更年期とは閉経前後の約10年を指します。
この時期は女性ホルモンの分泌が乱れ、さまざまな症状が現れます。
更年期では、女性ホルモンの一つでエストロゲンという言葉がよく出てきますよね。でも、エストロゲンについてちゃんとした知識を持っている人は少ないのではないでしょうか。
今回は、女性なら知っておきたい、とても大切なエストロゲンの働きについて見ていきましょう。
監修者
経歴
日本産婦人科学会専門医
2013年 東京大学医学部医学科卒業
巷には情報があふれ、正しい情報の選択はますます困難になっています。何を信じればいいか、不安でたまらない人の助けに少しでもなれれば幸いです。
女性ホルモン「エストロゲン」が減ると…
エストロゲンの分泌が減少することで更年期障害になるといわれています。
エストロゲン(卵胞ホルモン)は、主に卵巣から分泌されます。
思春期から分泌が活発になり、女性らしい丸みのある体づくりや月経に関わり、妊娠・出産に適した20~30歳で安定してきます。
日本人の閉経年齢は平均で51歳といわれており、この前後5年間でエストロゲンの分泌は減少していきます。
エストロゲンの働き
- 自律神経を安定化させる
- 骨を強くする(骨の形成を促進し、血管の収縮を抑える)
- 女性らしい体をつくる
- 肌や髪にツヤを与える
- 乳腺の発達を促進
- 子宮に働きかけ、子宮内膜を厚くして、受精卵の着床を補助する
- 脳の働きを活性化
- コレステロールの排出や分解を促進
不足ぎみのエストロゲンを補うには、食事や睡眠など生活習慣の改善が大事になります。
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2022-12-23
更年期障害ってどんな症状が出るの?
なりやすい人の特徴は?
更年期障害について、分かりやすくまとめました。
普段の生活で心がけたいポイントや、病院に行く目安も紹介します。
更年期障害とは
女性は40代頃から、卵巣から分泌される「女性ホルモン」が急激に減少します。
これに伴ってあらわれる、さまざまな心身の不調を総称して、更年期障害と呼びます。
更年期障害は何歳から始まる?
更年期とは、閉経前後の5年ずつを指します。
50歳前後での閉経が平均なので、ほとんどの女性が45~55歳で更年期を迎えます。
更年期障害はいつ終わる?
更年期障害が、いつ終わるかは断言できませんが、長くても10年ほどです。
更年期障害の症状をチェック
のぼせ・顔のほてり(ホットフラッシュ)
息切れ・動悸
頭痛
めまい
不安を感じやすい、イライラしやすい
など
上記の症状は、更年期障害の主な症状の一例です。
更年期の症状は多岐にわたるため、上記以外の症状があらわれる人もいます。
「更年期の症状が出やすい人」の特徴は?
以下、それぞれの項目ごとに2~3個ずつ当てはまる場合、更年期障害を発症しやすいと考えられています。
▼睡眠
24時以降に眠り、10時以降に起床する日が週に3日以上ある
低血圧で、朝起きるのがつらい
夜中に目が覚めやすい
寝る前にスマートフォンやパソコンを使っている
浅い眠りしかとれず、熟睡感がない
▼食事
1日3食はとらない(よく欠食する)
食事の時間がバラバラ
食事量を過度に制限するなど「極端なダイエット」をしている
暴飲暴食している
好き嫌いがあり「偏った食生活」になっている
▼性格
人に比べて神経質
何事にも真面目
完璧主義
仕事などを頑張りすぎてしまう
怒りっぽく、些細なことでもイライラしやすい
▼その他
疲れやストレスが多い生活を送っている
休みが少なく、心身ともにリラックスできる時間がない
体が冷えやすい
運動する習慣がない
産後うつ・月経前症候群が重かった
※これらの症状に当てはまらない場合でも、更年期障害を発症する可能性はあります。
今からできる!更年期の症状を和らげる「5つの対策」
1日3食、主食・主菜・副菜の揃った食事をとる
1日7〜8時間程度の質のよい睡眠をとる
週3~4日、有酸素運動を行う
入浴のときは「湯船に浸かる」
こまめにストレスを発散させる
更年期の症状を和らげるには、自律神経を整えておくことが大切です。
上記の点を意識して、生活習慣を見直していきましょう。
こんな症状があったら「婦人科」で相談を!
眠れないことで憂うつな気分が続く
強い不安感がある
食欲がなく、体重が減った
息切れ・動悸がする
めまい・吐き気がする
激しい頭痛がある
上記のような症状が出ている方は、一度「婦人科」に相談してみましょう。
放置していると、症状が悪化して仕事に行けなくなるなど、日常生活に支障をきたす恐れがあります。
また、更年期症状の影響により不眠が続くと、睡眠に対するこだわりが強くなり、眠れないことへの恐怖心から症状が慢性化する恐れもあります。
どんな検査を受けるの?
更年期症状で病院を受診した場合は、一般的に、
問診
身長・体重・血圧の測定
検査(血液・子宮・卵巣・甲状腺・心臓等の検査)
を行い、患者さんの症状に合わせて治療が選択されます。
※検査内容等は、受診する医療機関によって異なることがあります。
どんな治療法があるの?
治療法としては、エストロゲン・プロゲステロンなどの女性ホルモンを飲み薬・塗り薬・貼り薬で補う「ホルモン補充療法(HRT)」や、「漢方薬」を使った治療法があります。
うつ症状が強く表れているときは、抗うつ薬や抗不安剤などの「向精神薬」が処方されます。
※飲み合わせの関係でホルモン補充療法や他の薬が使いにくい場合もあります。治療中の病気や飲んでいる薬は医師に伝えたうえで、薬を処方してもらいましょう。
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
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エストロゲン分泌を「整える方法」
エストロゲン分泌を整えるには
- 食べ物から摂取する
- 良質な睡眠をしっかりとる
- 体を温める
といった方法があります。
①食べ物から摂取する
食事には大豆由来食品(豆腐、納豆、みそ、おから、油揚げ等)をとり入れましょう。
これらの食品には大豆イソフラボンが含まれています。
大豆イソフラボンとエストロゲンは分子構造が似ているので、大豆イソフラボンはエストロゲンの働きを助け、足りないところを補助します。
一方、自然のエストロゲンを食品で補うのは基本的に困難なので、やはり基本となるのはバランスのとれた食生活です。
②良質な睡眠をしっかりとる
睡眠時間は最低でも6時間は確保してください。
女性ホルモンの分泌は微妙なバランスで保たれており、わずかのストレスでも分泌が乱れることもあります。
更年期においても睡眠不足は回避したほうがいいでしょう。
特にホルモン分泌が活性化する夜10時~深夜2時に深い睡眠をとると、女性ホルモンの分泌が活発になります。
③体を温める
湯船につかって体を温めると、ストレスが軽減され、女性ホルモンの分泌が整います。
さらに、ストレスが緩和されて自律神経がスムーズに働くと、臓器血流がよくなってエストロゲンの分泌も活発になります。
エストロゲンを補う「治療法」
エストロゲンを補う治療法には「ホルモン補充療法(HRT)」があります。
更年期症状、更年期障害の治療方法で、閉経前後に不足してきたエストロゲンを補充する治療です。
現在、日本では、飲み薬、塗り薬、貼り薬が保険適用で処方されています。
飲み薬:プレマリン、ジュリナなど
塗り薬:ディビゲルなど
貼り薬:エストラーナ、フェミエストなど
ホルモン補充療法を施すことで、ほてりや多汗などのホットフラッシュ、睡眠障害、関節痛等の緩和、抑うつ状態の改善、骨密度増加といった更年期障害の症状を軽減する効果があります。
また、ホルモン補充療法では、子宮体がんの発症を抑えるためにプロゲステロンという女性ホルモンを併用して用います。すると、月経のように、性器からの出血を周期的に起こします。
ホルモン補充療法には、副作用も
ホルモン補充療法を始めて1~2ヶ月ほどすると、次のような副作用が現れることがあります。
- 胸の張り感
- おなかの張り感
- おりものの増加
- 胃の不調
また、5年以上連続してエストロゲン・プロゲステロンを含むホルモン補充療法を行うと乳がんを発症する確率が高まるといわれています。
副作用やがんのリスクを医師に相談しながら、治療を受けるようにしましょう。
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2022-07-28
なぜ?更年期に下腹部痛と腰痛が…
女性ホルモンは関係ある?
更年期に下腹部痛と腰痛が生じる理由を、お医者さんに聞きました。
不正出血がある方は、子宮ガンの疑いもあるため要注意です。
「痛みを和らげる方法」や「普段の生活でのポイント」も併せてチェックしましょう。
なぜ?更年期に下腹部痛&腰痛が起きる原因
更年期の下腹部痛・腰痛の原因としては、まず、女性ホルモンの急激な減少による「体の冷え」が考えられます。
更年期は女性ホルモンが少なくなるため、自律神経のバランスが崩れやすい時期です。
これにより血行が悪くなると、体・内臓が冷えて腹痛や腰痛を生じやすくなります。
こんな「原因」も考えられます
睡眠不足
食事が偏っていて、栄養が足りていない
運動不足
普段の姿勢が悪い
ストレス・疲労が溜まっている
下腹部痛・腰痛がある場合、女性ホルモンの減少だけでなく、上記のような原因も考えられます。
特に腰痛に関しては、加齢による「腰周りの筋力低下」や「普段の姿勢の悪さ」などが影響しているケースもあります。
痛みを和らげる方法は?
冷えによって痛みが出ているときは、まずは体を温めることをおすすめします。
体を温める「4つの方法」
厚手の衣類で、足首・手首・首周りを温める
寒いときは、エアコンで室温を上げる
ゆっくり入浴して湯船に浸かる
起床時にストレッチする
足首・手首・首回りを衣類で温めると、体全体が温まりやすくなります。
「冷えてから温める」よりも「冷える前に予防する」ことが大切なので、普段から体が冷えない程度に室温を上げておきましょう。
また、寝るときは「暖かいパジャマ」を着て、起床時から体を冷やさないようにしてください。
朝にストレッチするなど、軽く体を動かすのも、血流が良くなり冷え防止になります。
「規則正しい生活」で快方に向かうケースも!
起床時間・就寝時間を毎日同じにする
毎日同じ時間に食事をする
1日3食、欠食せずに食べる
などを意識して、規則正しい生活を送ってみましょう。
自律神経が整い、血行が良くなることで、体の冷えによる下腹部痛・腰痛の改善につながります。
毎日の起床時間・就寝時間を同じにすると、体のリズムが改善され、自律神経も正常になってくることが多いです。
食事では、特に朝食をしっかりとりましょう。
1日の始まりには、エネルギーをチャージして体温を上げることが大切です。
「疲労・ストレス」を溜めないようにしよう
過度の疲労・ストレスも、自律神経が乱れる原因となります。
普段から、
十分な睡眠時間を確保する
疲れたら、無理せず休む
好きなことしかしない日を作る
といった方法で、体と心をリフレッシュさせましょう。
ストレスの原因がわかっている場合は、そこから離れて逃げることも必要です。
また、普段から無理のないスケジュールを組むようにして、疲れを溜めないようにしましょう。
要注意!「病気」が隠れているケースも…
下腹部痛と腰痛の症状がなかなか治らない場合、
腎盂腎炎
子宮頸ガン・子宮体ガン
といった病気が隠れているケースもあります。
腎盂腎炎や子宮頸ガン・子宮体ガンってどんな病気?
▼腎盂腎炎
腎臓の尿を溜めておくところや、その周辺で最近が繁殖し、炎症を起こしてしまう病気。
―主な症状
腹痛
背中・腰の痛み
頻尿・残尿感・血尿
▼子宮頚ガン・子宮体ガン
「子宮の入り口」や「子宮体部」にガンができてしまう病気。
―主な症状
腹痛
腰痛
下腹部からの出血(不正出血)
これらの病気を放置していると、悪化によって入院・手術が必要になるケースもあります。
また、「子宮頸ガン」「子宮体ガン」は、命に関わる恐れもある病気です。
セルフケアでなかなか改善しないときは、医師の診察を受けるようにしましょう。
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痛みが続く・強くなるときは、「婦人科」で相談しよう
体を温めても痛みが続く
下腹部・腰の痛みが強くなっている
痛みで仕事・家事に支障をきたしている
頻尿・血尿を伴う
不正出血がある
上記の症状があるときは、早めに「婦人科」で受診しましょう。
病院で「薬の処方」などの治療を受けると、症状が快方に向かいやすくなります。
また、病気が隠れている場合、放置するとさらに痛みがひどくなるケースもあります。
悪化によるリスクを防ぐためにも、一度病院で診てもらいましょう。
医師に伝えるポイント
下腹部痛・腰痛を感じ始めた時期
1日の中で、いつ痛みを感じやすいか
痛みの持続時間(痛みがおさまるまでにかかる時間)
腹痛・腰痛以外の症状(頻尿・出血など)
受診の際は、上記の点を医師に伝えると、診察がスムーズに進みやすいです。
うまく話せるか心配な場合は、事前にメモしておくのもおすすめです。
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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
日本産科婦人科学会 更年期障害
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2022-11-25
更年期で生理痛が強くなっている…。
閉経の前兆で腹痛って起きるの?
閉経の前兆として、どのような症状があるかお医者さんに聞いてみました。
閉経前のトラブルを防ぐための5つの習慣も紹介します。
更年期症状ではなく、病気でひどい腹痛が起きている可能性もあるので、症状に心当たりがないかチェックしましょう。
閉経の前兆で「腹痛」は起こる?
50代になってから頻繁に「腹痛」があります…。
「閉経の前兆で腹痛が起こることがある」と聞きましたが、本当ですか?
閉経の前兆として、腹痛が生じることはありません。
ただし、更年期の自律神経の乱れが原因で腹痛が発生することはあります。
更年期世代になると女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が乱高下します。
いわゆるホルモンの揺らぎが大きくなるわけです。すると、自律神経が乱れて、便秘や下痢が生じやすくなり、お腹が痛くなることがあります。
更年期世代の女性の中でも、
元々腹痛を感じやすい
便秘・下痢が気になっている
上記に当てはまる人は、自律神経による胃腸の変化にも敏感なので、腹痛が起こりやすいと言えます。
更年期世代の腹痛は、どんな痛み?
更年期世代に起こる腹痛にはあまり特徴がなく、一定しないのがむしろ特徴、です。
「お腹全体が張ったように痛む」という人もいれば、「差し込む」「重い」という人もいます。
痛みの程度も、人により様々です。「ずっと痛い」という人もいれば、「特定の時間に痛む」人もいます。
一方で「チクチクする痛み」は、更年期の腹痛に当てはまらないことが多いです。
酷い腹痛があるときは病院へ
ひどい腹痛が続いている場合は、早めに病院へ行きましょう。
更年期症状だと思っていても、実は胃腸や婦人科系(子宮・卵巣など)の病気が隠れていることもあります。
もし病気がある場合には、ひどい腹痛を放置しているとさらに悪化するリスクがあります。我慢せずに病院を受診することをおすすめします。
特に、こんな症状は要注意
不正出血
血便
便秘と下痢を繰り返す
病院は何科?
まずは消化器内科で相談しましょう。胃腸の病気でない場合には、産婦人科や婦人科に行きましょう。
消化器内科を探す
「閉経の前兆」ってどんな症状?
閉経の前兆として、「月経不順」が見られることがあります。
例えば、
月経周期が短くなる
月経日数が少なくなる
少量の出血が長く続く
月経量が減る
というような症状がでることがあります。
閉経が近づくと、卵巣機能の低下に伴い、エストロゲンが規則正しく分泌されなくなるので、上記のような症状が現れます。
また、閉経期では、女性ホルモンの乱れの影響で、動悸・息切れ・ほてりなど、様々な体の不調が発生することがあります。
【体験談】私は閉経前、こんな「前兆」がありました!
特に大きな変化はありませんでした。
徐々に出血の量が減っていき期間も短くなり…という感じでした。
閉経の1年ほど前から前兆がありました。
まずは周期が崩れ、2ヶ月生理がこなかったり、月に2回来たり…など滅茶苦茶でした。
時にはこれまで経験したことのない量の経血が出ることもありました…。
生理時にあったお腹の痛みが段々なくなっていきました。
その後に出血もなくなり、「閉経」だとわかりました。
いつもの量の倍以上の出血があったり、月に2回も生理が来るようになったり…。
その感じが1年ぐらい続いて、パタッと生理が来なくなりました。
前兆が起きてから、閉経するまでの期間は?
個人差が大きく、一概には言えません。
ただし、早い時期に更年期症状が現れた場合には、閉経時期も早い可能性があります。
例:30代半ばで更年期症状が出現し始めた場合には、40代で閉経する可能性がある
▼一般的な更年期と閉経期の年齢目安
更年期
一般的に45~55歳の約10年の間に起こることが多い
閉経期
一般的に50歳が多い
閉経期のトラブルを和らげる「5つの習慣」
閉経期のトラブルを軽くするためには、女性ホルモンを整える生活を心がけましょう。
具体的には、
合言葉「まごわやさしい」でバランスのよい食事をとる
白い主食はなるべく避ける
禁煙・節酒を心がける
1日7〜8時間程度の質のよい睡眠をとる
積極的に体を動かす
などの習慣がおすすめです。
① 合言葉「まごわやさしい」でバランスのよい食事をとる
女性ホルモンのバランスを整えるために、健康的な食事は欠かせません。
和の食材の頭文字を並べた「まごわやさしい」という合言葉を意識して、栄養バランスのとれた健康的な食事をとりましょう。
以下は、「まごわやさしい」が指している食材の例です。
合言葉
食材
食材の例
ま
まめ
落花生、大豆、枝豆、小豆、そら豆など
ご
ごま
白・黒・金ごま、ねりごま、すりごま、ごま油など
わ
わかめ
※海藻
わかめ、こんぶ、ひじき、のり、めかぶなど
や
やさい
人参、大根、玉葱、胡瓜、南瓜、茄子など
さ
さかな
タイ、カレイ、サケ、サバ、サンマ、アジなど
し
しいたけ
※きのこ
椎茸、舞茸、しめじ、えのき、なめこなど
い
いも
じゃが芋、さつま芋、大和芋、里芋など
② 白い主食はなるべく避ける
主食には、
ごはん → 玄米・雑穀米
パン → 全粒粉・ライ麦
を選ぶようにしましょう。
白米や小麦は、消化吸収が速いので血糖値が上昇しやすくなります。すると、更年期症状(特にほてり)を引き起こす要因となります。
一方、玄米や全粒粉のパンなどは食物繊維が豊富で消化吸収が遅く、血糖値の上昇も穏やかなため、そちらを選択するようにしましょう。
③ 禁煙・節酒を心がける
喫煙者の方は禁煙しましょう。
また、お酒を飲むことが多い方は、飲酒の量・機会を減らすよう心がけましょう。
喫煙は、様々な更年期症状のリスクを高めます。
受動喫煙もよくないため、家族にも控えてもらえるようにお願いするといいかもしれません。
また飲酒は、睡眠の質を下げるため控えた方がよいでしょう。
ノンアルコール飲料を取り入れるなどして、飲酒量を減らしていきましょう。
④ 1日7〜8時間程度の質のよい睡眠をとる
1日7〜8時間程度の睡眠時間を確保するとよいでしょう。
また、質のよい睡眠は自律神経を整える上で重要です。
自律神経が整うと、ホルモンバランスが整いやすくなり、更年期症状の緩和につながります。
質のよい睡眠をとるためのポイント
夜は11時(遅くとも12時)には寝る
夕食は就寝の2~3時間前に済ませる
夜はできるだけパソコン・スマホを触らない
就寝の2~3時間前に入浴する
⑤ 体を積極的に動かす
ウォーキング・水泳・ヨガ等の運動を、できるだけ毎日行いましょう。
体を積極的に動かすと、血行の改善や、代謝を高めることにつながります。
これらは、ホルモンのバランスを整える上で有効だと考えられています。
運動の時間を確保するのが難しい場合は、
テレビを観ながら「スクワットする」
外出したときに「長めに歩く」
など、日常の中に運動を取り入れてみるのもおすすめです。
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
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