食いしばり(歯ぎしり)のボトックス治療|保険適用?デメリットは?

更新日:2023-04-25 | 公開日:2021-12-20
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食いしばり(歯ぎしり)のボトックス治療|保険適用?デメリットは?

「食いしばりを治したい…」
「ボトックスって効果あるの?」

ボトックスで食いしばりが治るのか、歯医者さんに聞いてみました。
ボトックス注射のメリット・デメリット、治療の費用目安なども解説します。

監修者
菊地 由利佳 先生


歯科医

菊地 由利佳先生

経歴

歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。

ボトックスで食いしばりが治る?

医師女性
ボトックスを受けることで、食いしばりの改善が期待できます。

ボトックスとは、ボツリヌス菌から抽出した「タンパク質」の一種を筋肉に注射する治療法です。
神経伝達物質の「アセチルコリン」の分泌を阻害し、筋肉の動きを弱める作用があるため、食いしばりの予防に役立ちます。

特に“就寝中の食いしばり”は、無意識のうちにアセチルコリンが機能して起こるケースが多く、ボトックスで改善されやすい症状といえます。

※ボトックスは無毒化した薬剤を使用しており、安全性が認められた治療法です。

「エラ張り」の改善効果も

食いしばりによるエラ張りは、「咬筋」の過剰な発達が原因です。
ボトックスで筋肉の動きを弱めると、次第に咬筋が小さくなっていくため、エラの張りが落ち着いていきます。

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ボトックス注射のメリット

  • 顎の痛み、こわばりが緩和する(顎関節症の緩和)
  • 頭痛・肩凝り・歯痛などの改善
  • 歯が割れる・ヒビが入るのを防ぐ
  • 被せ物や詰め物が外れるのを防ぐ
  • エラの張りの改善(小顔)
  • 顎の梅干しシワや口周辺のシワの改善
  • 睡眠の質が向上する
  • 少ない体への負担で有効に作用する

ボトックスは、特にこんな人におすすめ!

  • 歯の食いしばりが気になる人
  • マウスピース治療が合わない人
  • 下の歯茎の内側に“骨の膨らみ”がある人(骨隆起)

におすすめの治療法です。

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ボトックス注射のデメリット

  • 注射による多少の痛みが生じる場合がある
  • 注射による内出血を起こす場合がある
    (内出血が消失するまでに1~2週間必要になる場合がある)
  • 注射した部分に、腫れや発疹が生じる場合がある
  • 施術後、数日間は違和感や痛みが残る場合がある
  • 1回の施術では完全な改善は困難
    (1回の施術で3~4ヶ月間程度有効)
  • 弾力がある、硬いものが噛みにくくなる場合がある
    (1週間程度症状が続く場合がある)
  • 就寝中、口が緩む場合がある

ボトックス注射にかかる料金は?

費用

医師女性
目安としては、1回の施術で3万円以上かかるケースが多いです。

※受診する医療機関や使用する薬剤の種類等により異なります。

保険適用はされる?

医師女性
ボトックス治療は、保険適用されないケースが多いです。
ただし、病状によっては保険が適用される場合があります。

保険が適用されるのは、「口顎ジストニア(※)」などの疾患と診断された場合です。

(※)口顎ジストニアとは…

顎、舌、口に異常な筋肉活動が続き、顎や舌を上手く動かせなくなってしまう病気

ボトックス注射以外の治療をおすすめするケースも

医師女性
  • 妊娠中授乳中
  • 筋弛緩薬等の薬剤やサプリメントを服用している
  • 神経筋疾患・心疾患・肝疾患・腎疾患を患っている
  • 閉塞隅角緑内障を患っている
  • ボトックス剤に過敏症がある

などの場合には、ボトックス治療を受けられないケースがあります。

ボトックス治療を受けられない人には、マウスピースを用いた治療、噛み合わせの調整、矯正治療、認知行動療法、マッサージなどで、食いしばりの改善を図ります。
ご自身にどんな治療が適しているのか、歯医者さんで相談するとよいでしょう。

食いしばりを根本から改善するには

医師女性
  1. マウスピース(ナイトガード)を用いた治療
  2. 認知行動療法
  3. オーラルリフレクソロジー(マッサージ)

などの治療法は、根本から改善する方法の1つです。

治療法① マウスピース(ナイトガード)を用いた治療

医師女性
就寝中の無意識の食いしばりを予防するために、専用のマウスピースを装着する治療法です。

歯医者では、歯型をとってお口に合ったマウスピースを作ってもらえます。
マウスピースには、日中に装着するタイプもあります。

治療法② 認知行動療法

医師女性
歯を食いしばらないよう、できるだけ意識しながら生活する方法です。

「食いしばらない」とメモ書きした付箋をパソコン画面に貼るなど、さまざまな方法があります。

治療法③ オーラルリフレクソロジー(マッサージ)

医師女性
歯を食いしばる筋肉(咬筋)緊張を緩和するために、口周辺(顎、頬周辺)のマッサージや、口の中のツボを刺激してもらう治療法です。

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