歯医者さんに聞く「歯は磨きすぎはよくない」理由。黄ばみ・歯茎下がりの原因に…

「歯は磨きすぎもよくない!?」
「歯茎下がりや黄ばみの原因にもなる？」

歯の磨きすぎで生じるリスクを、歯医者さんにお聞きしました。
歯磨きの適切な回数、歯磨きのコツも併せて解説します。

監修者

歯科医

菊地 由利佳先生

経歴

歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。

歯は磨きすぎもよくないって本当？

歯磨きを丁寧に行うことは大切です。

しかし、過剰に力を入れたり、時間をかけて磨きすぎたりすると、歯や歯茎にダメージを与えてしまう可能性があるので注意が必要です。

歯の磨きすぎ「2つのリスク」

歯の磨きすぎると

• 歯に黄ばみが出る
• 歯茎が下がってくる

といったリスクがあります。

リスク①　歯に黄ばみが出る

歯の磨きすぎは、歯の表面で歯を守っている「エナメル質」を剥がしてしまいます。
この状態になると、歯の透明感がなくなって黄色っぽく見えてしまいます。

リスク②　歯茎が下がってくる

強い歯ブラシで歯磨きを続けていると、常に歯茎を傷つけている状態となり、歯茎が下がっていきます。
歯茎が下がって歯がむき出しになると、虫歯・知覚過敏（※）を発症しやすくなります。

また、見た目にも一部だけ歯が大きく見えて、悪目立ちすることがあります。
一度下がった歯茎の肉は自然に元に戻ることはないため、注意が必要です。

「歯磨き時間」はどれくらいが適切？

歯磨きは3～10分間ほどが適切だと推奨されています。

それ以上の時間磨いている場合は、磨きすぎと考えられます。

テレビ見ながら歯磨きをしたり、本を読みながら歯磨きをしたりする「ながら磨き」は、いつの間にか磨きすぎになっている可能性が高くなるので注意しましょう。

「歯磨き回数」は、どれくらいが適切？

歯磨きは1日3回を目安に、毎日の食事後に1回ずつ行うとよいでしょう。

1日4回以上は、磨きすぎです。

磨きすぎを防ぐ「3つの注意点」

歯の磨きすぎを防ぐためには

• 歯ブラシは「ふつう」や「やわらかい」タイプを使う
• ブラッシングに「力を入れすぎない」
• 歯ブラシは「毛先が揃っているもの」を使う

といったことに注意するとよいでしょう。

その①　歯ブラシは「ふつう」や「やわらかい」タイプを使う

歯ブラシは、「ふつう」や「やわらかい」と書かれたものを選びましょう。

歯ブラシがかたいと、それだけ歯を削り取る力も強いです。
歯と歯茎を傷つける恐れがあるので、かたい歯ブラシは避けましょう。

その②　ブラッシングは「力を入れすぎない」

やわらかい歯ブラシを使い、適度な力でブラッシングしましょう。
歯ブラシは”鉛筆持ち”で軽く握って、小刻みにブラシを動かすとよいでしょう。

ブラッシングに力は必要ありません。
力をかけて大きく磨くと、歯と歯茎にダメージを与えやすくなります。

その③　歯ブラシは「毛先が揃っているもの」を使う

毛先がまっすぐ向いていない歯ブラシは、磨いていても汚れを十分に落とせません。

「あまり汚れが落ちていない」と感じると強く磨いてしまう方が多いので、ブラシの毛先もよくチェックしてください。

古くなった歯ブラシは、毛先が外側に開いてきます。
毛先が揃わなくなったら、新しい歯ブラシと交換しましょう。

こんなときは歯医者で相談を

• 歯茎の一部が下がっている
• 飲食時や歯磨きの際に歯がしみる

といったときは、歯医者で状態を確認してもらいましょう。

この場合、歯の磨きすぎが原因で歯茎が傷ついていたり、歯がすり減っていたりする疑いがあります。
歯茎の後退や歯のすり減りがある人は、治療を受けて進行を食い止める必要があります。

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 どんな治療を受けるの？

歯医者では、正しいブラッシングの指導が行われます。
歯茎の後退が強い場合は、歯茎の移植などの治療が検討されます。

また、歯茎から出血がある人、膿が出ている人は歯周病も疑われます。
そのため、検査の後に歯周病の治療を行うケースもあります。

歯の不具合を感じたら早めに歯医者へ！

歯茎と歯は一生使う大事な器官です。
何らかの不具合を感じた場合、早急に診察を受けるのをおすすめします。

特にブラッシングの癖はご自身で直しにくいので、歯科医師の指導を受けるようにしてください。
早期受診すると、歯茎の後退や歯のすり減りがひどくなるのを防ぎやすくなります。

定期検診などの予防メンテナンスと組み合わせて、歯と歯茎を守りましょう。

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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。