腕を上げると肩が痛いのは「五十肩」や「腱板断裂」の可能性大【20代も注意】

更新日:2022-08-31 | 公開日:2021-05-28
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腕を上げると肩が痛いのは「五十肩」や「腱板断裂」の可能性大【20代も注意】

腕を上げると肩が痛むのは、なぜ?

肩の痛みで考えられる原因を、お医者さんが解説します。
筋トレ・ストレッチなどの対処法も、併せて確認しましょう。

監修者
河合 隆志 先生

フェリシティークリニック名古屋
医学博士

河合 隆志先生

経歴

’97慶應義塾大学理工学部卒業
’99同大学院修士課程修了
’06東京医科大学医学部卒業
’06三楽病院臨床研修医
’08三楽病院整形外科他勤務
’12東京医科歯科大学大学院博士課程修了
’13愛知医科大学学際的痛みセンター勤務
’15米国ペインマネジメント&アンチエイジングセンター他研修
’16フェリシティークリニック名古屋 開設

なぜ?腕を上げると肩が痛い…

医師男性

腕を上げると肩が痛む場合、

  • 肩の関節に、炎症が起こっている
  • 肩まわりの組織に、損傷が起こっている

と考えられます。

病院を受診すべき?安静で大丈夫?

医師男性
症状が出て間もない場合には、一旦様子を見てみましょう
  • 寝違え
  • 血行不良
  • 肩を酷使する仕事(重い物を運ぶ等)
  • スポーツ(ベンチプレス、野球等)

などが原因となり、一時的に肩の痛みが起こる場合もあります。

ただし、こんな症状は、病院で相談を

医師男性
  • 症状が3日以上改善しない
  • 痛みが強い
  • 痛みがどんどん悪化する
  • 腕にしびれがある
  • 背中や胸も痛む
  • 安静時にも痛みがある

といった場合は、受診をおすすめします。

腕にしびれが生じる場合、頚椎(首)の病気も考えられます。
また、背中や胸の痛み、安静時の痛みには、心臓や肺の病気が隠れているケースもあります。

病気が悪化すると手術や入院が必要になることもあるため、早めの受診を心がけましょう。

何科で受診すればいい?

医師男性
腕を上げると肩が痛いときは、まず整形外科を受診してください。

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よくある2つの原因

医師

医師男性

腕を上げると肩が痛いのは、

  1. 肩関節周囲炎(五十肩、四十肩)
  2. 腱板断裂

の可能性が高いです。

原因① 肩関節周囲炎(五十肩、四十肩)

医師男性
肩関節・肩の関節包に炎症が起こる病気です。
代表的な症状として、「腕を上げたときの肩の痛み」が挙げられます。

この病気によって、関節包が厚みを帯びたり癒着したりすると、肩を動かしにくくなります。

肩関節周囲炎に「なりやすい人」

  • 40~60代の人
  • 日頃から姿勢が悪い人
  • 運動不足の人(肩を動かさない生活)
  • 慢性的に肩が凝っている人
  • デスクワーク中心の人

日頃から肩をあまり動かしていない生活を送っていると、血行不良によって発症リスクが上昇します。

10~20代の若い世代での発症は、ほとんどないと考えられています。

肩関節周囲炎の「原因」

医師男性
原因がはっきりわからないケースが多いです。
ただし、加齢による変化や、血行不良などが関わっていると考えられています。

加齢による変化とは、肩の関節・筋肉・靭帯などが徐々に弱くなっていくことを指します。
一方血行不良は、筋肉の疲労物質などを蓄積させてしまうため、肩の炎症を招く原因となります。

自分でできる対処法

医師男性
肩関節の筋トレ・ストレッチによって、症状の改善が期待できます。
※ただし、ストレッチなどは痛みが落ち着いてから行うようにしてください。

肩関節の筋トレ

肩 トレーニング

500mlの水が入ったペットボトルを用意し、①~④の流れで行ってください。

  1. 仰向けになる
  2. ペットボトルを持って、肩を90度に挙げる
  3. 腕を外側に少しずらし、肩を元の位置に戻す
  4. この運動を10回程度繰り返す

肩関節のストレッチ

  1. 肩幅程度に足を広げて立つ
  2. 腕の力を軽く抜く
  3. 水泳のクロールの動作をゆっくり行う(10回程度)
  4. 背泳ぎの動作をゆっくり行う(10回程度)

※ストレッチ中に違和感や痛みが現れたときには、無理せず中止してください。
また、セルフケアを行っても症状が改善しない場合には、整形外科で相談しましょう。
ほかの病気が隠れている可能性もあるため、検査が必要です。

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原因② 腱板断裂

医師男性
肩の“腱板”という組織が切れて炎症が起こると、肩の痛みを感じます。

腱板(けんばん)ってなに?

腱板は、腕を回す動作・腕を上げる動作に必要な筋肉です。
肩甲骨の突起と上腕骨の間にあり、棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋の4つの組織から構成されています。

腱板断裂になりやすい人

  • 40代以上の中高年世代
  • 肩を使うスポーツを行う人(野球、テニス等)
  • 重い物を持つ仕事をしている人
  • 喫煙者

スポーツやケガが原因となって、10~20代の若い世代に発症するケースもあります。

腱板断裂の原因

医師男性
  • 加齢による変化
  • 肩を酷使する仕事、スポーツ
  • ケガ

などが原因です。

加齢による変化には、肩腱板が脆くなることが挙げられます。
また、肩(腕)を上げる動きを頻繁に行うほど、骨に挟まれて腱板が切れるリスクが上昇します。

自分でできる対処法

医師男性
腱板断裂の改善には、ストレッチで肩甲骨周辺の筋肉を大きく動かすと良いでしょう。
ただし、痛みが強い時期にはストレッチは行わず、肩を動かさないようにしてください。

タオルを使ったストレッチ

テーブルの上にタオルを広げ、①~⑤の流れで行ってください。

  1. 椅子に座りタオルに両手を置く
  2. 両手の間隔を肩幅の位置に合わせる
  3. タオルを滑らせるように、上半身を前に倒す
  4. 無理のない位置で、3秒間ほどキープ
  5. 体を元の位置に戻す

少しでも違和感・痛みを感じたときには、ストレッチを中止してください。
また、症状が改善しない、痛みがひどくなるといった場合には、早急に整形外科を受診しましょう。

長引く痛みは必ず病院へ!放置すると…

医師男性
肩の痛みを放置すると、痛みが悪化したり、肩の可動域が狭くなったりして、日常生活に悪影響が出る場合があります。

また、肩腱板の完全断裂など、重い状態に陥るリスクもあります。
悪化すると症状の改善が大幅に遅れるため、早めに受診して治療を受けることおすすめします。

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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。

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