“歯を削らない治療”は本当にいいことだけ？デメリットを歯科医が解説！

「歯を削らない治療のデメリットは？」
「料金なども気になる…！」

歯を削らない治療のデメリットについて、歯医者さんに聞いてみました。

歯を削らない治療の種類や、それぞれの治療回数、費用なども解説します。

監修者

歯科医

菊地 由利佳先生

経歴

歯は健康に欠かせません。美味しいものを食べる・会話をする・美しい表情を保つ…、健康な歯は人生の質を高めます。歯の正しい知識を知って、より健康な日々を手に入れましょう。

歯を削らない治療とは

歯を削らない治療は、

• 薬剤を塗布する
• レーザーを当てる

などの方法で虫歯部分を溶かしたり、虫歯菌を殺菌したりして改善を図ります。

歯を削らない治療のメリットは、治療の種類によっても異なりますが、

• 治療時の痛みが少ない（麻酔も使用しないことが多い）
• 歯の神経を残して、寿命を縮めない
• 1回で治療できる範囲が広く、治療期間が短くなる

などがあげられます。

“削らない治療”ってどんなのがあるの？

歯を削らない治療の代表例として

1. ドックスベストセメント治療
2. 3Mix法（抗菌薬での治療）
3. カリソルブ
4. ヒールオゾン治療
5. レーザー治療

などの種類があります。

ドックスベストセメント治療

虫歯菌をミネラルによって殺菌して、再石灰化を促す治療法です。
セメントの中に銅イオンを含むことで、持続的な殺菌力を維持します。

3Mix法（抗菌薬での治療）

虫歯菌に侵されている歯の内部（象牙質）を3種類の抗菌剤で殺菌して、再石灰化を促す治療法です。

カリソルブ

歯の内部（象牙質）の虫歯の部分に薬剤を塗布することで、虫歯の部分のみを軟らかく溶かす治療法です。

ヒールオゾン治療

虫歯菌を、オゾンによって殺菌する治療法です。
オゾンは塩素の7倍もの殺菌力を持つといわれています。
ヒールオゾン治療は、虫歯菌や歯周病菌を殺菌できるため、虫歯、歯周病予防にもなります。

レーザー治療

レーザーを用いて、虫歯の部分のみを殺菌除去する方法のことです。

歯を削らない治療のデメリット

歯を削らない治療のデメリットは、

• 保険適用されない（治療費が自費）
• 全ての虫歯に適応できない
• 治療が失敗することもある

などがあげられます。

ドックスベストセメント治療の場合、「変色している虫歯」は、完全に取り除くことができないこともあります。

「保険適用になる？」歯を削らない治療の料金目安

歯を削らない治療は、保険適用にはなりません。

【比較用】歯を削る治療の目安

歯を削る治療の場合、保険適用で2,000〜7,000円程度かかります。
※被せ物をする場合は、追加で費用がかかります。

結局、どう判断すれば？

「削らない治療を選択すべきか」を、ご自身で判断するのは難しいと思います。
まずは、歯医者で一度相談しましょう。

歯の状態を見てもらい、適した治療法をメリット・デメリット含めて説明してもらうと良いでしょう。

歯医者を探す

「どれくらい通う？」歯を削らない治療の流れ

治療回数は、治療法によっても異なりますが、1～3回程度になります。

治療の流れとしては、

1. 虫歯の状態を確認
2. 要望を確認しつつ、治療方法を決める
3. 治療
4. メンテナンス

となります

【比較用】歯を削る治療の治療回数

歯を削る治療の場合、歯の状態にもよりますが、1〜6回程度の治療が必要です。

治療法を迷っている場合は、ご自身の虫歯治療への希望などを、一度歯医者さんに相談してみるのがおすすめです。