気づいたら10年「歯医者にずっと行ってない」ふんぎりがつかない人へ

「歯医者にずっと行ってないけど…大丈夫？」
「特に虫歯などにはなってないから、このまま放置してもよい？」

長期間にわたって歯医者を受診していないと、どんなことが起こるのかを歯医者さんに聞いてみました。

定期検診を受けることで防げる病気や、予約しづらい方に向けた予約の方法も解説していきます。

監修者

歯科医

菊地 由利佳先生

経歴

歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。

歯医者にずっと行ってないのはヤバい？

ごく初期の場合や、かなり進行して歯の神経が死んでしまっている場合は、痛みや違和感が出ないこともあります。

長期間にわたって歯医者を受診していない人は、歯周病・虫歯が進行している可能性があります。
いずれの病気も悪化すると歯を失うことにつながるため、注意が必要です。

「定期検診を受ける人」「受けない人」の将来の違い

上記のように、定期検診を受けているかいないかで、80歳時点の歯の残存本数に大きく違いが出ることがわかっています。

日本の定期検診率はわずか2％と諸外国と比べてかなり低く、80歳の日本人の平均残存歯は平均9本だと報告されています。

それに比べ、80歳時点の残存本数が平均20本の「スウェーデン」では受診率が80％となっていることから、定期検診の重要性がうかがえます。

日本では、入れ歯などの装具が一般的に普及していますが、若いうちから歯を健康に保つ工夫が出来ていれば、そうした装具に頼る必要もありません。

ご自身の歯でしっかりと食べることは健康寿命にも関わるため、定期健診でお口をメンテナンスすることをおすすめします。

久しぶりすぎて…「なんて予約すればいい？」

歯で気になる症状があると伝えたうえで、長らく受診をしてなかったために「受診に不安があること」も正直に伝えましょう。

患者に強い緊張や不安があると治療に差し障る場合もあります。
歯医者側も事前に情報収集が出来ていれば、その場にあわせた対応をしてくれます。

また、いざ受診をして口の中の状態を確認後、緊急性が高くない症状であるとわかれば、まずは現状必要な対応・放置のリスクについて説明をしたうえで、今後の治療方針・治療スケジュールを提案してくれます。

インターネット予約も活用してみよう

歯医者を長期間受診していなくて行きづらいという方は、歯医者のホームページで利用できる「インターネット予約」も便利です。

コロナ禍以降、受診の足が遠のく方が多いですが、事前にホームページからお問い合わせ・インターネット予約ができる歯医者も増えてきました。
まずは問い合わせをして、都合の良い日に予約を取りましょう。

また、歯医者のサイトに「予防歯科での考え」や「治療方針」が掲載されている場合もあります。
病院の雰囲気が気になるときは、参考にしてみるのも良いでしょう。

「通いやすさ」で受診先を選ぶことも大事

定期検診の歯医者を選ぶ際は、職場や通勤ルート上から探すのか、自宅近くで探すのかという「通いやすさ」も大事なテーマになります。

継続して通院するためにも、定期検診のハードルが下がるようにしましょう。

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「虫歯治療の途中」で通院を止めていませんか？

虫歯治療が終わっていないのに歯医者の通院を中断した人は、虫歯の再発・悪化のリスクが高いです。
虫歯の悪化によって、歯の神経が死んでしまうケースもあります。

また、治療が途中であるため、

• 仮の蓋が取れて、歯の中に汚れが溜まりやすい
• 歯の高さが合っていないために、他の歯に負担がかかる
• かぶせ物が取れたり、歯が欠ける

といった問題も起こりやすいです。

お口のトラブルが悪化すると…

虫歯・歯周病を放置して悪化させると、歯を保つことが難しくなってしまいます。

さらに、口腔内で発生した細菌が傷口から血液を介して全身をめぐると、

• 生活習慣病（糖尿病・動脈硬化）
• 心筋梗塞
• 認知症
• 早産・低出生児出産

などを招くと言われています。

病気を予防することは、将来の医療費削減、ご自身の老後負担の軽減にもつながります。
「症状が出てから受診する」のではなく、「症状が出る前に気にかけていく」心がけをすることが、老後の自分や、関わる家族の医療負担も変えていくのです。

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