「目の焦点が合わない…」
「もしかして、脳の病気?」
“脳の病気による視野の異常”について、お医者さんに聞きました。
脳梗塞、脳出血は命に関わるため、早急の受診が必要です。
心当たりのある症状がないか、確認してみましょう。
目の焦点が合わないのは脳の異常?
脳の異常が視神経に影響を及ぼすと、目の焦点が合わなくなることがあります。
これは、両目の視力のバランスが崩れることによって起こります。
脳の異常の場合、
といった症状が現れるケースもあります。
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2020-12-28
目の焦点が合わない…。これは何かの病気?
この症状で考えられる病名を、お医者さんに聞きました。
脳の病気は命に関わるため、併せてチェックしておきましょう。
目の焦点が合わない…これはなんの病気?
目の筋肉や神経の異常
脳の異常
が起きている可能性があります。
具体的な病名には、
仮性近視
老眼
核硬化白内障
ウェルニッケ脳症
などが挙げられます。
それぞれ病気について、以下の項目で詳しく解説します。
病気① 仮性近視
目の使いすぎで起こる、一時的な近視です。
症状の特徴
眼の疲れが重くなるほど、見えづらくなります。
<その他の症状>
頭痛
眼の渇き
眼の疲れ
仮性近視になりやすい人
液晶画面(パソコン・スマホ等)を長時間見る人に起こりやすいです。
また、暗い場所で本を読む人も要注意です。
どう対処すればいい?
液晶画面を見る際は、1時間に10〜15分程度休憩を取りましょう。
また、ときどき画面から眼を離し、遠くを見てください。
目の使用を控えても改善しない場合は、眼科で相談しましょう。
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病気② 老眼
加齢によって起こる視力調節障害です。
水晶体(目の中にあるレンズ)が弾力性を失うことで発症します。
症状の特徴
近くのものに、焦点が合わなくなります。
老眼になりやすい人
個人差はありますが、40歳前後から発症します。
どう対処すればいい?
まずは眼科で相談してください。
老眼と診断された場合は、老眼鏡を作りましょう。
もともと近視の方は、眼鏡度数を弱めると見えやすくなることもあります。
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病気③ 核硬化白内障
目の水晶体の中心部が硬くなり、白く濁ってしまう病気です。
主に加齢によって発症します。
症状の特徴
徐々に焦点が合わなくなります。
<その他の症状>
遠くのものが見えにくい
老眼なのに、近くのものが見える
核硬化白内障になりやすい人
65歳以上の人に多い病気です。
また、スマホやパソコンをよく見る人は、発症リスクが高まります。
どう対処すればいい?
眼科で治療を受けましょう。
進行を止めるには、薬での治療が必要です。
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病気④ ウェルニッケ脳症
ビタミンB1の欠乏で発症する、脳の病気です。
放っておくと、命を落とす恐れがあります。
症状の特徴
徐々に焦点が合わなくなります。
<その他の症状>
眼球が細かく震える
体を思い通りに動かせなくなる
意識障害
ウェルニッケ脳症になりやすい人
摂食障害を患っている人や、アルコール依存症の人に発症しやすいです。
また、つわりがひどい妊婦に発症するケースもあります。
どう対処すればいい?
命に関わるため、早急に病院を受診しましょう。
ウェルニッケ脳症を疑う場合は、脳神経内科を受診してください。
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病院に行く目安
市販の目薬を使用しても症状が改善しない
症状が1週間以上続いている
といった場合は、受診をおすすめします。
目の不調だけの場合は、眼科を受診しましょう。
ただし、
意識がもうろうとする
眼球が細かく震える
体を動かせない
という場合は、大変危険です。
この場合は、早急に脳神経内科を受診してください。
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早期受診をおすすめします
目の不調には、病気が隠れているケースもあります。
早めに受診することで、症状の進行を食い止めやすくなります。
症状にお気づきの場合は、一度病院で相談してみましょう。
▼参考
e-ヘルスネット ウェルニッケコルサコフ症候群
目の病気との見分け方は?
|
脳の病気 |
目の病気 |
目の見え方 |
片目ずつ見え方が異なる |
両目とも見え方が同じ |
よく伴う症状 |
視野が狭くなる、体の片側のしびれ・麻痺 |
視力低下、目の痛み、目の違和感、まぶしい |
脳は左右二つに分かれているため、脳に異常が生じると片目の視力にだけ影響を及ぼします。
両目の見え方が伴っている場合は、脳の異常ではなく眼圧などが影響していると考えられます。
こんなときは一旦様子を見てみましょう
目の使いすぎによる“眼精疲労”によって、一時的に目の焦点を合わせにくくなることもあります。
長時間のデスクワークなどに心当たりがある場合は、目を休めて一旦様子を見てみましょう。
目を休めて症状が改善するのであれば、心配する必要はありません。
こんな症状は「要注意!」脳梗塞・脳出血かも
- 頭を叩かれたような激しい頭痛
- めまい
- うまく歩けない
- 物につまずいてしまう
- ろれつが回らなくて話せしにくい
- 言葉を理解できなくなる
- 手足の力が入らない
- 片足を引きずっている
- 体の片側だけ痺れる
上記の症状がある場合、脳梗塞や脳出血の可能性が高くなります。
特に体の麻痺、激しい頭痛などを伴うときは、救急車を手配してください。
脳の病気を引き起こす「原因」
脳の病気は、高血圧症や糖尿病といった動脈硬化を引き起こす生活習慣病が原因となるケースが多いです。
そのため、
などに心当たりがある人は要注意です。
脳の異常を疑う場合、病院は何科?
脳の異常を疑うときは、脳神経外科を受診しましょう。
脳の病気が悪化すると、死に至る恐れがあります。
また、命が助かったとしても、治療が遅れることによって体の麻痺、言語障害などの後遺症が残る場合もあります。
これらのリスクを避けるためには、早めの受診が重要です。
どんな検査を受けるの?
CT検査やMRI検査などを行い、脳内の出血や動脈瘤の有無を調べます。
医療機関によって異なりますが、日帰りの場合や、検査内容によっては入院が必要になることもあります。
症状に合わせて、薬の投与や手術などの治療法が選択されます。
また、体の麻痺や言語障害といった後遺症が残った場合は、退院後にリハビリ治療を行います。
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一時的に回復したとしても、必ず病院へ!
一時的に症状がなくなったとしても、油断はキケンです。
脳梗塞の前兆として、視野の異常や体の麻痺が“短時間だけ現れて消失する”という症状もあります。
異変に気づいたら、すぐに医療機関を受診してください。
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2020-11-18
目のピントが合わなくて、ぼやけて見える…。
原因はストレス?目を使いすぎ?
目の悩みを解消する方法を、お医者さんにお聞きしました。
病院を受診する目安や自分でできる対処法も紹介しています。
なぜ?ピントが合いにくい4つの原因
ケース①:ストレス
ストレスによって、目の調節機能が不具合を引き起こします。
心身の疲れや過労、睡眠不足などが続いていると、ストレス状態となります。
<見え方の特徴>
ピントが合いにくい
よく見えない など
<自分でできる対処法>
栄養バランスの良い食事と十分な睡眠を取りましょう。
適度にストレスを発散してください。
ケース②:眼精疲労
目を酷使すると、ピント機能が調節しづらくなります。
<見え方の特徴>
ピントが合わない
ぼやっとして見える など
<自分でできる対処法>
近年は、パソコン、テレビ、ゲーム、携帯電話など目に負担をかけるものが身近に多いので、眼精疲労を感じている時は、目のために休みをとりましょう。
45分連続してパソコンを見た後は、15分程度画面から目を離し、遠方を見るようにして目の機能が近場で固まらないようにしましょう。
ケース③:老眼
加齢によって、目のピント調節機能の機能低下やドライアイなどが発生し、老眼となります。
<見え方の特徴>
ピントが会うまでに時間がかかる
いつまでもはっきり見えない など
<自分でできる対処法>
ピントが合う老眼鏡を作りましょう。
近視の人はめがねをはずせば、近方が見えやすい人もいます。
ケース④:緑内障
視神経がなんらかの影響を受けて、見える範囲が狭くなっていきます。
<見え方の特徴>
急性緑内障の場合、一気に視野が狭まる
慢性緑内障の場合、徐々に視野が狭まる
<自分でできる対処法>
自分でできる対処法は、残念ながらありません。眼科へ行きましょう。
治療薬はなく、病気が進行しないように薬を使い続けるしかありません。
ピントが合いにくい人は眼科で定期検診を受け、緑内障の発症がないかチェックしてください。
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こんな習慣に気をつけよう
長時間におよぶパソコン・携帯電話・テレビ・ゲームなど液晶機器の使用
暗いところで何かを見る
パソコン・携帯電話・テレビ・ゲームなど液晶機器を見ていると、目のピント調節機能があまり使われず、固定されているような状態が長時間続きます。
このような状態が続くと、目のピント調節機能がスムーズに働かなくなり、ピントが合わなくて疲れるという悪循環を引き起こします。
液晶画面を見続けると、まばたきをする回数が減りやすくドライアイの原因に。その結果、目の疲れを生み出してしまいます。
目をケアする方法
まばたきをし、目の渇きをなくす
液晶画面を見るときは、1時間の間に10 ~15分程度の休憩をとる
目の疲労回復に良いビタミンB12を、目薬や食事から摂る
こんな見え方は要注意!すぐに病院へ
見えにくい・ピントが合いにくいという症状に、
・充血
・痛み
・頭痛
・吐き気
などが加わったときは、急性の緑内障かもしれません。
すぐに眼科を受診してください。
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治療せずに放置すると…
緑内障の場合、放置すると視野欠損が進み視野が狭まります。
最悪、失明することもあるので、目が見えにくいと思ったら先延ばしにせず、眼科を受診しましょう。
早期発見であれば、点眼薬で進行を抑えることができます。
▼参考
日本眼科学会 緑内障
http://www.nichigan.or.jp/public/disease/ryokunai_ryokunai.jsp
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。