虫歯じゃないのに「チョコで歯がしみる」甘味痛かも。知覚過敏とはどう違う？

「チョコが歯にしみる…」
「虫歯じゃないのにどうして？」

虫歯以外で歯がしみる原因を、歯医者さんに聞いてみました。
放置するとどうなるのか、歯医者さんでの治療法なども解説します。

監修者

歯科医

菊地 由利佳先生

経歴

歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。

虫歯じゃないのにチョコで歯がしみるのは「甘味痛」かも

チョコで歯がしみるのは、甘いもので歯が痛む「甘味痛」と呼ばれる症状です。

虫歯が原因でない場合は、知覚過敏によって起こっていると考えられます。

知覚過敏とは、歯の神経が敏感になっている状態です。
甘い物を食べて「糖分が混ざった濃い唾液」が歯に触れると、痛みを感じることもあります。

「甘味痛」の症状の特徴

甘味痛になってしまう原因

知覚過敏による甘味痛は、歯の内側層の「象牙質」がむき出しになることで生じるケースが多いです。

象牙質がむき出しになる原因には、

1. 強すぎる歯磨き
2. 酸で歯が溶けている
3. 歯周病

などがあげられます。

原因①　強すぎる歯磨き

強すぎる歯磨きは、歯茎を刺激して縮めてしまうことがあります。
すると、歯茎で守られていた象牙質（歯の根）が出てしまい、「甘味痛」を発症します。

この場合、歯茎が下がって歯が長く見えることがあります。

原因②　酸で歯が溶けている

歯は「酸」によって溶けてしまうことがあります。
歯の表面が無くなって象牙質がむき出しになると「甘味痛」を発症します。

酸で歯が溶けるのは、

• 糖分の摂取によって虫歯菌が作り出す「酸」
• 食べものに含まれる「酸」

が原因として考えられます。

原因③　歯周病

歯周病が進行すると、歯茎が下がってしまいます。
歯茎で守られていた象牙質（歯根）が露わになると、「甘味痛」を発症します。

歯周病の発症は、

• 毎食後丁寧に歯磨きをしていない
• 間食が多い
• タバコを吸っている

などによる「口内環境の悪さ」が原因になるケースが多いです。

甘味痛を放っておくと…？

虫歯じゃないなら、放っておいても大丈夫ですか？歯磨きを一生懸命すれば治るでしょうか？

知覚過敏による甘味痛は、「エナメル質の摩耗」「歯茎の下がり」などのトラブルが疑われます。
やがて虫歯や歯のグラつきを招く恐れがあるため、放置はやめましょう。

また、歯磨きなどのセルフケアで治すのは困難と考えられるので、歯医者での相談をおすすめします。

甘味痛は、歯医者さんで治せる？

甘味痛を起こす「知覚過敏」は、歯医者の治療で改善が期待できます。

軽度の知覚過敏の場合、薬剤を塗布して象牙質をカバーすると、歯がしみにくくなります。

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甘味痛の治療法

「軽度」の甘味痛の治療法

歯茎の退縮で「象牙質がむき出しになっている部分」に薬剤を塗り、しみないようにします。

「重度」の甘味痛の治療法

歯茎が大きく下がっている場合は、歯茎を補う手術を行います。

手術は、以下のような方法があります。

• 結合組織移植術　…　別の部分から歯茎を移植する
• 歯肉弁側方移動術　…　両隣の歯茎を切り取って引っ張って結合する

早めの受診をおすすめする理由

知覚過敏による甘味痛には、歯肉退縮も疑われます。
歯周病が原因の場合、放置すると歯を失うリスクがあるため、早めの受診をおすすめします。

歯茎が下がる範囲が大きくなると、歯を支えきれなくなり「歯茎の移植」などの手術が必要になることもあります。

また、虫歯が隠れているケースも多いので、まずは診察を受けてみることが大切です。

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