「金属アレルギーだと、銀歯で肌荒れする」って本当？保険適用で被せ物を変更できる？

「金属アレルギーは銀歯で肌荒れする…？」
「金属アレルギーの原因を特定する方法を教えて」

金属アレルギーの人が銀歯で肌荒れするのかどうかを、歯医者さんに聞いてみました。

監修者

歯科医

菊地 由利佳先生

経歴

歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。

金属アレルギーだと「銀歯で肌荒れする」ってホント？

銀歯に含まれる金属によって、金属アレルギーがある人は肌荒れを引き起こすことがあります。

銀歯から溶け出た「陽イオン」という成分が、唾液や直接接触している部分を介し、血液中に入り込み、血流により、全身へと運ばれ金属アレルギーとなります。

こんな肌荒れがでる可能性アリ

• かゆみのある湿疹が出る
• 皮膚の腫れや赤みがある
• 皮膚にかさぶたができる
• 皮膚が乾燥する
• 皮膚が厚くなる
• 水ぶくれができる

肌荒れ以外にも、こんな症状もでることも

• 口の粘膜が荒れる
• 舌にまだら模様が表れる
• 扁平苔癬ができる
• 食べ物の味が分からない
• 毛が抜ける
• 頭痛がする
• 吐き気がある
• めまいがする

など

本当に銀歯のせい？肌荒れ原因を特定するには

銀歯で肌が荒れたかも…と思った場合、どうすれば原因がわかるでしょうか？

金属アレルギーの疑いがあれば、一度アレルギー検査を受けましょう。
金属アレルギーの検査は、歯科・皮膚科で受けることができます。

皮膚科でアレルギー検査→歯科治療の流れ

1. どの金属に対してのアレルギー検査する必要があるのか、事前に歯科医師に確認する。
2. 皮膚科でアレルギー検査を受ける。（パッチテスト）
3. 皮膚科で「診療情報提供書」を発行してもらう。
4. 「診療情報提供書」を持って歯科に行き治療を受ける。

※歯科医院では、金属アレルギーの診断書を発行することができません。
また、皮膚科で発行される金属アレルギーの「診療情報提供書」がないと、銀歯を替えようと思っても、治療部位によっては保険適用されません。

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銀歯を除去すれば肌荒れは治る？

金属アレルギーでも使える被せ物の代表例はこちらです。
金属アレルギーだと診断がでたら保険適用になる被せ物もあります。

その①　レジン（保険適用）

プラスチック素材です。
金属に比べて目立ちにくいですが、審美性は高くありません。経年劣化もおこります。

強度に関しても金属よりも弱いです。そのため、噛む力が強い人は、割れてしまう恐れがあります。

その②　チタン（保険適用外）

チタンは、イオン化しにくい金属で、生体親和性が高い素材です。
そのことから金属アレルギーが起こりにくいと言われていますが、100%起こらないわけではありません。

また、金属であるため、審美性は低いです。

その③　セラミック（保険適用外）

陶器でできています。審美性が高く、機能性も高いです。
長持ちしやすい、二次虫歯になりにくいなどと言われています。ただし、費用が高いです。

その④　ハイブリッドセラミック（金属アレルギーの場合は、保険適用内になる部位あり）

ハイブリッドセラミックとは、レジン（歯科用のプラスチック）とセラミックを配合したものです。

2020年4月より、6番目までのすべての歯を保険適用でハイブリッドセラミックの歯に保険が適用されるようになりました。ただし、7番目の歯の場合は皮膚科の診療情報提供書があれば保険適用になります。

※保険適用となった場合でも、インレーと呼ばれる詰め物は保険の対象外ですので、クラウンと呼ばれる被せ物のみが対象となります。

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