脇の下にできるしこりについて、お医者さんに聞きました。
「しこりができたけど痛みはない」
「押したりつまんだりすると痛い」
こういった症状がある場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。
注意すべきしこりの特徴や、病気の可能性なども併せて解説します。
監修者
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
内科医
岡村 信良先生
経歴
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
「痛みがある」心配のないしこり
痛みがあるしこりの場合、次の原因が考えられます。
あまり心配しなくても大丈夫ですが、症状が悪化したときは医療機関を受診してください。
① 異物肉芽腫
伸びた脇毛が皮膚の中に入り込むと、異物侵入の反応として“しこり”が生じる場合があります。
脇毛のお手入れが原因で発症しやすいです。
しこりの特徴
赤みが出てから1週間ほど経つと、痛みが消え、赤かった部分が黒くなり、茶色っぽい硬いしこりが生じます。
異物肉芽腫の対処法
しこりが生じた箇所を清潔に保ちましょう。
痛みや違和感があるときは、皮膚切開で取り出す必要がありますので、早めに医療機関を受診してください。
病院は何科?
形成外科を受診しましょう。
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② せつ(おでき)
毛根を包んでいる組織に細菌が感染すると、膿が溜まり、しこりができます。
せつ(おでき)の対処法
- 脇の下を清潔に保つ
- 脇の下が蒸れないように保つ
- デオドラント製品の過度に使わない
綿・絹などの通気性がよい服を着るのがおすすめです。
デオトラント製品を使いすぎると、毛穴詰まりを起こし、細菌感染や炎症が生じて、毛包炎やおできを発症する恐れがあるので注意しましょう。
おできに気がついたら、すぐに医療機関を受診してください。
病院は何科?
皮膚科・形成外科を受診しましょう。
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③ アレルギー反応
アレルギー反応として脇の下にしこりが生じる場合があります。
腕に予防接種をした後などに起こりやすいです。
アレルギー反応の対処法
アレルギーの原因物質を遠ざけましょう。
注射によるものであれば、数日〜1週間くらいで自然に消えることがほとんどです。
ただし、違和感がある、どんどんと大きくなるようであれば、医療機関へ行きましょう。
病院は何科?
皮膚科・アレルギー科を受診しましょう。
予防接種をした後であれば、その予防接種をした医療機関を受診しましょう。
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④ 副乳
妊娠に伴い乳腺が発達すると、脇の下に乳腺組織が出現する場合があります。
これは副乳と呼ばれており、授乳期の女性に多く見られる症状です。
しこりの特徴
- できもののような小さいしこり
- 痛み、腫れがある
- 乳汁が分泌することもある
- 脇の下や肋骨周辺に発生しやすい
副乳の対処法
痛みがある場合は、冷やすと痛みが緩和するケースがあります。
痛みがなければそのまま放置でも大丈夫ですが、痛みが出てきたら、病院へ行きましょう。
病院は何科?
授乳中の場合は、かかりつけの産婦人科を受診しましょう。
それ以外の方は、乳腺外科を受診しましょう。
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⑤ 乳腺炎
母乳が溜まりすぎ、細菌感染などによって乳腺に炎症が起こっている状態です。
授乳中に生じる乳房のしこりは、多くが乳腺炎です。
しこりの特徴
- 広範囲にしこりが生じてカチカチになっている
- 痛みがある(感染症の場合は強く痛む)
発熱や吐き気、倦怠感などを伴うケースもあります。
乳腺炎の対処法
などの対処が行えます。
上記のケアをして24時間経過しても改善されない場合は、医療機関を受診しましょう。
病院は何科?
授乳中の場合は、かかりつけの産婦人科を受診しましょう。
それ以外の方は、乳腺外科を受診しましょう。
乳腺外科を探す
⑥ 乳腺症
乳腺の表面にある皮やその周辺の組織が萎縮したり、異常に増殖したりすることで“しこり”を形成します。
乳腺症は、20~40歳代の女性に多い良性疾患です。
しこりの特徴
- ごりごりしたような感触
- 痛みがある
- 乳頭から分泌物が出ることもある
乳腺症の対処法
まずは日常生活でお茶やコーヒーなどのカフェイン、脂質の多い食事を減らしましょう。
また、ホルモンバランスのために、規則正しい生活を心がけ、ストレスを溜めないようにしてください。
セルフケアを1ヶ月行っても治らない、強い痛みが出ているといった場合は、医療機関を受診しましょう。
病院は何科?
乳腺外科を受診しましょう。
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⑦ 線維腺腫
乳腺周りの線維組織成分と腺細胞成分が増殖し、しこりを形成します。
10~30歳代の女性に多い良性腫瘍です。
しこりの特徴
- 弾力性がある
- くりくりとした感触
- よく動く
- 押すと痛い
線維腺腫の対処法
経過観察で大丈夫です。
もし大きくなってきた場合は医療機関へ行きましょう。
病院は何科?
乳腺外科を受診しましょう。
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2021-08-31
「更年期になって、脇が痛みだしたけど大丈夫?」
「押すと痛い!」
原因には“乳がん”や“乳腺症”といった病気も考えられます。
当てはまる症状がないか確認してみましょう。
病院に行く目安も併せて解説します。
「更年期の脇の痛み」はなぜ起こる?
更年期のホルモンバランスの変化が乳腺に影響を与えると、脇に痛みが起こる場合があります。
乳房周辺に症状が出やすいため、胸に違和感が出る人もいます。
この痛み…大丈夫?病院行くべき?
更年期障害が起こる時期と乳癌が起こりやすい年代は近いので、
今まで経験したことのないような痛み、気になる痛みについては病院に相談しましょう。
ただし、脇の下の痛みや異常は「乳がん」の可能性もあるからです。
特に注意すべき「乳がん」の症状
脇の腫れや痛みに伴って
乳房に硬いしこりがある(痛みはない)
胸にえくぼのようなくぼみができる
乳頭から血液が混ざった分泌物が出ている
という場合は速やかに、医療機関を受診してください。
上記症状には、乳がんが疑われます。
乳がんは命に関わる病気であるため、早期治療が重要です。
何科で受診すればいい?
更年期に胸が痛むときは、乳腺外科を受診しましょう。
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考えられる2つの病気
更年期に脇が痛むのは、
乳腺症
乳がん
といった病気が考えられます。
病気① 乳腺症
乳腺症とは乳腺に起こる生理的変化で、良性の病気です。
胸の張り感が強まると、脇が痛むことがあります。
ホルモンバランスの乱れが原因で発症することが多いです。
痛み方の特徴
引っ張られるような痛みを感じる人が多いです。
うつ伏せ寝など、胸が圧迫されている体勢だと痛みが強くなります。
また、腕をたくさん使ったあとに、痛みが強くなるケースもあります。
こんな症状は出ていませんか?
胸が張る
いつもより胸が大きくなる
胸の表面にしこりができる
胸の表面に凹凸があらわれる
どんな人に多い?
50歳ごろの女性
生理周期の変動がある人
どう対処する?
決まった時間に起きて、眠る
一日7時間程度の睡眠をとる
食事は3食をバランスよく食べる
適度に体を動かす
趣味に没頭するなど、ストレスを溜めない
上記の対処で生活習慣を整えて、ホルモンバランスの変化の影響が大きく出ないようにしましょう。
ただし、脇の痛みが14日以上続く場合は、医療機関に相談しましょう。
乳がんに症状が似ているため、注意が必要です。
病院は何科?
乳腺症が疑われるときは、乳腺外科を受診してください。
乳腺症の治療では、定期的に受診してもらい、変化がないかを見守っていきます。
痛みが強く、日常生活に支障がでている人には、痛み止めや漢方を処方します。
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病気② 乳がん
乳がんは乳腺の組織にできるがんです。
乳がんで脇の下のリンパ節が腫れると、脇の下に痛みが起こります。
女性ホルモンの分泌期間が長くなることが原因だと考えられています。
また、遺伝や生活習慣(喫煙・運動不足・肥満など)も発症に関わっています。
痛み方の特徴
脇の下が腫れぼったくなり、異物があるような痛みを感じます。
脇の下や脇の奥を強く押したり、無理に動かしたりすると痛みを感じやすいです。
こんな症状は出ていませんか?
乳首と乳房がただれる
乳首と乳房がへこんでくる
血液がまじった分泌物が乳首出てくる
胸の形が左右で変わっている
乳首の位置がずれてくる
乳房の中にしこりができる
どんな人に多い?
初潮が平均年齢(10~15才)より早く来た人
閉経が平均年齢(50.5歳)より遅かった人
出産・授乳未経験の人
乳がんを発症している血縁者がいる人
喫煙習慣がある人
運動をしない人
肥満傾向の人
どう対処する?
残念ながら乳がんはセルフケアでは治りません。
転移すると命に関わりますので、早急に医療機関を受診してください。
胸に違和感を覚えたら早急に医療機関を受診しましょう。
病院は何科?
乳がんが疑われるときは、乳腺外科を受診しましょう。
医療機関では、手術・放射線治療・薬物治療などを行います。
病状の進行具合に応じて、治療方針が選択されます。
乳腺外科を探す
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
▼参考
国立がん研究センターがん情報サービス 乳がん
「痛みがない」心配のないしこり
次のしこりは、ほとんど痛みがなく、あまり心配はいりません。
強い痛みが出たり、症状が悪化したりしたときは、医療機関を受診してください。
① 女性ホルモンの影響
女性ホルモンの影響を受けて、脇の下にしこりができる場合があります。
女性ホルモンによる“しこり”の対処法
規則正しい生活リズムで、ホルモンバランスを整えましょう。
日常生活で気になるようであれば、早めに医療機関へ行きましょう。
病院は何科?
まずは婦人科へ行きましょう。
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② 粉瘤(アテローム)
皮膚の下に袋状の組織が発生し、その中に垢などの老廃物が溜まってしまう状態です。
粉瘤は、年代問わず発症する症状です。
しこりの特徴
- 数mm~1cm程度の大きさ
- ドーム状に出っ張るイボ状の塊
- 触ると周囲の皮下脂肪より硬い
- 粉瘤の中心部に黒い点がある
- しこりが生じている皮膚をつまむと、しこりが付いている
内部に感染を起こすと、赤く腫れたり、臭ったり、痛みを生じたりする場合があります。
粉瘤(アテローム)の対処法
放置しても構わないですが、日常生活で気になるようであれば、医療機関を受診してください。
取り除くには、治療を受ける必要があります。
病院は何科?
皮膚科を受診しましょう。
皮膚科を探す
③ 脂肪腫
皮膚の下に生じる良性の腫瘍で、中には脂肪が詰まっています。
女性に発症しやすい傾向があります。
しこりの特徴
- 柔らかい
- しこりがある部分の皮膚をつまめる
- 脇の下、背中、肩、首に発生しやすい
脂肪腫の対処法
放置しても構いませんが、日常生活で気になるようであれば、医療機関で相談しましょう。
切除が必要と判断された場合は、手術が行われます。
病院は何科?
皮膚科・形成外科を受診しましょう。
形成外科を探す
④ 女性化乳房症
男性の乳腺組織が肥大する状態です。
乳児期や思春期にみられる男性乳房肥大は、正常で生理的なものであるケースが多いと考えられています。
しこりの特徴
- 大きさは、500円硬貨より少し小さいことが多い
- 痛みを伴うケースもある
女性化乳房症の対処法
多くの場合は自然に治るため、特に治療の必要はありません。
ただし、
- 皮膚への固着
- 乳頭から分泌物が出る
- 脇の下のリンパ節が腫れている
といったときは、男性乳がんのリスクがあるため、早めに医療機関へ行きましょう。
がんを発症している場合、放置すると命の危険があります。
病院は何科?
乳腺外科を受診しましょう。
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放置は危険!深刻な病気が原因のしこり
しこりの中には、命にかかわる危険なものもあります。
気づいたら医療機関を受診してください。
① 悪性リンパ腫
血液細胞由来のがんの一つで、リンパ球ががん化した状態です。
ウイルス感染症、免疫不全者に多くみられ、しこりは脇の下、首、鼠径部等に発生しやすいです。
発熱、体重減少、皮膚発疹、むくみ、しびれなどを伴うこともあります。
しこりの特徴
- 1~5cmほどの大きさ
- しこりが固い
- 触れても動かない
持続的に増大して病状が進行すると、しこりや腫れが全身に拡がります。
病院は何科?
内科を受診しましょう。
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② 悪性腫瘍の転移
全身のどこかにできた悪性腫瘍が、脇の下のリンパ節に転移すると、しこりのように腫れてきます。
しこりの特徴
- 痛みを感じないことが多い
- どんどんと大きくなる
- いびつな形をしている
病院は何科?
まずは内科を受診しましょう。
肺がんなどの悪性腫瘍が発見された場合、適切な診療科へ案内してもらえます。
内科を探す
③ 乳がん
乳がんが腋窩リンパ節に転移すると、脇の下にしこりを感じる可能性があります。
脇のしこり以外に、乳房のしこり、張り感、乳頭から分泌液が出る、乳首陥没、皮膚にくぼみができる等の症状を伴うことがあります。
また、稀に男性も乳がんを発症するケースがあるため、油断は禁物です。
男性の場合、50歳以上で発症するケースが多いです。
しこりの特徴
- ゴツゴツしている
- でこぼこというような感触
- 動かない
病院は何科?
乳腺外科を受診しましょう。
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自分のはどれ?しこり一覧表
|
痛みの有無 |
固さ |
大きさ |
赤み |
異物肉芽腫 |
ある |
固い |
数ミリ程度 |
ない(茶色になることがある) |
せつ(おでき) |
ある |
固い |
1~2cm程度 |
ある |
アレルギー反応 |
ある |
固い |
3cm前後 |
なし |
副乳 |
ある場合もある |
適度な固さ |
様々 |
ある場合もある |
乳腺炎 |
ある |
固い |
不揃いな大きさ |
ある |
乳腺症 |
ある |
固い |
不揃いな大きさ |
ある |
線維腺腫 |
ない |
弾力性のある固さ |
2〜3cm程 |
なし |
女性ホルモンの影響 |
ある場合もある |
固さがあるものもある |
様々 |
ある場合もある |
粉瘤 |
炎症の際にある |
弾力ある固さ |
数mm〜1cm程度 |
感染するとある |
脂肪腫 |
なし |
弾力ある柔らかさ |
1〜数cm程度 |
なし |
女性化乳房症 |
肥大すると痛む |
柔らかい |
様々 |
なし |
悪性リンパ腫 |
なし |
ゴムのような固さ |
5mm〜数cm
※ステージによって変わる |
ある場合もある |
悪性腫瘍の転移 |
なし |
固い |
5mm〜数cm
※ステージによって変わる |
ある場合もある |
乳癌 |
なし |
固い |
5mm〜数cm
※ステージによって変わる |
炎症がある場合は赤い |
こんなしこりは病院へ
- しこりが大きくなってくる
- しこりの数が増える
- しこりの痛みが強い
- セルフケアしても症状の改善がみられない
以上のような症状がある場合、何らかの病気の可能性があります。
自己判断せず、病院を受診しましょう。
病院は何科?
原因がわからないときは、まずは内科で相談してみましょう。
なんらかの病気に心当たりがあるときは、以下の一覧表を参考にしてください。
|
受診すべき診療科 |
異物肉芽腫 |
形成外科 |
せつ(おでき) |
皮膚科
形成外科 |
アレルギー反応 |
皮膚科・アレルギー科 |
副乳 |
乳腺外科 |
乳腺炎 |
乳腺外科 |
乳腺症 |
乳腺外科 |
線維腺腫 |
乳腺外科 |
女性ホルモンの影響 |
婦人科 |
粉瘤 |
皮膚科 |
脂肪腫 |
皮膚科 |
女性化乳房症 |
乳腺外科 |
悪性リンパ腫 |
内科 |
悪性腫瘍の転移 |
内科 |
乳癌 |
乳腺外科 |
皮膚科を探す
形成外科を探す
乳腺外科を探す
婦人科を探す
内科を探す
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2021-03-26
「脇の下に柔らかい腫れができた…」
「これってもしかして、病気?」
腫れの原因と医療機関は何科に行くべきかを、お医者さんに聞きました。
脇の下の痛みは、乳がんなど重い病気の可能性もあるので要注意です。
脇の下に「柔らかい腫れ」ができた…!これ大丈夫?
生理前に腫れ始めて生理と共に消失する場合は、あまり心配いらないケースが多いです。
脇の下の柔らかい腫れは、女性ホルモンの影響によって生じることがあります。
生理周期に合わせて、ひきつれを感じたり感じなくなったりするケースもあります。
こんな症状は要注意
生理周期に関係なく腫れている
腫れが大きくなっている
腫れ以外にも皮膚の症状が出ている
という場合は病気の可能性が高いので、皮膚科など医療機関で検査を受けてください。
ただし、どのような場合でも自己判断するのは危険です。
脇の下に腫れが生じたら、一度医療機関で診てもらうことをおすすめします。
よくある3つの原因
脇の下にできた柔らかい腫れは
リンパ節炎
脂肪腫
軟性線維腫(スキンタッグ)
が原因となっているケースが多いです。
原因① リンパ節炎
風邪症状や倦怠感をあるときは、「リンパ節炎」を疑います。
風邪や生理前など免疫力が低下しているときに、感染症を起こしやすいです。
そのウイルスや細菌が脇の下にあるリンパ節に侵入し、わきの下のリンパ節が腫れたり痛みを生じたりします。
感染が起きたリンパ節部分の皮膚が赤くなり、熱を持つケースもあります。
腫れの特徴
押すと痛い
腫れて痛い
赤くなって熱をもつことがある
自分でできる対処法は?
リンパ節が腫れている場合、タオルなどで包んだ冷却材で患部を冷やしましょう。
冷やすと、炎症が生じている場所の腫れを抑え、リンパの流れも改善が期待できます。
冷やしても痛みが改善しない場合は、内科を受診しましょう。
内科を探す
原因② 脂肪腫
皮膚の下に脂肪細胞が増えてできた脂肪の塊(良性の腫瘍)が生じることで、腫れているように感じるケースがあります。
脂肪腫は、特に問題のない腫瘍です。1個だけできることもあれば、多数できることもあります。誰にでもできる可能性があります。
腫れの特徴
表面は滑らかでコブのようになっている
触ると痛みを感じる場合がある
約7.5cm以内の大きさであることが多い(数mmから10cm以上と様々)
自分でできる対処法は?
自分でできる対処法はありませんが、良性の腫瘍なので治療する必要も特にないです。
痛みが伴う場合や、腫れが気になる場合は、脂肪腫を手術で摘出することもできます。
皮膚科など医療機関を受診し、正しい治療や処置を受けましょう。
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原因③ 軟性線維腫(スキンタッグ)
軟性繊維腫(スキンタッグ)はいわゆる“イボ”です。
大きくなると腫れのように感じるケースがあります。
原因はわかっておらず「紫外線の影響」「摩擦などの刺激」「老化」などが関係していると考えられています。
大きくなると洋服と絡まりやすくなり、剥がれて出血するケースもあります。
腫れの特徴
特に痛みはない
茶色っぽい
ドーム状に盛り上がっている
周囲との境界ははっきりしている
自分でできる対処法は?
良性なので気にならなければそのままで大丈夫です。
大きくならないよう、増えないように日光に当てないといった皮膚老化を避けましょう。
医療機関を受診する場合は、皮膚科・形成外科にいきましょう。
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もしかして、乳がん?
脇の下の柔らかい腫れは、まれに乳がんの可能性もあります。脇の下のリンパ節にがんが転移した可能性が高いです。
乳がんの特徴
乳房にしこりができる
乳房にただれやえくぼができる
乳房の形が左右非対照になる
乳頭から分泌物が出る
リンパ節に転移すると、脇の下に痛みのないしこりや腫れが生じる
リンパ節に転移ると発熱や寝汗などの全身症状が出る
何もしていないのに体重が減少する(目安として、半年で5キロ以上)
全身にかゆみや皮膚の発疹が現れる
乳がんは40歳代後半から発症しやすい?
40歳代後半〜60歳代後半の女性がなりやすいです。男性でも発症することはあります。
女性ホルモンの一つであるエストロゲンが深く関わっているため、体内のエストロゲンが多い人は発症しやすいと言われています。
「エストロゲンを含む経口避妊薬を使用している人」「長期のホルモン補充療法を閉経後に受けている人」は注意しましょう。
乳がんを発症しやすい人
更年期の人
自分の親や子どもで乳がんになった血縁者がいる人
初潮年齢が低い人
閉経年齢が高い人
初産年齢が高い人
出産経験や授乳経験がない人
大量にアルコールを摂取する人
運動不足の人
閉経後、肥満体形になった人
乳がんは何科?
乳がんの疑いがある時は皮膚科や乳腺外科で検査を受けましょう。
「問診」や「触診」の後に、「マンモグラフィ」や「乳房超音波」を行います。
検査時間は1~2時間ほどかかると考えておいてください。
予約制をとっている病院もあるので、事前確認をおすすめします。
検査結果が「要精密検査」となった場合は、必ず精密検査を受けましょう。
放置すると命を落とす可能性も
早期受診することで、脇の下の腫れの原因を特定し、適切な治療を受けることができます。
脇の下の腫れは、がんの可能性もあります。
放っておくと他の部位にもがんが転移し、最悪の場合、命を落とす可能性があるので、気になる症状がある場合は、早めに医療機関へ行きましょう。
医療機関は何科?
脇の下に柔らかい腫れがある時は、まずは皮膚科を受診しましょう。
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▼参考
国立がん研究センター がん情報サービス 乳がん
国立がん研究センター がん情報サービス 悪性リンパ腫
MSDマニュアル家庭版 脂肪腫
一般社団法人 日本形成外科学会
独立行政法人 国立病院機構 埼玉病院