子どもが高熱を出した…。
熱せん妄になっているみたいだけど、病院に行くべき?
熱せん妄の疑いがある場合に病院を受診する目安について、お医者さんに聞いてみました。
異常行動などの危険な症状も見られるので、看病の際の注意点も知っておきましょう。
監修者
経歴
公益社団法人 日本小児科学会 小児科専門医
2002年 慶應義塾大学医学部を卒業
2002年 慶應義塾大学病院 にて小児科研修
2004年 立川共済病院勤務
2005年 平塚共済病院小児科医長として勤務
2010年 北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室勤務
2012年 横浜市内のクリニックの副院長として勤務
2017年 「なごみクリニック」の院長として勤務
2020年 「高座渋谷つばさクリニック」院長就任
熱せん妄かも…病院の受診目安は?
熱せん妄と思われる症状がある場合は、念のため病院で診てもらいましょう。
特に、
- 発熱に伴う異常行動が1時間以上持続する
- けいれん・しびれ・まひが起きている
という場合は、速やかに病院で受診しましょう。
※異常行動の例…寝ていたのに急に起き上がり、大声で叫ぶ・走り回る・支離滅裂なことを話し始める 等
熱せん妄は10~15分、遅くても数時間で症状が改善するケースが多く、後遺症が出ることは少ないと考えられています。
ただし、「いつまで経っても症状が続く」「けいれん等の症状がみられる」という場合には、脳炎や脳症など、脳に障害が起きていることが疑われます。
熱せん妄は「脳炎」や「脳症」との判別が難しいため、こうした病気を見逃さないためにも受診が必要です。
病院は何科?
小児科の受診をおすすめします。
初診の際には、下記の内容を伝えると診察がスムーズです。
- 発熱が出現したのはいつか
- 言動の内容や神経症状の有無
- 既往歴
- 治療中の疾患の有無
- 服用中に薬剤の有無 など
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熱せん妄ってどんな状態?
発熱に伴う異常な行動を総じて「熱せん妄」といいます。
「幻覚」「錯視」「錯乱」「異常行動」といった症状が見られる場合は、熱せん妄の疑いがあります。
幻覚
|
実際にはないものが見えたり聞こえたりする
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錯視
|
ものを見間違える(例:壁にできたシミを人影と勘違いして怖がる)
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錯乱
|
支離滅裂な言動がみられる
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異常行動
|
急に家から飛び出す、窓を開けて飛ぼうとする など
|
熱せん妄の原因は?
発熱によって脳の温度が上がり、“ノルアドレナリン”や“ドーパミン”などが産生され、脳に影響を及ぼすことが原因とされています。
ただし、詳細なメカニズムはまだ判明していません。
熱せん妄になりやすい人は?
「学童期から思春期の子ども」や「インフルエンザに感染している方」に発症しやすいです。
また、発熱した日とその次の日に起こるケースが多いです。
熱せん妄になったときの対処法
- 発熱後2~3日は子どもから目を離さない
- 身体を冷やす(熱が上がりきって暑がっている場合)
- 処方された薬をきちんと飲ませる
- 解熱剤を使用する
① 発熱後2~3日は子どもから目を離さない
発熱してから2~3日は子どもから目を離さず、大人が付き添い見守りましょう。
また、異常行動に備えて、玄関の窓やカギはしっかり閉じてください。
熱せん妄を起こすと、夢と現実の区別がつかなくなり、パニック状態になる場合があります。
といったケースもあるため、子どもを一人にしないようにしてください。
子どもが不安にならないように、「身体をさすってあげる」などして、安心できる環境を作りましょう。
② 身体を冷やす
「保冷剤」や「氷枕」等を使って、
などの部分を冷やしましょう。
汗をかいている場合には、こまめに着替えをさせてください。
熱が上がっていて震えているようなときには、身体を冷やさずに、毛布等で包んで温めてあげましょう。
③ 処方された薬をきちんと飲ませる
病院を受診して薬の処方をしてもらっている場合は、医師の指示に従い、決められた量と回数を守って服用しましょう。
なお、薬を飲み忘れた場合に、次の服用時に多く飲んではいけません。
自己判断で薬を服用しないように気をつけましょう。
④ 解熱剤を使用する
38.5℃以上の高熱があり、
- 頭痛がひどい
- 苦しそうにしている
- 食欲がない
- 耳の痛み
- 体の痛み(筋肉痛)
等の症状がみられる場合は、解熱剤を使用してください。
解熱剤は、アセトアミノフェン系の薬剤で、「坐薬」もしくは「飲み薬」を使用します。
1日3回を目安に薬を服用し、6時間以上の間隔をあけるようにしましょう。
ただし解熱剤は治療薬ではないため、きちんと水分補給ができて、元気な様子であれば、無理に使用する必要はありません。また、熱の出始めではなく、熱が上がりきってから使用するとよいでしょう。
なお、生後6ヶ月未満の場合は解熱剤を使用できないので、注意してください。
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2022-04-01
子どもが40度の発熱!
どう対処すればいいのか、お医者さんに聞きました。
3ヶ月未満の赤ちゃんは、迷わず受診!
3ヶ月未満の赤ちゃんの場合、40度の熱がでていたら迷わず医療機関を受診してください。
細菌感染症(髄膜炎、敗血症、尿路感染など)のリスクが高いからです。
生後3ヶ月未満の赤ちゃんは、免疫機能が未熟です。容易に敗血症などで全身状態が急激に悪化するリスクが高く、緊急性が高い状態です。
子どもに40度の高熱がでたら…親はどうする?
まず、
子どもがぐったりしていないか
話す・飲むことはできるか
他にも症状がないか(吐き気、下痢、鼻水、発疹など)
をチェックしましょう。
子どもに元気や活気があり、水分を摂れる場合は、一度自宅で様子を見てもよいでしょう。
ただし、40度以上の高熱は、体への負担が大きいので、基本は医療機関を受診して医師の診察を受ける必要があります。
特に注意すべき症状
特に、「ぐったりしている」、「意識が薄い」、「水分を摂れない」、「呼吸が荒い」と行った場合は、医療機関を受診しましょう。
急激な発熱による体調不良は、インフルエンザなどの感染症の疑いがあります。ウイルスが体内で増殖している状態です。
発熱の他にも、吐き気・下痢・鼻水・発疹がある場合は、なんらかの感染症にかかっている可能性があります。感染症を疑う場合は、症状を元に一度医療機関へ連絡入れ、指示に従い受診しましょう。(感染症対策の入り口などがある医療機関もあります。)
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自宅で看病するときの対処法
「熱が上がりる前」と「熱が上がりきった後」で対処法が異なります。
熱が上がりきる前は、無理に熱を下げようとしても下がらないので注意しましょう。
熱が上がりきる前の対処法
熱が上がりきる前は、寒がります。
ガタガタと体が震えることもあります。また、熱が上がっている途中では、汗をかきません。
親御さんは落ち着いて、厚着をさせ、部屋の温度を上げましょう。特に首元や足元を温めてください。また、布団を追加してもよいでしょう。
熱が上がりきった後の対処法
熱が上がりきった後は、暑がります。
汗も出てくるので、水分補給をさせて着替えさせます。汗をかいている時は、着替えを行なってください。濡れた衣類を長時間身につけていると体温を奪われ、体が冷えて、また発熱する場合があります。
また、このとき厚着の必要はありません。
子どもが“ちょうど良い”と感じるものを着させてください。
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水分摂取のしかた
水分を飲めるようであればこまめに与えます。
経口補水液がおすすめです。
経口補水液は、飲みにくければレモンなどの果汁を足すと飲みやすくなります。また、自宅に経口補水液がない場合は、水1Lに対し、砂糖40グラム、塩3グラムいれるとすぐに作れます。
熱が高く飲めない・嘔吐してしまうときは、無理に水分をとらせなくても大丈夫です。熱が上がりきったら、飲めるようになります。
ただし、高熱が続き、半日も水分を摂取できないと、脱水を起こすことがあるので、口の中にだけでも水分を含ませる必要があります。飲み込めなくても、スプーンに水や経口補水液を乗せて、口に含ませてください。子どもが起きているようであれば、15分おきくらいに与えましょう。
食べ物は何がいい?
基本的に、食べ物は欲しがれば何を与えても構いません。
通常は、高熱のときは、あまり重たい脂っこいものは欲しがりません。食欲があれば、うどんやおかゆなどを用意しておきましょう。口当たりの良い、バナナ、ゼリー、プリンなども子どもは食べやすいです。
熱が下がれば徐々に食欲は戻っていきます。
栄養があるものを食べてほしいと思うところですが、発熱時に無理に食べさせる必要はありません。
お風呂にはいってもいい?
40度の熱があるときは、入浴は控えましょう。
発熱が38℃以下になり、ふらつきやめまいなどがなくなったら、短時間の入浴をしても構いません。具合が悪い時は無理して入浴する必要もありません。
「悪寒でガタガタ」と「熱性けいれん」、どう見分ける?
悪寒によって震えているときは、ガタガタと小刻みに震えます。
意識がなくなる、チアノーゼなどの症状はありません。
熱性けいれんの場合は、「意識がなくなる」「チアノーゼ(顔色が悪くなる)」「視点が合わない」などの症状が出ます。手足の動きは5分以内で治まることがほとんどです。
発熱に加え「熱性けいれん」がみられるときは、夜間でもすぐに医療機関を受診してください。
熱が上がりきる前は「むやみに冷やさない」ことが大事
熱は、もともと体が細菌やウイルスと戦っているために発生します。そのため、熱を無理に下げてしまうと、細菌やウイルスが増殖して、症状を悪化させてしまいます。
冷やす場所はどこがいい?
腋の下・首・足の付け根などを冷やすと楽に感じます。
おでこを冷やしても意味がないって、ホント?
おでこは、血流が少ないので冷やしても解熱の働きは期待できません。
ただし、子どもが楽になるなら冷やしてあげるのがよいでしょう。
解熱剤の注意点
痛みや頭痛などがあり、苦しそうで休めないときに使用しましょう。
解熱剤は、子どもの年齢にあったものを使用してください。アセトアミノフェン系統がよいでしょう。
15歳未満は、大人向けの解熱剤は使用できません。
用法用量を守って、服用させすぎない様にしてください。
※ただし、熱が上がりきる前に解熱剤を使っても、熱が下がらない場合があります。
解熱剤を使うほど体に負担がかかっている場合は、医療機関の受診をおすすめします。
飲み薬と座薬、どっちがいいの?
飲み薬よりも、確実に投与ができ、効果が期待できるものが座薬です。また、小さな子どもで、飲み薬を飲めないという場合は座薬を使います。
発熱の後遺症が心配…
40度台までの発熱で後遺症を残すということは、ほとんどありません。
発熱そのものは、後遺症につながることはほぼありません。
ただし、重度の感染症である脳症・髄膜炎を発症すると後遺症が出る場合もあります。
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病院を受診したほうがよい目安
40度以上の発熱があり、「元気がない」、「ぐったりしている」という場合は受診しましょう。
悪化すると、脳症や髄膜炎を発症するリスクがあります。
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深夜でも「救急診療」に行くべき目安
40度以上の発熱で、「ぐったりしていて、意識が薄い」「呼吸が荒い」という場合は、夜間でも受診しましょう。
放置すると、さらに高熱となり、脳症や髄膜炎を発症するリスクが上がります。
救急車を呼ぶべき基準
次のような症状がある場合は、救急車を呼んでください。
生後3か月未満で38度以上の熱がある
意識がない(反応が薄い)
顔や唇が土色・紫色で、グッタリしている
突然、頭を痛がる(首の後ろが硬くなる)
呼吸困難、息苦しそうにしている(呼吸が弱い)
嘔吐・吐き気が止まらない
お腹を激しく痛がる
尿が出ない
血便が出る
全身に発疹が出ている
痙攣が止まらない
手足が硬直する
判断に迷うときは…
こども医療でんわ相談「#8000」をプッシュしましょう。
小児科医師・看護師に相談できます。
子どもの高熱のよくある原因
インフルエンザ(急激な高熱・関節痛)
肺炎(咳・息切れ)
髄膜炎・脳炎(頭痛・吐き気・嘔吐)
突発性湿疹(解熱後に発疹が出る)
プール熱(結膜炎・喉の痛み)
溶連菌感染症(喉の痛み・発疹・イチゴ舌)
川崎病(発疹・目の充血・イチゴ舌・首のリンパの腫れ)
おたふく風邪(首やアゴの腫れ・押すと痛い・飲見込むと痛い)
水ぼうそう(だるさ・食欲不振・発疹)
熱中症・熱射病(倦怠感・めまい・吐き気)
など
熱が下がった後の過ごし方
熱をぶり返さないように安静に過ごします。
子どもの場合、熱が下がって体が楽になると、体を動かしてしまい熱をぶり返すことがよくあります。
「日中になると、少し熱が上がる」という段階では、体調が治りきっていないので、学校などはお休みしましょう。
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▼参考
“Dr.365”のこどもの病気相談室 こどもの病気治療の本当のこと
(小学館)
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子どもがひっきりなしに咳をしていて心配!
どうすれば、楽になる?
お医者さんに、親がしてあげられるケアを聞きました。病院を受診すべき「要注意の咳」もあります。
「心配いらない咳」のケース
空気の乾燥や口の乾燥が原因の咳は、あまり心配しなくてもよいでしょう。
また細菌やウイルス感染が原因でも風邪で自然治癒するものも、お家で様子をみてもよいでしょう。
「病院に行くべき咳」の4ケース
2週間以上止まらない咳は、何らかの病気が原因の可能性があります。
また喘鳴や呼吸困難を伴う咳、アレルギーによる咳も、通常は自然にはおさまらないので注意が必要です。
病院に行くべき咳がでる4ケースを紹介するので、あてはまる症状がでていないかしっかり確認しましょう。
咳の原因1.「クループ症候群」
3歳くらいまでの小さな子どもが、「しわがれた声」や「犬の遠吠えのような咳」を出したら要注意。
クループ症候群とは、ウイルス感染などによってノドの炎症・腫れが起きて「声が出にくい」といった状態になることをいいます。息を吸い込む時に息苦しくなり、ヒューヒュー、ゼーゼーという喘鳴を伴うこともあります。初期症状には、鼻水・発熱などがあります。
クループ症候群の対処法
多くは、自己の免疫力により自然治癒します。症状があるうちは安静にしてください。
2週間以上治らない、呼吸が苦しそう(喘鳴)といった場合はすぐに受診してください。
自然に治るといっても、喘鳴が出るなど症状が重い場合があります。病院では対症療法が取られます。重症になると入院が必要になり酸素投与などが必要となります。
咳の原因2. 「気管支炎」
気管支が炎症を起こして、咳や痰症状が出る病気です。
ウイルスやマイコプラズマなどの感染により起こる「急性気管支炎」や、感染症以外の原因になることもある「慢性気管支炎」があります。
気管支炎の対処法
咳によって体力が消耗するので十分に休息が必要です。
咳止め(炎症止め)や痰が出やすくなる去痰薬などで治療を行います。慢性気管支炎には、ステロイド剤や気管支拡張薬が必要となる場合があります。
咳の原因3. 肺炎
空気が通る気管支の先にある肺胞という部分が炎症を起こし、咳以外にも発熱・息苦しい・呼吸困難・胸の痛みなどがおきます。痰が絡む咳が出ることもあります。
肺炎の対処法
肺炎が疑われる場合は、すぐに病院に行きましょう。
通常、医師の管理下で、薬を使った入院治療が必要です。
咳の原因4. アレルギー
アレルギー物質が体内に入ると咳が出ます。
痰の絡まない乾いた咳です。
同時にくしゃみや鼻水、目のかゆみなどが出る人もいます。特定の季節・特定の場所・特定のシチュエーションなどでくしゃみが止まらない場合、アレルギーが疑われます。
アレルギーの対処法
通常、自然には治りません。
抗アレルギー薬による治療が必要です。
病院に行くときは、「どんなときにどんなアレルギー症状がでるか」を医師に伝えるとよいでしょう。
病院に行くときの注意事項
感染症だった場合に人にうつさないようにマスクを着用していきましょう。
また、寒さを感じている場合は、体の冷えで咳が悪化することもあるので、厚着をして出かけましょう。カイロなどを使用するのも良いでしょう。
お医者さんへの伝え方
医師には次の5ポイントを伝えるとよいでしょう。
咳が出ている日数
咳がひどくなった時期
咳以外の症状(発熱・頭痛・ノドの痛み、鼻水など)
咳のひどくなる時間帯や要因が
痰が絡む咳か、乾いた咳(空咳)か
何科にいけばいい?
小児科や内科、呼吸器内科などを受診しましょう。
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お部屋の環境の整え方
咳が止まらないときは、お部屋を加湿してあげましょう。
空気が乾燥していると、咳が出やすくなります。
<加湿器がないときの対処例>
お湯を沸かす
濡れタオルを干す
子どもに水を飲ませる
布団や衣類に付着した埃やチリによって、弱っている喉の粘膜が刺激され咳が出る場合もあります。衣類や布団は、清潔なものを使用しましょう。
少しでも、楽にしてあげる方法は?
まっすぐ寝かせるよりも、上半身を少し起こした姿勢で寝かせてあげましょう。
クッションや丸めたタオルなどを、背中に当ててあげてください。
苦しそうな場合は、濡らしてかるく温めたタオルを、口や鼻に優しく当ててあげてもよいでしょう。
その他、背中をさすってあげたり、水分で喉を潤してあげたりしてください。のど飴などの飴を舐めるのも、唾液が分泌されノドが潤いやすくなります。
市販の咳止めは使っていい?
咳がつらそうです…。
市販の咳止めは、使ってもいいですか?
まずは病院での受診をしてから医師の処方薬をおすすめします。
咳を無理に止めてしまうと、適切な診断ができなくなるかもしれないためです。
咳の原因が明確にわかっていて、それに合った咳止め薬を使用することはできますが、咳をする子どもの疾患は多様です。
市販薬で無理やり咳を止めてしまうと、医師が適切な治療をできなくなる恐れがあります。
登園・登校はどう判断する?
一日中咳が止まらないですが、なんとか学校には行けそうです。
登校させても大丈夫でしょうか?
咳が減って、喋ったり遊んだりする体力が戻ってから、学校に行かせるようにした方がよいでしょう。
咳は、体力を使います。
一日中咳が出ている中で日常生活に戻せば、その分体に負担がかかり、体調が悪化したり喉の炎症が悪くなったり場合もあります。
※インフルエンザや百日咳の場合は、学校保健法や登園・登校許可基準が設けられているケースが多いため、その内容に準じてください。
咳からの感染にも気をつけよう
ウイルスや細菌感染による咳が出ている場合は、患者本人と家族もマスクを着用してください。また、マスクだけでは感染を防ぐことはできないので、手洗いをこまめに行ってください。
また、感染を避けるためにはタオルや食器、食べ物も共有などは避けてください。
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参考
MSDマニュアル クループ
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/23-小児の健康上の問題/乳児および小児における呼吸器疾患/クループ
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。