医師監修「大人のADHD」は見た目でわかる?行動の特徴や心がけたい生活習慣も

更新日:2023-08-24 | 公開日:2023-01-27
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医師監修「大人のADHD」は見た目でわかる?行動の特徴や心がけたい生活習慣も

大人のADHDは見た目で分かるの?

「大人のADHDの特徴」についてお医者さんに聞いてみました。

特性ごとで異なる特徴も解説するので、自分や周囲の人が「ADHDかもしれない」と感じている場合は参考にしてみましょう。

監修者
経歴

佐賀大学医学部を卒業後、病院・美容クリニックでの勤務経験を経て、2020年にファイヤークリニック開業。

美容医学、遺伝子学、栄養学、精神医学など肥満治療に関わる多方面から痩身医学研究と実践をする。

精神科医としても臨床に当たっており、西洋医学から東洋医学に渡って世界中から集積した独自の短期集中型医療ダイエットを開発。

大人のADHDは見た目でわかる?

医師男性
ADHDは見た目(外見)では分かりにくいです。
これは大人に限った話ではなく、子どもの場合も同様です。

ADHDの人は、見た目ではなく行動に特徴があらわれます

そもそもADHDとは?

 

ADHD(注意欠如・多動性障害)とは、「集中力がない」「落ち着きがない」「突発的に行動する」などの特徴が見られる生まれつきの障害です。

これらの特性により、学校や家庭、職場などで困る場面が多くなります。

大人になってからADHDであることが分かるケースも多いです。

大人のADHD「行動の特徴」をチェック

ADHD

▼不注意

  • ミスが多い、同じミスを繰り返す
  • 自分の考えを整理できない
  • スケジュール管理が苦手
  • タスクを順序だてて行えない
  • 締め切りをなかなか守ることができない
  • 忘れ物や失くし物が多い
  • 仕事や作業に集中できない

▼多動性・衝動性

  • 失言をしてしまうことが多い
  • 衝動買いが多い
  • 独断で重要事項を決めてしまう
  • 常にそわそわしている・体を小刻みに揺らす(貧乏ゆすりなど)

上記の特徴に当てはまる場合、ADHDの可能性があります。

ADHDの3つの特性

医師男性
ADHDは症状のあらわれ方によって、
  • 不注意優勢型
  • 多動性・衝動性優勢型
  • 混合型
の3つの特性に分類されます。

分類

特徴

不注意優勢型

ミスすることが多い

多動性・衝動性優勢型

落ち着きがない/思いついたらすぐ行動する

混合型

「不注意優勢型」「多動性・衝動性優勢型」の両方の特徴が見られる

① 不注意優勢型

忘れ物

医師男性
不注意優勢型は、大人になってからADHDに気づく場合に多いタイプです。
年齢不相応のミスを何度も起こし、日常生活・仕事に支障をきたします。

不注意優勢のADHDには、

  • 約束を忘れてしまう
  • 物をよく失くす
  • ケアレスミスが多い

などの特徴が見られます。
このような症状は、本人のやる気がない・怠けている、というわけではなく、脳の機能発達の偏りから起こっています。

② 多動性・衝動性優勢型

医師男性
多動性・衝動性優勢型は、「落ち着きがない」「突発的に行動する」といった特徴が見られる一方で、「不注意」の特徴はあまり見られないタイプです。

多動性・衝動性優勢型のADHDの人は、

  • じっとすることができない
  • 失言してしまう
  • なんとなくそわそわしている
  • 身体を小刻みに動かす

といった行動が見られます。

③ 混合型

医師男性
混合型は、「不注意優勢型」と「多動性・衝動性優勢型」の特徴が同じレベルで目立つタイプです。

ADHDの原因は?

医師男性
ADHDは、脳の神経伝達が正常に行われておらず、特定の脳領域の活動が低下することが原因の一つだと考えられています。

ただし、現時点でADHDの発症原因ははっきりと判明していません。

ADHDかも…どうすればいい?

医師男性
ADHDが疑われるときは、医療機関で検査を受けてみましょう。
早期にADHDかどうかを知ることができれば、適切な治療を受けることで、二次障害(※)の予防につながります。

(※)あがり症・パニック障害・強迫性障害・うつ病・適応障害・社交不安障害など

ADHDの適切な対処法を知っておくと、不注意によるミスを減らしたり、日常の不安な気持ちを解消したりできる可能性があります。
自分のADHDの特性を深く理解するためにも、医師の診察を受けましょう。

周囲の人はADHDの人とどう接するべき?

 

ADHDの人は疎外感や自己嫌悪感を抱いていることが多いです。
本人の悩みについて理解し、ミスを減らす工夫や対策を一緒に考えてあげましょう。

病院は何科?

医師男性
ADHDが疑われるときは、「精神科」で相談しましょう。

診察時に伝えるとよいこと

  • 今困っていること
  • いつから症状があるのか
  • 治療中の病気や服用中の薬など

精神科を探す

ADHDを治す方法はあるの?

医師男性

ADHDを完治させる方法はありません。しかし、

  1. 薬物療法
  2. 心理・行動療法(カウンセリング)

を受けることで、職場や社会に適応しやすくなると考えられます。

① 薬物療法

おくすり

医師男性
抗ADHD薬を使用して治療する方法です。

ADHDは脳内の神経伝達の乱れによって、神経伝達物質(ドーパミン、ノルアドレナリン)の機能が低下した状態となっています。
この状態を、薬の使用により改善することを目指します。

② 心理・行動療法(カウンセリング)

カウンセリング

医師男性
心理・行動療法は、普段の行動パターン・考え方の癖を見直す治療方法です。
「感情のコントロール」や「スケジュール管理」などを上達させ、日常生活でのトラブル回避につなげます。

心理・行動療法は、薬物療法と並行して行われます。

大人のADHDを改善するための生活習慣

睡眠

医師男性
睡眠の質を向上させたり、運動を習慣化したりすることで、ADHDの症状が緩和されたという研究結果があります。

大人のADHDと診断された場合は、下記のような睡眠・運動習慣を意識してみましょう。

▼睡眠

  • 7〜8時間の睡眠時間を確保する
  • 就寝1時間半前までに入浴する
  • 就寝2時間前はPC・スマホ・テレビを見ない
  • お酒を控える、もしくはやめる

▼運動

  • ウォーキング・ジョギング・サイクリングなどの運動を1日30分程度行う
  • 週に2回以上筋力トレーニングを行う

※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。

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