いちごを食べて、食中毒のような症状が出た…。
どう対処すればいい?
いちごによる食中毒の症状について、管理栄養士の先生に聞いてみました。
食中毒だけでなく、食べ過ぎにも要注意なので、「いちごを食べる際の注意点」をチェックしましょう。
監修者
経歴
株式会社Luce代表/健康検定協会理事長、山野美容芸術短期大学講師、服部栄養専門学校特別講師、日本臨床栄養協会評議員、ダイエット指導士、ヨガ講師、サプリメント・ビタミンアドバイザーなど栄養・美容学の分野で活動をおこなっている。
いちごによる食中毒の症状は?
いちごを食べて食中毒を起こすと、体内に入った細菌などを外に出そうするため、上記のような症状があらわれます。
これはいちごに限ったことではなく、食品に細菌が付着したり、腐ったりした場合も同様の食中毒症状が起こります。
なお、かゆみ・蕁麻疹が起こった場合は、「アレルギー」が疑われます。
こんないちごは要注意!
- 変色して黒い、もしくは白くなっている
- 触ると柔らかくてブヨブヨしている
- カビが生えている
- 臭いがおかしい
上記の特徴に当てはまるいちごは、腐っているおそれがあります。
腐っていなくても、いちごの表面に付着している菌によって食中毒になるおそれがあるので、食べる前にきちんと洗いましょう。
食中毒かも…病院に行くべき?
上記に当てはまる場合には、病院で受診することをおすすめします。
軽微な不調であっても、半日以上続く場合には病院へ行ったほうがよいでしょう。
また、「妊娠している人」「基礎疾患がある人」は、少しでも症状があったときは医療機関で相談してください。
一方で、「一度嘔吐して症状が落ち着いた」という場合は、しばらく様子を見てもよいでしょう。
1週間ほどは安静に
いちごによる食中毒と思われる症状が出た場合、その後1週間ほどは安静にしましょう。
なお、食中毒症状の原因が分からなくなるため、生魚などの食中毒のリスクが高い食べ物は控えてください。
「いちごの食べすぎ」が原因のケースも
いちごを50個程度食べると、いちごに含まれるカリウム・キシリトールのとりすぎが原因で、下記のような症状が出る場合があります。
カリウムは「脱水症状を招くおそれ」があり、キシリトールは「便がゆるくなるおそれ」があるため、これらの成分を大量摂取しないように気をつけましょう。
カリウムやキシリトールが原因の場合、きちんと水分補給をして安静にしていれば、次第によくなるでしょう。
ただし、症状が治まらなかったり、悪化したりする場合は、すぐに病院へ行ってください。
こんな症状が出ていたら、すぐに病院へ!
- 吐き気・腹痛などの症状が続く
- 高熱が出ている
- 血便が出ている
上記に当てはまる人は、躊躇せずに
病院で受診してください。
放置して症状が悪化すると、命に関わるリスクもあるため、早急に治療が必要です。
何科で受診すればいい?
「内科」で受診しましょう。
病院ではまず、検便による検査が行われることが多いです。
治療内容は、点滴で栄養素を補給したり、整腸剤や制吐剤が出されたりすることがあります。
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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
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2022-07-04
「食中毒って病院に行かなくても大丈夫なの?」
食中毒になったときの受診目安を、お医者さんに聞きました。
症状の悪化を防ぐために、避けるべき食べもの・服用していい市販薬を知っておくと安心です。
正しいセルフケアの方法についても紹介するので、食中毒を悪化させたくない方は必見です。
食中毒で「病院に行くべき?」
症状が軽い食中毒の場合、基本的に病院には行かなくても大丈夫です。
自宅で様子をみる場合は、しっかりと水分・栄養補給を行い、菌が体の外に出るまで待ちましょう。
食中毒は、食べ物に付着した細菌・ウイルスが原因なので、病原体を外に排出することで快方に向かっていきます。
ただし、症状が重い場合は治療が必要です。
以下のような症状がある人は、受診を検討しましょう。
こんな症状があったら、病院に行こう
嘔吐が酷く水も飲めない
水が飲めない状況が続く
めまいがする
尿量が少なくなる
高熱が出る
腹痛がひどい
吐いたものや便に血が混ざる
食中毒って、「病院は何科?」
食中毒が疑われるときは、内科で受診しましょう。
診療では、まず問診を行います。
必要に応じて「血液検査」や「細菌をとって培養する検査」、「レントゲン検査」などを行い、体の状態を調べます。
症状が重い方は、薬が処方されたり、点滴が行われたりすることが多いです。
嘔吐がひどい場合は「吐き気を止める薬」が処方され、下痢がひどい場合は「腸を整える薬」が処方されます。
治療費の目安
食中毒の治療は基本的に保険適用で、費用目安としては3000〜5000円程度です。
※症状によっては、実際の費用が目安と異なるケースもあります。
なお、「確定検査」を行う場合は、通常の検査とは異なるため、自由診療となります。
確定検査は、「職場に診断書を提出する必要がある」といったときに行われることが多いです。
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食中毒になってしまったときの「過ごし方」
まずは安静にして過ごしましょう。
自宅では、こまめに水分補給を行うことが大切です。
下痢や嘔吐がひどいときは…
ひどい下痢・嘔吐が症状は、胃腸が弱っている証拠です。
セルフケアする場合は、
食事を控える
温かい白湯などを飲むなどして体を温める
といった点を心がけるとよいでしょう。
「市販薬」は飲んでもいい?
基本的に、自己判断での市販薬の服用はおすすめできません。
特に下痢止めの使用は避けましょう。
食中毒のときは、菌を体の外に排泄しないといけない状況です。
下痢止めを使用してしまうと、菌が体の中にとどまり、回復が遅くなるリスクがあります。
なお、「整腸薬」や「胃腸薬」を使える場合もありますが、市販薬だと下痢止めが配合されている可能性もあります。
市販薬を使用する場合は、必ず薬剤師に相談しましょう。
治るまでにどれくらいの期間かかる?
菌によりますが、一般的に数日から2週間程度で治ります。
2週間以上症状が長引く場合は、早めに病院で治療を受けましょう。
毒性の強い菌が腸内に長くとどまっていると、症状をさらに悪化させてしまう恐れがあります。
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今は「避けたほうがよい食べ物」一覧
消化の悪いもの(繊維質・脂肪が多い)
刺激が多いもの(香辛料・酸味がある)
塩分の多いもの
など、胃腸に刺激を与えるようなものは避けましょう。
消化が悪い
脂の多いお肉
きのこ
海藻類など
刺激が多い
香辛料(トウガラシ)
酸味が強い料理
レモン
塩分が多い
ラーメン
パスタ
ハンバーガー
カレーなど
胃腸が弱っている時に上記のようなものを食べると、胃の粘膜を傷つけたり、胃腸の動きを刺激したりする可能性があります。
早く治すためには胃腸を休ませる必要があるので、刺激を与える食べものは避けましょう。
「アルコール」や「コーヒー」なども控えよう!
アルコールやカフェイン(コーヒー・紅茶など)、炭酸飲料といった飲み物は、胃腸を刺激してしまうので避けましょう。
水分補給には、常温水・麦茶・スポーツドリンク・経口補水液がおすすめです。
▼参考
新百合ヶ丘総合病院
秋本病院