そろそろ更年期が心配… 。
更年期障害にならない方法ってあるの?
「更年期の症状を軽くする方法」を、お医者さんに聞きました。
悪化を招く「NG行動」も載せているので、更年期の症状で悩みたくない方は必読です。
監修者
経歴
医療法人社団 石野医院
日本医科大学
日本医科大学付属病院
日本医科大付属第二病院
国立横須賀病院
東部地域病院
石野医院
“更年期障害にならない方法”ってあるの?
40代になり、そろそろ更年期障害が心配です…。更年期の症状を防ぐ方法ってあるのでしょうか…?
程度に差はあるものの、更年期の症状は女性に必ず起こるものです。
性格・ライフステージの変化が起因して重くなるケースもあるため、「完全に防ぐ」ことはできません。
ただし、「規則正しい生活を送る」など自律神経を安定させると、更年期の症状が軽くなりやすいと言われています。
女性は30代後半から、徐々に女性ホルモンの分泌が低下していきます。
症状の悪化を避けるためにも、遅くとも30代半ばから生活習慣を整えていくとよいでしょう。
更年期に不調が出る「理由」
更年期とは、閉経前後のおよそ5年間のことを指します(日本人の閉経の平均年齢は50歳頃)。
更年期に入ると、女性ホルモンの分泌が低下するため、ホルモンバランスが乱れて様々な不調が起こります。
代表的な症状としては、のぼせ・ほてり・動悸・頭痛・めまい・イライラなどが挙げられます。
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2022-12-23
更年期障害ってどんな症状が出るの?
なりやすい人の特徴は?
更年期障害について、分かりやすくまとめました。
普段の生活で心がけたいポイントや、病院に行く目安も紹介します。
更年期障害とは
女性は40代頃から、卵巣から分泌される「女性ホルモン」が急激に減少します。
これに伴ってあらわれる、さまざまな心身の不調を総称して、更年期障害と呼びます。
更年期障害は何歳から始まる?
更年期とは、閉経前後の5年ずつを指します。
50歳前後での閉経が平均なので、ほとんどの女性が45~55歳で更年期を迎えます。
更年期障害はいつ終わる?
更年期障害が、いつ終わるかは断言できませんが、長くても10年ほどです。
更年期障害の症状をチェック
のぼせ・顔のほてり(ホットフラッシュ)
息切れ・動悸
頭痛
めまい
不安を感じやすい、イライラしやすい
など
上記の症状は、更年期障害の主な症状の一例です。
更年期の症状は多岐にわたるため、上記以外の症状があらわれる人もいます。
「更年期の症状が出やすい人」の特徴は?
以下、それぞれの項目ごとに2~3個ずつ当てはまる場合、更年期障害を発症しやすいと考えられています。
▼睡眠
24時以降に眠り、10時以降に起床する日が週に3日以上ある
低血圧で、朝起きるのがつらい
夜中に目が覚めやすい
寝る前にスマートフォンやパソコンを使っている
浅い眠りしかとれず、熟睡感がない
▼食事
1日3食はとらない(よく欠食する)
食事の時間がバラバラ
食事量を過度に制限するなど「極端なダイエット」をしている
暴飲暴食している
好き嫌いがあり「偏った食生活」になっている
▼性格
人に比べて神経質
何事にも真面目
完璧主義
仕事などを頑張りすぎてしまう
怒りっぽく、些細なことでもイライラしやすい
▼その他
疲れやストレスが多い生活を送っている
休みが少なく、心身ともにリラックスできる時間がない
体が冷えやすい
運動する習慣がない
産後うつ・月経前症候群が重かった
※これらの症状に当てはまらない場合でも、更年期障害を発症する可能性はあります。
今からできる!更年期の症状を和らげる「5つの対策」
1日3食、主食・主菜・副菜の揃った食事をとる
1日7〜8時間程度の質のよい睡眠をとる
週3~4日、有酸素運動を行う
入浴のときは「湯船に浸かる」
こまめにストレスを発散させる
更年期の症状を和らげるには、自律神経を整えておくことが大切です。
上記の点を意識して、生活習慣を見直していきましょう。
こんな症状があったら「婦人科」で相談を!
眠れないことで憂うつな気分が続く
強い不安感がある
食欲がなく、体重が減った
息切れ・動悸がする
めまい・吐き気がする
激しい頭痛がある
上記のような症状が出ている方は、一度「婦人科」に相談してみましょう。
放置していると、症状が悪化して仕事に行けなくなるなど、日常生活に支障をきたす恐れがあります。
また、更年期症状の影響により不眠が続くと、睡眠に対するこだわりが強くなり、眠れないことへの恐怖心から症状が慢性化する恐れもあります。
どんな検査を受けるの?
更年期症状で病院を受診した場合は、一般的に、
問診
身長・体重・血圧の測定
検査(血液・子宮・卵巣・甲状腺・心臓等の検査)
を行い、患者さんの症状に合わせて治療が選択されます。
※検査内容等は、受診する医療機関によって異なることがあります。
どんな治療法があるの?
治療法としては、エストロゲン・プロゲステロンなどの女性ホルモンを飲み薬・塗り薬・貼り薬で補う「ホルモン補充療法(HRT)」や、「漢方薬」を使った治療法があります。
うつ症状が強く表れているときは、抗うつ薬や抗不安剤などの「向精神薬」が処方されます。
※飲み合わせの関係でホルモン補充療法や他の薬が使いにくい場合もあります。治療中の病気や飲んでいる薬は医師に伝えたうえで、薬を処方してもらいましょう。
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
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今からできる!更年期の症状を和らげる「5つの対策」
- 1日3食、主食・主菜・副菜の揃った食事をとる
- 1日7〜8時間程度の質のよい睡眠をとる
- 週3~4日、有酸素運動を行う
- 入浴のときは「湯船に浸かる」
- こまめにストレスを発散させる
更年期の症状を和らげるには、自律神経を整えておくことが大切です。
上記の点を意識して、生活習慣を見直していきましょう。
対策① 1日3食、「主食・主菜・副菜の揃った食事」をとる
1日3食、主食・主菜・副菜の揃った食事をとりましょう。
「和定食」のイメージです。
毎回の食事に主食・主菜・副菜を揃えることで、体に必要な栄養素をバランスよくとれるようになります。
栄養バランスのよい食事は、自律神経やホルモンバランスを整え、更年期症状の予防につながります。
更年期の症状を和らげる「食べ物」
▼「大豆イソフラボン」
など
→ 女性ホルモンと似た働きをしてくれます
▼「ビタミンE」
など
→ ホルモンバランスを整える作用が期待できます。
▼「発酵食品・食物繊維」
など
→ 腸内環境が整い、ホルモンバランスの乱れの緩和につながります。
対策② 1日7〜8時間の良質な睡眠をとる
質のよい睡眠をとるコツ
- 夜は11時(遅くとも12時)には寝る
- 夕食は就寝の2~3時間前に済ませる
- 夜はできるだけパソコン・スマホを触らない
- 就寝の2~3時間前に入浴する
1日7〜8時間程度の睡眠時間を確保するとよいでしょう。
ただし、時間よりも睡眠の質がより重要です。
朝目覚めたときに疲れがとれている、日中に眠気を感じない状態であれば、「睡眠が足りている」と判断できます。
質のよい睡眠は自律神経を整える上で重要です。
自律神経が整うと、ホルモンバランスが整いやすくなり、更年期が訪れたときの症状緩和につながります。
対策③ 週3~4日、有酸素運動を行う
有酸素運動を、1日に30分以上、週3~4日行う習慣をつけましょう。
有酸素運動を行うことで、運動前よりも更年期の症状が軽くなったという報告があります。
また、運動はストレス発散にもなり、睡眠のリズムを整える働きもあります。
まずは継続することが大切なので、無理せず取り組んでいきましょう。
時間を確保するのが難しい場合は、「外出時にいつもより長く歩く」、「テレビを観ながらスクワットする」など、生活の中に運動を取り入れるのもおすすめです。
対策④ 入浴のときは「湯船に浸かる」
毎日、湯船に浸かって体を温めましょう。
体が温まることで、自律神経がスムーズに働くようになります。
自律神経の働きがよくなると、臓器の血流が促され、女性ホルモンの分泌が活発になります。
「お腹を温める」ことも大切
といった対処もおすすめです。
お腹周りを温めることで、子宮や卵巣の血行がよくなると、女性ホルモンの分泌が促されます。
対策⑤ こまめにストレスを発散させる
「ストレス発散方法」の例
- 熱中できる趣味を持つ(ガーデニング・映画鑑賞など)
- 旅行に行って、気持ちをリフレッシュさせる
- 思い切り体を動かす
過度なストレスは、更年期の症状を悪化させ、更年期障害を引き起こしやすくなります。
普段からストレスをこまめに発散して、溜め込まないことが大切です。
要注意!更年期症状を悪化させる「NG行動」
といった行動は、卵巣機能に悪影響を及ぼし、更年期症状の悪化につながります。
女性は30代後半から、少しずつ女性ホルモンの分泌が低下していきます。
禁煙するなど、できるだけ早いうちから対策をとるようにしましょう。