再石灰化って、どのくらい回復するの？促進する方法は？黒い虫歯は？

「再石灰化って、どのくらい回復する？」
「黒い虫歯も治るの？」

歯の再石灰化の効果を、歯医者さんに聞いてみました。
自然治癒が期待できる「虫歯の程度」も併せて解説します。

監修者

歯科医

菊地 由利佳先生

経歴

歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。

歯の再石灰化のしくみ

唾液に含まれる、虫歯菌の酸の力を弱める作用や、リン・カルシウムなどの成分によって、溶けたエナメル質が自然に修復されることを「再石灰化」といいます。

正常であれば、再石灰化の作用によって、歯の健康が保たれています。

再石灰化が間に合わなくなると「虫歯」になる

脱灰と再石灰化のバランスが崩れて、歯の修復が間に合わなくなると、虫歯が進行するようになります。

口の中で、歯は「脱灰（だっかい）」と「再石灰化」を繰り返しています。
脱灰とは、

• 食事により、歯のカルシウム成分が溶け出す
• 虫歯菌の酸により、歯のエナメル質の表面が溶ける

などの状態を指します。

歯の再石灰化には、こんな効果が！

歯の再石灰化には、

• 虫歯菌から歯を守る
• 初期の虫歯を修復する

などの効果が期待できます。

再石灰化が起きるタイミング

再石灰化は、食事と食事の間のタイミングで起こります。

食事をとると、2～3分で脱灰が始まります。
再石灰化は、食後40分〜60分ほどで行われます。

どんな虫歯だったら、再石灰化で自然治癒する？

初期のむし歯（CO）は再石灰化で自然治癒が可能です。
しかし、C1以上の虫歯では、自然治癒はしません。

ただし「C1」は、丁寧な歯磨きで進行を防げる可能性があるので、経過観察することもあります。

ちょっと黒い虫歯も…再石灰化する？

すでに黒ずんでいる場合は、エナメル質がある程度溶かされた状態なので、再石灰化での修復は難しいです。

再石灰化を促進するには？

歯の再石灰化を最大限に促進するために、

• 毎食後、歯磨きをする
• 再石灰化を促す食べ物を食べる
• キシリトールガムを噛む

などを実践しましょう。

対策①　毎食後の歯磨き

再石灰化を促すためには、毎食後に歯磨きをして「プラークコントロール」をすることが重要です。

虫歯の原因菌は、プラークという細菌の集合体の中に生息しています。
歯の表面にプラークが長く付着していると、虫歯菌が多くの酸をつくり出し、脱灰を優位にさせてしまいます。

また、歯ブラシだけでは「歯と歯の間のプラーク」を綺麗に取り除けないものです。
歯磨きに加えて、デンタルフロスや歯間ブラシを併用してケアすると、より虫歯を予防しやすくなるでしょう。

正しい歯磨きの方法

おすすめの歯磨き粉

高濃度フッ素配合の歯磨き粉がおすすめです。
フッ素には、唾液に含まれる「カルシウム」や「リン」を歯に再付着させ、再石灰化を促す作用があります。

対策②　おすすめの食べ物

• 再石灰化を促す「カルシウム」
• カルシウムの吸収をよくする「タンパク質」
• 再石灰化の調整を行う「ビタミンD」

などを含む食べ物をおすすめします

NGな食べ方

「頻繁に間食する」「早食い」はNGです

時間をかけてダラダラと食べ続けていると、虫歯菌が酸をつくり出す機会が増えてしまいます。
間食をとるのであれば、時間を決めて食べましょう。

また、早食いすると唾液が十分に分泌されません。
よく噛むことで唾液が分泌され、歯が溶けるのを防ぎやすくなります。

対策③　キシリトールガムを噛む

キシリトールには、虫歯の原因菌であるミュータンス菌の活動を弱める作用があります。
また、ガムはよく噛むことで唾液の分泌を促すため、再石灰化を促す上で効果的です。

歯医者さんの受診もおすすめ

歯医者で、

• フッ素コーティング
• 歯のクリーニング（PMTC）

などの治療を受けると、歯の再石灰化をさらに促せます。

また、定期的にチェックしてもらうことで、虫歯の早期発見にもつながります。
歯の健康が気になる人は、歯医者でメンテナンスを受けると良いでしょう。

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