ストレスが原因で「歯肉炎」に？自分で治せる？放置すると歯周病になるかも

「ストレスが原因で歯肉炎になるの？」

歯肉炎はストレスが原因で引き起こることもあります。
悪化すると歯が抜け落ちるリスクもあるため、治らない場合は要注意です。

監修者

歯科医

菊地 由利佳先生

経歴

歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。

ストレスが原因で歯肉炎に？

歯肉炎っぽい症状が…。
思い当たるのがストレスくらいなのですが、ストレスが原因で歯肉炎になることもあるのでしょうか？

はい、ストレスが原因で歯肉炎になることもあります。

「歯肉炎」とは歯肉（歯茎）に炎症が起きている状態です。
歯肉炎の根本の原因は、磨き残しによる「歯垢」や「歯石」です。
歯垢や歯石は“細菌の塊”で、その細菌が活発になって炎症を起こすと、歯肉炎になります。

ストレスや疲労で免疫力を低下すると、唾液の分泌量が減ります。
唾液には「細菌を洗い流す」「細菌の活動を抑制する」などの働きがあるため、唾液の減少によって口の中の細菌が活発になり、歯肉炎が引き起こされます。

歯肉炎が悪化すると、歯周ポケットが深くなっていき、次第に歯を支える骨が溶かされていきます。
最終的に歯が抜け落ちる恐れもあるため、放置は禁物です。

「私は大丈夫!?」歯肉炎の症状レベルチェック

軽度の歯肉炎の症状

軽度の歯肉炎では、痛みはさほどありません。
歯肉が赤く腫れて、歯磨きなどの刺激で出血することもあります。

これは、歯肉だけが炎症を起こしている状態です。

中等度の歯肉炎（歯周炎）の症状

中等度の歯肉炎になると、軽度の症状にプラスして歯がグラグラしたり、歯が浮くような感覚になり、硬いものが噛みにくくなります。

これは、「歯周炎」と呼ばれる状態です。
歯を支えている骨が少しずつ溶けていることで、上記のような症状を引き起こしています。

重度の歯肉炎（歯周炎）の症状

重度の歯肉炎（歯周炎）になると、歯が本格的にグラグラして食べ物が食べにくくなります。
また、歯肉から膿が出たり、口臭もひどくなり、歯肉が下がって歯の根が見えてきます。

これは、歯の骨がほとんど溶けて、歯周ポケットの溝もかなり深くなっていることで、上記のような症状を引き起こしています。

ストレスが治まれば、歯肉炎も自然に治る？

ストレスが原因の場合は、ストレスが解消されれば歯肉炎も自然に治るでしょうか…？

ストレスを解消して口の中を清潔に保つようにしていれば、歯肉炎が治ることもあります。
しかし、なかなか症状が落ち着かない場合は、自然治癒は難しいでしょう。

症状が悪化する恐れがありますので、歯医者を受診しましょう。

歯肉炎は「自分で治せる？」

軽度の歯肉炎であれば、セルフケアで口の中を清潔に保つことで、治せる場合があります。
丁寧な歯磨きで、歯石や歯垢が溜まらないようにしましょう。

ただし、改善が見られないときは、歯医者で相談しましょう。
セルフケアでは、どうしても汚れを落としきれないものです。
歯医者でクリーニングを受けることで、歯垢や歯石を隅々まで落としてもらえます。

なかなか治らない歯肉炎は歯医者さんへ！

歯肉炎が治らない・繰り返す場合は症状の悪化が疑えるため、“ストレスがある・ない”に関係なく、早めに歯医者を受診しましょう。

特に、

• 歯茎が腫れて痛む
• 歯茎から出血している
• 歯がグラグラする

などの症状がある場合は、悪化が疑われるため要注意です。

歯肉炎は「早期受診」をおすすめする理由

歯肉炎は早めに受診することで、症状の悪化を防げます。
また、症状が軽いうちに治療をすれば、治療にかかる時間や費用も軽減されます。

治療の開始が遅れると、その分治るまでに時間も費用もかかります。
「悪化した歯肉炎」は、大きな手術や全身に関わる疾患になる可能性もあります。

自身への負担を軽減させるためにも、早期受診をおすすめします。

“軽度”の歯肉炎の治療

• 歯磨き方法を見直す
• 歯石・歯垢の除去

などを行い、原因となる汚れを取り除きます。

“重度”の歯肉炎の治療

• 歯石・歯垢の除去
• 外科手術

などを行い、原因となる汚れを取り除いたり、歯肉炎で失われた組織を回復させます。
症状の状態によっては、抜歯が検討される場合もあります。

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