「抗生物質を服用しているけどお酒が飲みたい…」
「少しくらいなら、飲んでも大丈夫?」
抗生物質とお酒の関係について薬剤師さんに聞いてみました。
飲酒の機会が多い方は要チェックです!
監修者
順天堂大学 漢方先端臨床医学
薬剤師
中尾 文香先生
経歴
順天堂大学 漢方先端臨床医学
YOJO薬局 薬剤師
臨床と基礎研究の間で奮闘する現役薬剤師。
世の中への情報提供・教育に着目し、活動を広げている。
抗生物質とお酒の飲み合わせはOK?NG?
抗生物質とお酒は相性が悪いと言われています。
服用中は、できる限り飲酒を控えましょう。
お酒と抗生物質が同時に体内に入ると、それぞれの代謝を妨げ合うことになり、体に悪い反応が出る可能性があります。
ほんのちょっと飲むだけなら…大丈夫?
少量のお酒でも控えた方がいいでしょう。
飲酒は免疫力の低下につながります。
ただでさえ体が弱っているときにお酒で免疫力が低下すると、余計に体調が悪化してしまう可能性があります。
服用中の飲酒で生じるリスク
抗生物質の服用中にお酒を飲むと、
- 抗生物質の効果低下
- 顔が赤くなる(顔面紅潮)
- 心臓の鼓動が早くなる(心悸亢進)
- ふらつく(血圧降下)
- 胃の不快感・吐き気
- 下痢
などの症状があらわれる可能性があります。
また、二日酔いの作用が激しくなりやすいので要注意です。
\抗生物質の服用中はタバコにも注意/
タバコもお酒と同様に、薬に影響があります。
副作用や副反応には個人差がありますが、できれば避けましょう。
薬の作用に強く影響がある場合は、避けるように指導されると思います。
お酒を飲んでもいい抗生物質ってあるの?
「お酒と一緒に飲んでもいい」と認められている抗生物質は、ありません。
抗生物質にはさまざまな種類がありますが、ほとんどの注意書きに「お酒を避けるように」と指示されています。
一つずつ細かく調べれば、服用中にお酒を飲んでも大丈夫かもしれません。
ただし、お酒や薬を代謝する力には個人差があるので、一緒に飲んだ際の副作用の症状も個人差があります。
種類にかかわらず、服用中の飲酒は避けるようにしましょう。
お酒を飲む場合は何時間空けるべき?
個人差がありますので、何時間空ければよいかはっきりとお答えはできません。
目安となる時間を聞きたいときは、処方を受けた医療機関で相談してみましょう。
体格や性別などにもよりますが、一般的に、ビール中びん1本(500ml)分のアルコールを分解するのに、男性ではおよそ2時間強、女性では3時間程度かかるとされています。
ただし、人によっては飲酒から6時間空けてもお酒が抜けない場合もあります。
お酒が抜けたと思って抗生物質を内服して、後々二日酔いのような症状が出たり、血圧が急に下がったりする方もいますので、気をつけてください。
お酒を飲んでしまった場合の対処法
お酒を飲んだ後に、特に異常が出ていなければ、そのまま様子を見ても良いでしょう。
何らかの異常が出ている場合、まずはかかりつけの医師の指示に従ってください。
こんな症状が出たらすぐに病院へ
といった症状があらわれた場合は、早急に医療機関を受診してください。
放置すると、薬の副作用が強く出たり、血圧が下がりすぎたりするほか、意識がなくなるなど命の危険もあります。
病院は何科?
お酒と抗生物質を一緒に飲んで異常が出たときは、かかりつけ医や内科を相談しましょう。
内科を探す
抗生物質の服用中は、極力お酒を控えて
抗生物質の服用中は、極力お酒を控えるようにしましょう。
また、どうしてもお酒を飲まなければならない場合は、抗生物質の内服を控えましょう。
ただし、継続して抗生物質を内服しないといけない疾患もありますので、お酒を飲む機会がある場合は十分注意してください。
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2021-08-31
歯茎の腫れがつらい…!
「歯茎の腫れで処方された抗生物質は何日で効くの?」
「数日経っても効果を感じない!」
歯茎の腫れについて、抗生物質の効果や応急処置の方法を歯科医師に聞きました。
病院に行く目安や症状を悪化させている行動なども解説します。
歯茎の腫れで処方された抗生物質は「何日で効く?」
抗生物質の種類にもよりますが、通常飲み始めてから2〜3日で効果があらわれ始めます。
なぜスグ効果が出ないの?
成分が血流を通して、効果のある血中量に達するまで時間がかかるためです。
抗生物質の効果が発揮されるためには、薬を飲んでから有効な血中量に達する必要があります。
抗生物質が効かない…一体なぜ?
抗生物質は細菌感染症に有効な薬のため、細菌以外の原因によって歯茎が腫れている可能性があります。
例えば、ウイルス感染(ヘルペスなど)の場合は抗生物質は効きません。
腫れが治らないときは、病院で相談を
3日経っても腫れが改善しない
症状が悪化している
といった場合は、早めに歯医者で相談しましょう。
放置すると、次第に痛みが強くなることがあります。
また、症状の悪化によって歯の周囲の骨が溶けると、抜歯が必要になる恐れもあります。
歯茎の腫れ・痛みを緩和する「応急処置方法」
頬の上から患部を冷やす
口の中を清潔に保つ
市販薬を服用する
体をしっかり休める
すぐに歯医者に行けなかったり、腫れや痛みのせいで眠れない場合は、これらの方法で対処しましょう。
※応急処置である程度症状が落ち着いたら、医療機関を受診して適切な治療を受けてください。
その① 頬の上から患部を冷やす
冷却シートや保冷剤等を使用するのがおすすめです。
痛みや腫れのある部分の血行を抑え、痛みを和らげることにつながります。
その② 口の中を清潔に保つ
軟らかい歯ブラシで丁寧に歯を磨き、うがい薬で口の中を消毒すると良いでしょう。
うがい薬は、刺激が少ない「コンクール」や「イソジン」がおすすめです。
その③ 市販薬を服用する
「ロキソニン」や「バファリン」といった鎮痛薬の服用は、一時的な痛みの緩和になります。
ただし、あくまで「医療機関を受診するまでの応急処置」であり、鎮痛薬は根本的な改善にはなりません。
長期的な服用は控え、早めに治療を受けましょう。
その④ 体をしっかり休める
体の免疫力が落ちると、症状が悪化することがあります。
ストレスや疲労を溜めないようにし、しっかりと睡眠をとるようにしましょう。
これはNG!腫れが悪化する行動
長くお風呂に浸かる
激しい運動をする
腫れている部分を温める
などの行動はやめましょう。
血行が促進されると、腫れが悪化する可能性があります。
歯医者では、どんな処置を受けるの?
まずは、歯茎の腫れの原因を確認します。
歯周病が原因の場合は、歯石の除去・噛み合わせの調整を行います。
症状によっては、抗菌薬や消炎鎮痛薬・うがい薬などを使用して炎症を抑える場合もあります。
また、親知らずのせいで炎症をくり返している場合は、抜歯も検討されます。
歯茎の腫れはどれくらいで改善する?
歯周病が原因の場合、通常1~2カ月程度かかります。
親知らず周辺の炎症が原因の場合には、3回〜4回の通院で治療することが多いです。
なお、治療期間には個人差があり、原因によってはそれ以上かかるケースもあります。
「処方された抗生物質が効かない」「腫れが悪化している」といった場合は、早めに歯医者で診てもらいましょう。
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▼参考
日本歯科医師会 歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020 歯周病の治療にはどんな方法がありますか
日本臨床歯周病学会 歯周病が全身に及ぼす影響
日本臨床歯周病学会 歯周病とは?
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2019-12-05
風邪をひいているとき、お酒を飲んでもいいのでしょうか?
お酒に強い人の中には、風邪をひいたときでも普段通りお酒を飲むという人も多くいますね。
ですが、風邪のときは普段より酔いやすくなったり、薬と飲酒の飲み合わせは危険だと耳にします。
また一方では、風邪の症状を改善するために飲む「たまご酒」などもあります。
この記事では、風邪をひいたときのお酒はOKかNGか、医師に詳しく解説してもらいました。
風邪のときお酒はOK?
風邪のときにお酒を飲むのはNG
風邪は、発熱・悪寒・喉の痛み・咳・鼻水など多くの体の不調が現れます。
このような状態でお酒を飲めば、一時的に麻痺した感覚となり、楽になったと感じる人もいるかもしれません。
しかし実際は、血流がアップして頭痛がひどくなり、アルコールを分解するために肝臓が働かなくてはならず、逆に体は疲労が増し、風邪の症状も悪化させる可能性が高いと考えられます。
睡眠の質の低下、脱水症状のおそれも
飲酒は睡眠の低下を招き、体力の低下により風邪を長引かせる要因となる可能性もあります。
また、お酒には利尿作用があるため、水分が奪われて脱水になってしまうリスクがあります。
風邪で発熱している時は、ただでさえ水分が失われているのに、さらに利尿効果で水分が排出されると脱水症状が増悪する場合もあるのです。
お酒で喉のアルコール消毒!?
中には、喉が痛いとアルコール消毒と言って飲酒する方がいますが、一般的なお酒はアルコール濃度が低いため、殺菌などの働きは期待できません。
風邪のときは酔いやすい?
風邪のときは体の免疫力が落ちて体力も消耗しているため、お酒に酔いやすくなります。
風邪薬とお酒の飲み合わせには注意!
風邪薬を服用して飲酒すると危険!
風邪薬を飲んでアルコールを摂取すると、薬が通常より早く吸収され、成分が過剰に働くリスクが上がります。
風邪薬を飲んだ後にアルコールをとると、眠くなる成分が働きすぎて思わぬ事故につながった事例もあります。
風邪薬を飲んだらアルコールの摂取は控えてください。
飲んでしまったときの対処法
気が付いた時点でやめましょう。
水分補給を行い、安静にして睡眠をとることをおすすめします。できれば家族やパートナーと一緒に眠り、変化があった場合は対応してもらいましょう。
お酒を飲まなければいけないときは?
薬によって体から抜ける期間は異なるため、薬剤師や医師に確認しましょう。
通常病気や風邪のときは、アルコールは飲まないようにした方が体のためです。
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お酒を飲んだあとは風邪を引きやすい
お酒を飲むとリラックスして楽しい気分になれるので体にいい気もしますが、実際には睡眠不足や肝臓機能の疲労などを招き、体の免疫は低下しています。
その隙にウイルスや細菌に感染してしまい、風邪や体調不良を発症するリスクが高まるのです。
たまご酒や甘酒で風邪対策?
たまご酒の効果は?
現在ではあまりおすすめできません。
たまご酒は昔、栄養のある食べ物が貴重だった頃に卵という栄養価値の高いものと温めた日本酒を混ぜ合わせ、栄養摂取とアルコールで体を温め、良く眠れるようにするという働きを期待したもののようです。
酒粕ではなく米麹の甘酒がおすすめ
酒粕が原料の甘酒はアルコールが入っているのでおすすめできません。
米麹が原料の甘酒は、アルコール分が入っていないので風邪対策に活用できます。
甘酒にはブドウ糖、オリゴ糖、必須アミノ酸、ビタミンB群など、風邪予防に働く栄養素が多く含まれています。
風邪をひいて食欲がないときの栄養補給にも良いですね。
まとめ
風邪のときのお酒は、いっときの体が温まる働き以外には、良い働きは期待できません。
風邪の症状の悪化や治癒を長引かせる原因になりかねません。
風邪のときは、アルコールは、控えて食事や睡眠をしっかりとり、早く体調を元に戻したいですね。
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。