噛み合わせが深い|デメリットは?エラが張るって本当?矯正で治療できる?

更新日:2023-04-25 | 公開日:2021-11-08
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噛み合わせが深い|デメリットは?エラが張るって本当?矯正で治療できる?

「噛み合わせが深いのが気になる…」
「原因は?矯正で治療できるの?」

噛み合わせが深い原因・デメリットを歯医者さんに聞いてみました。
歯科で行われる治療法も併せて解説します。

監修者
菊地 由利佳 先生


歯科医

菊地 由利佳先生

経歴

歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。

嚙み合わせが深い(過蓋咬合)原因は?

歯

医師女性

噛み合わせが深くなる原因には、

  1. 歯と顎のバランス(骨格)
  2. 歯の欠損
  3. 歯ぎしり、食いしばり
  4. 口周りの筋肉の緊張

などが挙げられます。

原因① 歯と顎のバランス(骨格)

医師女性
  • 上顎の歯や骨が大きい人
  • 下顎のサイズが小さい人
  • 成長段階で顎が成長し過ぎた人

などは、歯と顎のバランスが悪いため、噛み合わせが深くなる場合があります。

原因② 歯の欠損

医師女性
奥歯を失くすと、奥歯が噛み合わない分、嚙み合わせが深くなります。

また、乳歯時期のひどい虫歯・ケガ等により早い段階で歯を失うと、歯並びが悪くなり、永久歯が決まった位置に生えてくることができず、嚙み合わせが深くなる場合があります。

原因③ 歯ぎしり、食いしばり

医師女性
歯ぎしり、食いしばり、強い噛みしめなど癖がある人は、奥歯がすり減ることで、嚙み合わせが深くなる場合があります。

原因④ 口周りの筋肉の緊張

医師女性
口周り(特に下唇)が過剰に緊張して歯を圧迫すると、下前歯が内側に倒れ込んできてしまい、噛み合わせが深くなる場合があります。

歯を食いしばることが多い、硬いものを噛むことが多い人は、口周りの筋肉が緊張しやすいです。歯に影響が出るまでの期間は、歯を圧迫する力など個人差があります。

嚙み合わせが深い「5つのデメリット」

医師女性
  1. 顎関節症になりやすい
  2. 詰めもの・被せものが取れやすい
  3. 見た目のコンプレックスが生じる(エラ・ガミースマイル)
  4. 炎症を起こしてしまう
  5. 虫歯・歯周病になりやすくなる

などのデメリットがあげられます。

デメリット① 顎関節症になりやすい

医師女性
前歯が深く嚙み合っていると、下顎が奥へと押し込まれてしまいます。
可動域が制限されるため、顎に負担がかかりやすくなり、顎関節症を発症する場合があります。

顎関節症とは…

顎関節や筋肉の痛み、口の開けにくさ、顎関節に雑音が出るなどの障害をまとめていう病気のことです。

デメリット② 詰めもの・被せものが取れやすい

医師女性
嚙み合わせが深い場合、歯に過剰な力が掛かってしまいます

これにより、

  • 詰めものが欠ける、取れる
  • ブリッジ・差し歯が壊れる、外れる

といったリスクが高まります。

デメリット③ 見た目のコンプレックスが生じる(エラ・ガミースマイル)

医師女性
噛み合わせが深いことによって、エラが張る、笑うと上顎の歯茎が見える「ガミースマイル」になる場合があります。

エラが張ってしまうのは、顎が奥へと押し込まれたり、顎に負担がかかったりして、過剰にエラの筋肉が発達してしまうためです。

デメリット④ 炎症を起こしてしまう

医師女性
嚙み合わせが深過ぎると、奥歯が徐々に擦り減って、さらに前歯の嚙み込みが深くなります。
その結果、下の前歯が上の歯茎に当たりやすくなることで、歯茎に炎症が起こる場合があります。

また、粘膜が傷つくため、口内炎ができやすくなる傾向があります。

デメリット⑤ 虫歯・歯周病になりやすくなる

医師女性
噛み合わせが深いと歯に過剰な負担がかかるため、歯に細かい亀裂が生じることがあります。
その亀裂から細菌が入り込むと、虫歯ができやすくなると考えられています。

また、噛み合わせが深い人が歯周病になると、歯を支える組織に過剰な負担がかかり、歯周病が進行する場合があります。

過蓋咬合を自分で治す方法は?

医師女性
過蓋咬合を自分で治す方法はありません。
気になる場合は歯医者を受診して治療を受けましょう。

悪化を予防する「セルフケア方法」

ご自身で治すことはできませんが、

  • 歯ぎしり、食いしばりを避ける
  • 強く噛みしめないようにする

といった点を心がけると、過蓋咬合の悪化予防につながります。

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歯医者で受ける治療法は?

医師

医師女性

噛み合わせが深い人には、

  1. マルチブラケット矯正
  2. マウスピース型矯正装置

などの治療法で改善を図ります。

その① マルチブラケット矯正

医師女性
ワイヤーの弾力によって、歯を少しずつ移動させる矯正方法です。
歯の表面に「ブラケット」という矯正装置を取り付け、そこにワイヤーを通します。

前歯を歯茎側に移動させ、奥歯を適正な位置に移動することで、嚙み合わせを浅くします。
歯並びの状態によっては、ブラケットを歯の裏側に取り付ける治療法もあります。

部分的な矯正も含め、ほぼすべてのタイプの歯並びの改善に有効と考えられている矯正方法です。

費用は?

医師女性
保健適用対象外の場合、80~120万円以上必要になるケースが多いです。

※基本的には保険適用対象外ですが、先天性の疾患による嚙み合わせ異常(上顎の過成長、下顎が小さい等)の場合は保険が適用されるケースがあります。

治療にかかる期間は?

医師女性
治療期間には個人差がありますが、一般的には2~3年程度かかる場合が多いです。

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その② マウスピース型矯正装置

医師女性
歯並びに合うマウスピースを作成し、装着することで少しずつ歯を動かす方法です。
2週間程度に1回、マウスピースを調整(交換)しながら矯正を続けます。

1日18~20時間の装着が必要ですが、食事のとき、洗浄するとき等、自由に取り外しが可能です。

  • 軽度の歯並び異常の人
  • 目立たない方法で矯正したい人

などに行われるケースが多いです。

費用は?

医師女性
マウスピース型矯正装置は基本的に保険適用外で、10~100万円以上必要になるケースが多いです。

受診する医療機関やマウスピースの種類によって異なるため、事前に確認しましょう。

治療にかかる期間は?

医師女性
治療期間には個人差がありますが、一般的には1~3年程度かかるケースが多いです。

過蓋咬合は、自身に合った矯正方法などで改善できる場合も多くあります。
「歯の噛み合わせが深い」と気になる場合は、一度歯医者で相談してみることをおすすめします。

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※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。

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