合には、血液検査やレントゲンを行うこともあります。抗体の確認、サナダムシの全身への広がりなどを確認します。
病院で受ける治療
治療には、サナダムシを駆除する内服薬を使用します。
プラジカンテルという薬で、1日で駆除することが多いです。
なお、内服薬はサナダムシの成虫にのみ作用します。
そのため、同時に排便後の手洗いを徹底して、“便から排出される卵”からの再感染を防ぐ必要があります。
もし放置したら…どうなる?
サナダムシを放置すると、どんどん大きく成長していきます。
また、サナダムシは体内の栄養を奪っていくため、健康に悪影響を与えます。
感染を疑う場合には、早めに医療機関を受診しましょう。
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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
MSDマニュアル寄生虫感染症の概要
待てば…自然に出てくるんじゃないの?
サナダムシに感染している場合は、たとえ少しでてきたとしても、そのまま放置はNGです。
サナダムシを駆除するには、薬の内服が必要です。
虫の一部が切れて、体外に排出されることはありますが、残った部分は体内で育っていきます。
また、現段階で無症状であっても、次第に下痢や腹痛、体重減少などの不調が起こるようになります。
サナダムシの寄生を疑う場合は、放置せずに医療機関で診察・検査を受けましょう。
病院は何科?
サナダムシが出てきたときは、内科・消化器内科を受診しましょう。
放置すると、サナダムシはどんどん成長し、下痢や吐き気などの不調をもたらします。
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サナダムシ感染症はこんな病気です
サナダムシの幼虫・卵が付着した食べ物を食べて発症します。
主に消化管を生息場所として寄生し、体内の栄養を奪っていきます。
サナダムシ感染を引き起こす、食べ物の例として、サケ・マスなどの魚、豚・牛などのレバーなどがあげられます。
日本で最も発生頻度が高いサナダムシ感染症の原因は、魚類に寄生する日本海裂頭条虫です。豚肉や牛肉によるサナダムシ感染症は、日本では症例が少ないですが、輸入したものや海外で食した場合に発症することがあります。
症状が進行すると、
などを生じることがあります。
また、稀に重い症状(腸閉塞や肺炎など)になることもあります。
こんな症例も!
海外では18メートルほどのサナダムシがいたというケースがあるようです。
病院での検査方法
サナダムシの感染を疑う場合、医療機関では検便での肉眼検査や血液検査を行います。
排出されたサナダムシを持っていければ持って行きましょう。
どうやって出すの?
医療機関での治療には、サナダムシを駆除する内服薬を使用します。
なお、内服薬は成虫を死滅させる作用はありますが、成虫が産んだ卵には働きかけません。
卵が便から排出されてしまえばいいのですが、口から取り込むと再び感染してしまいます。
そのため、治療中は排便後の手洗いを徹底して、卵の侵入を防ぐ必要があります。
入院が必要になることも…
下痢がひどい場合や体重減少が大きい場合など、症状が重い場合は入院で治療を受けることもあります。この場合、2日ほどの入院が必要になります。
(腸閉塞や肺炎など他の症状が出た場合はさらに長くなります。)
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ふわふわした便が出るけど、大丈夫なの?
黄土色のふわふわした便が出る原因について、お医者さんに聞いてみました。
要注意なケースも紹介するので、心当たりがないかチェックしましょう。
「黄土色でふわふわの便」が出た!体に異常があるの?
黄土色や黄色は、通常の便の色です。
また、ふわふわした便が1回出る程度であれば、「ゆるい便が出ただけ」と考えられるため、心配いりません。
便に含まれる水分が多いと、ふわふわした柔らかい便になります。
体の冷えやストレス、暴飲暴食などの原因が考えられますが、1回程度であれば問題ないでしょう。
こんな便は要注意
便の色が黒色・濃い茶色だと、便が腸に停滞している可能性があります。
また、赤色が混じると出血が疑われるので、注意が必要です。
ふわふわうんちの「よくある3つの原因」
体が冷えている
アルコールのとり過ぎ
ストレス・緊張
ふわふわした黄土色の便が出る場合、よくある原因として上記の3つが考えられます。
よくある原因① 体が冷えている
体が冷えると、胃や腸も冷えて動きが悪くなります。
すると、腸が水分を吸収しきれず、便に水分が多く含まれるため、ふわふわした便が出ます。
デスクワークで座っている時間が長い人や、運動不足の人は体が冷えやすいです。
対処法は?
体の冷えに心当たりがある人は、普段から以下の対策を行いましょう。
部屋の温度を暖かくする
暖かい格好をする(衣類で調整する)
カイロをなど使ってお腹を温める
温かい食べ物・飲み物をとる
適度に体を動かす
よくある原因② お酒を飲みすぎている
お酒をたくさん飲むと、大腸が活発化して水分が吸収されなくなるため、便に水分が多く含まれます。
その結果、柔らかい便が出やすくなります。
また、アルコールの過剰摂取は、水分・電解質が排出されやすくなるため、下痢を起こしやすいです。
対処法は?
お酒を飲みすぎたら、きちんと水分補給を行いましょう。
経口補水液を飲むのがおすすめです。電解質を補給できるため、早い回復が見込めます。
よくある原因③ ストレス・緊張
ストレスや緊張によって自律神経が乱れると、腸が過敏になりやすいです。
すると、便が柔らかくなったり、下痢を起こしたりすることがあります。
一時的なものであれば過度な心配はいりませんが、ストレス自体は自律神経に影響してさまざまな不調につながるため、適度に発散することを心がけてください。
対処法は?
まずは、
6~8時間程度の睡眠時間を確保する
仕事や家事で無理をし過ぎず、適度に休息をとる
温かい飲み物を飲む
などして、体を休めましょう。リラックスして過ごすことが大切です。
黄土色のふわふわ便を繰り返すときは要注意!
短い時間に何度も同じ状態の便が出る
下痢症状があり、悪化している
強い腹痛
吐き気・嘔吐
冷や汗
めまい
湿疹
痙攣
上記に該当する場合、ウイルス感染や食中毒などが考えられるため、医療機関で受診しましょう。
感染したウイルスによっては、治療が必要なケースもあるので、早目に受診してください。
まずは「内科」で相談するとよいでしょう。
病院では、問診・腹部の触診などが行われます。
医師に症状を伝えるポイント
頻繁な排便があったか
時間の経過に伴う便の変化
便の特徴以外の症状(発熱・腹痛・嘔吐・吐き気など)
不調の原因として思いあたること
受診の際に上記の点を伝えると、診察がスムーズに進むと考えられます。
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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
厚生労働省 食中毒を疑ったときには
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。