「周りと比べて仕事のミスが多い…」
女性のADHDはどういった症状があるのか、お医者さんに聞いてみました。
男女別で出やすい症状も紹介するので、「ADHDかもしれない」と不安な人は必読です。
監修者
経歴
福島県立医科大学卒業
「働く人を支える」薬に依存しない医療を展開する「BESLI CLINIC」を2014年に協同創設、2030年を基準に医療現場から社会を支える医療経営を実践しています。
産業医視点からビジネスマン・ビジネスウーマンを支えております。生薬ベースの漢方内科での経験を活かし、腹診を含めた四診から和漢・井穴刺絡などの東洋医学を扱い、ホルモン、生活習慣をベースに身体から心にアプローチする診療を担当。米国マウントサイナイ大学病院へ留学、ハーバード大学TMSコースを修了。TMSをクリニックへ導入、日本人に合わせたTMSの技術指導、統括を行っています。
ADHDは、女性と男性では何が違う?
ADHDの症状の特徴として、「不注意」・「多動」・「衝動性」が挙げられます。
この中でも女性は「不注意」を特徴とする症状が強く出るケースが多いです。
「不注意」は、発達障害か否かを見分けにくい症状なので、女性はADHDだと気付かれにくい傾向があります。
一方で男性の場合は、「多動」や「衝動性」の症状が強く出やすいと言われています。
多動・衝動性は周囲に分かりやすい行動のため、発達障害だと気付かれやすいです。
不注意
(女性に出やすい)
|
- 指示内容を把握できない
- 周囲の反応を気にせず話し続ける(おしゃべり)
|
多動・衝動性
(男性に出やすい)
|
- じっと座っていられない
- 言わなくていいことを言ってしまう
|
ADHDが発覚しやすいシーン
ADHDは、幼少期だと見過ごされてしまうことが多いです。
そのため、大人になってから、職場・学校・家庭で発覚するケースがよく見られます。
例:会社で仕事の指示を受けても、周りの人のようにスムーズにこなせない等
「大人の女性のADHD」3つの特徴
大人の女性のADHDによくある特徴として、
- 衝動買いをしてしまう
- 予定を詰め込みすぎる
- 単純なミスや失くし物、忘れ物が多い
といった点が挙げられます。
これらの特徴に一つでもあてはまればADHDの疑いがあります。
ただし、上記の内容はADHDではない人にも見られるため、最終的な判断は専門医による診断が必要です。
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2022-02-24
「大人の発達障害」は診断を受けたほうが良いのか、お医者さんに聞いてみました。
「仕事でミスが多い…」
「人間関係が上手くいかない」
といった悩みがある方は、症状リストをチェックしてみましょう。
発達障害だと診断される基準、診断を受けられる診療科も併せてご紹介します。
発達障害かも「診断を受けるべきか」
「自分は発達障害かもしれない」と思うことがよくあります。
大人の場合でも、病院で診断を受けた方が良いのでしょうか?
今後のトラブルを防いでいくためにも、まず「発達障害か否か」を明らかにすることが大切です。「脳のエラー」が原因の場合、薬の服用などで改善を図れます。
人間関係が上手くいかない
同じことで注意されても直らない
仕事でミスを繰り返す
など日常生活で困ることが多い人は、一度医療機関で相談してみましょう。
うまくいかない理由がわかることで「気持ちが落ち着いた」というケースもあるので、気になる方は受診してみると良いでしょう。
【体験談】私が受診を決めたキッカケ
昔からずっと人見知りで中々グループに馴染めませんでした。ある日知り合いから「発達障害じゃないか」と指摘を受けたので受診を決意しました。
(30代男性)
何個か仕事を頼まれた時にどれから手をつけていいかわからずパニックになってしまいました。
頼まれた業務内容を書き出すことで順調に進められたため、「もしかして」と思い受診をしました。
(20代女性)
新卒で入社してから事務仕事で、ケアレスミスばかりしていて、同僚や上司に怒られることが多々ありました。
何度教えてもらっても覚えが悪いので、上司から大人の発達障害を疑われて精神科に行くように言われたのがキッカケです。
(50代女性)
大人の発達障害の症状チェック
発達障害の症状には以下のようなものがあります。
当てはまる数が多いほど、発達障害の疑いが強くなるといえます。
▼「日常生活」で起こりやすい症状
物音に敏感
数字や時刻表などに意味なく惹かれる
集中すると他のことが目に入らない
スケジュール通りに動くのが苦手
衝動買いをしてしまう
▼「仕事」で起こりやすい症状
臨機応変な対応が苦手
物事を最後までやり遂げられないことが多い
作業を順序立てて考えられない
長時間座っているのが難しい、体を動かしてしまう
不注意が多い
同じ間違いを繰り返し、指摘されることが多い
▼「人間関係」で起こりやすい症状
人と関わることが苦手
考えたことをすぐに口に出してしまう
「おしゃべりが多い」と言われる
丁寧に話していても他人から注意される
他人の考えていること想像できない、同調できないことが多い
約束や用事を忘れやすく、「物忘れが激しい」と注意される
子供の頃から人とのトラブルが多い
医師が「発達障害だ」と診断する基準目安
ASD(自閉症スペクトラム)のケース
対人関係を上手く築けない
興味がパターン化する
こだわりが強い
感覚の偏りがある
などが見られる場合、ASD(自閉症スペクトラム)と診断されることがあります。
※上記は特徴的な症状の例です。診断は、診察・カウンセリング・検査(スクリーニング検査、評価や診断の検査、認知機能検査)を通して行われます。
ASD(自閉症スペクトラム)ってどんな発達障害?
対人関係が苦手である、興味・行動のこだわりが強いといった傾向を持つ先天性の脳機能障害のことです。
多くの遺伝的な要因が複雑に関与して起こります。
ADHD(注意欠如多動症)のケース
不注意(ミスを繰り返す・物忘れなど)
多動(落ち着きのなさ)
衝動的な行動
などが見られる場合、ADHD(注意欠如多動症)と診断されることがあります。
ADHD(注意欠如多動症)ってどんな発達障害?
「不注意」と「多動・衝動性」を主な特徴とする発達障害の概念のひとつです。
※上記は特徴的な症状の例です。
診断は、診察・カウンセリング・検査(スクリーニング検査、評価や診断の検査、認知機能検査)を通して行われます。
受診時に伝えるとよいこと
初診では医師に、
現在悩んでいること(実際にあったトラブルや悩みの事例)
今までの事故や注意された事柄
成長過程で悩んでいたこと(幼少期や思春期など)
などを伝えるとスムーズに診察が進行します。
大人の発達障害って…何科?
大人の発達障害は、精神科で相談できます。
また、「発達障害の専門外来」を設けている医療機関もあります。
※医療機関により専門が異なる場合があるため、事前にウェブサイトや電話・メールで確認してから受診をすることをおすすめします。
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もし「発達障害だ」とわかったら?
発達障害の症状はお薬を服用したり、トラブル回避のために対策を立てたりすることで改善を図れます。
主治医と相談しながら、ご自身に合った改善策を考えていきましょう。
「日常生活での対策」の例としては、
忘れ物を防止するために必ずメモを取る
人の話を最後まで聞き、よく考えて行動する
などが挙げられます。
うまく対処できるようになると、次第に対人関係や仕事でのトラブルが減り、自信を持って生活できるようになります。
「診断を受けるべきか」迷っている方へ
発達障害は脳の障害であり、性格ではありません。
トラブルを避けるためには、まず診断を受けて原因を明らかにすることが大切です。
発達障害の人は周りから理解されないことが多く、普通の生活を送るだけで精一杯になってしまう人もいます。
最近では発達障害の医療体制もすすみ、「どのように行動すれば良いか」をアドバイスする医療機関や施設も多数あります。
人生をより自信を持って歩めるよう、自分自身を深く理解して少しずつ対応手段を身につけていきましょう。
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▼参考
厚生労働省 発達障害
特徴① 衝動買いをしてしまう
ADHDの特徴として、計画的に購入せず、衝動的に買い物をしてしまう癖があります。
衝動買いが頻繁に起こり、
- 経済的に困難な状況に陥っている
- お金の問題で、人間関係にトラブルが起こっている
といった状態は、ADHDが疑われます。
衝動買いは、「我慢がきかない」「イライラが強くなる」「注意深く考えない」といった状態に陥るのが原因と考えられます。
これは、前頭前野の機能調節に偏りがあるために起こります。
特徴② 予定を詰め込み過ぎる
ADHDの場合、処理できないほどの仕事を受けたり、予定を詰め込み過ぎたりすることがあります。
特に、
- 引き受けた仕事の提出を先延ばしにする
- 仕事を溜め込んでしまう
ことが頻繁に起きる場合はADHDが疑われます。
ADHDの方は、前もって計画を立てられない・優先順位を考えて行動できないといったことが多いです。
この症状は、脳内の神経伝達物質の働きが上手くいっていないことが原因と考えられています。
特徴③ 単純なミスや失くし物、忘れ物が多い
こんな「不注意」はADHDかも
- 単純なミスを何度も繰り返す
- 物を置いた場所を忘れる
- 物を失くしやすい
- 約束したことを忘れる
ADHDは、上記のような「不注意」の症状が強く出ることが多いです。
不注意の症状は、「気持ちのコントロールが困難になる」「注意力・記憶力・学習能力が低下する」といった状態に陥ることで生じます。
これは、脳内神経伝達物質(ドーパミン・ノルアドレナリン)の機能低下が原因だと考えられています。
【体験談】私が「ADHDかも」と気づいたキッカケ
職場で何度もケアレスミスを繰り返したり、忘れ物が多かったり…日頃から悩んではいました。ある日ネットでADHDのことを知り、自分に当てはまる箇所が多いと気づきました。(40代)
自分の子どもに発達の偏りがあっため病院に行った際、親のあなたも病院にいってみてはと診断を促され、調べた結果ADHDでした。確かに昔から忘れ物が異常に多かったです。(30代)
もしかしてADHDかも…どうしよう?
- 日常生活や社会生活を送る中で「生きづらい」と感じる
- 自己肯定感が低い(自分に自信が持てない)
- 周囲からのネガティブな反応に耐えられない
といった状態であれば、医療機関の受診をおすすめします。
ADHDを放置すると、二次障害(※)を引き起こすリスクが高まり、より強く生きづらさを感じるようになります。
(※)適応障害・社交不安障害・あがり症・パニック障害・強迫性障害・うつ病など
ご自身の特性を深く理解するためにも、一度医師の診察を受けるようにしましょう。
ADHDの検査・治療方法は?
医療機関では、
- 問診
- 心理検査
- 知能検査
- 頭部CT
- MRI
- 脳波検査
などの方法で診断を行います。
ADHDと診断した場合は、「薬物療法」・「心理・行動療法(カウンセリング)」による治療を行います。
▼薬物療法
ADHDは脳内の神経伝達の乱れによって、神経伝達物質(ドーパミン・ノルアドレナリン)の機能が低下している状態です。
この状態を改善するために、「中枢神経刺激薬」・「選択的α2Aアドレナリン受容体作動薬」等の抗ADHD薬が用いられるケースが多いです。
▼心理・行動療法(カウンセリング)
普段の行動パターン・考え方の癖を見直す治療方法です。
感情のコントロール・スケジュール管理などを上達させ、日常生活でのトラブル回避につなげます。
ADHDを根本的に改善させるには「薬物療法」だけでなく、「心理・行動療法」も並行して行う必要があります。
何科で相談する?
ADHDが疑われるときは、心療内科で受診しましょう。
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2022-10-28
ADHDの検査をしたいけど、費用が気になる…。
保険は適用される?
「ADHDの検査は保険適用になるかどうか」について、お医者さんに聞きました。
保険適用・自由診療それぞれの場合の費用目安や、初診から診断がつくまでの流れについても解説します。
ADHDの検査は保険適用になる?
ADHDの検査は、「保険適用になる検査」と「保険適用外(自由診療)の検査」の両方があります。
保険適用かどうか
検査の種類
保険適用
問診
心理検査(※)
スクリーニング
などの一般的な検査
保険適用外(自由診療)
MRI検査
血液検査
など
※心理検査は、行われる検査の種類によって、保険が適用されるケースとされないケースがあります。
一般的なADHDの検査であれば、保険が適用されます。
MRI検査や血液検査を行う場合や、医療機関独自の心理検査などを行う場合は、保険適用外となります。
保険適用になる検査
保険適用となるADHDの検査には、
問診
心理検査
認知機能検査
などがあります。
保険適用の検査① 問診
医師や心理士が、生活上の困りごとや、気になっている症状について聞き取りを行います。
その際、日常生活で困っていることが、ADHDの症状に当てはまるか確認します。
ADHDは、大人になって発症するものではなく、生まれもった特性なので、子どもの頃のことも質問されます。
費用の目安
問診にかかる費用の目安は、2,500円程度です。
保険適用の検査② 心理検査
心理検査は、知能・発達などを確認する検査です。
質問項目への回答を、用紙に記述していきます。心理士が聞き取りを行うこともあります。
心理検査は、ADHDを直接診断するものではありませんが、総合的に判断する際の参考になります。
また、ADHDは、発達の段階で苦手なことがわかるケースが多いため、本人が「苦手と感じること」についてもチェックします。
※心理検査には様々な種類があり、検査の内容によっては、自由診療となることもあります。
費用の目安
心理検査の費用目安は、保険診療の場合、1,350円程度です。
自由診療の心理検査の費用は、20,000〜30,000円程度です。
心理検査には様々な種類があるので、受ける検査が多くなれば、その分費用はかかります。
保険適用の検査③ 認知機能検査
記憶力・判断力といった認知機能の確認を行います。
用紙に記入する方法の他、タブレットに入力する方法もあります。
費用の目安
認知機能検査の費用は、500円程度です。
保険適用にならない検査
保険が適用されないADHDの検査には、
MRI検査
血液検査
などがあります。
自由診療の検査① MRI検査
脳の画像を撮影して、診断する検査です。
脳の発育の状態や、脳機能の異常などを確認します。
MRI検査を受ける際は、筒型の検査器に一人で入って、脳の画像を撮影します。
圧迫感を覚えやすく、閉塞感が苦手な人は「つらい」と感じるかもしれません。
また、検査中に鳴る機械音が苦手という人もいます。
費用の目安
MRI検査の費用目安は、30,000円ほどです。
自由診療の検査② 血液検査
採血した血液を調べる検査です。
体に悪い部分がないかを確認するために行います。
精神的な症状を引き起こしている原因として、「甲状腺疾患」や「脳炎」などの体の病気がないかを調べます。
費用の目安
血液検査の費用の目安は、2,000円程度です。
尿検査や歯の検査を行うことも
この他、尿検査や歯・耳・鼻などに異常がないかを調べる検査を行う医療機関もあります。
それぞれ保険適用外となることもあるので、事前に料金を確認しておきましょう。
ADHDの検査の相談は「精神科」へ
ADHDの検査は「精神科」で受けられます。
受診する前に、
現在、困っていること・対応できないこと
症状が出始めた時期
などをまとめておくとよいでしょう。
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「初診から診断まで」の流れ
問診
心理検査
スクリーニングや認知機能の検査
結果を伝える(ADHDなのかどうか)
検査の回数にもよりますが、通常、初診から診断がつくまでに数ヶ月かかります。
「初診から診断がつくまで」にかかる費用は、
保険診療 → 10,000円程度
自由診療の検査を受けた場合 → 50,000円程度
となることが多いです。
※上記はあくまで目安の金額になります。詳細の費用は医療機関によって異なります。
診断後の流れ
ADHDと診断がついた場合は、専門医・臨床心理士による「行動療法」とともに、必要に応じて「薬物療法」が並行して行われます。
ADHDの人が働きやすい環境や、家庭で過ごしやすい環境を整えるためのアドバイスも行われます。
通院頻度・期間の目安
通院頻度は、月1回程度の人が多いです。
通院期間は、1年程度が目安となりますが、個人差があります。
費用の目安
保険診療の場合、通院1回あたりの費用の目安は2,000円程度です。
精神科を探す
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
e-ヘルスネット ADHDの診断と治療
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2023-01-27
大人のADHDは見た目で分かるの?
「大人のADHDの特徴」についてお医者さんに聞いてみました。
特性ごとで異なる特徴も解説するので、自分や周囲の人が「ADHDかもしれない」と感じている場合は参考にしてみましょう。
大人のADHDは見た目でわかる?
ADHDは見た目(外見)では分かりにくいです。
これは大人に限った話ではなく、子どもの場合も同様です。
ADHDの人は、見た目ではなく行動に特徴があらわれます。
そもそもADHDとは?
ADHD(注意欠如・多動性障害)とは、「集中力がない」「落ち着きがない」「突発的に行動する」などの特徴が見られる生まれつきの障害です。
これらの特性により、学校や家庭、職場などで困る場面が多くなります。
大人になってからADHDであることが分かるケースも多いです。
大人のADHD「行動の特徴」をチェック
▼不注意
ミスが多い、同じミスを繰り返す
自分の考えを整理できない
スケジュール管理が苦手
タスクを順序だてて行えない
締め切りをなかなか守ることができない
忘れ物や失くし物が多い
仕事や作業に集中できない
▼多動性・衝動性
失言をしてしまうことが多い
衝動買いが多い
独断で重要事項を決めてしまう
常にそわそわしている・体を小刻みに揺らす(貧乏ゆすりなど)
上記の特徴に当てはまる場合、ADHDの可能性があります。
ADHDの3つの特性
ADHDは症状のあらわれ方によって、
不注意優勢型
多動性・衝動性優勢型
混合型
の3つの特性に分類されます。
分類
特徴
不注意優勢型
ミスすることが多い
多動性・衝動性優勢型
落ち着きがない/思いついたらすぐ行動する
混合型
「不注意優勢型」「多動性・衝動性優勢型」の両方の特徴が見られる
① 不注意優勢型
不注意優勢型は、大人になってからADHDに気づく場合に多いタイプです。
年齢不相応のミスを何度も起こし、日常生活・仕事に支障をきたします。
不注意優勢のADHDには、
約束を忘れてしまう
物をよく失くす
ケアレスミスが多い
などの特徴が見られます。
このような症状は、本人のやる気がない・怠けている、というわけではなく、脳の機能発達の偏りから起こっています。
② 多動性・衝動性優勢型
多動性・衝動性優勢型は、「落ち着きがない」「突発的に行動する」といった特徴が見られる一方で、「不注意」の特徴はあまり見られないタイプです。
多動性・衝動性優勢型のADHDの人は、
じっとすることができない
失言してしまう
なんとなくそわそわしている
身体を小刻みに動かす
といった行動が見られます。
③ 混合型
混合型は、「不注意優勢型」と「多動性・衝動性優勢型」の特徴が同じレベルで目立つタイプです。
ADHDの原因は?
ADHDは、脳の神経伝達が正常に行われておらず、特定の脳領域の活動が低下することが原因の一つだと考えられています。
ただし、現時点でADHDの発症原因ははっきりと判明していません。
ADHDかも…どうすればいい?
ADHDが疑われるときは、医療機関で検査を受けてみましょう。
早期にADHDかどうかを知ることができれば、適切な治療を受けることで、二次障害(※)の予防につながります。
(※)あがり症・パニック障害・強迫性障害・うつ病・適応障害・社交不安障害など
ADHDの適切な対処法を知っておくと、不注意によるミスを減らしたり、日常の不安な気持ちを解消したりできる可能性があります。
自分のADHDの特性を深く理解するためにも、医師の診察を受けましょう。
周囲の人はADHDの人とどう接するべき?
ADHDの人は疎外感や自己嫌悪感を抱いていることが多いです。
本人の悩みについて理解し、ミスを減らす工夫や対策を一緒に考えてあげましょう。
病院は何科?
ADHDが疑われるときは、「精神科」で相談しましょう。
診察時に伝えるとよいこと
今困っていること
いつから症状があるのか
治療中の病気や服用中の薬など
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ADHDを治す方法はあるの?
ADHDを完治させる方法はありません。しかし、
薬物療法
心理・行動療法(カウンセリング)
を受けることで、職場や社会に適応しやすくなると考えられます。
① 薬物療法
抗ADHD薬を使用して治療する方法です。
ADHDは脳内の神経伝達の乱れによって、神経伝達物質(ドーパミン、ノルアドレナリン)の機能が低下した状態となっています。
この状態を、薬の使用により改善することを目指します。
② 心理・行動療法(カウンセリング)
心理・行動療法は、普段の行動パターン・考え方の癖を見直す治療方法です。
「感情のコントロール」や「スケジュール管理」などを上達させ、日常生活でのトラブル回避につなげます。
心理・行動療法は、薬物療法と並行して行われます。
大人のADHDを改善するための生活習慣
睡眠の質を向上させたり、運動を習慣化したりすることで、ADHDの症状が緩和されたという研究結果があります。
大人のADHDと診断された場合は、下記のような睡眠・運動習慣を意識してみましょう。
▼睡眠
7〜8時間の睡眠時間を確保する
就寝1時間半前までに入浴する
就寝2時間前はPC・スマホ・テレビを見ない
お酒を控える、もしくはやめる
▼運動
ウォーキング・ジョギング・サイクリングなどの運動を1日30分程度行う
週に2回以上筋力トレーニングを行う
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
公益社団法人 日本精神神経学会 今村明先生に「ADHD」を訊く