「呼吸が浅くて、息苦しい…」
「体を動かしていないのに、なぜ?」
呼吸が浅くなり、息苦しくなる原因をお医者さんに聞いてみました。
息が深く吸えないときの対処法、病院の受診目安も解説します。
監修者
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
内科医
岡村 信良先生
経歴
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
呼吸が浅い・息苦しい…なぜ?
体を動かしていないのに呼吸が浅く息苦しいと感じる場合、ストレスが原因として考えられます。
ストレスで「脳機能」や「自律神経」に悪影響が及ぶと、この症状が起こりやすいといわれています。
呼吸が苦しくなる「メカニズム」
▼ストレスで「脳機能」に悪影響が及んだ場合
心臓の冠動脈が一時的に痙攣を起こすことで、息苦しさを感じることがあります。
▼ストレスで「自律神経」に悪影響が及んだ場合
自律神経のバランスが乱れることで、呼吸筋の血流が低下すると、息を吸いにくい状態になります。
こんな「習慣」に心当たりはないですか?
- ストレス・疲労過多
- 睡眠不足・夜型生活
- 日常的に口呼吸をしている
- ずっと同じ姿勢で作業をしている
- スマホやパソコンの画面をずっと見ている(猫背)
上記の習慣に心当たりがある人は、呼吸が苦しくなりやすい傾向があります。
ストレスが原因の場合も、油断は禁物!
たとえストレスによる息切れだとしても、放置していると「心筋梗塞」を招く恐れがあります。
また、「パニック障害」や「不安症」等といった心の病気につながるケースもあるため、注意が必要です。
呼吸が苦しくなる人は、ストレス・疲労過多に注意して生活するようにしましょう。
息が深く吸えないときの対処法
息が深く吸えないときは、
- 意識して腹式呼吸を行う
- ゆっくり息を吐く
- 一時的に呼吸を止めて、早く息を吸い込む
といった対処法を行ってみるとよいでしょう。
対処法① 意識して腹式呼吸を行う
- 背筋を伸ばし軽く目を閉じる
- お腹に手を当てる
- 頭の中で「1、2、3」と数えながら、ゆっくり口から息を吐く
- 息を吐き切ったところで、③と同じように3秒数えながら鼻から息を吸い込む
①~④を5~10分程度繰り返します
※息を吐く際は、お腹がへこむようにし、息を吸い込む際は、お腹が膨らむように意識しながら呼吸してください。
対処法② ゆっくり息を吐く
息切れは、呼吸回数の増加により起こるケースが多いと考えられています。
そのため、息を吐くことに意識を向けると改善しやすい傾向にあります。
- 「息を吸う→吐く→吐く」というリズムを意識して呼吸する
- 息を吐くときは、できれば口をすぼめる
- 息を吸うときは鼻から、吐くときは口から
上記の点を意識して、ゆっくりと息を吐きましょう。
対処法③ 一時的に呼吸を止めて、早く息を吸い込む
息切れ状態でパニックになると、さらに呼吸がしにくくなるケースが多いです。
そのため、「一度呼吸を止めて早く息を吸い込む」ことも症状を和らげる一つの方法です。
※ずっと息を止めていると苦しくなってしまうので、注意しながら行ってください。
生活習慣を整えることも大事
- 常に腹式呼吸を意識する
- ウォーキング、ストレッチ、ヨガ等を毎日行う
- 十分な睡眠時間を確保する
- スマホやパソコンを使用する際、姿勢を正す
等が挙げられます。
まずは内科で相談を
- 階段や坂道を上がると息が切れる
- 平らな道でも早歩きをすると息が切れる
- 日常の動作だけで息が切れる
- 過呼吸状態を繰り返す
- 急に動悸が始まる
- 息切れとともに胸痛も起こる
- 血痰が出る
- 発熱を伴っている
- 呼吸困難になったことがある
- 徐脈がみられる(1分間の脈拍数が40以下)
上記の症状がみられるときは、早急に医療機関を受診してください。
まずは内科を受診して、体に異常がないか診てもらいましょう。
体に異常がないと判明した場合は、心療内科での治療が推奨されます。
お医者さんに伝えるポイント
受診時には、
- 症状が始まった時期
- 症状が出現するタイミング
- 症状が続く時間
- 息切れ以外の症状の有無
- 過去にも同じような経験をしたか
- 既往歴や服用中の薬剤の有無
等を医師に伝えると診察がスムーズに進行します
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