閉経後の「生理痛のような痛み」の正体|腹痛(出血なし)の対処法も

更新日:2023-04-27 | 公開日:2022-07-28
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閉経後の「生理痛のような痛み」の正体|腹痛(出血なし)の対処法も

閉経しているのに、生理のような痛みが…。
これって大丈夫?

「閉経後の生理痛のような痛み」について、お医者さんに聞きました。

不正出血を伴う場合、子宮ガン・卵巣ガンといった命に関わる病気が隠れていることもあります。
病院を受診する目安も解説しますので、当てはまる症状がないかチェックしてみましょう。

監修者
石野 博嗣 先生

石野医院

石野 博嗣先生

経歴

医療法人社団 石野医院
日本医科大学
日本医科大学付属病院
日本医科大付属第二病院
国立横須賀病院
東部地域病院
石野医院

閉経後の「生理痛のような痛み」大丈夫?

医師男性
閉経後に「生理痛のような痛み」がある場合、以下のような症状であれば問題ないケースが多いです。

こんな痛みは「心配いらない」場合が多い

  • 鈍痛(鈍く重い痛み)
  • チクチクした痛み
  • 痛みが数分程度で、繰り返さない

上記の場合、「一時的に体が冷えた」、もしくは「疲労がたまっている」といった原因で、腹痛が生じていると考えられます。

この痛みを和らげたいときには、お腹を温める・体を休めるなどの対処をおすすめします。

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出血を伴う場合は、“深刻な病気”の可能性も

医師男性
以下の症状が見られる場合、「子宮・卵巣の病気」や「尿路感染症」など深刻な病気が疑われます。

特に注意したい症状

  • 不正出血(生理以外の出血)
  • おりものの増加
  • 排尿痛・血尿
  • 痛みが繰り返す
  • 痛みが強くなっている

「考えられる病気」に当てはまるものはないか、下の表でチェックしてみましょう。

病名(病気の概要) 

症状の特徴 

子宮留膿症 
子宮内に膿が溜まっている 

  • 腹痛 
  • 不正出血(生理以外の出血) 
  • 黄色・薄茶色のおりものの増加 

子宮体ガン 
子宮体部と呼ばれる部分のガン 

  • 腹痛 
  • 不正出血(生理以外の出血) 
  • おりものの増加 

※初期は自覚症状がないことが多い 

卵巣ガン 

  • 腹痛 
  • お腹の張り 
  • 不正出血(生理以外の出血) 
  • おりものの増加 
  • 頻尿・便秘 

※初期は自覚症状がないことが多い 

膀胱炎
膀胱で細菌が繁殖して炎症を起こしている 

  • 腹痛 
  • 排尿痛 
  • 頻尿・血尿 

腎盂腎炎 
腎臓の尿を溜めておくところや、その周辺で細菌が繁殖して炎症を起こしている 

  • 腹痛 
  • 背中・腰の痛み 
  • 排尿痛 
  • 頻尿・残尿感 
  • 尿がにごる 
  • 吐き気・嘔吐 
  • 発熱 

上記の病気を放置していると、「病気が進行して治療に時間がかかる」、「入院・手術が必要になる」といったリスクにつながります。
最悪の場合、命に関わるケースもあるので、早めに病院で診てもらいましょう。

「腹痛以外に症状がない」方は…

内科を探す

「不正出血・おりものの増加」といった症状を伴う方は…

婦人科を探す

「排尿痛・血尿」がみられる方は…

泌尿器科を探す

閉経後に下腹部痛がでたときの対処法

医師男性

まずは、

  • お腹を温める
  • 質の良い睡眠をとり、体を休める

といった対処をおすすめします。

閉経後に下腹部痛があり、出血・おりものの増加・排尿痛などがない場合は、「冷え」や「疲労」が原因として考えられます。

上記の対処により、痛みが和らぐかどうか確認してください。
もし痛みが続くようであれば、病院を受診しましょう。

対処法① まずは、お腹を温めてみよう

医師男性

安静にして、痛い部分を中心にお腹と腰回りを温めましょう。

  • 腹巻きをする
  • 室温を上げる
  • ゆっくりと湯船に浸かる

といった方法がおすすめです。

また、体が冷える時間を減らすことも大切です。
「入浴前に部屋を暖めておき、入浴後はすぐに髪を乾かして服を着る」などの対策もとりましょう。

対処法② 質の良い睡眠をとり、体を休めよう

医師男性

腹痛があるときは、気がつかないうちに日々の疲れが溜まっている可能性があります。
質の良い睡眠をとって、体をゆっくり休ませましょう。

ぐっすり眠るためのコツ

  • 寝室を快適な温度・湿度に保つ
  • 衣類・寝具を心地の良いものに整える
  • 眠る1時間ほど前に、深呼吸しながらストレッチを行う(体温を上げる)
  • 就寝の2〜3時間前に湯船に浸かる
  • 眠気があるときを逃さない

眠る前に、あれこれと考えることは避けましょう。
心配事なども今日は見送って、体を休めることに集中してください。

痛みが続く・強くなっているときは迷わず病院へ!

医師男性
  • 下腹部痛などの痛みが2~3日継続している
  • 痛みが強くなっている
  • 出血・おりものの増加を伴う
  • 排尿痛・血尿がある

といった場合は、放置せずに医療機関を受診しましょう。

上記の症状には、子宮ガン・卵巣ガンといった重い病気が隠れているケースもあります。
命の関わるリスクを避けるためにも、早めの受診を心がけましょう。

病院は何科?

症状 

おすすめの診療科 

  • 腹痛(その他の症状はない) 

内科 

  • 腹痛 
  • 不正出血 
  • おりものの増加 

婦人科 

  • 排尿痛 
  • 血尿 
  • 残尿感 

泌尿器科 

医師男性

出ている症状によって、おすすめ診療科は変わります。
上の表を参考に、ご自身に合った診療科を選んでください。

医師に伝えるポイント

  • 「生理痛のような痛み」を感じ始めた時期
  • 1日の中で、いつ痛みを感じやすいか
  • 痛みがおさまるまで、どのくらいかかるか
  • 腹痛以外の症状(出血・おりものの増加・排尿痛など)
  • 閉経の時期
医師男性
受診の際は上記の点を医師に伝えると、診察がスムーズに進みます。

内科を探す

婦人科を探す

泌尿器科を探す

※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。

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